Quantcast
Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
Viewing all 5005 articles
Browse latest View live

決戦は金曜日

$
0
0
今日は、良い知らせと悪い知らせがあります。

まずは、悪い知らせのほうから。
『芸術新潮』 2015年5月号より、足掛け3年にわたった連載 「マンガ展評 ちくちく美術部」 が・・・

げいしん
ちくちく


2018年3月号をもって、最終回を迎えます!!

1年で終わる予定でしが、気づけば、また1年、
さらに1年と、結果的に3年間も連載を続けさせて頂いたのは、本当に奇跡のようなこと。
テレビっ子の自分としては、青春を捧げたバラエティ番組である 『みなさんのおかげでした』 と、
『めちゃイケ』 の最終回と同じタイミングで、最終回を迎えられるのも、感慨深いものがあります。

ちなみに、どうしても一つだけ言っておきたいことが。
先々々月の 「マンガ展評 ちくちく美術部」 は、
特集号であったため、担当の副編集長が忙しかったという理由でお休み。
先月号は、副編集長が風邪を引いたという理由でお休みでした。
休載→復活→休載→最終回というグダグダっとした流れですが、
決して、僕やいのっちさんが何かの不祥事を起こして、打ち切りとなったわけではありません。
晴れて、部活を卒業する形です。
涙なしには読めない (?) 最終回、どうぞお楽しみに。


ではでは、良い知らせのほうを。
最終回の翌月に発売される2018年4月号にて、

10ページの特集企画が組まれます!!

それは、最終回の打ち上げの席でのこと。
アートテラーとして今年10周年を迎えるにあたり、
この5月に実行しようとしていた 『水曜日のアートテラー』 の企画を副編集長に話したところ・・・

「それ、うちの特集ページでやろう!」

と、まさかの提案。
あれよあれよと、編集会議も通ったそうで、
本当に 『芸術新潮』 の紙面を使って、検証される運びとなりました。

その説が、こちら↓




今から遡ること、10年前。
まだブログは始めておらず、mixiの日記で情報を発信していた時代に、
「人は一日で、いくつの美術展をハシゴすることができるのか?」 を検証したことがありました。

ルールは、2つ。
・1館につき、滞在時間は30分
(多くの美術館が閉館時間の30分前に入館を締め切っている。つまり、30分が必要最低美術鑑賞時間と考えられる)
・移動は公共の交通機関を利用しなければならない
(自家用車やタクシー、自転車での移動はNG)

そのチャレンジの際に生まれた記録が、18館
おそらく、ギネス記録です (笑)
(その模様は、当時のmixi日記で読めます→50回記念特別企画 “とに~のめっちゃ美術展へ行こう!”スペシャル

さて、あれから10年。
東京に限って言えば、誰よりも美術館情報に精通しているという自信があります。
さらに、国宝ハンターなどの数々の過酷な企画を経て、体力や精神力にも自信があります。
10年経って成長した今の自分ならば、
19館という新記録が達成できるというのが、今回の説の趣旨でした。

入念にタイムスケジュールを組んだ結果、
5月のとある金曜に開催すれば、少し余裕をもって19館は巡れるはずだったのですが。
入稿などもろもろの関係で、ロケ日は明日2月16日に決まりました。
実は、この日は、理想の行程で要となる国立西洋美術館、上野の森美術館、根津美術館、
東京芸術大学大学美術館、東京ステーションギャラリー、21_21 DESIGN SIGHTがのきなみ休館日。
もっとも難易度が高い日なのです。
再検討した結果、一か所余分にエリアを巡らなければならないことになりました。
そのため、電車移動が増える→移動に裂ける時間が削られる→移動はすべてダッシュということに。

「詳細は2018年4月号にて」 ということで、
タイムスケジュールはここでは発表できませんが。
超過密なハードスケジュールとなっています。
もっとも難関なのは、とある美術館から、とある美術館への移動。
直線距離にして1.6㎞の道のりを、13分で走破しなくてはなりません。
それ以外の移動も、1分でも遅れたら、19館という記録の達成は不可能。
企画としては、その時点で終了です。
アートテラー人生でもっとも過酷なチャレンジにして、
もっとも失敗できない一世一代の大勝負といえるでしょう。

ちなみに。
副編集長的には、最後の最後まで、
「1館巡るたびに、図録が1冊増えると面白い!」 と、図録ルールなるものを採用するつもりでいました。
シミュレートで図録7冊を背負って、走ってみましたが、3分が限界。。。
なんとか、そのルールを撤廃して頂きました。
いや、18冊の図録を持って移動しろって、どんだけ鬼なんだ。




1位を目指して、ランキングに挑戦中!
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!

Blogランキングへ  にほんブログ村 美術ブログへ

至上の印象派展 ビュールレ・コレクション

$
0
0
国立新美術館で開催中の “至上の印象派展 ビュールレ・コレクション” に行ってきました。


(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)


こちらは、スイスの大実業家にして、世界的な美術コレクター、
エミール・ゲオルク・ビュールレ (1890~1956) の約600点のコレクションの中から、
日本初公開となる作品を半数以上含む、選りすぐりの64点を紹介する展覧会です。




展覧会の見どころは何と言っても、ルノワールの 《イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢(可愛いイレーヌ)》


ピエール=オーギュスト・ルノワール 《イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢(可愛いイレーヌ)》
1880年 E.G.ビュールレ・コレクション財団、チューリヒ(スイス)
©Foundation E.G. Bührle Collection, Zurich (Switzerland) Photo: SIK-ISEA, Zurich (J.-P. Kuhn)



絵画史上、最も有名な少女像ともいわれる一枚です。
数年前に、秋葉原に行って、アキバ系と思しき100人に、
「ルノワールのどの絵が一番萌えるのか?」 をアンケートをしたことがあるのですが。
《団扇を持つ若い女》《ジュリー・マネの肖像》 といった並みいる強豪を差し置いて、
見事46票という圧倒的強さで第1位を獲得したのが、イレーヌを描いたこの作品だったのでした。
少女を描いた絵画は、世の中に星の数ほどありましょうが。
タイトルに、「可愛い」 というキラーワードが入るのは、おそらくこの絵画くらいなもの。
とは言え、タイトル負け (?) は決してしておらず、ちゃんと可愛かったです。
『1000年に1人の逸材』 として話題となった橋本環奈の 「奇跡の一枚」 に似ている気がしました。


また、展覧会のもう一つの見どころが、モネ晩年の大作 《睡蓮の池、緑の反映》 です。


クロード・モネ 《睡蓮の池、緑の反映》 1920/26年 E.G.ビュールレ・コレクション財団、チューリヒ(スイス)
©Foundation E.G. Bührle Collection, Zurich (Switzerland) Photo: SIK-ISEA, Zurich (J.-P. Kuhn)



こちらは、日本初公開。
というよりも、スイス国外で初公開という超貴重な作品です。
横幅は、何と4メートル越え。
あまりの巨大パノラマゆえ、絵画を観ているというよりも、
もはや広大な池そのものを眺めているかのような印象を受けました。
心なしか、水面が揺れていたような。
ちなみに、この作品に関しては、写真撮影が可能とのこと!
インスタ映えすること請け合いです。




「いくつあんだよ!」 と、そろそろツッコまれそうですが、
さらに、展覧会の見どころと言えるのが、セザンヌの最高傑作とも称される 《赤いチョッキの少年》 です。


ポール・セザンヌ 《赤いチョッキの少年》 1888/90年 E.G.ビュールレ・コレクション財団、チューリヒ(スイス)
©Foundation E.G. Bührle Collection, Zurich (Switzerland) Photo: SIK-ISEA, Zurich (J.-P. Kuhn)



特徴的なのは、何と言っても、その長すぎる二の腕。
その愁いを帯びた表情は、「あー、腕、長い。」 と落ち込んでるようにも見えます。
ちょうどいい感じの袖の長さの服になかなか出会えない。
そんな理由で悩んでいるのかもしれません。
あ、だから、チョッキを着ているのか。
さてさて、こちらの 《赤いチョッキの少年》 は、2008年に盗難に遭い、2012年に発見されたという経緯を持つ絵画。
ちなみに、《赤いチョッキの少年》 が盗まれた際には、
同じ犯人によって、ファン・ゴッホやドガ、モネの作品も盗難の被害に遭っています。
今回の展覧会には、そんな受難の4点すべてが来日。
見つかって良かった、来てくれた良かった。
2つの意味で有難かったです。


言えば言うほど、有難みが薄れる気はしますが。
展覧会の見どころは、他にも多々あります。
例えば、展覧会のタイトルこそ “至上の印象派展” ですが、
ドラクロワや19世紀絵画や、ピカソやロートレックら20世紀絵画の名品も充実しています。




ビュールレ・コレクションの中でも特に充実しているゴッホの作品群が一室まるまる展示されています。





他にも・・・って、挙げればキリがないので、これくらいにしておきますが。
何より嬉しかったのは、それら珠玉の名品の数々をゆったりとしたスペースで鑑賞できたこと。




作品そのものも素晴らしい。
鑑賞の環境も素晴らしい。
ノーストレス展覧会でした。

ここ最近、意外とご無沙汰だった “王道の美術展” を観たなァというのが、素直な感想。
「そうそう、美術展って、こういうのだよ!」
「こんな美術展を待っていたんだよ!」
と、快哉を叫びたくなりました。
星星星
まさに、至上!




1位を目指して、ランキングに挑戦中!
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!

Blogランキングへ  にほんブログ村 美術ブログへ

第21回岡本太郎現代芸術賞

$
0
0
岡本太郎の遺志を継ぎ、「時代を創造する者は誰か」 を問うための賞。
それが、岡本太郎現代芸術賞。通称TARO賞。
その第21回目の入選作品が、現在、川崎市岡本太郎美術館に一堂に会しています。




今年の応募総数は、前回の499作品を大きく超えて、558点。
そのうちの26名 (組) の作品が、入選を果たしています。
史上稀にみるハイレベルな戦いだったというだけあって、
展覧会場は、これまでになく 「ベラボーな」 ことになっていました。





ナチュラルに、「何だ、これは!」 が口を衝いて出ます。
星


アルミの空き缶15000個を溶かして梵鐘を鋳造した市川ヂュンさんの 《白い鐘》 や、




実の母親の自死というショッキングな出来事から、
1986年に飛び降り自殺したアイドルOの事件をモチーフにした弓指寛治さんの 《Oの慰霊》 など、




見事、入賞した5作品はどれも、作り込まれたものばかりでした。
「ここまで作り込んでるのか!」 と驚き、感心する反面、
「ここまで作り込まないと入賞できないのか?」 と首を傾げたくなる部分もありました。
岡本太郎のような有無を言わせぬパワーがある作家を選ぶというよりは、
なんとなく、作り込み勝負のコンテストになってしまっていたような印象。
過渡期の仮装大賞を見ているかのようでした。
“いや、それ、スゴイけど、仮装じゃないじゃん” みたいな。


僕個人としては、笹田晋平さんの 「シャカ涅槃会」 ならぬ 《シャケ涅槃会》 や、




キーボードやマウスを使ってボルダリングの壁を制作した細沼凌史さんの 《キー・ボルドウォール》 が、





頑張った感の押しつけがましさがなく、
かつ、バカバカしさが突き抜けていて、好ましかったです。

また、入賞作では、特別賞を受賞した冨安由真さんの 《In-between》 という作品が印象的でした。




一見すると、何の変哲もない扉。
その扉の先には、やはり何の変哲もない部屋がありました。




「???」

しばらく戸惑っていると、急に室内に鳴り響く音。

「!!!」

その後も、ちょくちょく室内でポルターガイスト現象が起こります。
これ、リアルで怖いヤツ (汗)
『アメトーーク!』 の 「ビビリ-1グランプリ」 状態に陥ります。
しばらくポルターガイスト現象を経験していて気が付いたのですが。
驚かす仕掛け (アクション) を喰らったときよりも、
次のアクションを待っている間、つまり、“In-between” の時間のが怖かったです。
それって、よくよく考えると、不思議なこと。
漫才で言うと、実際にボケが飛び出したときよりも、
ボケとボケの間の無音のときが、一番ウケているようなものです。
恐怖と笑いの違いを考えるうえで、大変興味深い作品でした。


ちなみに、栄えある岡本太郎賞を受賞したのは、
こちらの 《芸術はロックンロールだ》 という作品。





作者は、さいあくななちゃんさん。
(↑アグネス・チャンさん、さかなクンさん的な感じになってます)
かつて、「絵、さいあく」 とののしられたことがあり、
それを逆手にとって、自らさいあくななちゃんと名乗っているのだそうです。
制作のエネルギー源は、「さいあく」 と言われた時のナニクソ精神。
そのモチベーションが、このパワフルな作品を生んでいるのですね。
そして、岡本太郎賞の受賞に繋がったのですね。
おめでとうございます!
ただ、今回、受賞したことで、「さいこう」 の気分になり、
今後、何をエネルギー源に彼女が作品を制作していくのか、非常に気になるところです。
さいあくななちゃんさんに、これからの 「さいこう」 の作品を生み出してもらうためにも、
“テッテレー!実は、岡本太郎賞の受賞はドッキリでしたー(笑)” という展開はどうでしょう??




1位を目指して、ランキングに挑戦中!
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!

Blogランキングへ  にほんブログ村 美術ブログへ

FINAL FANTASY 30th ANNIVERSARY EXHIBITION

$
0
0

『ドラゴンクエスト』 シリーズと人気を二分し、
全世界で累計1億3500万本以上 (!) の出荷、ダウンロード販売を誇る日本を代表するRPGゲーム。
それが、『FINAL FANTASY』 シリーズ。略して、FF。




1987年12月に第一作が発表され、今年でめでたく30周年を迎えました。
それを記念して、現在、森アーツセンターギャラリーでは、
“FINAL FANTASY 30th ANNIVERSARY EXHIBITION -別れの物語-” が開催されています。




展覧会のテーマは、ズバリ 「別れ」。
これまでシリーズの中で数々の 「別れ」 が描かれてきましたが。
そんな 「別れ」 の物語に焦点を当てたセンチメンタルで、ドラマチックな展覧会です。


さてさて、こちらの展覧会。
入館料は、なんと2500ギル (正確には、2500円) もしました。
まぁまぁ躊躇する金額の入館料に、

┏━ とに~  ━━━━┓
┃ たたかう        ┃
┃ ぼうぎょ         ┃
┃▶にげる          ┃ 
┃ アイテム         ┃
┗━━━━━━━━━┛


を選びかけましたが。
せっかく来たのだからと、入館しました。

結論としては、大満足!

徹底的に世界観が作り込まれており、その世界観に思わず没頭させられました。
ずっとこの会場にいたい。
展覧会場との “別れ” が、あんなにも辛かったのは初めてかもしれません。
FFシリーズに全く興味がない人には、そこまでススメられないですが、
FFシリーズのうち1作でもプレイしたことがある方には、激しくオススメの展覧会。
星


さてさて、まず何と言っても印象的だったのは、
今回の展覧会のために新しく開発されたという音声ARシステム。
会場に入る前に、来場者全員には、スマホが一機支給されます。




それを片手に会場を巡ると、展示物の前に立つごとに、装着したヘッドフォンから、
それぞれとシンクロしたBGMやキャラクターボイスが自動的に聞こえてくるのです!
なんという画期的なシステム!!

ちなみに。
ゲームにあまり興味がなかった僕が唯一ハマったRPGが、
何を隠そう、シリーズ5作目の 『ファイナルファンタジーV』 です。
この懐かしすぎるゲーム画面の前に立った瞬間、




懐かしすぎるBGMがヘッドフォンから流れてきました。




胸熱!
感無量!!
『FFV』 がどうしても欲しくて、母のアルバイトを手伝ったこと。
『FFV』 をやりたいがために、学校をズル休みしたこと。
小学校4年生の時の記憶が雪崩のように押し寄せてきました。
大切なゲームの記憶って、20年以上経っても色褪せないものなのですね。


また、FF作品でおなじみの幻獣バハムートと闘うコーナーや、
『FFXV』 の本編でラストシーンとして映し出された “幻の結婚式” を再現したコーナーなど、





画期的な最新システムを駆使した体験型のコーナーも数多く用意されていました。
さすが、常に進化を続ける 『FINAL FANTASY』 シリーズの展覧会といった印象です。


個人的に、一番感動的だったのは、
『FFⅩ』 のティーダとユウナの別れをテーマにしたインスタレーション作品。




『FFⅩ』 はまったくプレイしたことないのですが、ウルっときました。
プレイしたことがある人なら、感涙必至です。


ちなみに、グラフィックの美しさに定評のある 『FINAL FANTASY』 シリーズですが、




記念すべき第一作は、そうでもなかったです。
いや、むしろ、ロゴがちょっとダサいくらいでした (笑)




これからも、『FINAL』 と銘打ちながらも、
シリーズがさらなる進化を続けていくことを願っております。




1位を目指して、ランキングに挑戦中!
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!

Blogランキングへ  にほんブログ村 美術ブログへ

アート物件あります

$
0
0

ルネサンス上板橋に、ルネサンス代々木85に、
ルネサンスコート鷺ノ宮に、ルネッサンスタワー上野池之端に、ルネサンス成城レジデンスに…etc




街を歩いていると、思いの他にルネサンス物件と出会います。
ルネサンスとは、調和の美。
しかし、中には、調和とは程遠い不思議な間取りのルネサンス物件もありました↓
ルネサンス 2階/東京都北区豊島4丁目の賃貸物件詳細


ルネサンスがあるならば、バロックやロココの名が付いた物件もあるのではないか?
調べてみると、横浜市にバロック神が、
広島市にRococoマンションが、それぞれ存在していました。
どの辺がどうバロックで、どうロココなのかは、
賃貸サイトの情報だけでは、イマイチわかりませんが。
何はともあれ、美術用語を冠した物件、つまりアート物件は世の中に溢れているようです。

今回は、その中から選りすぐりの8件をご紹介。
入居者募集中の物件もありますので、気になった方は住んでみてはいかがでしょうか?
住所に、アートなワードを入れられるチャンスですよ。
ちなみに、情報は、2018年2月19日現在のものです。


アート物件01 ダダ クラシック (熊本県)

20世紀初頭に起こった芸術運動ダダイスム。略して、ダダ。
既成の秩序や常識に対する否定や破壊といった思想が、その大きな特徴なのですが。
完成予想図を見る限り、ちゃんと秩序のある建物です。
いや、きっとダダと名乗るくらいなので、こんな風には完成しないことでしょう。
最寄駅から徒歩74分というのも、ダダっぽい。


アート物件02 アールヌーヴォー・スミックス (大阪府)

「アールヌーヴォーって何かね?」 と呟かずにはいられない。
アールヌーヴォー感0の物件です。
強いて言うなら、自転車置き場と駐車場一台分の雨よけが曲線的で植物を思わせます。
・・・って、自分で言ってて、無理があるわ!
アールヌーヴォーも気になりますが、そのあとのスミックスというワードも気になります。


アート物件03 アンフォルメル (茨城県)

第二次大戦後のパリで起こった前衛的絵画運動。
それが、アンフォルメル。直訳すると、非定形。
グワァ~っとしてたり、ビャァ~っとしてたり。
破壊的で暴力的で混沌とした激しく抽象的な画面が特徴です。
茨城の日立市にあるアンフォルメルは、外観も内観も大人しいものですね。
もし、片づけられない女が住んだなら、室内がアンフォルメルになるのかも。


アート物件04 ルーブル菊水 (北海道)

広島県のグッゲンハイムや江戸川区のMOMAなど、
世界の有名美術館の名前を冠した物件も多々ありました。
その中でダントツで使われているのが、ルーブル (美術館) 。
美の殿堂を名乗るだけあって、ほとんどのルーブル物件が高級マンションでしたが。
北海道のルーブルは、4階建。
ルーブルに怒られないか心配です。


アート物件05 フェニックス・エルミタージュ (東京都大田区)

ルーブルに次いで物件の名前に使われがちだった美術館は、ロシアの美の殿堂・エルミタージュ。
その中でも特に強烈なインパクトがあったのが、
大田区にあるというフェニックス・エルミタージュでした。
どういう組み合わせなん?
中2病感がすごい。


アート物件06 フェルメールヒルズ (佐賀県)

豊島区のシャガールに、広島県のヴァン・ゴッホBに、
美術界の巨匠たちの名前も、遠慮なく物件名に使われています。
やはり日本人に特に人気の高いからでしょう、
フェルメールの名が付いた物件は、数多く存在していました。
その中で見過ごすことが出来なかったのが、佐賀県のフェルメールヒルズ。
まさか、フェルメール自身も、
遠い日本の地で自分の名前と 「ヒルズ」 が合体させられるとは夢にも思っていなかったはず。
ちなみに、フェルメールの絵には窓がよく描かれていますが、北向きだったという説が濃厚です。
フェルメールヒルズの窓は、南向き。


アート物件07 サルバドールダリ (京都府)

まさかのフルネームのパターン!
外観にもパレットがあしらわれており、
これまで紹介したどのアート物件よりも、ちゃんとアートを意識しています。
パレットをよくよく見てみると、
「サルバドール」 はアルファベットなのに、「ダリ」 はカタカナ表記。
シュールです。


アート物件08 ガウディ (静岡市)

「俺、ガウディに住んでるんだよね」
「えっ、マジで?!カサ・ミラとか、グエル邸みたいな感じ?今度行っていい?」
「いいよ。いつでもおいでよ!」
で、後日。
「・・・・・・・・・どこが、ガウディ?」
となることは必至です。
何がどうしてガウディと名乗る気になったのか。



まだまだ奥が深いアート物件の世界。
こうしている間にも、新たなアート物件が生まれているかもしれません。
あなたの住む町にも、きっとアート物件はあるはず。
見つけた際には、もしくは住んだ際には、是非ご一報くださいませ。




1位を目指して、ランキングに挑戦中!
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!

Blogランキングへ  にほんブログ村 美術ブログへ

みんなのうたの世界展

$
0
0

現在、杉並アニメーションミュージアムでは、
“みんなのうたの世界展” という展覧会が開催されています。




1961年に番組がスタートして以来、
55年以上にわたって、ほぼ毎日NHKで放送され続けている 『みんなのうた』。
これまでに番組で生まれた楽曲は、実に1350曲以上。
その中から選りすぐりの名曲の数々を、
貴重な資料と、名作のアニメーションとともに紹介する展覧会です。

子どものころに、どれだけ 『みんなのうた』 を観たことでしょうか。
どれだけ 『みんなのうた』 を歌を聴き、歌ってきたことでしょうか。

絶対、懐かしい気持ちになれるに決まっています!

そんな逸る気持ちを抑えつつ、会場へ。
まず目に飛び込んできたのは・・・




“世界のサカモト” 坂本龍一さんが編曲を手掛けた名曲中の名曲 「コンピューターおばあちゃん」 。



のっけから、懐かしー!!

しかも。
パネルの裏に回ると・・・




おばあちゃんが宇宙船を運転するあの名シーンが再現されているではないですか!
あまりにも懐かしすぎて、
「ウォーウ ウォーウ ウォーウウォウウォウォ ウォー」 と雄たけびを上げたくなりました。


その他にも、トラウマソングと名高い 「まっくら森の歌」 の原画や、





2007年に謎の大流行をした 「おしりかじり虫」 のグッズなど、





会場には、懐かしい展示品がいっぱい。
誰しもが童心に返れる展覧会です。
星


さてさて、今回紹介されていた楽曲の中で、
個人的にもっとも懐かしかったのは、大貫妙子さんの 「メトロポリタン美術館」 。
「絵の中にとじこめられた」 というバッドエンドで、
全国の子供を恐怖のどん底に突き落とした 『みんなのうた』 屈指のトラウマソングです。
僕も子どものころに、この曲のせいで美術館は怖いという印象を植え付けられた一人。
美術館になかなか足を向かない日本人は少なくないですが。
その原因の何%かは、マジでこの曲にあるのではないかと思っています。

そんな 「メトロポリタン美術館」 の映像で実際に使われていた人形が、会場で展示されていました。





改めて観てみても、やっぱりなんか怖いです (笑)
そうそう、この飛んでくる白いヤツが特に怖かったんだよなぁ。




あと、改めて思ったのですが、館内でスクーターは絶対ダメですよ。




「メトロポリタン美術館」 もそうですが、
ただ懐かしいだけでなく、大人になってから改めて観ることで、新しい発見もありました。
例えば、「山口さんちのツトムくん」。





子ども時代に聴いていた時は、特に何とも感じていなかったですが。
改めて、歌詞を聴いてみると、
ツトムくんの鈍感さ、女心のわかっていなさに、「おいおい」 とツッコみたくなりました。
最終的にイチゴでなんとかなったから、いいけれど。




考え方が子供なツトムくんとは対照的に、
女の子のほうは、異性を意識した (?) ポーズをちょくちょく取っていたのが印象的でした。
意外と、魔性の女です。


ちなみに。





年表を眺めていて、特に懐かしさを感じたのが、谷山浩子さんの 「しっぽのきもち」 です。
帰宅後、早速、youtubeで動画を見つけて視聴してみました。




「まっくら森の歌」 とは違って、明るくポップな曲調なのですが。
ラストシーンは、なかなかゾッとするものがありました。
さすが、谷山浩子さん。


ついでに。
今回の展覧会では紹介されていませんでしたが、
個人的に一番印象深い 『みんなのうた』 の一曲をご紹介いたしましょう。
ペギー葉山さんの 「算数チャチャチャ」 です。




算数のレベルではない難問を、
チャチャチャと解いてしまうペギー葉山さんに脱帽せざるをえません。




1位を目指して、ランキングに挑戦中!
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!

Blogランキングへ  にほんブログ村 美術ブログへ

サヴィニャック パリにかけたポスターの魔法

$
0
0
現在、練馬区立美術館で開催されているのは、
“サヴィニャック パリにかけたポスターの魔法” という展覧会。


(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)


こちらは、フランスを代表するポスター作家レイモン・サヴィニャックに焦点を当てた展覧会で、
サヴィニャックのポスター作品はもちろんのこと、その原画やスケッチも数多く展示されています。

「サヴィニャック?それ、うめぇのか?」

という人も少なくないでしょうが。





彼が手掛けたポスターは、カフェやレストラン、オシャレな雑貨屋さん、
または、マダムのファッション店などで、きっと一度は目にしたことがあるはず。
意外と、サヴィニャックの作品は、日本の街中に溢れているものです。

ちなみに、今回のサヴィニャック展では、まぁまぁ見かける作品だけでなく、
日本の街中ではまず見かけることはない3~4m級の大型作品も多数出展されています。





これだけ巨大なポスターを展示すると、壁の余白はほとんどなし!
その前に立つと、ここが美術館であることを忘れてしまうほどでした。
まるで、パリの屋外にいるかのような気分になります。
・・・・・・・いや、パリには、行ったことないですが。


さてさて、サヴィニャックの魅力は何と言っても、その独特のユーモアセンスです。
例えば、こちらは、彼の出世作にして代表作。
一体、何のポスターでしょう?




牛肉?牛乳?それとも、バター??
牛よりも、こちらが首を傾げたくなります。
正解は、『牛乳石鹸モンサヴォン』。
石鹸が牛乳から出来ているということをアピールしたポスターです。
「この石鹸は、泡立ちがいいんですよ!」 でもなく、
「この石鹸を使えば、こんなに綺麗に!」 でもなく、
「この石鹸は、こんなにも肌に優しい!」 でもなく。
ただただ牛乳製であることだけが強調されています。
何ともユニークでシンプルな広告です。


ウシ繋がりで、もう一問。
こちらは、一体、何のポスターでしょう?




正解は、『マギー・ポトフ・ブイヨン』 です。
自分の体で取ったブイヨンの美味しそうな匂いに恍惚とした表情を浮かべるウシ。
かなりブラックジョークが効いていますが、
サヴィニャック独特ののほほんとしたタッチのおかげで、むしろ微笑ましさすら感じました。


そんなサヴィニャックは、世界の一流企業から引っ張りだこ。
ボールペンでお馴染みのBICや、




世界で初めて空気入りタイヤを発売したダンロップをはじめ、




世界的に有名なメーカーのポスターを数多く手掛けていますが、
実は、サントリーや森永といった日本の企業のポスターも手掛けていたようです。





ちなみに、今回の展覧会は、正式には、
「練馬区独立70周年記念展」 として開催されています。
“練馬区とサヴィニャックって何が関係あるんだろう??” と、密かに謎に思ってたのですが。
展覧会場で、その答えが判明しました。




なるほど!
練馬区なのにとしまえんのポスターを、
サヴィニャックが手掛けていたことがあったのですね。


森永チョコレートやとしまえんは、さておいて。
基本的に書かれているのは、フランス語。
にもかかわらず、日本人の僕でも、
なんとなく言わんとすることがわかる上に、
なんとなくその商品が欲しくなってしまいました。
ポスター作家サヴィニャックの非凡な才能を実感させられる展覧会です。
星星





会期は、4月15日まで。
気になった方は、是非、練馬区立美術館へm9( ̄ー ̄)ビシッ!




1位を目指して、ランキングに挑戦中!
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!

Blogランキングへ  にほんブログ村 美術ブログへ

香合百花繚乱

$
0
0

根津美術館で開催中の展覧会、“香合百花繚乱” に行ってきました。


(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)


こちらは、手のひらサイズというその愛らしさから、
茶の湯の道具のなかでも特に人気の高い香合に焦点を当てた展覧会で、
根津美術館が所蔵するものを中心に約170点の香合が紹介されています。




香合とは、その名の通り、香を収納する蓋付きの容器のこと。
今回の展覧会では、参考として香の数々も紹介されていました。




さてさて、一口に、香合といっても、その素材や形状はさまざま。
やきもののシブい香合もあれば、




蒔絵のゴージャスな香合もあります。




また、日本製だけでなく中国製、つまり唐物の香合もあります。




これだけバリエーションがあると、コレクター魂が疼くというもの。
事実、江戸時代 (1885年) には、「形物香合番付表」 なるものが出版されていたようで、
当時のコレクターの垂涎の的だった200種以上の香合が順位付けされ、楽しまれていたようです。




ところで、上のパネルのなかで赤文字になっているのは、
今回の展覧会で出展されている根津美術館所蔵の香合とのこと。
根津美術館が、これほどまでに人気香合を多くコレクションしていたとは!
そして、今回、惜しげもなく公開しているとは。
香合好き、茶道具好きには、たまらない展覧会です。
星


ちなみに、番付で最高位の大関クラスの香合が、こちらの 《交趾大亀香合》 です。


《交趾大亀香合》 漳州窯 施釉陶器 中国・明時代 17世紀 根津美術館蔵


サイズ感やフォルムも可愛かったですが、
それ以上に可愛かったのが、その口元でした。




「ミッ●ィー?!」

あっちはウサギで、こっちはカメ。
バッテンの口というキャラ設定に辿り着いたのは、カメのほうが早かったようです。


その他に、今回出展されていた中で印象的だった香合は、
やはり一度耳にしたら忘れないネーミングの 《色絵ぶりぶり香合》 でしょうか。


野々村仁清 《色絵ぶりぶり香合》 施釉陶器 日本・桃山時代 16世紀 根津美術館蔵


ぶりぶりざえもん的なものを想像していたのですが、案の定、違いました (笑)
平安時代から江戸時代くらいまで、
木製の毬を相手陣に打ち込む、今でいうホッケーのような遊びがあったそうです。
その毬を打つための木製の杖のことをぶりぶり、
または、振々毬杖 (ぶりぶりぎっちょう) と呼んでいたのだとか。
正しい意味を知った途端、面白みが半減してしまいました (笑)


個人的に一番印象に残っているのは、こちらの 《染付象型香合》 です。




鼻が長いということ以外、象感なし。
ポーズもなんだし、目つきもなんだし。
全身の模様は、気持ち悪いし。
でも、なぜか不思議な魅力はあります。
どことなく、さくらももこを彷彿とさせるものがありました。




1位を目指して、ランキングに挑戦中!
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!

Blogランキングへ  にほんブログ村 美術ブログへ


ブリューゲルの《鳥罠》で、本当に鳥は捕まえられるの?

$
0
0

スズメにサギにニワトリに。
美術の世界には、実にたくさんの鳥が登場します。
それら鳥にまつわるアート作品に関して抱いている疑問を、
これまでに何度もトークショーでタッグを組んだ鳥博士・高橋雅雄君に解決してもらおうという企画。
それが、「高橋君に聞いてみないとネ」

高橋君   


<プロフィール>
高橋雅雄 
1982年青森県八戸市生まれ。
小学4年生から野鳥の追っかけを始める。
金沢大学理学部、立教大学理学研究科博士課程を経て、
青森県仏沼のオオセッカの繁殖生態の研究を行っている。
2013年3月に博士課程を修了し、博士号 (理学) を取得。
2013年9月より、新潟大学朱鷺・自然再生学研究センターの特任助手として佐渡島に赴任。
トキの野生復帰の研究-プロジェクトに参加。
2015年4月より弘前大学農学生命理学部の研究員となり、
渡り鳥に対する風力発電の影響評価に関する研究プロジェクトに参加。

大学1年より美術館に通い始める。
2009年1月に開催されたアートテラー・とに~氏主催の記念すべき第1回アートツアー@渋谷に参加。
その縁により、とに~氏と 「鳥とアート」 をテーマにしたトークショーを不定期に開催。

未婚。



まずは、現在、東京都美術館で絶賛開催中の展覧会、
“ブリューゲル展 画家一族 150年の系譜” に関する疑問から。






Q ブリューゲル一族が好んで描いた 《鳥罠》 に登場する鳥罠。
  あんなので本当に鳥は捕まえられるの?


~高橋君による見解~

「試したことはありませんが、昔ながらの一般的な捕獲方法なので、たぶん捕まえられるでしょう。
 春夏は、鳥は餌にあまり困っていないので難しいですが、
 秋は巣立ったばかりで餌採りが下手な若鳥が餌に惹かれて罠に寄って行くでしょうし、
 冬は鳥全体が餌に飢えているので、賢いはずの親鳥でも危険を承知で罠に近づくはずです。
 すると、一部の不運な鳥は、この罠にハマってしまうことでしょう。」


さらに、ブリューゲル展から、もう一つの疑問。




Q アブラハム・ブリューゲルが描いた 《果物と東洋風の鳥》
 東洋風って、ざっくりすぎない?


~高橋君による見解~

「この鳥はインコの仲間ですが、
 羽色などの特徴が完全に一致する種類を見つけることができませんでした。
 少し違うのですが、オオサマスミインコ (東南アジアのニューギニア島に生息) と、




 ヨウム (アフリカ中部に生息) は似た種類と推測できます。

 

 
 インコの仲間は、かつて大陸が2つに集約していたころの一方 (ゴンドアナ大陸) に生息していました。
 現在でも、それが分裂してできた大陸や島、
 つまり、アフリカ大陸、南アメリカ大陸、オーストラリア大陸、ニューギニア島、
 ニュージーランド、インド亜大陸などだけに生息しています。
 ヨーロッパから見ると、どれも遠い異国なので、
 インコの仲間=東洋のイメージだったんじゃないかと考えられます。」


続いては、今年3月17日より、
いよいよ内部の一般公開が始まるあのアート作品に関する疑問です。




Q 岡本太郎曰く、《太陽の塔》 のモデルはカラスらしいけど、
 どの辺がカラスっぽいの?


~高橋君による見解~

「うーん、カラスの要素は全く感じないけれど・・・。
 ただし、西洋でも東洋でもカラスと太陽が結び付けられた神話は多くあるので、
 もしかしたら、それを意識しているのかもしれません。」


ここからは、ブログの読者さんから寄せられた鳥にまつわるアート作品の疑問です。



U.Aさんからの疑問
Q 富士屋ホテルの柱の彫刻でも有名な尾長鳥。
 そもそも、尾長鳥って、どうしてあんなに尾が長いの?


~高橋君による見解~

「この彫刻の鳥は、土佐の地鶏であるオナガドリ (日本のニワトリの1品種) です。

 


 生き物は、遺伝子の変化で体や行動が親子間で異なってしまう場合が時々あります。
 (↑これを、突然変異と言います)
 野生生物では、生存や繁殖に有利な突然変異は次世代に受け継がれ、不利な突然変異は断絶します。
 (↑これを、自然淘汰と言います)。
 それが積み重なることで、新しい種が生まれます。
 一方で、家畜や家禽は、突然変異は起こりますが、通常の自然淘汰は起きません。
 その代わりに、飼っている人間が、人間の都合で残すべき突然変異を選ぶことができます。
 (↑これを、人為淘汰と言います)。
 それが積み重なることで、新しい品種が生まれます。
 (↑これを、品種改良と言います)。
 オナガドリの場合、少し長い尾を持った突然変異のニワトリの誕生がきっかけだったのでしょう。
 それを飼っていた土佐の人々が人為選択して、
 世代を経るごとに尾がより長いニワトリを選抜していった結果、
 最終的には “尾が伸び続ける” 性質を持ったオナガドリという品種が確立したと考えられます。」




E.Iさんからの疑問
Q よく日本画で、オシドリのつがいを描いたものを見るけど、
 鳥類学的に見ても、オシドリって、仲睦まじい夫婦なの?



~高橋君による見解~

「残念ながら、オシドリ夫婦は仲の良い夫婦ではありません。
 オシドリ (カモの仲間全般も) は、冬にはつがいになりますが、
 初夏には関係を解消し、メスだけが子育てをします。
 次の冬には再びつがいになりますが、
 改めて、パートナーを選び直すので、相手は毎回替わると言われています。

 人目につきやすい冬は、つがいで暮らしているので、夫婦仲の良い鳥と思われたのかもしれません。
 春夏の繁殖期は、山林の水辺でひっそりと暮らしているので、
 つがいの関係が解消されているとは、きっと予想できなかったのでしょう。

 ちなみに鳥研究業界では、結婚式のスピーチでオシドリを良い意味で使うことは勿論ありません。 
 「オシドリのようにはならないように」 とは言います。」


さてさて、この 「高橋君に聞いてみないとネ」 では、
読者の皆様からも、鳥にまつわるアート作品の疑問を広く募集しております!
見事、疑問が採用された方には、
何らかの美術展ペアチケットをプレゼントしますので、ふるってご応募ください。
コメント欄に書き込むか、以下のメールフォームによろしくお願いいたします。
https://ws.formzu.net/fgen/S98375463/




1位を目指して、ランキングに挑戦中!
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!

Blogランキングへ  にほんブログ村 美術ブログへ

【告知】 現在募集中のアートツアー 【告知】

$
0
0

現在募集中のアートツアーです。

アートに興味のない方でも楽しんで頂ける企画を心掛けております。
初参加の方も多いので、どうぞお気軽にご参加くださいませ♪
(男女比は、7:3くらいで女性が多いです。
 また、おひとりで参加される方が大半ですので、一人でもふらっと遊びにいらしてください!)
定員になり次第、募集は〆切らせて頂きますので、よろしくお願いします。
参加希望の方は、お手数をおかけして恐縮ですが、
件名に希望するアートツアーを明記して、以下のメールフォームよりお申し込みくださいませ。
詳細をお知らせいたします。
https://ws.formzu.net/fgen/S98375463/
お知らせ先のメールアドレスが間違っている方が、ごくたまにいらっしゃいます。
こちらからの返信がない場合は、もう一度ご確認頂けますと幸いです。


3/4(日) 至上の印象派展へ行こう!

美術は、いろんな人と感想を共有することで、より楽しいものとなります。
一人で美術展を訪れても、もちろん楽しめますが、
みんなで同じ美術展を鑑賞すれば、もっともっと楽しくなるものです♪

さて、今回みんなで訪れるのは、
2018年上半期大本命の展覧会 “至上の印象派展 ビュールレ・コレクション” です。
スイスの大実業家エミール・ゲオルク・ビュールレが所蔵するコレクションの中から、
4m超えのモネ晩年の睡蓮の大作をはじめ、セザンヌ、ゴッホなど名品の数々が来日する展覧会です。
さらに、最も有名な少女像ともいわれる、
ルノワールの 《イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢(可愛いイレーヌ)》 も来日!
絶対に見逃せない展覧会です。

展覧会を鑑賞したあとは、近くのカフェでまったりいたしましょう♪
図録を持参しますので、展覧会の感想などを中心に楽しくワイワイ話せたらと思っております。
もちろん美術の知識は不要!
美術マニアの集いではないので、どなたでも気軽な気持ちで遊びにいらしてくださいませ。

定員:12名
時間:13時半~17時
参加費:1500円 (展覧会の鑑賞料を含む)

ご参加希望の方は、ツアー名を書き添えて、こちらの応募フォームからお願いいたします↓
https://ws.formzu.net/fgen/S98375463/



3/10(土) みんなの大東京建築ツアー×そうだ 江戸、行こう。合体スペシャル【横浜編】

「“建築”って何をどう観たらいいの?? 」

そんなすべての皆様にお送りするみんなの大東京建築ツアーと、

「浮世絵に描かれた街並みは、今、どのような姿になっているのか?」

太田記念美術館の渡邉晃学芸員を講師に迎え、
浮世絵を手掛かりに街をぶらぶら歩く “そうだ 江戸、行こう。”
2つの人気企画がコラボするスペシャルなツアーが、
皆様からの熱いリクエストにお応えして半年ぶりに帰ってまいりました!

今回の舞台は、横浜。
歴史ある港町にして、観光地としても大人気の横浜の魅力を、
浮世絵の視点、地形・建築の視点から徹底的にガイドします!
渡邉学芸員とハマっ子の建築家・山本至氏の化学反応もどうぞお楽しみに♪

定員:14名
時間:13時~17時半
参加費:2500円
(“そうだ 江戸、行こう。” は、おかげさまで特に人気が集中しております。
このアートツアーに限り、“そうだ 江戸、行こう。” 初参加の方、
もしくは過去4ヶ月以内に “そうだ 江戸、行こう。” 以外のアートツアーorアートイベントへご参加頂いた方のみの受付となります)


ご参加希望の方は、こちらの応募フォームからお願いいたします↓
http://arc-tour.org/mail.html


3/11(日) 今こそ「プラド美術館展」の話をしよう

今年の春大本命の展覧会 “プラド美術館展” が、ついにスタートします!




↑こちらの及川光博さん出演の㏚動画の脚本を担当させて頂くなど、
半年以上にわたって関わってきたので、アートテラーとしては、思い入れもひとしおな展覧会。
見どころや裏話など、当日は、いろいろとお話しできたらと思っております♪
一緒に展覧会を鑑賞した後、近くのカフェでお茶会も予定しています。

定員:12名
時間:13時~17時
参加費:1500円 (展覧会の鑑賞料を含む)

ご参加希望の方は、ツアー名を書き添えて、こちらの応募フォームからお願いいたします↓
https://ws.formzu.net/fgen/S98375463/


3/18(日) 眼と耳で楽しむ『東京春祭』満喫ツアー

昨年大好評だった、あのツアーが今年も開催されることになりました!
アートテラー・とに~と上野の春の風物詩 『東京・春・音楽祭』
さらに、クラシック音楽情報誌 「ぶらあぼ」 のスペシャルコラボでお届けする、
アートとクラシックをいっぺんに楽しめる贅沢なアートツアーです。
今年は、東京都美術館で絶賛発売中の “ブリューゲル展” と、
ミュージアム・コンサート、桜の街の音楽会を合わせて鑑賞いたします。

詳細は、こちらの記事に↓
コンサート×美術鑑賞=アートテラー・とに~と歩く、東京春祭2018

アートと音楽を同時に楽しめば、感動は何倍にも増幅すること請け合いです。
クラシック好きな方はもちろん、これまで馴染みがなかったという方も大歓迎!
是非、この機会にクラシックデビューをしてみてはいかがでしょうか?

時間:13時~17時
定員:15名
参加費:3700円 (コンサートチケット料金、展覧会鑑賞料を合わせた金額です)

ご参加希望の方は、ツアー名を書き添えて、こちらの応募フォームからお願いいたします↓
https://ws.formzu.net/fgen/S98375463/



いずれのツアーも、皆様のご参加を心よりお待ちしております!!

ムットーニワールド からくりシアターⅣ

$
0
0

2009年、2011年、2013年と過去3回、八王子夢美術館で開催され、
毎回大好評だった超人気企画 “ムットーニワールド からくりシアター” の第4弾が、現在開催中です。




“ムットーニワールド” とは、何なのか?
そもそも、ムットーニとは、何者なのか?どういう作品を作るのか??
そのあたりのいっさいがっさいは、
僕が “ムットーニワールド” にハマるきっかけとなった際の記事を読んで頂くとしまして↓
ムットーニ ワールド からくりシアターⅡ 2011/6/2)

4年半ぶりの開催となる今回のⅣについてご紹介いたしましょう。
出展作品は、全部で24点。
すべてを観るには、2時間程度必要となります。
全人類必見 (←?) の名作 《カンターテ・ドミノ》 や、


《カンターテ・ドミノ》(部分) 2005年 ©MUTTONI


前回のⅢの目玉であった 《ジャングル・パラダイス》 など、


《ジャングル・パラダイス》(部分) 2013年 ©MUTTONI


過去の “ムットーニワールド” で出展された作品もありましたが、
今回は基本的に、八王子夢美術館で初めて展示される作品が中心に紹介されています。


・・・・・とは言っても、あくまで八王子夢美術館で初めて展示される作品というだけで。
昨年、世田谷文学館で開催された “ムットーニ・パラダイス” の出展作品とまぁまぁ被っていました。
ムットーニファンには、ちょっと物足りない展覧会かもしれません。
星星


もちろん、最新展覧会ということで、
大型ではないですが、最新作が2点発表されていました。
そのうちの1点 《シグナル・スカイ》 が、超絶オススメ。
画像がないので、皆様に頑張って想像して頂くしかないのですが。
ロボットが両手で猫の天使を抱きかかえており、
両手を天に向かってふわ~っと挙げると、猫の天使がふわ~っと浮かび、
しばらくして、またふわ~っとロボットの手のひらに舞い降りてくる (の繰り返し) という作品です。
・・・・・うまく伝えられた気がしないので、気になった方は美術館で実物をご覧ください (笑)
とにかく、猫の天使の可愛さたるや。
顔も動きも癒し系です。
いつまででも観ていられる作品でした。
ロボットと猫の天使という異種 (?) の触れ合いは、
国籍や人種、性別が違う者同士の交流のメタファーのようにも感じられます。
ACのCMで採用してほしいくらいでした。


それと、世田谷文学館の “ムットーニ・パラダイス” の会期中盤から、
お披露目されたため未見だった 《ヘル・パラダイス》 を、今回ようやく目にすることができました。


《ヘル・パラダイス》(部分) 2017年 ©MUTTONI


2011年より、ムットーニ作品を追っていますが。
《ヘル・パラダイス》 は、圧倒的に人形の動きがなめらかになっていました。
いや、もはや人形が “動いている” というよりも、“演じている” といった印象を受けたほど。
命が宿り、自らの意志で歌や音楽を演奏しているかのようでした。

まだまだ進化し続けるムットーニワールド。
ますます目が離せなくなりそうです。


最後に、余談も余談ですが。
久しぶりに八王子夢美術館に行ったら、お客様から寄せられた声に答える、
スーパーマーケットでよく見かけるコーナーが入り口の脇に設けられていました。
その中の一つに、「あぁ、確かに!」 と共感させられたお客様からのご意見が (笑)




八王子夢美術館に行ったことがある方なら、わかると思いますが。
そうそう。奥にありすぎて、本当にこの先にトイレがあるのかと不安になるんですよね。

ちなみに、こんなご意見も。




「もっとアピールして」 ではなく、
「もっとアピールしてもいいかもしれない」。
意見があるなら、もっと断定的でもいいかもしれない。




ランキングにご協力をお願いします
Blogランキングへ  にほんブログ村 美術ブログへ

生誕140年記念特別展 木島櫻谷 PartⅠ 近代動物画の冒険

$
0
0
今から4年前に、泉屋博古館 分館にて回顧展が開催され、
プチブレイクを果たした京都の画家・木島櫻谷 (1877~1933) 。
それを機に、未公開や新発見の木島櫻谷作品の情報が多く寄せられたそうです。
そこで、泉屋博古館 分館では、櫻谷生誕140年のタイミングで、
PartⅠとPartⅡに分けて、それらの初公開の作品を中心に紹介する大々的な木島櫻谷展を開催することに。
会期が4月8日までのPartⅠでは、
“近代動物画の冒険” と題し、櫻谷が得意とした動物画にスポットを当てて紹介しています。


(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)


会場には、奈良公園の鹿をモデルにしたという 《角とぐ鹿》 や、




ハリウッドのベテラン俳優ばりに渋い表情が印象の 《獅子図》 など、


《獅子図》 昭和時代 櫻谷文庫


木島櫻谷が描く、どこか人間味のある動物画が大集結。
決してキャラクター化されているわけではないのですが、
どの動物も、人間の言葉で喋り出しそうな感じがします。
思わずアテレコしたくなりました。
星星


櫻谷の動物画と言えば、もちろん代表作中の代表作 《寒月》 も出展されていました。



《寒月》(左隻) 大正元年(1912) 京都市美術館


こちらに向かって物言いたげなきつねの表情が、なんとも印象的な作品です。
さてさて、今回の展覧会は、きつねだけに非ず。
「狸の櫻谷」 の異名を持つ櫻谷がたぬきを描いた作品の数々も出展されています。




どちらも、モノクロの世界観でした。
黒いきつねと黒のたぬき。
優劣が付け難かったです。


また、展覧会の目玉は何と言っても、
今回が初公開となる 《かりくら》 でしょうか。




かりくら、つまり狩り競べを題材とした一枚で、
第四回文展での発表後、翌年の巽画会、ローマ万国美術博覧会以降、行方不明となっていたものです。
ビビットで鮮烈な印象を受けましたが、
実は数年前に発見された時は、こんなにもボロボロの状態だったとのこと。




これだけ迫力のある絵を描いた櫻谷の腕も素晴らしいですが、
あれだけボロボロだった絵をよみがえらせた修復師さんの腕も素晴らしいです。


ちなみに、今回出展されていた中で一番のお気に入りは、
絵画作品ではなく、写生帖に描かれていた 「熊谷君の子猫」 でした。




あまりの可愛さに、悶絶。
他の絵を何点か観ては、「熊谷君の子猫」 のもとに戻ってくる・・・の繰り返しでした。
熊谷君が何者なのかはわかりませんでしたが、
こんなカワイイ子猫を飼っていただなんて、なんと幸せな人物であろうか。




1位を目指して、ランキングに挑戦中!
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!

Blogランキングへ  にほんブログ村 美術ブログへ

写真都市展 −ウィリアム・クラインと22世紀を生きる写真家たち−

$
0
0
21_21 DESIGN SIGHTで開催中の展覧会、
“写真都市展 −ウィリアム・クラインと22世紀を生きる写真家たち−” に行ってきました。




こちらは、写真集 『ニューヨーク』 で鮮烈なデビューを果たし、
89歳を迎えた現在もなお活躍し続ける写真界の巨匠ウィリアム・クラインをフォーカスした展覧会です。
展覧会は、まずはクラインの写真でスタート。
クラインがこれまでに撮影した都市の写真が、まるで都市のように配置されています。





クラインの写真は、決してキレイな写真ではありません。
ボケてたり、混沌としていたり、猥雑な印象だったり。
しかし、それこそがリアル。
ガイドブックには載らない都市の姿が、写し出されています。
なんとなく、森山大道さんやアラーキーさんっぽいなァと思ったら、
森山大道さんやアラーキーさんが、ウィリアム・クラインに影響を受けているとのこと。
そんなにも影響力のある写真家だったのですね。


続く展示室では、ウィリアム・クラインと、
映像クリエイターTAKCOMさんのコラボによる新作インスタレーションが紹介されていました。




スタイリッシュな音楽とアニメーションに合わせて、
大小さまざまなモニターに、クラインの写真がパッパッパッと映し出されていきます。




思わず見入ってしまうクールな作品ではありましたが。
冷静に考えてみると、別にクラインの写真である必然性が感じられなかったような・・・。
コラボとありましたが、これは完全に映像クリエイターTAKCOMさんの作品です。


さて、一番広い展示スペースでは、
今展のディレクターを務める伊藤俊治氏が選抜した日本やアジアの写真家たちが紹介されていました。




彼らは、クラインと同じく、斬新な眼差しで21世紀の都市と人間を見つめ、
22世紀に向けて、従来の写真のフレームを大きく飛び越えようとする写真家たちとのこと。


・・・・・・・。


すいません。
ちょっと何言ってるか分からなかったです。
そもそも22世紀って、まだあと80年以上先の話ですし。

NYの超高層ビルの展望台から撮った何千枚もの画像を、
スパイラル状に組み合わせた安田佐智種さんの 《Aerial #10》 や、




韓国の写真家朴ミナさんによる巨大水族館に集まる人々を写した写真シリーズなど、




作品自体は興味深いものが多々ありましたが。
展覧会全体として、何がしたかったのかイマイチ伝わってきませんでした。
(主題が) ボケてたり、混沌としていたり、猥雑な印象だったり。
まさにクラインの写真のような展覧会。
星
・・・・・ん?じゃあ、これはこれでいいのか?!


ちなみに、個人的に印象に残ったのは、
須藤絢乃さんの 《幻影ーGespensterー》 という作品シリーズです。




なんとなく、みんな同じような顔と思ったら、
すべて須藤絢乃さんのセルフポートレート作品とのこと。
そりゃ同じ顔に決まってます。
須藤さんが扮しているのは、交番の前などに実際に貼られている行方不明の少女たちの姿。
もし、どこかで生きているのであれば、容姿は変わっているはず。
しかし、写真でしかその姿を確認できない少女たちは、失踪したときのままで時間が止まっています。
そんな不思議で曖昧な存在に、他人が扮しているという不条理さ。
白昼夢を見ているかのような。
心がザワつく作品です。


それから、冒険家で写真家の石川直樹さんと、
サウンドアーティスト・森永泰弘さんによる極地の都市をテーマにした作品群も印象的でした。




こんな過酷な自然環境にも、住んでいる人々がいるのですね。
たぶん世界最強の人々です。




シロクマよりも強い。




1位を目指して、ランキングに挑戦中!
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!

Blogランキングへ  にほんブログ村 美術ブログへ

アートテラー・とに~氏、富山県で熱い授業を繰り広げる?!

$
0
0

こんばんは。
今年初のATN (=アートテラーニュース) です。

今週の土曜3月3日14時より、アートテラー・とに~氏によるトークイベントが、
富山県内の美術館にて行われるということが、ATN取材班の調べでわかりました。
アートテラーとしては、北陸地方では初となるトークイベントのこと。
いつも以上に気合が入っているようです。

とに~氏にオファーを送ったのは、富山県水墨美術館。
こちらで現在開催中の展覧会、




“生誕140年 尾竹竹坡展” の関連イベントとして、
とに~氏によるトークイベントが予定されているそうです。

明治末頃には、横山大観の向こうを張るぐらいの人気と実力を誇った日本画家でありながら、
いつの間にやらすっかり歴史に埋もれ、今ではあまりメジャーでない尾竹竹坡 (1878~1936)。
そんな彼の魅力を、とに~流の切り口で発見して欲しいというのが、今回のオファーの主な内容。
果たして、とに~氏は、どんなトークイベントを繰り広げるのでしょうか?

「尾竹竹坡の作品は、過去に一度、近美で目にした記憶はあるのですが。
 ハッキリ言って、ほとんどよく知らない日本画家でした (笑)
 でも、むしろ、よく知らないほうが、
 ネタは作りやすいので、今回のオファーは有難く引き受けさせて頂きました。

 大観と並ぶくらいに人気と実力があったというのに、
 なぜ、今はこんなにも大観と差が開いてしまったのか。
 尾竹竹坡の人生を調べてみると、

 “そりゃ、やっちゃダメだわ (苦笑)”

 という 「しくじり」 を何度もやらかしていました。
 本人の性格、生き様に、完全に原因アリです。

 ん?これって、あの番組っぽくなりそうじゃない?!

 ということで、今回のトークイベントの大筋が決まりました。
 愛すべきしくじり日本画家・竹坡の問題行動の数々を、
 あの人気番組のフォーマットでお伝えしようと思います。
 ロゴも、それっぽい感じのものをバッチリ作成しました(笑)


 


 「破天荒すぎて忘れ去られてしまった日本画家」 のしくじり人生を学ぶことで、
 展覧会の見どころもわかる上に、反面教師として自分の人生にもちょっとだけ役立つかもしれない。
 そんなトークイベントを目指します!


 さてさて、この企画を思い付いた時、
 “超楽しくなりそう♪” と、僕自身はノリノリでしたが。
 一番の心配は、担当学芸員さんがノッてくださるかどうか。
 「ふざけすぎですよ」 と一蹴されるかもと覚悟しつつ、
 今回のトークイベントのアイディアをお伝えしたところ、

 “面白そうですね!やりましょう!”

 と、即快諾頂きました。
 ノリのいい学芸員さんで良かったです。
 いやぁ、今週土曜が楽しみだ。

 泣いても笑っても一回限りの貴重な授業です。
 富山県にお住まいの方、富山県のお近くにお住まいの方、是非、遊びにいらしてくださいませ。
 
 ちなみに、他にも、いくつかネタを仕込んでします。
 それらが、ちゃんとウケますように。
 しくじりませんように。」



今回のトークイベント、聴講はなんと無料とのことです。
3月3日の14時から。
詳しくは、富山県水墨美術館の公式㏋をご覧くださいませ。




それでは、今夜のATNは、この辺りで。
Blogランキングへ   にほんブログ村 美術ブログへ

プラド美術館展 ベラスケスと絵画の栄光

$
0
0
2018年春大本命の展覧会 “プラド美術館展 ベラスケスと絵画の栄光” が、ついに開幕しました!


(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)


《王太子バルタサール・カルロス騎馬像》 を含む、


ディエゴ・ベラスケス 《王太子バルタサール・カルロス騎馬像》 1635年頃 マドリード、プラド美術館蔵 © Museo Nacional del Prado


スペインを代表する画家ベラスケスの傑作が7点 (!) も来日していることだとか。
ベラスケス以外にも、ティツィアーノやルーベンスといった、
絵画がもっとも花開いた17世紀に活躍した巨匠の名品も取り揃えられてることだとか。


ティツィアーノ 《音楽にくつろぐヴィーナス》 1550年頃 マドリード、プラド美術館蔵 © Museo Nacional del Prado


エスピノーサ 《ブドウのある八角形の静物》 をはじめ、


フアン・デ・エスピノーサ 《ブドウのある八角形の静物》 1646年 マドリード、プラド美術館蔵 © Museo Nacional del Prado


スペインで独自に発展した静物画 “ボデゴン” に焦点を当てたコーナーがあることだとか。
今回のプラド美術館展の見どころは、多々ありますが。
紹介したい見どころはすべてミッチーさんに言って頂きましたので、
おそらく史上初となるドラマ仕立ての㏚動画 (全7話) をご覧頂けましたら幸いです。










ちなみに、こちらの㏚動画ですが、
好評につき、あと3話が追加されることになりました!
3月16日より、毎週金曜の午前10時に配信される予定です。
内容はまだ内緒ですが、すでに公開されている7話と比べて、だいぶ遊びました。
9話に関しては、ほぼコントという感じです (笑)
そんな9話には、僕もカメオ出演しています。
ミッチーさんの世界観を台無しにしない程度に小芝居しましたので、是非ご視聴くださいませ。


・・・・・と、㏚動画の㏚記事になっている気がしますが。
プラド美術館展の㏚に関しては、僕がするまでもないでしょう。
素晴らしかったのは、言わずもがな。





会場には、いつになく威厳と風格が漂っており、
見知ったはずの国立西洋美術館が、まるで国立西洋美術館ではないようでした。
どこかの宮殿に迷い込んでしまったかと錯覚してしまったほど。
息を大きく吸い込めば、歴史ある名画そのものが放つ匂いも感じられます。
出展されている作品も、もちろんそれぞれ素晴らしかったですが、
それに輪をかけて、会場全体に漂う雰囲気が素晴らしい展覧会でした。
星星星
基本的に、美術館はカジュアルな格好でフラッと訪れる派の僕ですが、
この展覧会に限っては、スーツかジャケットかフォーマルな格好で再訪したいと思っています。


ちなみに、名画揃いの今回のプラド美術館展ですが、
中には、顔だけが大きく描かれた 《巨大な男性頭部》 や、




人がゾロゾロ描かれた 《ブリュッセルのオメガングもしくは鸚鵡の祝祭:職業組合の行列》 など、




思わず二度見してしまうナニコレな作品も少なくありませんでした。
個人的にもっともインパクト受けたのは、
アロンソ・カーノの 《聖ベルナルドゥスと聖母》 という一枚です。


アロンソ・カーノ 《聖ベルナルドゥスと聖母》 1657-60年 マドリード、プラド美術館蔵 © Museo Nacional del Prado


聖ベルナルドゥスは、12世紀の神学者。
ある日、特にマリア様を篤く信仰していた彼が、
「あなたは母たることをお示しください」 と聖堂で祈りを捧げていたとき、奇跡が起こります。
なんと聖母の彫像が動き出し、聖ベルナルドゥスの唇に母乳を滴らせたのだとか。
ただ、この絵は、もう滴らせるとか、そういうレベルを超えています。
水鉄砲のようにピューッと噴射されています。
マリア様の正確無比なコントロールには、ただただ驚くばかりです。
聖ベルナルドゥスも、奇跡を目の当たりにして感銘を受けているというよりは、若干戸惑っている様子。
「いや、マリア様、“母たること” ってそういうことじゃなくて・・・」 とでも言いたげな表情です。
でも、絶えず母乳が口に入ってきているので、ツッコみづらそうです。
口の中、コポコポ。




1位を目指して、ランキングに挑戦中。
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!

Blogランキングへ  にほんブログ村 美術ブログへ

歌川国貞展~錦絵に見る江戸の粋な仲間たち~

$
0
0
現在、静嘉堂文庫美術館で開催されているのは、
“歌川国貞展~錦絵に見る江戸の粋な仲間たち~” という展覧会です。




こちらは、静嘉堂文庫美術館が所蔵コレクションの中から、
幕末に活躍した浮世絵師・歌川国貞の浮世絵を一挙大公開する展覧会。
歌川国貞をフィーチャーした展覧会といえば、
2014年に太田記念美術館で開催された “没後150年記念 歌川国貞” が、記憶に新しいところです。
そちらと比べてしまうと、今回の歌川国貞展は、小規模な感は否めません。
しかし、日本最高峰の保存状態の呼び声が高い静嘉堂の国貞コレクション。
浮世絵自体の色の美しさ、鮮やかさに関しては、
圧倒的に今回の歌川国貞展の出展作のほうが勝っていました!


歌川国貞 《北国五色墨(花魁)》 大判錦絵 文化12年(1815)頃 静嘉堂文庫蔵 (注:展示は、前期 [2/25] まで)


歌川国貞 《新板錦絵当世美人合 杜若きどり》 大判錦絵 文化12年(1815)頃 静嘉堂文庫蔵 (注:展示は、後期 [2/27] から)


ブラウン管テレビと4Kテレビの映像くらいの差があります。
量より質の歌川国貞展と言えましょう。
星


さてさて、静嘉堂の国貞コレクションの一番の特徴は、
ウラオモテ貼込みの折帖 (蛇腹状の折り本) に仕立てられているということ。
そのため、ほとんど光に当たることがなく、退色を免れてきたようです。

ちなみに、折帖にスクラップする (?) 際に、


歌川国貞 《卯の花月》 大判錦絵3枚続 江戸時代末期(19世紀半ば頃) 静嘉堂文庫蔵 (注:展示は、前期 [2/25] まで)


耳 (=浮世絵の周囲の白い部分) は、躊躇なくカットティングされてしまった模様。
普通の展覧会では、なかなか目にすることのない状態の浮世絵を楽しむことが出来ます。
(余談ですが、耳がない状態の浮世絵は、コレクターには不人気なのだとか)


さてさて、今回出展されていた作品の中で、
特に印象に残っているのが、《誂織当世島(金花糖)》
という一枚 。


歌川国貞 《誂織当世島(金花糖)》 大判錦絵 弘化2年(1845)頃 静嘉堂文庫蔵 (注:展示は、前期 [2/25] まで)


女性が身にまとっている着物の柄。
そして、背景。
今の眼で見ても、十分にカッコいいです。
そんな絵師・国貞のデザインセンスも、凄まじいものがありますが。
この複雑な紋様を正確無比に彫った彫師や、
寸分狂わず摺り上げた摺師の職人技も、凄まじいです。
まさに超絶技巧。

ちなみに、こちらも絵師、彫師、摺師、
三者三様の超絶技巧の腕が冴えわたった一枚です。


歌川国貞 《星の霜当世風俗(行燈)》 大判錦絵 文政2年(1819) 静嘉堂文庫蔵 (注:展示は、前期 [2/25] まで)


シルエットを効果的に取り入れたデザインセンス。
女性が身にまとっている着物はもちろん、姿見に掛けられている着物の柄の細かさ。
光のグラデーションの再現。
どれをとってもパーフェクト!
浮世絵は個人種目でなく、チーム戦だったのですね。そだねー。




1位を目指して、ランキングに挑戦中!
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!

Blogランキングへ  にほんブログ村 美術ブログへ

東京⇆沖縄 池袋モンパルナスとニシムイ美術村

$
0
0
4月16日から、来年の6月頃まで、
改修工事のため、長期の休館期間に突入してしまう板橋区立美術館。
そんな休館前のラストを飾るのが、
“東京⇆沖縄 池袋モンパルナスとニシムイ美術村” という展覧会です。




かつて、豊島区の要町、長崎エリアを中心に芸術家たちが集うアトリエ村がありました。
人呼んで、「池袋モンパルナス」 です。
そんな池袋モンパルナスにスポットを当てた展覧会を、
これまで板橋区立美術館では、何度か開催してきましたが。
今回の展覧会では、池袋モンパルナスだけでなく、
落合一帯にかつてあった文化村、さらには、沖縄にかつてあったニシムイ美術村、
全部で3つのアトリエ村にスポットが当てられていました。


さてさて、池袋モンパルナスがあったエリアと落合エリアは、直線で1.5kmほどの距離。
十分に歩いて行けるレベルです。
なので、2つのアトリエ村は似たようなものかと思いきや・・・キャラ (?) は全く違いました。
池袋モンパルナスの画家の作品は、
当時の前衛芸術であるシュルレアリスムを取り入れるなど、アヴァンギャルドで実験的。
良くも悪くも、“スゴイの作ってやるぞ” 的な熱気が感じられます。
それと比べて、新興高級住宅地で高台にあった落合だけに、
落合文化村の画家たちの作品は、そこまでガツガツしておらず。
品と余裕のようなものが漂っていました。


松本竣介 《郊外》


一方、ニシムイ美術村は、沖縄なのでノンビリで適当な感じを想像していましたが。
意外と、理知的な印象を受けました。(←沖縄の皆さま、悪気はありません!)
学生時代を東京で過ごしたメンバーで構成されていたこともあるのでしょう。
池袋モンパルナスと落合文化村、両方の雰囲気が合わさっていたような感じがありました。

3つのアトリエ村の雰囲気は、三者三様でしたが。
共通しているのは、どのアトリエ村も若い芸術家が集まって、お互いが切磋琢磨していたということ。
そして、どのアトリエ村も、長くは続かなかったということ。
無理やりお笑いに例えるならば (←?)、
若い芸人たちが集まって、ネタで競い合って、一つのムーブメントを作る。
なんだか 『ボキャブラ天国』 や 『オンエアバトル』 に通ずるものがあったように思います。
星


ちなみに、今回の展覧会で特に惹かれたのが、
ニシムイ美術村の中心メンバーであった安谷屋正義の作品群です。
どの作品もスタイリッシュでクール。
どことなく岡崎京子感 (?) がありました。


安谷屋正義 《望郷》


安谷屋正義 《塔》


他にも、印象的な作品が多々ありましたが。
特に印象に残っているのは、池袋モンパルナスの画家・杉全直 (すぎまた ただし)《沈丁花》 です。




画面いっぱいに、これでもかと咲き誇る沈丁花。
花というよりも、奇妙な生物のようにも見えます。
そんな花の下で、一点を見つめ佇む少女。
いや、よく見ると、オバサン?
感情、年齢ともに不詳です。
薄気味の悪い絵なのですが、ついつい目が止まってしまう。
不思議な引力を持つ作品でした。


不思議な引力を持つ作品といえば、野田英夫の 《上野山下風景》 も。




上野山下。
今で言うと、上野公園近くのあんみつ みはしの辺りを描いた作品だそうです。
自転車、自動車、大八車、馬車。
さまざまな車が入り乱れた実に不思議な光景です。
ヘンテコな絵なのに、どこか懐かしい感じも。
じーっと見ていると、人々が動き出しそうな気がして、ついつい長い時間見つめ続けてしまいました。


今回の展覧会では、東京の画家が沖縄を描いた作品の数々も紹介されています。
北川民次の 《沖縄風景》 も、そんな一枚。




絵の中に 「沖縄」 と書いてあるものの、沖縄感は全く感じられません。
・・・・・沖縄の何の景色を描いたものなのでしょう??
と、実は、こちらは沖縄の墓地を描いた作品なのだとか。
毎年春になると、お墓の前に親戚が集まり、
まるでピクニックのように重箱に詰められたごちそうを食べる習慣があるという沖縄。
それだけに、お墓の前には、それ用の広いスペースが設けられています。
そんな物珍しい光景が、当時の画家たちにはウケていたそうで、
沖縄の墓地を描いた作品は、わりかしポピュラーだったのだそうです。


最後に、どうしてもツッコみたくなった作品をご紹介。
ニシムイ美術村の画家たちは、食べていくために、
米軍のためのクリスマスカードの制作の仕事を請け負っていました。
で、そうして完成したクリスマスカードが、こちら↓




クリスマス、関係ないじゃん!

米軍は、このクリスマスカードで満足してくれたのだろうか。




1位を目指して、ランキングに挑戦中!
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!

Blogランキングへ  にほんブログ村 美術ブログへ

第33回 足立区千住でオキーフ

$
0
0
ルノアールを筆頭に、モネ、ゴッホ、シャガール…と、
街を歩いていると、時に、美術界の巨匠たちと同じ名前のお店に出くわします。
果たして、それらのお店と巨匠との間に関係はあるのか??

気になるようで気にならない。
でも、気にしてしまったら、気になって仕方がない。
そんな疑問を解消すべく、アートテラーは今日も店へと赴く!!



今回は、北千住にやってきました。
北千住駅のすぐそばにある活気あふれる商店街。




その脇の道を入った明らかに住宅街のようなエリアに、お目当てのお店はあるようです。




食べログのマップが指し示す場所は、ココ。
パッと見た感じは普通の住宅ですが、たぶんこちらがお店なのでしょう。




開店時間よりも少しだけ早く着いてしまったので、看板は出てなかったのですが。
しばらくすると、看板が店先に登場。
そこには、「O'keeffe」 とあります。




外観は、“ザ・オシャレな古民家カフェ” といった印象。
『OZmagazine』 や 『Hanako』 で取り上げられそうな雰囲気が漂っています。
オシャレとは程遠いこの企画で取り上げるだなんて、
なんだか気が引けてきました。(←今までのお店の超失礼!)
しかし、「O'keeffe」 のスペルは、
20世紀アメリカを代表する女性画家ジョージア・オキーフと完全に一致しています。
きっと何か関係があるに違いありません。

ということで、勇気を出して、お店のドアを開きました。
出迎えてくださったのは、優し気な男性の店主さん。
オキーフという店名なので、てっきり女性オーナーのお店とばかり・・・。
もしかしたら、ジョージア・オキーフとは関係がないのかもしれませんね。
そう諦めかけた次の瞬間です。
ジョージア・オキーフのポートレートや、




ジョージア・オキーフの画集が目に飛び込んできました。




やはり、店名はジョージア・オキーフに由来するようです。
ちなみに、店主さんに店名の由来を確認をしてみたところ、こんな回答を頂きました。
なんでも店主さんは昔からカメラを学ばれていたそうで、
アメリカの写真家アルフレッド・スティーグリッツが好きであったとのこと。
そこから派生して、彼の被写体であり、
妻でもあるジョージア・オキーフに興味を持つようになったのだとか。
ということは、いつか2号店がオープンするときは、「Stieglitz」 という店名になるかもしれませんね。


・・・・・それはさておき。
そんな芸術家肌の店主のカフェだけに、
店内では、1か月ごとに個展が開催されているようです。


(↑僕が訪れた時には、小峰力さんの絵画展が開催されていました)


それらのアート作品を眺めつつ、
外観以上にオシャレな内観を眺めつつ、




待つことしばし。
オススメのチーズケーキ (600円) と、
オキーフブレンドNo.1 (500円) が運ばれてきました。




“うわ~、オシャレ~ラブラブ

もちろん、見た目だけでなく味も素晴らしかったです。
レアチーズとベリーのソース、
そして、少しほろ苦いココア生地の組み合わせが抜群!
美味しい上に、どこかホッとする。
そんなチーズケーキでした。
キャロットケーキもオススメとのことなので、
それは、また次回訪れた時に、オーダーしてみようと思います♪



・・・・・って、気が付けば、
普通のカフェブログ、スイーツブログのような体裁になっていました。
OLか!女子大生か!


なんとか、アートテラーらしい記事にせねば
そう思い、再び、店主へ質問してみました。

「やっぱりお店には、ジョージア・オキーフがお好きな方がいらっしゃるんですか?」

「いやぁ、そうでもないですよ。
 『O'keeffe』 ってどう読むのかわからない方も、たまにはいらっしゃいますし」

なるほど。
確かに言われてみれば、オキーフって一発では読めないかもしれませんね。




というか、ここがカフェである以上、
美術に興味がない人なら、『O'keeffe』 が 『Coffee』 に見えてしまうかも!

そのことを店主に告げると、
「実際、そういう人もいますよ (笑)」 とのこと。

『O'keeffe』『Coffee』 は、わりと似ている。
それが、今回の一番の収穫。


<お店情報>
O'keeffe
住所:東京都足立区千住2-31
定休日:水曜、木曜
営業時間:11:00~18:00
 



美術ブログ界の巨匠になるべく、ランキングに挑戦しています
Blogランキングへ  にほんブログ村 美術ブログへ

北陸のガラス作家たち 多様化するガラス造形

$
0
0

「ガラスの街とやま」 というスローガンのもと、
約30年にわたって、ガラスの街づくりをしてきた富山市。
その活動の集大成として、2015年に富山市が開館させたのが富山市ガラス美術館です。
コレクションは、もちろん全てガラス作品。
壊れそうなものばかり集めてしまっている美術館です。




ルーバー (縦格子) が特徴的な、その外観からピンときた方もいらっしゃるかもしれませんが。
設計したのは、根津美術館やサントリー美術館でお馴染みの隈研吾さんです。

外観もルーバーが主張していましたが、内装はそれ以上。
隈さん節全開でした。




ちなみに、建物内を歩いていると・・・




フォトスポットを発見。
どうやら、ここで振り返るのがベストビューのようです。
そうは言っても、どこから見たって、
館内の印象はそんなに変わらないんじゃないでしょうか・・・ (と、内心思いつつ振り返ると)




ホンマや!!

想像以上のベストビューぶりに、
自然と、さんまさん状態になってしまいました。


さてさて、そんな富山市ガラス美術館で、
現在開催されているのは、“北陸のガラス作家たち 多様化するガラス造形” という展覧会。




富山、石川、福井の北陸3県で学び育ち、
北陸地方を中心に活動する12人の現代ガラス作家の作品を紹介する展覧会です。




一口にガラスといっても、その表情はさまざま。





ガラスの作品と聞いて、すんなりイメージしたものから、
「えっ、これもガラスなの??」 と、思わず二度見してしまったものまで。
ガラス界は、今こんなにも多様化していたのですね。
星


今回の出展作家の中で、個人的に一番衝撃を受けたのは、高木基栄さんでした。





見た目といい、その独特の色合いといい、
なんとも 『ジョジョ』 っぽい 《硝像 -精神分析-》 も衝撃的だったのですが。

“どういう作家が、このような作風の作品を制作するんだろう?”

と、ググってみたところ、
「金沢市で活動中のビジュアル系ガラス作家」 と自称されていることが判明。
作品もビジュアル系ですが、作家ご本人のポートレートもまたビジュアル系でした。
おそらく、ビジュアル系ガラス作家を名乗っているのは、世界広しといえども高木基栄さん彼一人。
世界でただ一人のアートテラーを名乗る身として、今後、高木さんに注目していきたいと思います。


ちなみに、富山市ガラス美術館6階には、
現代ガラス美術の第一人者であるデイル・チフーリ氏のインスタレーション空間が広がっています。
その名も、グラス・アート・ガーデン。
下の写真の人物が、デイル・チフーリ氏。




なんとなく、『キル・ビル』 に出てきそうな人物です。
彼もまた、ある意味、ビジュアル系といえるのかもしれません。

作品はどれも華やか。
“ガラス=儚いもの” というイメージがありましたが、
デイル・チフーリ氏のガラス作品は、実に力強く、生命力に溢れていました。






この空間を観るためだけに、富山市ガラス美術館を訪れる価値は大いにアリです。
作品自体には、何の不満もないのですが。
《トヤマ・ペルシャン・リーズ》 だとか、《トヤマ・ミルフィオリ》 だとか、
いちいち作品名に 「トヤマ」 が入っていたのだけは、気になるところでした。
そんなに 「トヤマ」 を推さなくても。。。


それと、富山市ガラス美術館で、もう一つ気になったことが。
展示品の素材が、繊細なガラスだからでしょうか、
他の美術館よりも、監視員さんの数が多い印象を受けました。
1つの展示室に、監視員さんが3人。
お客さんは僕一人。

“うわー・・・みんな、こっちの動きに注目してる・・・”

ガラスのハートを持つ僕には、なかなかなプレッシャー体験でした。




1位を目指して、ランキングに挑戦中!
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!

Blogランキングへ  にほんブログ村 美術ブログへ

富山県美術館 コレクション展Ⅲ

$
0
0

富山県立近代美術館を前身とし、
2017年に移転リニューアルオープンしたばかりの富山県美術館 アート & デザインに行ってきました。




こちらの建物を設計したのは、建築家の内藤廣さん。
彼がこれまでに設計したちひろ美術館・東京や、
茨城県天心記念五浦美術館と同様に、内部は実に気持ちの良い空間が広がっていました。
居心地が、抜群に良かったです。




さらには、建物からの眺めも抜群!
“世界一美しいスタバ” のある富岩運河環水公園と、
雄大な立山連峰の大パノラマを一望することが出来ました。




正直なところ、ここまでステキな美術館だとは、
実際に訪れてみるまで、予想だにしていませんでした。
きっと無意識下で、どこか富山県を下に見ていたのでしょう。
反省も反省。
いや、猛省です。

そして、建物以上に、想像を上回ってきたのが、
富山県美術館 アート & デザインのコレクションの質の高さ!
現在開催中の “コレクション展Ⅲ” で、そのほんの一部が公開されていましたが。
ピカソにシャガールに藤田嗣治にマグリットにダリに・・・と、
有名どころの作家の名前を、一人ひとり挙げていたらキリがないほど。
国内外問わず20世紀以降の近・現代美術が、ほぼカバーされていました。
しかも、ただの作品ではなく、代表作品や重要作品ぞろいです。
岡本太郎の 《明日の神話》 の原画も、




ジャスパー・ジョーンズの貴重な鉛の作品も、




大竹伸朗さんの初期の大型ペインティング作品も、




富山県美術館 アート & デザインのコレクションの一部。
もし、都道府県立の美術館のコレクションを比較して、
充実度ランキングを作成したら、おそらく富山県が1位に輝くのでは?
そう思ってしまうくらいに、質、量ともにコレクションが素晴らしかったです。
星星

と、コレクション1点1点が素晴らしかっただけに、
妙な取り合わせで展示されると、若干の胸やけがしました (笑)
左から、ダリ、ムンク、杉山寧、向井潤吉。




まるで、いろんな国のメインディッシュが並んでるよう。
目にしただけで、お腹いっぱいです。


ちなみに、改名し、館名に 「アート & デザイン」 が付いていることからもお気づきでしょうが。
「アート」 だけでなく、「デザイン」 にも力を入れている富山県美術館 アート & デザイン。
特にポスターと、




チェアのコレクションが充実しています。




チェアは実際に座れるものも。
デザインに興味がある方にもオススメの美術館です。
必訪!

それと余談ですが。
美術館内に併設されたレストランは、
なんと、地方初出店となる 「日本橋たいめいけん」 でした。




3代目茂出木シェフの等身大パネルが、なんともウザかったです (笑)
MAXキャッホー!




1位を目指して、ランキングに挑戦中!
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!

Blogランキングへ  にほんブログ村 美術ブログへ

Viewing all 5005 articles
Browse latest View live


Latest Images