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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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チェック3 日本酒

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新企画 『アートテラー格付けチェック』。
本家の格付けチェックでは、
一流品かそうでないいかを見極める問題にチャレンジしますが。
この 『アートテラー格付けチェック』 では、
アートと関わり深い品かそうでないかを見極める問題に挑みます。
アートテラーならわかって当然 (?) の問題ばかり。
果たして、僕は何流のアートテラーなのか?!


ワインにはまったく詳しくないものの、
アートテラーとしての感性 (?) のおかげで、まさかの2問連続正解。
その結果に自分が一番ビックリしていますが、
ここまで来たら、一流のままでチェックを終えたいところです。




さて、そんな僕が挑む本日最後のチェックがこちら。





今回用意したのは、横山大観が終生愛飲したという日本酒。
富士大観 純米大吟醸。
1本、3025円です。




この日本酒を作っているのは、茨城県日立市にある創業1869年の森島酒造。
その4代目社長と茨城県出身の横山大観は深い交友があったそうです。
なお、大観という名前は、横山大観自身が命名したもの。
揮毫も横山大観自身がしたのだとか。

そして、もう一つは、高知県のとある酒蔵が作った日本酒。
こちらも純米大吟醸。
1本、1700円です。
ということで、この2つを飲み比べ、
横山大観と関わりの深い日本酒のほうを当てたいと思います。




日本酒はワインより飲み慣れているので、
今回の問題の中では当てられる自信が一番あります。
では、まずはAの日本酒を1口。




「美味っ!!!」




続いて、Bの日本酒を一口。




「・・・・・うん。まぁ、美味しいけども」




美味しいのは、圧倒的にAでした。
口に含んだ瞬間に世界が広がると言いましょうか。
大観の作品のようなスケールの大きさを感じる日本酒といったところ。
それに対して、Bは実にオーソドックスな味わいでいた。
展覧会でいうと、決してメインを張る作品でなく、
会場を埋めるための、その他大勢の作品といった印象です。
素直に考えたら、Aなのですが。
一つ気になったのは、Aのフルーティーさ。
大観の作風とは、ちょっとイメージが異なるような。

とここでふと思い出したのですが、
確か、大観は毎日のカロリーを日本酒で摂っていたはず。
AとB、どちらの日本酒が毎日飲みたいかと言われたら、
オーソドックスで何の料理にも合いそうなBのような気がしました。




ということで、Bに賭けます。




運命の分かれ道。結果発表。
正解は・・・・・・・・




















でした。




なぜ、素直に美味しいほうを選ばなかったのだろう・・・・・・。
アートテラーとしての余計な知識が完全にあだとなりました。




一流ではなく、普通のアートテラーですが、
皆さま、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。






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巨大塗り絵を完成させられるかな

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24~32時間で終わるかと思いきや、
予想外にも10日間もかかってしまったジグソーパズルチャレンジ企画
意外にもその反響は大きく、多くの美術関係者の方々から、
「ジグソーパズルのチェックしてましたよ」 とお声がけ頂きました。
それと、Twitterのフォロワー数も少しだけ増えました。
何でもチャレンジしてみるものですね。

さて、そんなチャレンジを終えた数日後、
山種美術館の山﨑館長から、こんなメールが届きました。

「とに~さんのゴッホのひまわりのパズルが人気で素晴らしいですね。

 当館でも田能村直入 《百花》 の塗り絵をSNSでご紹介しようと思っております。
 とに~さんに、たとえば同時進行で塗り絵をしていただくなど、
 何かコラボすることはできませんか?

 ぜひ、アイディアをお教えいただければ幸いです。」






なるほど。塗り絵ですか。
確かに、塗り絵もジグソーパズルと並ぶ暇つぶしアイテム。
自宅でやる企画にはもってこいです。
ただ、2000ピースのジグソーパズルに挑んだあとだと、インパクトに欠ける気もします。

そこで、山﨑館長に一つの提案として、
「大きな塗り絵だったら企画として面白いかもしれないですね 」とお伝えしました。
すると早速、「どれくらいのサイズがいいでしょうか?」 と返信が。
それに対し、「大きければ大きいほど面白い気がしますよ」 とお答えしました。



その数週間後。
我が家に大きな筒が届きました。
送り先を見てみると、どうやら山種美術館のようです。
不思議に思いながら開けてみると、そこには巨大な塗り絵が入っていました。




デカッ!!!

確かに “大きければ大きいほど面白い” とは言いましたが、まさかここまで大きいとは。
ちなみに、大きさはA0サイズ。
841×1189mm。
面積は1㎡となるそうです。

さらに山種美術館から送られてきたのが、塗り絵セット一式。
24色の色鉛筆が2つと36色の色鉛筆、鉛筆削りと消しゴムです。




というわけで、今回は、この巨大塗り絵に不眠不休で挑みます。
題して、巨大塗り絵マラソン
本日17時にスタートし、明日17時のゴールを目指します!

ちなみに、今回のチャレンジでは、初の試みとして生配信も。
以下のスケジュールで途中経過を山種美術館のInstagramから生配信いたします。

山種美術館公式アカウント:https://www.instagram.com/yamatane_museum/
〈配信タイムスケジュール〉
5月23日(土)  ①17:00 ②20:00 ③深夜 (2回目の配信時に告知)
5月24日(日)  ④早朝(3回目の配信時に告知) ⑤9:00 ⑥12:30 ⑦17:00
※山種美術館の館長や学芸員が登場する回もあります。


果たして、今度こそ24時間で完成させることはできるのか?
皆さま応援よろしくお願いいたします!




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巨大塗り絵を完成させられたかな

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昨日5月23日土曜日の17時にスタートした巨大塗り絵マラソン。
こちらは、山種美術館の “おうちで日本画” とのコラボ企画で、
田能村直入 《百花》(部分) のA0サイズの塗り絵を24時間で完成させるというチャレンジに挑みました。

果たして、気になるその結果は・・・・・・




と、不眠不休で頑張ったのもあり、もったいぶりたいところですが。
ずっと色鉛筆を手に塗り塗りしていたら、
右手の親指がパンパンに膨れ上がってしまいました。
それに加えて、寝てないので、なるべく文章を短めにしたいところです。
結果から言えば、なんとか24時間で完成しました。
その紆余曲折は、途中に何度か行ったインスタライブで、
いろいろ喋っていますので、気になる方は山種美術館のInstagramをチェックくださいませ。
山種美術館公式アカウント:https://www.instagram.com/yamatane_museum/


ちなみに。
出来上がりは、こちら↓




小学生以来の塗り絵でしたが、
意外にも塗り絵の才能があったようです。
自分が一番ビックリしています。
山種美術館の山﨑館長もお褒めくださり、
なんと、この塗り絵が山種美術館のロビーに飾られることが急遽決まりました。
その経緯についても、インスタライブで語られているので、
気になる方は山種美術館のInstagramをチェックくださいませ。
山種美術館公式アカウント:https://www.instagram.com/yamatane_museum/


さて、これまでもいろんなチャレンジをしてきましたが、
肉体面での過酷さは、間違いなく5本の指に入る気がしています。
(↑そのうちの親指が負傷していますw)
ただ、山﨑館長をはじめ、山種美術館のスタッフの皆さんの全面的なサポート、
さらに、インスタライブやInstagramへのコメントを通じて皆さまからの応援があり、
まるで本当に24時間テレビのチャリティーマラソンをしているかのようでした。
(ゴールがギリギリだったことも含めて)
この場を借りて、皆さまに心より御礼申し上げます。


大の大人が自宅でひたすら24時間巨大な塗り絵をする。

字面だけ見れば、とてもシュールで、
バカバカしく思えるチャレンジですが、
個人的には、本気で取り組んだので、ものすごい達成感を味わえました。
この姿を見て、誰か一人でも面白いと思って頂けたら、
田能村直入の 《百花》 の実物を観てみたいと思って頂けたら、アートテラー冥利に尽きます。
一つだけ心残りだったのは、最後に 『サライ』 を歌い忘れたことでしょうか。




ちなみに。
今回の巨大な塗り絵チャレンジの一部始終をタイムラプス撮影をしていました。
腰からパンチラしていて、お目汚し恐縮ですが、
巨大な塗り絵が完成していく様が気になる方は、どうぞご覧くださいませ。






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アートで一言 ~クリーブランド美術館編~

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美術館に行きたい!
・・・・・・・でも、行けない。

そんな時は、インターネット上で美術鑑賞を。
太っ腹にも、その膨大なコレクションを、
無料公開している世界各国の美術館のサイトを訪問してみましょう。

本日訪れてみたのは、クリーブランド美術館のコレクションページ
クリーブランド美術館は、アメリカオハイオ州にある全米屈指の規模と質を誇る美術館。
日本美術コレクションも充実しており、
その一部が、2014年に東京国立博物館でお披露目されました。
そんなクリーブランド美術館のコレクションの中から、
厳選した作品の数々で、『アートで一言』 をしてみました。


●ロレンツォ・ロット 《男の肖像、おそらくジローラモ・ロザッティ》 16世紀




かれこれずっと店員を呼んでいる



●シャルル・メニエ 《多眠症、雄弁のミューズ》 1789〜1800年




何を言う~ 早見優~



●ルナン兄弟 《家族の食事》 17世紀




あきらかにテーブルのサイズが合ってない



●ジャン=エティエンヌ・リオタール 《フランソワ・トロンチン》 18世紀




リモート出演



●ポール・ガヴァルニ 《カーニバル》 19世紀




向かいから人がやってきたので、
右にズレたら、向こうも同じ方向にズレて、
今度は左にズレたら、向こうもズレて・・・の繰り返し




●テオフィル・アレクサンドル・スタンラン
 《『ジル・ブラス』好奇心、アレクサンドル・ヘップ》
 19世紀




世界初のあおり運転



《盾型埴輪》 古墳時代




東儀秀樹型埴輪



●クロード・モネ 《赤いスカーフ》 19世紀




マッチを買わなかったら家までついてきた



インターネット上もいいですが、やはり実物を観たいものですよね。
少しでも早く美術館が再開することを願ってやみません。




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動画編集つづけています

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先日の記事にて、動画クリエイター (?) デビューしたことはお伝えしましたが。
第1回のねりびちゃんねるを公開以降も、
コンスタントに、その続編を公開し続けております。

 ・ねりびちゃんねる第2回
 ・ねりびちゃんねる第3回

さらに、ねりびちゃんねるでは、
ショパン展に関連したクロストークに引き続き・・・・・




「おうちdeアート」 と題した工作編の動画もアップしています。
撮影、演出、編集、出演だけでなく、
後編では不器用ながらも、モビール作りにもチャレンジしています。
自分でいうのもなんですが、一人何役こなしているのでしょう。

そんな “ねりびちゃんねる” は今後も継続予定なので、
近日中に新たな動画を撮影し、新作を編集いたします。
あらゆる美術館の動画の中でもっともユルい動画 (?) をお楽しみ頂けたら幸いです。


さてさて、せっせとアートの動画を編集し続け、
いつの間にやらハイパー動画クリエイターと化した僕に (←?)、
先日、新たな動画シリーズのプロデュースのオファーが舞い込んできました。
そのオファーの相手は、美術ファンの一部に熱狂的な人気を誇る彼。




そう、タラ夫です。

タラ夫は、2017年に東京都美術館で開催された展覧会、
“ボイマンス美術館所蔵 ブリューゲル『バベルの塔』展” で爆誕した公式キャラクター。
あまりの人気ゆえに、展覧会が終わった今もなお、
さまざまな展覧会に赴いては、公式Twitterにてアート情報を気ままに呟いています。
ちなみに、タラ夫のフォロワー数は、1万6000人!(←僕のフォロワー数の16倍!)
アート界屈指の人気キャラクターと言っても過言ではありません。


そんなタラ夫から突如舞い込んだ今回のオファー。
(タラ夫には、“中の人” はいないので、タラ夫から直接オファーが来ました)
アマビエ・・・・・ではなく、タラビエに扮したタラ夫が、
閉館中のミュージアムを訪れて、疫病退散と芸術文化早期回復のご利益をもたらす。
そんな動画を制作したいので手伝って欲しいとのこと。
なんともざっくりした内容のオファーでしたが、
タラ夫と美術界のためならば、と喜んでお引き受けました。

そうして制作した動画の第1弾が、本日無事にアップされました。

タラビエ様がやってきた ~和食展その1~

残念ながら中止となってしまった国立科学博物館の “和食展”
その会場にタラビエ様が降臨し、
展覧会の広報担当者さんにその見どころを紹介して頂いています。
気づかれた方もいらっしゃるかもしれませんが、
プロに発注する余裕がなかったので、動画のナレーションも担当しました (笑)

タラ夫とともにシリーズ化を目論んでいますので、
動画をたくさん再生して頂けまし “タラ” 幸いです。




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新・無料で観れる 美術百選 《はとば公園 (東京都中央区)》

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思わず写真を撮らずにはいられない。
それが、東京都美術館の銀の玉。
正式名は、《my sky hole 85-2 光と影》
日本を代表する彫刻家、井上武吉による美術作品です。

実は、この銀の玉は、上野以外にも存在しています。
一つは、日比谷U-1ビル。




そのエントランスの横に、ドンと設置されています。




東京都美術館のものと比べて、穴は大きめ。
小さな子どもだったら、穴の中に入れるかも。
もし、この作品のほうが都美に置かれていたら、
子どもたちの遊び場となっていたかもしれませんね。
ちなみに、裏側に回ってみると・・・・・・・・




ちゃんと作品名とサインが描かれていました。




さてさて、日比谷の他にも、
町田市や大田区に銀の玉は存在しているようですが。
勝鬨橋のほど近くにあるはとば公園にも銀の玉があるようです。




ということで、公園の中に入ってみましょう。




階段を登るとそこに・・・・・・・




銀の玉がありました。
というか、銀の玉しかありませんでした。
一体どういう公園なのでしょうか?
コンセプトがいまいちよくわかりません。




新・無料で観れる 美術百選 098
井上武吉 《my sky hole 水の情景》



他の 《my sky hole》 シリーズと違って、穴の入り口はアクリルで塞がれていました。
しかも、その穴を覗いてみると・・・・・・・




どうやら反対側は2つの穴が開いているようです。
これは想定していなかった展開!
そういうパターンもあるのですね。
ということで、反対側に回ってみました。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・バボちゃん?


ちなみに、この公園は入り口がいくつかあるようなのですが、
どの入り口から入っても最終的には、この銀の玉に辿り着くようです。





すべての道は銀の玉に通ず。


<無料で観れる美術 データ>

はとば公園

住所:東京都中央区築地6-19-24
アクセス:○東京メトロ日比谷線 「築地駅」 より徒歩約7分
     ○都営大江戸線 「勝どき駅」 より徒歩約7分




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あのダリナイトが、リモートver.で開催されます!

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こんばんは。
ATN (=アートテラーニュース) のお時間です。

昨年6月4日に、代官山蔦屋書店にて開催され好評を博したイベント、
『アジア最大級のダリ美術館 20周年記念トークショー「ダリナイト」』 。
一夜限りのイベントであったはずですが、
とに~氏の思い付きがきっかけで、来る6月12日に再び開催されることが決まりました。

先月末から数回にわたって、
オンラインでのトークイベントを経験してきたとに~氏。
回数を重ねるうちに、オンラインで話すことにもすっかり慣れたとのこと。
そこで次なる展開として、どこかの美術館と、
オンラインで何かイベントが出来ないものかと考えるようになったそうです。
その際、真っ先にとに~氏の脳裏に浮かんだのが、
昨年の 「ダリナイト」 でコラボした福島県の諸橋近代美術館。
思い付いた瞬間に打診のメールを送ったところ、快諾する旨の返信が秒で戻ってきたそうです。

とはいえ、この段階で具体的に何をするかは、とに~氏は全く思い付いていなかったそう。
まずはリモートで打ち合わせをすることにしたそうです。
ちなみに、その打ち合わせの模様は録画されており、
諸橋近代美術館のYouTubeチャンネルでアップされている模様。




とに~氏曰く、
「打ち合わせを動画で録るなら、事前に言って欲しかった(笑)」 とのこと。
自宅なので、完全にプライベートモードで打ち合わせに参加していたそうです。


さて、そんな打ち合わせを通じて決定したのが、
『リモートアートトークイベント 【おうちでダリナイト】』。
内容が盛りだくさんのため、2部構成となったそう。

第1部 (18:00~19:30) は、『裏磐梯よりダリをこめて』
とに~氏と諸橋近代美術館のダリ好き学芸員が、
開催中の展覧会 “ダリとハルスマン” の紹介を中心に、
幼少期の秘話などさまざまな角度からダリを解説するトークイベントです。
トークの途中では、閉館後の美術館の外観やショップ、展示室と中継を繋ぐコーナーも。
リモートならではのトークイベントとなりそうです。

続く第2部(20:30~22:00) は、『THEダリ夜会』
おそらく美術館史上初となるオンライン飲み会イベントです。
とに〜氏と諸橋近代美術館のダリ好き学芸員が、
お酒を飲みながら、さまざまなテーマでダリについて語るそう。
ダリ好き学芸員曰く、くだらなすぎて、あるいは、アダルトすぎて、
普段のギャラリートークでは自粛してきたトークも解禁する予定とのこと。
ディープなダリの世界に浸れるイベントとなりそうです。


以下、とに~氏のコメントです。

「緊急事態宣言は解除されましたが、
 まだもう少しの間は、県をまたいでの移動は自粛する必要がありそうです。
 諸橋近代美術館に行きたい!
 ・・・けど、行けない福島県民以外の皆さまに、
 楽しんでもらえるイベントになればいいなと思っております。
 あっ、もちろん福島県民の皆さまのご参加も大歓迎です。
 なにぶん初の試みなので、至らない部分もあるかもしれませんが。
 (↑最初に謝っておきますw)
 第1部、第2部ともに全力で取り組みますので、よろしくお願いいたします。
 ちなみに、このイベントが成功したなら、
 他にもコラボしたい美術館がまだまだあるので、
 二の矢、三の矢を放っていきたいと考えております。
 そのためにも、多くの皆さまにご参加して頂けたら幸いです。

 第2部は自宅でお酒を片手に参戦なので、
 飲み過ぎないように気を付けたいと思います (笑)」



どちらのイベントも、6月1日より申し込みがスタートとのこと。
参加ご希望の方は、諸橋近代美術館の公式HPをチェックくださいませ。




それでは、今夜のATNはこの辺りで。
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クイズ!この色なんの色

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先日挑んだ巨大塗り絵チャレンジ
このチャレンジを通じて何よりも学んだのが、色の種類でした。
赤とか黄色とか緑とか、今まで漠然と色の名前を使っていましたが。
世の中には、「なんどいろ」 をはじめ、
「まつばいろ」 や 「ときわいろ」 など、さまざまな色があるようです。
ちなみに、「なんどいろ=納戸色」 とは、こんな色↓




なぜ、納戸色と呼ぶのかは定かではないとのこと。
納戸の暗がりの色であるという説や、
たくさんの藍染めを納戸に収納していたからという説があるようです。

なお、「まつばいろ=松葉色」 は、
文字通り、松の葉のような深みのある渋い青緑色。




「ときわいろ=常磐色」 は、常緑樹の葉の色のように、
茶みを含んだ濃い緑色で、英語のエバーグリーンに通じる色なのだそうです。




ということで。
今回は、色に関するクイズを作成してみました。
4つの色の中から、正しい色を選んでくださいませ。


Q1 次のうち、抹茶色はどれ?

















正解は、D

Aは深緑、Bは苔色、Cは緑青色です。
本当の抹茶色って、ハーゲンダッツの抹茶よりも、抹茶色ではないのですね (←?)。



Q2 次のうち、玉蜀黍色 (とうもろこし色) はどれ?

















正解は、

Aは中黄、Cは向日葵色、Dは蒲公英色 (たんぽぽいろ) です。
個人的には、Bがもっともトウモロコシから遠い色のような気がします。
あの色のトウモロコシは、たぶん美味しくないです。



Q3 次のうち、羊羹色はどれ?

















正解は、

Bは黒鳶、Cは似せ紫、Dは葡萄色 (えびいろ) です。
先ほどの出題と同じく、Aがもっとも羊羹から遠い色のような気がします。
羊羹として美味しそうなのは、圧倒的にDですね。



Q4 次のうち、飴色はどれ?


















正解は、

よくレシピに 「玉ねぎを飴色になるまで炒めて~」 とありますが、
冷静に考えたら、チュッパチャプス一つとっても、飴の色はいろいろあるわけで・・・。
結局のところ、何を持って飴色なのでしょう??
ちなみに、Bは代赭 (たいしゃ)、Cは土色、そして、Dは狐色です。
よくレシピに 「全体がこんがりと狐色になったら出来上がり」 とありますが。
このDの色をお手本にしないといけないのですね。



Q5 次のうち、亜麻色はどれ?


















正解は、

『亜麻色の髪の乙女』 という曲は何度も耳にしていましたが。
いざ、「亜麻色って何色?」 と問われたら、まったくもってイメージが湧きません (汗)。
正しい亜麻色の髪の乙女は、こんなアッシュカラーだったのですね。
なお、Aは薄紅梅、Bは紅掛空色 (べにかけそらいろ)、そして、Dは黄檗色 (きはだいろ) です。



Q6 次のうち、虹色はどれ?


















正解は、

虹色=7色と思いきや、まさかの1色。
しかも、一般的にイメージされる虹とは遠い色に、「虹色」 の名が付けられています。
ちなみに、Aは若草梅、Bは空色、そして、Dは躑躅色 (つつじいろ) です。



Q7 次のうち、漆黒はどれ?


















正解は、

今回出題する中で、最高難易度のクイズです。
どれも同じ黒に見えますが、漆黒はDなのだそう。
なお、Bは濡羽色、Cは暗黒色です (←やや中2病感もあるネーミングですね)。
そして、Aは黒。
こうして比べてみると、黒が一番黒くないのですね。



さて、出題は以上となります。
赤子の手をひねるように簡単でしたか?
それとも、目を白黒させるほど難しかったですか?
もし、1問も正解できなかったとしても、どうぞ色をなさないでくださいませ。




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クイズ!この色なんの色~西洋の色編~

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本日も昨日に続き、色に関するクイズをお届けいたします。
昨日は、日本の伝統色に関するクイズでしたが、今回は西洋の色から出題!
4つの色の中から、正しい色を選んでくださいませ。


Q1 次のうち、カフェオレはどれ?

















正解は、D

Aはキャラメル、Bはヴァニラ、Cはコーヒーです。
Dがカフェオレという以上に、Bがヴァニラということに驚き。
変色してません?



Q2 次のうち、ブロンドはどれ?

















正解は、

Bはジャスミンイエロー、Cはカナリヤ、Dはシトラスです。
ブロンドヘアーというと、“まっきんきん” なイメージがありましたが。
実際のブロンドは、そこまで黄色くはないのですね。



Q3 次のうち、エレファントスキングレイはどれ?
















正解は、

Aはムーングレイ、Cはモスグレイ、
そして、Dはバトルシップグレイとのこと。
今回調べていて判明したのですが、
日本の伝統色に比べて、西洋のほうがグレーの種類が多いようです。
白黒ハッキリつけたがるのは、日本よりも西洋のほうなのに。



Q4 次のうち、アスパラガスグリーンはどれ?


















正解は、

ちなみに、Bはスピナッチ (ほうれん草) グリーン、
Cはレタスグリーン、Dはアップルグリーンだそうです。
西洋では、レタスよりもアスパラガスのほうが色が薄いのでしょうか??
色も味も薄そうです。



Q5 次のうち、ビリヤードグリーンはどれ?

















正解は、

Aはオウムの羽の色に由来するパロットグリーン、
Bは昔のワインボトルに使われていたガラスの色に由来するボトルグリーン、
そして、Dはクリスマス飾りに使われるヒイラギの葉をイメージしたホーリーグリーンです。
緑色にもいろんな種類があるのですね。
ちなみに、ビリヤードの台に緑色が採用されているのは、
緑色には、精神を平静にする効果があると信じられているからとのこと。
以上、豆知識でした。



Q6 次のうち、ヘブンリーブル― (=天上の青) はどれ?


















正解は、

Bはヨットブルー、Cはスペクトルブルー、Dはウルトラマリンブルーです。
クイズと直接関係ないですが、ヘブンリーブル―は、L'Arc-en-Cielの曲名にありそうですね。
スペクトルブルーは、LUNA SEAの曲名にありそうですね。



Q7 次のうち、ヒヤシンスはどれ?


















正解は、

今回出題する中で、最高難易度のクイズではないでしょうか。
ヒヤシンスは何色って言われても、
赤もあれば、青もあるし、黄色いのもありますし。
もしかしたら、西洋の人は、
ヒヤシンスと聞けば、この色がパッと思い浮かぶのかもしれませんね。
なお、Aはミモザ、Bはブーゲンビリア、Dはダリアパープルです。



さて、出題は以上となります。
色について実は意外と何も知らなかった。
そんな事実が白日の下に晒された方も多いのではないでしょうか。
正解が2問以下なら黄信号、0問なら赤信号。
色彩感覚をもっと磨きましょう!




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第百八十三話 国宝ハンター、自粛する!

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前回までのあらすじ~

「頑張れとに~頑張れ!!
俺は今までよくやってきた!!俺は国宝ハントできる奴だ!!
そして今日も!!これからも!!
折れていても!!(←?) 俺が挫けることは絶対に無い!! 」
と、竈門炭治郎ばりに、自分を鼓舞しながら、
日本の国宝すべてを目にするべく日本全国を巡ってきた国宝ハンター・とに~。
しかし、長い自粛生活のせいで、骨ではなく心が折れてしまったようで・・・・・



長引く、自粛生活。
それでもアートテラーとしてのお仕事は、
早いうちから、おうちで出来る範囲で再開していましたが。
国宝ハンターのほうは、というと・・・・・ずっと自粛中のままです。
そして、緊急事態宣言が解除されたとはいうものの、
不要不急の他地域の移動に関しては、まだしばらく自粛が続く様子。

いっその事、もう国宝ハンターはやめてしまおうか・・・・・

実は、3月の下旬に法隆寺に未見の国宝をハンティングしに行く計画をしていました。
その段階では、まだ緊急事態宣言が発令されていませんでしたが、
コロナウィルスの拡大感染を防ぐため、法隆寺での法要が直前に中止決定。
それに合わせて、国宝ハンターの旅も急遽取りやめることとなったのです。

そんな自粛中の国宝ハンターを嘲笑うかのように、
今年3月に、文化庁はまたも新たな国宝を指定しました。
それも、4件も!
僕は自粛警察ではないですが、
これに関しては、せつに自粛を求めたいところです。
あぁ、ゴールが4件分も遠のいてしまいました。


とはいえ。
3月に指定された新国宝はたいてい、
トーハクで開催される “新指定国宝・重要文化財展” で公開されます。
今年もその展覧会を確実に抑えればいいや、と余裕をかましていたところ・・・・・

開催中止が決定したようです。。。

もちろん、コロナのせい。
やってらんねーよ!



・・・・・・・・と、長いこと、だいぶ不貞腐れていたのですが。
つい先日、用事があって郵便局を訪れた時のこと、
「国宝シリーズ 第1集」 なる特集切手が販売されているのが目に飛び込んできました。

!!!!!!!!!!!!

そして、気づいたら2セットとも購入していました。





国宝の土偶が5体揃っているなんて熱すぎるっ!!

円覚寺舎利殿や浄土寺多宝塔をセレクトするなんて渋すぎるっ!!

特に羽黒山五重塔!
羽黒山五重塔を目にした感動は、今でもありありと覚えています。
第八十二話 国宝ハンター、全力疾走する!


やっぱり国宝ハンティングはいいなぁ。

国宝への熱い想いが、蘇ってきました。
・・・・・・・・・・我ながら単純なものです (笑)


今すぐには再開できませんが、
いずれその日が来たなら、国宝ハンターの旅に出ます。
それまで国宝への情熱を失わないようにしなければ!


今現在の国宝ハンティング数 1028/1124(1120改め)




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社会リストラ計画

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今日6月1日から、ぼちぼちと都内の美術館も活動を再開しはじめました。
というわけで、僕もぼちぼちと美術館巡りを再開。
明日からは、このブログもようやく通常運転に戻ります。

というわけで。
本日は、あるイベントの前座として披露したネタを紹介する最終回。
世の中にある無駄なモノを槍玉に挙げる 『社会リストラ計画』 をブログver.でお届けします。


・靴下についているタグ
金具に、値札シールに、素材表示に。
新しい靴下を買うと、やたらとタグがついていて、イラッとさせられます。
「何で、こんなに色々ついているんだ!」 と。
さらに腹立つのが、あの白いプラスチックの固く細いヤツ。
あいつは、親の敵かというくらいに、固い!
ハサミかライターを使わなければ、太刀打ちできません。
靴下一足を履くまでに、どれだけの手間をかけさせるのか。


・刺身のパックに入っているプラスチックの菊
刺身のパックを買うたびに、こいつの存在が気になって仕方がありません。
果たして、このプラスチック製の菊に、
一体、どれだけの人が風情を感じているのでしょうか?
彩りを添えていると言えば、まぁ、添えているような気もしなくはないですが。
何だか浮いているように感じられるのは、きっと僕だけではないでしょう。


・巨大料理を作ったというニュース
やれ巨大ピザだの、巨大海苔巻きだの、巨大芋煮だの。
これらの巨大料理が作られたということが、たまにニュースで取り上げられます。
そう言われたところで、“ふ~ん。で?” としか思えないのが事実。
全長10mだろうが、100人前だろうが、“ふ~ん。で?” としか思えません。
あと、変な形の大根が採れたというニュースも、“ふ~ん。で?” としか思えません。


・キャベツ太郎に描かれているキャラクター




↑こいつです。
え~と、とりあえず、何でカエルなのでしょう?
「キャベツ ⇒ 緑 ⇒カエル」 ということなのでしょうか??
まぁ、仮にそうだとしましょう。
で、何で、カエルが警官なのでしょうか???
帽子を目にかぶっていたり、ネクタイ着用だったり、
そのくせ、喋り方は意外と普通だったりと、ツッコミどころが多すぎです。
ハッキリ言って、このキャラの必要性が見当たりません!


・“うまい棒” に換算
「年収10億?!えっ、じゃあ、うまい棒が1億本も買えるじゃん!」
・・・・・・・・・まぁ、そりゃそうでしょう。
だから、何だというのだ。
年収10億円もピンと来ませんが、
うまい棒が1億本あるというのも、同じくらいピンと来ません。


・初対面での 「わ~、私の友達にそっくり!」 発言
僕はよくこの手の発言をされます。
いとこに似ていると言われたこともあります。
正直なところ、言われた側としては、
何のリアクションも取りようがなく、「そうなんだ・・・」 と返すのがやっとです。
ちなみに、心の中では “じゃあ、そいつ、連れてこいよ!” と思っています。


・服屋の 「店の先までお持ちしますよ」 というサービス
PARCOやマルイの服屋でよくあるのが、
会計を済ませた後に、「あっ、店の先までお持ちしますよ」 という謎のサービス。
店先までのわずか5歩くらいのストロークだけ、購入した服を持ってくれます。
が、しかし、そのわずかの距離で、一体何の恩恵を感じられましょうか。
やるなら、1階の入口まで持ってこい。
そうでないなら、最初から自分で持ちます。


・鼻の下にある溝
正式には、人中という名がついているそうです。
まぁ、それはさておきまして。
37年の人生で、こいつは一度も僕の役に立ったことがありません。
君は何のためにいるのかね??
むしろ鼻水が出た際に、唇へと導く導線となり、厄介なことこの上ないです。


・カラオケでのリフレイン部分
カラオケで一番気まずい思いをするのが、
歌のラストで、サビのメロディを何回もリフレインして歌っている時。
リフレインを3回くらいしたあたりから、
みんなが多少飽きているのが、手拍子の感じでなんとなくわかります。
“あ~、もう早く曲終わらないかなぁ・・・”
そんな僕の願いも空しく、曲は容赦なく4回目のリフレインへと突入。
“まだ終わらないのかよ!” と、泣きたくなります。
ようやく終わったかなと思えば、
5回目のリフレインからは、歌詞が 『♪ラララ~』 になる始末。
いたたまれなくなって、演奏停止を押すと、
みんなから、「まだ歌えばよかったのにぃ」 などと言われたりもする。
“いやいや、そんな顔してなかったじゃねぇかよ!!”


・「絹本着色」 の 「着色」
最後くらいは、アートテラーらしくアートに関するものを。
日本画の展覧会のキャプションでよく目にする言葉、絹本着色。
絹に描かれているのか、紙に描かれているのか。
そこは大事なので、「絹本」 や 「紙本」 が明記されるのはわかります。
ただ、着色しているかどうかは、見りゃわかるよ、と言いたい。
だって、色が付いてるんだもん。



さてさて、次にリストラの対象になるのが、
この記事自体にならないことを祈りつつ、ここら辺でお別れしましょう。
では、また。




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真珠 ― 海からの贈りもの

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注:会期や開館時間、イベント等変更する場合があります。
最新情報は美術館ホームページ等でご確認くださいませ。



渋谷区立松濤美術館で開催中の展覧会、
“真珠 ― 海からの贈りもの” に行ってきました。


(注:館内は写真撮影禁止です。特別な許可を得て撮影しています。)


こちらは、タイトルずばり真珠をテーマにしたもので、
古今東西の真珠のジュエリーが一堂に会した豪華絢爛な展覧会です。
まず地下の第1展示室で紹介されているのは、ヨーロッパの真珠のジュエリーの数々。
古代オリエントからルネサンス、ロココ、
そして、19世紀末から20世紀初頭にかけてのジュエリーが紹介されています。





真珠のジュエリーというと、
まず真っ先に真珠が連なるネックレスが思い浮かびましたが。
そういうオーソドックスな真珠のネックレスは、こちらの1点だけ。




展覧会では、ライオンの脚の下にそれぞれ真珠がついたペンダントや、




真珠を鳥の卵に見立てたゴールドセットなど、




ゴージャスかつデコラティヴなジュエリーが多く紹介されていました。
それゆえ、ジュエリーを身に付けない僕のような男子が観ても、十分に楽しめます。

ちなみに、当然ですが。
これら第1展示室のジュエリーに使われている真珠は、養殖ものではなく天然もの。
・・・・・・・このフロアにあるジュエリーだけで、総額いくらになるのでしょう??
想像するだけでクラクラしてきました。
星星


さて、思わずため息もののジュエリーは多々ありましたが、
中でもとりわけため息が漏れたのが、こちらの 《シードパールティアラ》 です。




シードパールとは、芥子の実サイズの小さなパールのこと。
そう、つまり大粒のものだけでなく、
この小さな粒もすべて天然の真珠なのです。




技術も超絶的ですが、材料費も超絶的。
人間の美に対する欲望の果てしなさを、まざまざと見せつけられました。

うってかわって、ポップな印象を受けたのが、
『Good Luck』 という文字がデザインされたこちらの19世紀イギリスのブローチ。




パット見は、Lineスタンプみたいな感じですが、
よくよく見れば、使われていたのは、
ゴールドにダイヤモンドにハーフパールです。
とてもLINEコインでは買えそうにありません。


さて続く2階の展示室サロンミューゼで紹介されているのは、日本の真珠のジュエリーの数々。




真珠のジュエリーの長い歴史を持つ西洋と違って、
意外なことに日本では、明治になるまで真珠は装身具に使われることはほぼ無かったそう。
明治38年に御木本幸吉が真円真珠の養殖に世界で初めて成功したことで、
日本でも一気に真珠のジュエリー文化が花開くこととなったのだそうです。
周囲を海に囲まれた海洋国家、日本。
だから、真珠も当然昔から親しまれていたのだろうと、
当たり前のように考えていましたが、実はそうではなかったのですね。

とはいえ、全く真珠と無縁だったというわけではないようで。
展覧会では、明治以前の日本の真珠に関しても紹介されていました。
その中には、日本最古の真珠遺物とされる・・・・・




貴重な 《縄文真珠 (別名:トリハマ・パー
ル)》
も。
また、個人的にとても興味津々だったのが、こちらの真珠です。




その名も、「御喰出し (おはみだし)」 。
真珠の養殖にも使われるアコヤ貝は、
肉はあまり美味しくないそうですが、貝柱は美味しいのだそうです。
そんなアコヤ貝が採れる大村藩 (現在の長崎県) では、
一般の庶民は食べることが許されず、藩主のみが食べることを許されていたのだとか。
その藩主がアコヤ貝を食べた時、
ごくごくたまに、アコヤ貝の中から天然の真珠が出てきたそう。
それを 「御喰出し」 と呼び、こうして書付とともに珍重したのだそうです。
アコヤ貝の中に異物が入ることで、偶然、真珠が生まれて。
その真珠入りのアコヤ貝を食した際に、
異物に気づいたお殿様の口からまた真珠が御喰出されて。
そんな2行程を経てるだけに (←?)、実に貴重な真珠といえそうです。




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特別展「奇才―江戸絵画の冒険者たち―」

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6月2日。
今年楽しみだった展覧会の一つ、
“奇才―江戸絵画の冒険者たち―” が、江戸東京博物館で開幕しました!




会期終了は、予定通り6月21日とのこと。
たった3週間しか開催されない貴重な展覧会となっています。


こちらは、北は北海道から南は九州まで、
江戸時代に活躍した35人の奇才絵師が集結した展覧会。
その35人の中には、昨年、東京都美術館で開催された “奇想の系譜展” の8人、
岩佐又兵衛、狩野山雪、伊藤若冲、曽我蕭白、長沢芦雪、歌川国芳、白隠、鈴木其一はもちろん、
俵屋宗達や尾形光琳、円山応挙、仙厓、河鍋暁斎といった面々も名を連ねています。
要するに、江戸絵画のベストメンバーが勢揃いした展覧会です。

しかも、そのベストメンバーそれぞれの代表作が出展されています。
特に驚かされたのが、葛飾北斎の出展作。
長野県の小布施にある北斎館の至宝ともいうべき逸品・・・・・・・





祭屋台天井絵が2面揃って出展。
さらに、昨年、森アーツセンターギャラリーで開催された、
“新・北斎展” で初めて寺外で公開されたことで話題となった・・・・・・




《弘法大師修法図》 もサラッと出展されていました。
メンバーを集めすぎて、一人一人の見せ場は少ないですが。
控えめに言っても、最強の江戸絵画展です。
星星星



やたらとたらし込みをしたがる中村芳中の 《公卿観楓図》 や、




なぜか前脚を揃えて、懐かしのだっちゅーのを決める狩野山雪の 《龍虎図屏風》




歌川国芳による珍しい肉筆画、《水を吞む大蛇》 など、




印象に残った作品は多々ありますが。
特に強く印象に残ったのは、髙井鴻山の 《火焔妖怪図》




水木しげるの漫画には一切登場してないであろう、
オリジナリティ溢れる妖怪たちが列をなしたインパクト抜群の作品です。
髙井鴻山の頭の中は一体どうなってるんでしょうか?
何か変なクスリでもやってるんじゃないかと心配になったほどです。


インパクトがあったといえば、片山楊谷も。
楊谷は虎を得意とした鳥取の画家だそうです。




何と言っても特徴的なのは、毛並みの描き方。




細い筆で一本一本丹念に描いています。
近くで観れば観るほど、その気の遠くなるような作業に衝撃を受けました。
ちなみに、会場には、楊谷が虎を描いた三幅対の作品も。
左にはプレーンな (?) 黄色い虎。中央にはモノクロの虎。
そして、右に描かれていたのは、ホワイトタイガー。




若干、顔がゾンビっぽかったです。
いや、虎のゾンビってよくわからないですが。


鑑賞するのは、今回で二度目ましてですが、
改めて驚かされたのが、加藤信清の 《出山釈迦図》




一見すると、何の変哲もないお釈迦様の絵に見えますが、
ズズズイズイとズームすると、この絵のスゴさがわかります。

《出山釈迦図》《出山釈迦図》


実は、こちらの絵は、線ではなく、
全て経文の文字で描かれているのです。
まさに超絶技巧!
肉眼で鑑賞するには限界があるので、単眼鏡があるとベターです。


最後に、今回もっとも気になった作品をご紹介。
大阪の絵師・耳鳥斎による 《福禄寿》 です。




《福禄寿》 というタイトルながら、
福禄寿をあえて描いていないところも気になりますが。
何よりも気になったのが、鹿の前脚。




なぜかコラージュしたみたいになっています。
太いのか細いのか、どっちにも取れる表現です。
あとどうでもいいですが、この鹿をしばらく見ていたら、
地デジに移行するときのキャラクターをふと思い出しました。
こんなんいましたよね。




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神田日勝 大地への筆触

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東京ステーションギャラリーにて、
4月18日より開催予定だった “神田日勝 大地への筆触” が、いよいよ開幕しました!




今年2020年は、神田日勝の没後50年という節目の年。
それを記念して開催される、東京では実に42年ぶりとなる大規模な回顧展です。
ちなみに、東京ステーションギャラリーを皮切りに、この後、2館を巡回するそうですが。
7月からは、北海道・鹿追にある神田日勝記念美術館で、
9月からは、札幌の北海道立博物館で開催されるとのこと。
つまり、北海道以外で開催されるのは、東京ステーションギャラリーだけなのです。


そんな北海道を代表する画家、神田日勝ですが、
北海道での知名度とは裏腹に、北海道以外ではほぼ知られていません。
まずは、その人物を簡単にご紹介いたしましょう。
何と言っても、神田日勝の大きな特徴は、
画家でありながらも、戦後の開拓農民として生きた点。

「農民である。画家である」

とは、神田日勝の言葉。

『結局、どういう作品が生まれるかは、どういう生き方をするかにかかっている。』

と、自身が語ったように、神田日勝の作品は、
農民であり、画家であった彼だからこそ描けたものばかりです。
特に彼が多く描いたのが、開墾のパートナーである農耕馬。


(注:館内は写真撮影禁止です。特別な許可を得て撮影しています。)


毛並みの1本1本まで、丹念に、
いや、執拗なほどに描かれています。
美術品には、絶対に接触してはいけませんが、
もし触ってみたなら、馬の毛並みと同じ感触で体温も感じられるはず。
そう感じさせるほどの圧倒的なリアリティーがあります。

なお、圧倒的なリアリティーに関しては、
彼の絶筆にして代表作でもある 《馬(絶筆・未完)》 がその真骨頂。




絶筆とあるように、神田日勝は、
この絵を完成させることなく、32歳と言う若さでこの世を去っています。
いつか全身像を完成させてもらえるその日を、
待ちわびているかのような馬の表情に、思わず心が揺さぶられる一枚です。
星星
この1点を観るだけでも、訪れる価値はあります!

ところで、気になるのは、その描き方。
地となるベニヤ板はむき出しですし、馬の下半身は全く描かれていませんし。
全体的に描き進めるのではなく、
部分的に絵を完成させつつ、描き進めていることが見て取れます。
まるで、セーターやマフラーを編むかのように、
せっせとせっせと絵を完成させていく独特のスタイルです。
貧しさに耐えながら、北海道で制作を続けていた日勝。
その姿を想像 (妄想?) していたら、

「♪日本全国の人に観てはもらえぬ絵を寒さこらえて描いてます~」

というフレーズが頭の中を駆け巡りました。
ちなみに、神田日勝は、本名。
日中戦争のさなかに生まれたことから、
「日本勝利」 にちなんで名づけられた名前なのだとか。
生まれながらにして、なんとも大きなものを背負わされていますね。


さてさて、『神田日勝=馬の画家』 というイメージが強いかもしれませんが。
今回の展覧会では、壁をモチーフにした初期の作品や、




架空のアトリエをモチーフにしたカラフルな作品、




アンフォルメル (抽象表現) 風のダイナミックな作品など、




これまでの神田日勝のイメージを変えるような作品も余すことなく紹介されています。
短い生涯の中で、これほど画風の変遷を変えていたのですね。
中でも印象に残ったのは、《室内風景》 という一枚。




壁や床一面に、ビッシリと新聞紙が敷き詰められています。
2年前に同じく東京ステーションギャラリーで開催され、
話題となった “吉村芳生展” を思わず彷彿とさせる作品でした。
なお、この作品にインスパイアを与えたという、
海老原瑛さんの 《1969年3月30日》 という作品も特別に出展されていました。




手描きでみっちりと描かれた新聞紙。
新聞の折れ方の表現までもがリアルです。
ちなみに、絵そのものとは関係ないですが、
その描かれた新聞の中に、こんな広告を発見!




「もも肉がヒレの味になる」 とありました。
・・・・・・・いや、そんなわけねーだろ!!
いくら素晴らしい電子レンジだとしても、もも肉とヒレ肉とでは全くの別物です (笑)


最後に、どうしても言っておきたいことが1点だけ。





実は、昨年のNHK朝の連続テレビ小説 『なつぞら』、
その中で吉沢亮演じる山田天陽のモチーフとなったのが、何を隠そう神田日勝なのです。

・・・・・・・・が、しかし、それゆえに。

神田日勝は1mmも悪くないのですが、自画像を観るたびに、




「いや、どこか吉沢亮だよ!」

というツッコミが頭をよぎってしまいました。
吉沢亮というよりも、番長のほうです。




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新・無料で観れる 美術百選 《東京メトロ京橋駅(東京都中央区)》

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今年4月。
銀座線京橋駅に、新たなパブリックアートが設置されたらしい。
そんな情報をゲットし、今回は京橋駅へとやってきました。




どこに作品があるのかと思えば、
こちらが、そのパブリックアート作品なのだそう。




新・無料で観れる 美術百選 099
中西信洋 《Stripe Drawing – Flow of time》



作者は、彫刻家の中西信洋さん。
森美術館の六本木クロッシングにも選抜されたことがある現代アーティストです。

タイトルにある 「Stripe Drawing」 とは、
“フリーハンドで描いた無数の線によって構成された線画” とのこと。
どう見ても、ドローイングには思えないかもしれませんが、
壁面に配置されたガラスが吹き抜ける風や空気の流れを表しているそうで。
美しい色彩の重なりが生まれることで、無数の線が表現されているのだそうです。




確かに、観る角度によって、
色が絶妙に変化し、さまざまな表情を見せてくれます。
そこで気になるのが、この作品に使われているガラス。
どうやら普通のガラスとは、違うような気がします。




その正体は、ダイクロイックミラー。
京橋駅のほど近くにショールームを構えるAGC株式会社、
そのグループ会社・日本真空光学社による光学フィルターなのだそうです。
何でも、光が当たる角度によって透過する色彩が変化するとのこと。
テレビのカラー放送が始まった頃に量産がスタートし、
カラーテレビの普及を陰ながら支えた製品なのだそうです。
そもそも、この作品を寄贈したのもAGC株式会社なのだそうです。




ちなみに。
周囲を隅々まで探しましたが、
それらしいキャプションがありませんでした。
(それゆえ、道行く人はこれがアート作品とは誰も思っていないようでした)




強いて言えば、「亀田京橋クリニック」 の広告が、キャプションのように見えます。


<無料で観れる美術 データ>

東京メトロ京橋駅

住所:東京都中央区京橋2-4




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ルオーと日本展 響き合う芸術と魂―交流の百年

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コロナウイルスのせいで開幕が延期となっていたパナソニック汐留美術館の展覧会、
“ルオーと日本展 響き合う芸術と魂―交流の百年” が、ついに6月5日に開幕を迎えました!




世界で唯一ルオーの名を冠した 「ルオー・ギャラリー」 で、
ジョルジュ・ルオーの作品を常設展示するパナソニック汐留美術館では、
これまでさまざまな切り口でのルオーの展覧会が開催されてきましたが。
今回のテーマは、『ルオーと日本』。
フランス留学時にルオーの作品に衝撃を受けたという梅原龍三郎の旧蔵品や、


ジョルジュ・ルオー 《青髭》 1948年 油彩/厚紙(亜麻布で裏打ち) 個人蔵


ルオーと日本人芸術家や日本人コレクターとの交流のエピソード、




戦後に東京国立博物館で開催された “ルオー展” に出展されていた作品などなど、




さまざまな角度で 『ルオーと日本』 の関係性を紹介しています。
個人的に一番興味深かったのは、
ルオーに影響を受けた日本人作家を紹介するコーナー。
展覧会では、三岸好太郎や松本竣介、
難波田龍起といった画家がピックアップされていましたが、
これまで彼らの作品を観て、一度もルオーっぽいと思ったことがありません。
正直なところ、“言うほどルオーの影響を受けてないのでは?” と半信半疑だったのですが。


三岸好太郎 《道化》 1930-31年頃 油彩/キャンヴァス 北海道立三岸好太郎美術館


三岸好太郎も松本竣介も難波田龍起も、ルオーの影響をがっつり受けていました。
ゴッホやセザンヌの影響を受けた日本人作家の存在は知っていましたが、
まさか、これほどまでにルオーが日本の美術界に大きな影響を与えていたとは!
新鮮な驚きと発見のある展覧会です。
星星


なお、展覧会のイントロダクションでは、
白隠の禅画と富岡鉄斎の文人画が紹介されていました。

“何で白隠?何で富岡鉄斎??”

と、思わず戸惑ってしまいましたが。
ルオーの絵画には、「東洋的なるもの」 があるとのことで、
その観点から、白隠や富岡鉄斎の作品との共通性が提示されていました。
実際、梅原龍三郎の弟子だったある画家は、
ルオーについて、『仏蘭西の鉄斎』 と述べているそうです。
確かに、そう言われてみれば、
ルオーの作品が禅画や文人画のように思えてきました。


ジョルジュ・ルオー 《日本の武士(武者絵)》 1928年頃 墨、パステル、精油で溶いた油彩/紙 個人蔵
ⓒADAGP,Paris & JASPAR,Tokyo,2019 E3556



また、展覧会のラストでは、
ルオーの精神性に共鳴するような現代の日本の作家3名の作品が紹介されています。





三岸好太郎や松本竣介のように、
明らかにルオーの影響を受けているという感じではありませんが。
ルオーと同様に、何か祈りのようなものを込めて、
作品を制作しているという点で、それぞれ通ずるものが感じられました。


ちなみに。
残念ながら、コロナウィルスの影響のせいで、
本来、海外から借用予定だった作品や資料は出品されていません。
(代わりにパネルで紹介されています)
その数、実に約30点。
それだけの数の作品が無いとなると、
さぞかし会場はスカスカなのだろうと心配していたのですが・・・・・・・




全くの杞憂でした。
全然スカスカではなかったです。
むしろ、みっちり。
ここにあと約30点が追加されるとなると、
ルオーの作品ばりに、こんもりと厚塗りな会場になっていた気がします (笑)
ソーシャルディスタンス的には、これはこれで良かったのかも。


 ┃会期:6月5日(金)~6月23日(火)
 ┃会場:パナソニック汐留美術館
 ┃
https://panasonic.co.jp/ls/museum/exhibition/20/200411/




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幻想の銀河 山本基 × 土屋仁応

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資生堂の子会社で、スキンケアブランド 「ザ・ギンザ」 を扱う株式会社ザ・ギンザ。
その旗艦店ザ・ギンザ コスメティックス銀座の地下にあるアートスペース。
それが、THE GINZA SPACEです。

現在、そんなTHE GINZA SPACEでは、
“幻想の銀河 山本基 × 土屋仁応” という展覧会が開催中。
4月3日から開幕するも、コロナの影響で、2日後からは休館。
本来なら5月24日までの会期でしたが、
会期を8月2日まで延長し、6月2日より再スタートしました!




入場の際には、検温の必要がありますので、
熱が37.5度以上ありそうな日は、訪問をお控えくださいませ。


さてさて、こちらの展覧会は、
前回開催された “しきのいろ 志村ふくみ・洋子×須田悦弘” に引き続き、
国内外で活躍する人気現代アーティスト2人によるコラボ展。
染織家の志村ふくみさん洋子さん親子と、
彫刻家の須田悦弘さんの組み合わせも、かなり意外で新鮮でしたが。
今回は、それをさらに上回る意外で新鮮な組み合わせ!
一人は、天然の塩を用いて迷路を彷彿とさせるような、
あるいは、波のような紋様を床一面に描くインスタレーション作家・山本基さん。
そして、もう一人は、可愛さと神聖さ、
その両方の魅力を併せ持つ生き物を制作する彫刻家・土屋仁応さん。

正直なところ、タイプが違う2人なので、
作品同士がマッチするのか、今ひとつ想像が付かなかったのですが・・・・・





全くの杞憂に終わりました。

お互いがちゃんとそれぞれの個性を発揮しつつ、
その上で、この2人の組み合わせでしか生まれない世界観も確立しつつ。
例えがやや古いかもしれませんが、
井上陽水さんと玉置浩二さんの 『夏の終りのハーモニー』 を彷彿とさせるものがありました。




ここでしか見られない競演。
銀座に立ち寄られる際は、是非足をお運びくださいませ。
星星


なお、会場内に、ちょっとした台が設置されていました。
そこに登り、見下ろしてみると、こんな光景が目に飛び込んできます。




まるで砂漠の中を、鹿の群れが歩を進めているかのよう。
身体は小さいですが、意思を持って力強く進んでいるように思えます。
さらに、よくよく観てみると、床が鏡張りになっていることに気が付きました。
で、天井を見上げれば、そこにも鏡が!




つまり。
合わせ鏡の要領で、無限の塩の紋様が生み出されていたのです。




まさに、銀河!
なるほど。タイトルの “幻想の銀河” とは、そういう意味だったのですね。


ちなみに。
鹿の群れとは少し離れたところに、
シシ神様みたいな鹿がいらっしゃいました。
きっと彼がボスなのでしょう。




どこか人を寄せ付けないような威厳あるオーラを放っていました。




でも、目元は千秋似。




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建築をみる2020 東京モダン生活 東京都コレクションにみる1930年代

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6月1日。
都内のどのミュージアムよりも一足早く、東京都庭園美術館が再開しました。
開催しているのは、“建築をみる2020 東京モダン生活 東京都コレクションにみる1930年代”




↑表記上では、会期が4月18日~6月23日となっていますが、
いろいろあって、会期は6月1日から9月27日までに変更されています。
しばらく開催される予定になりましたので、慌てて駆け込まなくても大丈夫ですね。


さてさて、こちらはすっかり毎年恒例となった建物公開展。
朝香宮邸 (現・東京都庭園美術館本館) そのものの魅力をフィーチャーした展覧会です。
これまでの建物公開展と同様に、
本館に限って、写真撮影は全面的にOKとなっていました。




他のお客様とのソーシャルディスタンスに気を付けつつ、
この貴重な機会に、お気に入りのショットを撮影くださいませ。
ちなみに、建物公開展の際には、
ほぼ必ずと言っていいほど出展されるペンギンの置物は今回も健在。




昨年までは特になんとも思いませんでしたが、
今年はさすがに3匹が “密” であることが、若干気になってしまいました (笑)
来年の建物公開展では、そんなことが頭をよぎらず、
何も気にせず安心して3匹のペンギンが鑑賞できますように。

また、このペンギンが展示されている展示室には、
旧朝香宮邸の主要室内の装飾を手がけたフランス人装飾家、
アンリ・ラパンがデザインした壷も展示されています。




実はこの青く美しい壷は、もともとは出展される予定では無かったのだそう。
医療従事者への敬意と感謝を込めて、
ブルーインパルスならぬ、急遽、ブルーの美術品を展示することにしたのだとか。
何とも粋な計らいですね。


ちなみに。
建物そのものが特に大きくリニューアルされたわけではないので、
例年開催されている建物公開展と、そう大きく変わったところはありません。
強いて言えば、昨年の建物公開展は、
いつになく装飾について、マニアックに掘り下げられていましたが、
今年のも同じ学芸員さんが担当しているため、キャプションが実にマニアックでした。
例えば、2階ベランダにあったキャプション。





使われている大理石の色が、ただ黒いとか白いとか表記するのでは無く、
「銀星」「薄雲」「白鷹」 など、より具体的なネーミングで紹介されていました。
それゆえ、軽い気持ちでキャプションを読むと、
頭の中に大きなクエスチョンマークが浮かぶことでしょう (笑)
キャプションを読む際は、心して向き合ってくださいませ。


さてさて、新館のほうは、と言いますと。
こちらでは、東京都現代美術館や東京都写真美術館をはじめ、
東京都が所有するコレクションの中から、川上澄生が版画で表現した東京の光景や、


川上澄生 《銀座 『新東京百景』》 1929年 東京都現代美術館蔵


警視庁に所属していた警察官でもあり写真家でもあった石川光陽が捉えた写真など、


石川光陽 《資生堂パーラー》 1934年 東京都写真美術館蔵


朝香宮邸が生まれた1930年代の東京に関する品々が紹介されています。
朝香宮邸が1933年に竣工した事実は知っていましたが、
どんな時代だったのかを、これまであまり意識したことはありませんでした。
今回の新館での展示を通じて、
その時代背景や空気感がおぼろげながらイメージできたような気がします。
東京都庭園美術館がより好きになる展覧会です。
星星


ちなみに、新館に展示されていた作品の中で、
特に印象に残っているのが、新海覚雄 《椅子に倚る女》 という一枚。


新海覚雄 《椅子に座る女》  1937年 東京都現代美術館蔵


マルセル・ブロイヤーのチェアに、
着物を身にまとった女性が深く腰掛けています。
和と洋と、伝統とモダンと、が絶妙にミックスされた不思議な一枚です。
ガラステーブルの上には、緑色で透明な飲み物が。
冷茶のようにも見えますし、アブサンのようにも見えます。
それ以上に気になるのが、怪しげなボトル (?)。
炙りしめ鯖を作る際のバーナーのように見えます。


 ┃会期:2020年6月1日(月)~9月27日(日)
 ┃会場:東京都庭園美術館
 ┃
https://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/200418-0623_UrbanLifeinModernTokyo.html




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チェック4 スペインワイン&チェック5 焼酎

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先日お届けした 『アートテラー格付けチェック』
本家の格付けチェックでは、一流品かそうでないかを見極める問題にチャレンジしますが。
この 『アートテラー格付けチェック』 では、
アートと関わり深い品かそうでないかを見極める問題に挑みました。
アートテラーならわかって当然 (?) の問題3問にチャレンジし、結果は2勝1敗。
結果、“普通アートテラー” に終わりました。


さてさて、この企画終了後に複数の方から、こんな反響が。

「3問じゃ少なくないですか?」


・・・・・・・・・・・確かに。
もし、3問とも不正解だとしても、その結果は、
“三流アートテラー” になるだけで、一番最後のランクまで落ちることはありません。
なるほど。4問は必要なのですね。

ということで、前回のリベンジも兼ねて、
今回は4問の新作にチャレンジしたいと思います。
なお、本家では、一番下のランクでは、“映る価値なし” ですが。
こちらは、『アートテラー格付けチェック』 なので・・・・・




“語る価値なし” へと変更しました。
飛ばねぇ豚はただの豚だそうですが、
語らねぇアートテラーは、一体何なのでしょう?
なんとしても “語る価値なし” だけは避けたいものです。
それでは、早速1問目にまいりましょう!






最初にチャレンジするチェックは、スペインワインです。
今回用意したのは、あのサルバドール・ダリが愛したというスペインワイン。
マルケス・デ・リスカル ティント・レセルバ。
1本2573円です。




マルケス・デ・リスカル社は、スペイン王室御用達のリオハ最古のワイナリー。
その品質の高さから、1895年のボルドー博覧会において、
フランスワイン以外では初の名誉賞を獲得しているそうです。
ダリが愛したワインとしても有名で、
ダリのサイン入りワインがリスカル社のワイナリーで展示されているのだとか。

そして、もう一つは、同じくスペイン産のワイン。
こちらは1本、800円です。
この2つを飲み比べ、ダリが愛したワインのほうを当てたいと思います。




今回も例によって不正をなくすため、
友人に出題と、ついでに撮影をお願いしました。

まずはAのワインを一口。




「ん?飲みやすい!」

続いて、Bのワインを一口。




「おっ、パンチがあるな!」

前回もワインは当てているので、
1問目は確実に当てておきたいところです。




僕が選んだ答えは、B。
Aは飲みやすくて、よく言えば、オーソドックスな味。
悪く言えば、個性の感じられない味です。
対して、Bはスパイシーで、ダリのイメージそのものといった印象。
口に含んだ瞬間に、ダリの描く砂漠が見えました。




運命の分かれ道。結果発表。
正解は・・・・・・・・




















でした。




1問目から不正解。
波瀾含みの幕開けとなった今回のアートテラー格付けチェック。




早くも “普通アートテラー” となった僕が、
2問目にチャレンジしたのは、こちらの問題です。






続いてチェックするのは、焼酎。
今回用意したのは、田中一村の名前が付けられた黒糖焼酎。
その名もズバリ、一村。
1本1590円。
奄美と鹿児島にしか出回っていないレアな焼酎です。




表のラベルには、田中一村の代表作 《アダンの海辺》 がプリント。
裏側のラベルには、田中一村についての説明も記載されています。
(焼酎そのものの説明よりも丁寧に!)

ちなみに、もう一つ用意したのは、
日本全国のコンビニやスーパーに出回っている一般的な黒糖焼酎。
お値段は、1000円前後です。
2つを飲み比べ、一村の名が付けられた焼酎のほうを当てたいと思います。
なお、今回は色でわかってしまうので、アイマスクを付けてのチャレンジです。




まずはAの焼酎を一口。




「なるほど。スーッと入ってきますね」


続いて、Bの焼酎を一口。




「おー、コクがある!」

黒糖焼酎は全く飲まないのですが、
普段もっとも飲んでいるのが、芋焼酎です。
なので、ワインよりは当てられる自信があります。
そんな僕が選んだ答えは、こちら。




Bです。
Aは飲みやすくて、スーッと入ってくるのですが、そのままスーッといなくなる感じ。
誰とも喧嘩しないし、誰とも仲良くなれるような味。
田中一村のような孤高な感じは、一切ありませんでした。
対してBは、甘みのあとに、少し苦みが残ります。
まさに田中一村の人生であるかのよう。
人生甘くないぞというメッセージ性すら感じられました。




運命の分かれ道。結果発表。
正解は・・・・・・・・




















でした。




まさかの2問連続不正解で、
すでに “二流アートテラー” に転落。




果たして、後半戦に巻き返すことが出来るのか?!
この続きは、また次回!




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エリック・カール 遊ぶための本

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今年4月10日に、立川駅のすぐ近くにオープンしたGREEN SPRINGS。




商業施設やホテル、オフィス、ホール、
そして、公園や緑地も兼ね備えた複合施設です。




その2階にあるのが、複合文化施設PLAY!




コロナウィルスの影響のせいで、
本来の予定よりも遅れてしまいましたが、
先日6月10日に無事にオープンを果たしました。
アートディレクションを務めるのは、
最前線で活躍するグラフィックデザイナー、菊地敦己さん。




「PLAY!」 とうロゴの文字それぞれが、
まるで動いて遊んでいるような楽しげなデザインです。
ちなみに、トイレやロッカーなど、
施設のサインがバケツになっているのも、菊池さんのアイディア。
“ありそうでなかった” 斬新なサインです。

また、内装を手がけたのは、手塚建築研究所。
“世界で最も楽しい幼稚園” とも呼ばれるふじようちえんを設計した建築家ご夫妻です。

PLAY!には、大きく分けて2つの施設があります。
一つは、子どもの遊び場となるPLAY! PARK(プレイパーク)。
(注:PLAY! PARKのオープンは6/19の予定です)
こちらには、工作が楽しめる工作室をはじめ、




ピアノなどの楽器がPLAY!できる音楽室もありますが。
メインとなるのは、スペース中央のスケートリンクのような白い大きな何やらです。




こちらは、設計した手塚ご夫妻曰く、「子どものための大皿」 とのこと。
お皿の中は、クッション製となっており、
子どもはこの中で飛んだり跳ねたりして遊ぶことができます。
僕が訪れた日はコロナウィルス対策のため、
この大皿の中には、何も置かれていませんでしたが、
いずれバルーンや段ボールなどの遊具が置かれる予定なのだそうです。
ちなみに、小さいお子さん用の 「小皿」 も完備されていました。
まだ走り回れない子でも安心ですね。




さてさて、そんなPLAY! PARKの下の階にあるのが、
「絵とことばがテーマの美術館」 PLAY! MUSEUM(プレイミュージアム)です。
展覧会は、2本立て。
有名な絵本作家の世界を紹介する常設展と、
五感を使って体感的に楽しめる企画展が同時に開催されるそうです。

PLAY! MUSEUMのオープニングを飾る記念すべき1発目の常設展は・・・・・




“エリック・カール 遊ぶための本” という展覧会。
世界的なベストセラー 『はらぺこあおむし』 の作者としても知られる、
絵本作家エリック・カールがこれまでに手がけた原画の数々を紹介する展覧会です。
エリック・カールの原画を紹介する展覧会は、
これまでに日本でも何度か開催されていますが。




今回の展覧会では、入口のこの言葉が象徴するように、
絵本をおもちゃに見立てる彼のPLAY! (=遊び) にスポットを当てています。
紹介されている遊び方は、「かぞえる」 や 「くぐる」 など、全部で10種類。




そんな展覧会に合わせて、会場は、巨大なアスレチックのようで、
まるで仕掛け絵本の中に入り込んだようにも感じられる楽しげな作りとなっていました。




“ありそうでなかった” エリック・カール展。
子どもはもちろんのこと、
大人もワクワクドキドキ楽しめる展覧会です。
星星


ちなみに。
エリック・カールの原画の数々にも感銘を受けましたが、
個人的には、彼の作業用スモッグ (実物) に受けました。




ものスゴい汚れ方!!
こんなに汚れるまで、夢中で制作しているのですね。
展覧会が終わったら、ピカピカにしてアメリカに送り返してあげたいくらいです。




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