現在募集中のアートツアーです。
アートに興味のない方でも楽しんで頂ける企画となっておりますので、どうぞお気軽にご参加くださいませ
定員になり次第、募集は〆切らせて頂きますので、よろしくお願いします。
6/8(土) 『たとえてわかる西洋美術史講座』 第3講:アイドル史で写実主義がわかる
「アートってよくわからない…」「敷居が高い…」
そんなイメージを覆す新感覚の美術史講座がアートカフェArt For Thoughtにて始まりました。
アイスクリームや少女マンガ、アイドル、オタク文化など、
一見美術史とは関係なさそうな身近なモノの歴史に 『たとえ』 ることにより、
驚くほど美術史の流れが掴めるという世界初の美術講座です。
・・・という体裁のアートテラーのネタライブです(笑)
おかげさまで大好評となる、このシリーズ。
第3弾の講義のテーマは、 『写実主義』 を取り上げます。
なんとなくわかっているようで、実はよくわかっていないのが写実主義。
それもそのはず、写実主義を本当の意味で理解するためには、
新古典主義とロマン主義という2つの主義を理解しておかねばなりません。
「・・・・・おいおい、また新たな “○○主義” が登場しちゃったよ (泣)」
と、匙を投げだしそうになった方でも、ご安心を!
今回の講義では、そんな3つの主義を、
アイドル史にたとえて、楽しくわかりやす~くお伝えいたします。
聖子ちゃんに、キョンキョンに、モー娘。に、AKB48に・・・etc
講義の中で、あなたの好きなアイドルが登場するかもしれません。
あなたの憧れだったアイドルと写実主義絵画との深~い関係とは?
ここでしか聴けないオリジナルな美術講義に、どうぞご期待くださいませ。
ちなみに、講義としては独立していますので、
これまでの講義に参加されていない方でも十分に楽しんで頂けるようになっております♪
時間:11時半~13時
料金:2500円 (ワンドリンク、小菓子付)
皆様のご受講を心よりお待ちしております。
6/16(日) 大東京お笑い建築ツアー【ペンさんの世田谷編】
6/23(日) 大東京お笑い建築ツアー【soさんの世田谷編】
ル・コルビュジェ、丹下健三、黒川紀章・・・etc
有名建築家の名前くらいは、耳にしたことはありますが。
ここだけの話、そんな有名建築家が建てた建築のどこがそんなにスゴいのか・・・。
イマイチよくわかりません (泣)
いやいや、そもそも、 “建築” って何をどのように観たらいいのでしょう??
そんな悩みから始まった大東京お笑い建築ツアー。
「“建築”って、よくわからない。でも、わかるようになってみたい! 」
という全ての人にお送りするツアーです。
講師を務めてくださる本物の建築家さんと建築ビギナーである自分が掛け合いをしつつ、
世界に誇れる名建築から迷建築まで、その魅力を、楽しくわかりやすく紹介させて頂きます。
舞台となるのは、東京の様々な街。
お散歩気分でぶらぶらと、皆で建築巡りをいたしましょう
さてさて、これまでに、日本橋や表参道、銀座、代官山、台場…など、
様々な街をを舞台に、大東京お笑い建築ツアーを開催してきましたが。
今回の舞台となるのは・・・
『世田谷』
「セレブでハイソな街」 というイメージが強い世田谷ですが。
講師のお笑い建築家・ペンさん曰く、
「路地が細い場所や一方通行の道も多かったり、意外と庶民的な部分も残っていますよ。」
とのこと。
そんな二つの顔を持つ世田谷ならではの名建築が、続々登場予定。
今回も、どうぞご期待くださいませ♪
ちなみに、ペンさんには、6/16の回を、
もう一人の講師である建築家のsoさんには、6/23の回を担当して頂きます。
時間は、13時から、およそ17時30分までを予定しています。
定員は、18名です。
参加費は、講師代をお支払いするため、お一人様1200円頂戴いたします。
(交通費、お茶代は各自負担です)
万が一、キャンセルなされる場合は、2日前までにお願いします。
もし、それ以降にキャンセルした場合、
定員が補充出来なかった時に限り、キャンセル料のご負担をお願いすると思います。
ともあれ、参加希望後のキャンセルは、ご遠慮頂ければ幸いです。
というわけで。
日本一楽しく、日本一わかりやすい 『建築』 のアートツアー!!
建築に興味を持ってみたいという方はもちろん、
建築は全然わかならないという初参加の方も、是非是非お待ちしています
6/22(土) ゆるゆるで行こう!
(定員に達したため、現在はキャンセル待ちでの受付となります)
「アートは、心を揺さぶられるもの。」
「アートは、感性を刺激するもの。」
皆様は、アートに対して、なんとなくそのようなイメージを抱いていませんか?
確かに、心を揺さぶるアートや、感性を刺激するアートは、数多く存在します。
しかし、それらのアートとは真逆の (?) 、ゆる~いアートも、中にはあるのです。
そこで、今回のアートツアーでは、
僕が、ゆる~くチョイスした、ゆるゆるなアートが楽しめる美術展を、ゆる~く巡ります。
まずは、日本美術史に残る (いや、残らない?!) 2大ゆるゆるアートを求めて、日本民藝館へ。
こちらでは、 “つきしま かるかや―素朴表現の絵巻と説話画” を観賞いたします。
素朴なタッチの絵を眺めて、ほのぼのといたしましょう。
続いて向かうのは、東京オペラシティアートギャラリー。
写真界きってのゆる写真家・梅佳代さんの初の個展 “梅佳代展 UMEKAYO” が開催中です。
日常のゆる~い光景を捉えた写真に、思わず頬がゆるむこと必至です。
時間は、だいたい13時から、だいたい17時まで。
途中で、お茶休憩を挟む・・・かもしれません。
人数は、12人くらいを予定しています。
参加費は、特にありませんので、入館料と交通費、お茶代をなんとなくご用意くださいませ。
(もし、お金が足りなくても、こちらでは負担しません。そこは、ゆるくないですw)
6/29(土) 書を捨てよミュージアムへ行こう!
東京藝術大学大学美術館にて、 “夏目漱石の美術世界展” が絶賛開催中です。
この美術展の開催を勝手に記念して、 『文学』 をテーマにした初のアートツアーを開催します。
“夏目漱石の美術世界展” を観たあとは、
台東区立一葉記念館や文京区立森鴎外記念館を巡ります。
お茶休憩も、文学にまつわる場所で。
文学が好きな方も、アートが好きな方も、
どちらもほどほどな方も(笑)、ご参加お待ちしております。
時間:12時~18時(予定)
募集人数:15名
参加費:3館の入館料を合わせて2000円(交通費、お茶代は各自負担)
新たなツアー企画は、内容が決まり次第、随時こちらの記事を更新してお伝えいたします。
参加希望の方は、こちらのメールフォームよりお知らせください。
詳細をお知らせいたします。
http://homepage3.nifty.com/art-teller/tony_contact.htm
【告知】 現在募集中のアートツアー 【告知】
美の競演 京都画壇と神坂雪佳~100年の時を超えて~
日本橋高島屋で開催中の “美の競演 京都画壇と神坂雪佳~100年の時を超えて~” 。
京都市美術館と細見美術館、2館の名品が一堂に会する美術展です。
細見美術館のコレクションは、これまでに何度も関東に来ているので、
そろそろ目新しさを感じなくなってる今日この頃ですが (笑)
京都市美術館のコレクションが、これまでにまとまって関東で紹介された機会は、意外にも一度もなく。
実は、1933年に開館して以来、今回が初めての機会なのだそうです。
それだけに (←?)
竹内栖鳳の 《絵になる最初》 や、

上村松園の 《待月》

そして、菊池契月の 《散策》 など、

京都市美術館を代表するコレクションが、まとまって上京しています。
正直なところ、「まぁ、デパートの美術展だからね…。」 と高を括っていただけに、
これだけ豪華なラインナップの登場に、会場では驚きを隠せませんでした。
思わず、偽物やレプリカの類では無いかと、疑ってしまったほどです (笑)
平日ながらも、会場が賑わっていたのにも納得。
日本画好きなら、押さえておきたい美術展です。


今回紹介されていた京都市美術館コレクションは、
その大半が初めて見るものばかりで、新鮮な感動がありました。
特に印象的だった作品を、いくつかご紹介。
まずは、純粋に、作品として印象的だったのが、大日躬世子の 《観世水》

初めてその名を目にしたのですが、
こんなスタイリッシュな日本画を描く女性画家が京都にいらっしゃたのですね。
PARCOのDMに使えそうなくらいに、スタイリッシュです。
続いて、丹羽阿樹子の 《遠矢》

彼女は、何を狙っているのか。
というか、そもそも何者なのか。女スナイパーなのか。
弓矢を撃つ人が、こんな格好でいいのか。
とにかく、いろいろなことが気になる一枚。
謎が多すぎです。
そして、最大の衝撃作が、西村五雲の 《園裡即興》

「わ~~~、カワイイうさぎちゃんの絵だこと♪」
と一目で癒された次の瞬間、キャプションを読んで衝撃的な事実を突き付けられました。
なんでも、作者の西村五雲は、動物園にて、
猛獣の餌になるウサギたちの姿を見て、スケッチしたい衝動に駆られたとのこと。
「・・・・・・・・。」
この子たちは、餌として猛獣に食べられる運命にあるのですね。。。
あぁ無情。
・・・と、ここまで、京都市美術館のコレクションばかりを紹介してしまいましたが。
今回の美術展のもう一つの主役は、タイトルからもわかるように、
明治から昭和にかけて活躍した琳派の系譜に連なる画家・神坂雪佳 (1866~1942) です。
伝統的な作風を意識しながらも、先進かつ大胆でモダンな表現を得意とする神坂雪佳。
2001年には、あのエルメスが刊行する雑誌 『Le Monde D'Hermes』 の表紙に起用されるなど・・・

国内外で人気急上昇中です。
今回の美術展では、そんな神坂雪佳の作品が、


たくさん紹介されていますので、
十分に神坂雪佳ワールドを堪能することができます。
(欲を言えば、もう少し神坂雪佳の作品があっても良かったような気もしますが)
個人的にオススメなのが、 《金魚玉図》 という掛軸作品。

真正面から描かれた金魚の姿が、なんともユーモラス。
愛しさと切なさと気持ち悪さと、が共存しているような不思議な味わいの一枚です (笑)
金魚がプカプカと浮いている姿だけでも、涼しげな気持ちになりますが。
表装が葭簀をイメージしているので、実物を目にすると、より涼しげな気持ちになれます。
ムシムシジメジメした季節にピッタリな作品です。
5位以内を目指して、ランキングに挑戦中!(現在9位です

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オディロン・ルドン ―夢の起源―
損保ジャパン東郷青児美術館で開催中の “オディロン・ルドン ―夢の起源―” に行ってきました。
オディロン・ルドンを主役に据えた美術展と言えば、
2007年にBunkamuraザ・ミュージアムで “ルドンの黒” が開催され、
つい昨年にも、三菱一号館美術館で “ルドンとその周辺―夢見る世紀末” が開催されていました。
その2つのルドン展にも出展されていた・・・ 《『エドガー・ポーに』 1.眼は奇妙な気球のように無限に向かう》
《花》
岐阜県美術館のルドンコレクションは、今回も健在。
さすがに、出合うのが3回目ともなると、
「あ、いや、またお会いしましたね (苦笑)」 という感じで、
過去2回のルドン展の再放送を見ているかのような感覚に陥りました。
今回が初めてのルドン展という方にはオススメですが、
過去に他の美術館でルドン展を観ている方にとっては、新鮮味の欠ける美術展かもしれません。
そのことに関しては、この作品のように、
《眼をとじて》 (=目をつむって) おくほうが良かったのでしょうが。
あまりに日本の美術界が、岐阜県美術館のルドンコレクションに頼る傾向があるので、ちょっと苦言。
とは言え、もちろん完全なる再放送というわけでなく、
今回のルドン展ならではのトピックも、ちゃんと存在しています。
(後半のほとんどは、岐阜県美術館のルドンコレクションの紹介でしたが)
ルドンの “ボルドー生まれボルドー育ち” という部分に着目し、
当時のボルドーの風景が描かれた作品や、ルドンが師事した作家の作品を紹介していました。 ロドルフ・ブレスダン 《善きサマリア人》
特に、このトピックの中で興味深かったのは、
若き日のルドンが、植物学者のアルマン・クラヴォーと交流を持ち、
彼から、顕微鏡で見る植物の世界やダーウィンの学説などを学んでいたという点です。
美術展では、アルマン・クラヴォーがスケッチした素描の数々が紹介されていたのですが。 《植物学素描1 標本画5 裸子植物》
これらの素描が、のちのルドンに影響を与えたであろうことは明らか。
ルドンの幻想的な世界のイメージソースは、植物学にあったのですね。
なんだか腑に落ちるものがありました。
《『ゴヤ頌』 2.沼の花、悲しげな人間の顔》 《『夢のなかで』 2.発芽》
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歌舞伎の美 春
4月にリニューアルオープンしたばかりの新生歌舞伎座。
その背後にそびえ立つ地上29階建てのオフィスビル・歌舞伎座タワーの5階に・・・
歌舞伎座ギャラリーが誕生したそうです。
こちらは、歌舞伎を中心に日本の伝統文化の魅力を、
世代を超えて発信していこうと新設された世界初の歌舞伎の展示空間なのだとか。
「それならば、僕のような歌舞伎オンチも、きっと楽しめるに違いない!」
ということで、早速行ってみました。
現在は、オープニング企画として、
“歌舞伎の美 春” という展覧会が開催中です。
『京鹿子娘道成寺』 や 『楼門五三桐』 など、
春の情景が描かれる歌舞伎の演目にまつわる舞台衣装や小道具、貴重な道具帳などが公開されていました。
歌舞伎をテーマにした展覧会は、これまでにも、他の美術館で目にしたことがありましたが。
さすが、松竹が主催する歌舞伎座ギャラリーだけあって、
会場の演出は、歌舞伎さながらに本格的。
歌舞伎オンチの僕ですら、思わず華やいでしまう展示空間に仕上がっていました。
・・・・・ただ。
全体的には、歌舞伎座に観光に来たお客さんをターゲットにしている感は否めず。
この歌舞伎座ギャラリーだけで満足感が得られるかと言えば、そうでもなかった気がします。
少なくとも、歌舞伎のイロハを知らない自分にとっては、
歌舞伎の舞台衣装や小道具、道具帳を目にしたところで、特に印象に残るものはなかったです。
強いて挙げるならば、実際の鳴物の小道具を使って、
歌舞伎の効果音を再現してみることが出来る体験コーナーは、ちょっとだけ面白かったです。
団扇を鳴らして雨の音を再現したり、
赤貝の貝殻をこすり合わせてカエルの音を再現したり。
意外と素質があるようで、スタッフさんに褒められたのは、イイ思い出です (笑)
今回は、オープニング企画展ということで、
今後に期待したいという思いも込めて、1ツ星。
新生歌舞伎座を観光するついでに500円を払うと思えば、まぁ許容範囲でしょうか。
・・・・・と、展示室を後にしようとした、まさにその時です。
スタッフさんより、
「劇場内を見学していきますか?」
と、尋ねられました。
「えっ、いいんですか?!!」
なんでも、歌舞伎座ギャラリーのオープン記念として、
場内観覧室から、特別に劇場を観覧することが可能とのこと。
追加料金はなし。
ただし、時間は1分です。
せっかくならば・・・と、そのチケットを頂き、
逸る気持ちを抑えつつ、場内観覧室へ向かいました♪
たった1分とは言え、実際の歌舞伎も生で観られて500円なら、むしろ安いくらいではないでしょうか。
2ツ星にしておけば良かったなぁ。
ではでは、人生初の歌舞伎座での歌舞伎鑑賞に行ってきます!
・・・と、場内観覧室へと足を踏み入れたところ、衝撃の光景が待ち構えていました。
「・・・・・・・・・・・・・え~っと、これは?」
「ちょうど今、幕間に入ったところでして」 と、気まずそうに答えるスタッフさん。
「えっ、ちょうど?今、あの幕が降りたばかりですか??」
「はい・・・。」
どうやら、ほんの数秒前に、 『鶴亀』 という演目が終わったばかりとのこと。
あまりのタイミングの悪さに、言葉も出ない僕。
そんな僕に気を使って、
「あっ、でも、なかなか幕間の様子を見下ろすことって、めったに出来ない体験ですよ」
と、スタッフさんは言ってくださったのですが。
正直なところ、歌舞伎座の幕間に、
修学旅行生たちが、スマホをいじっている様を眺めて、何が楽しいのだろうか・・・という感じです (泣)
そして、あっという間に、1分が経過。
幕間なら幕間と、入室する前に一言言ってくれれば良かったのに! (星なし) にしたいくらいですが (笑) 、大人げないので我慢します。
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新・無料で観れる 美術百選 《霞が関ビルディング(東京都千代田区)》

2009年に、その足もと部分が、大々的にリニューアルされた際に、
カールステン・ニコライによるパブリックアートが恒久的に設置されたようです。
ちなみに、カールステン・ニコライは、
ワタリウム美術館で個展が開催されたこともあるドイツを代表するアーティストの一人。
アルヴァ・ノトという活動名で、実験音楽のミュージシャンとしても活躍しており、
坂本龍一さんともコラボを果たしている人物です。
さてさて、そんな彼によるパブリックアートは、
一体、いかなる姿かたちをしているのでしょうか?
霞ヶ関ビルディングの足もとに辿り着いてみると・・・・・衝撃的な光景が!!

「えっ、『GANTZ』?!」

官公庁の施設がひしめく霞ヶ関に突如として現れた謎の物体 (オブジェ) 。
違和感はなはだしいこと、この上なしです (笑)

新・無料で観れる 美術百選 013
カールステン・ニコライ 《poly stella》
このパブリックアートを写真で撮る時は、要注意。
上手くポジションを考えないと、鏡面に自分が写り込んでしまいますf^^;

ちなみに、夜はライトアップされるとのこと。
どんな姿になるのか、興味津々です。
<無料で観れる美術 データ>
霞ヶ関ビルディング
住所:東京都千代田区霞が関3-2-6
アクセス:○東京メトロ銀座線「虎ノ門」駅徒歩2分
○東京メトロ千代田線「霞ヶ関」駅徒歩6分
この美術室を盛り上げるワンクリックも、無料で出来てしまいます。


ジョン・F・ケネディを描いた画家 バーニー・フュークス展
普段は、 “今” オススメの展覧会を紹介している観シュランガイドですが。
今日は、特別に、 “これから” オススメの展覧会を紹介させて頂きます。
それは、来週6月12日より代官山ヒルサイドフォーラムにて開催される・・・
“ジョン・F・ケネディを描いた画家 バーニー・フュークス展” という展覧会です。
ちなみに、会期は、6月16日まで。
たった5日間のみの展覧会です。
おそらく多くの読者さんが、
「・・・・・・・・・・バーニー?誰??」
と、首を傾げていることでしょうから、まずは、簡単にバーニーの紹介から。
“バーニー” の愛称で親しまれた バーナード・フュークス (1932~2009) は、
全米屈指の画家であり、ノーマン・ロックウェルの再来と言われた伝説のイラストレーターです。
トランペッターとして活躍する夢を抱いていたものの、
高校卒業後のアルバイト先で右指3本を切断する事故に遭ったため断念。
そこから一念発起して画家を目指し、わずか10年後には、
史上最年少記録で全米イラストレーター協会からアーティスト・オブ・ザイヤーに選出されています。
ケネディ、カーター、レーガンといったアメリカの歴代大統領や、
モハメド・アリ、フランク・シナトラ、エリザベス女王などのポートレートを手掛ける一方で。
野球やアメフト、ゴルフなどのスポーツアートの傑作も数多く残しています。
「アメリカを愛し、アメリカに愛されたアーティスト」 という感じでしょうか。
さてさて、話を戻しまして。
そんなバーニー・フュークスの展覧会を、何故、開催前に紹介するかと言いますと。
明日の 『美の巨人たち』 (6/8放送回) にて、
バーニー・フュークスの 《ジョン・F・ケネディ》 が取り上げられるようなのです。
しかも、バーニー・フュークスのファン代表として、巨人の原辰徳監督も出演するのだとか。
それだけに、放送後、展覧会に注目が集まることは必至。
入場料が無料ということもあって、
代官山ヒルサイドフォーラムでのバーニー・フュークス展は、確実に盛況が予想されます。
“なんとか混雑する前に、バーニー・フュークスの 《ジョン・F・ケネディ》 を観れないかなぁ(・・。)”
と思っている貴方に朗報です。
実は、今現在、プレのバーニー・フュークス展が、
同じく代官山ヒルサイド内のジ・オブセッション・ギャラリーにて開催されています。
僕は本日こちらに足を運んできたのですが、
まだ 『美の巨人たち』 の放送前とあって、比較的ゆったり観賞することが出来ました。
プレのバーニー・フュークス展ということで、
作品数は、来週のバーニー・フュークス展よりは少なめでしたが。
《ジョン・F・ケネディ》は、もちろんのこと。
《エリザベス女王》 や、野球やゴルフのシーンを描いた作品、
イタリアの情景を描いた作品群も展示されていて、見応えはバッチリ。
バーニー・フュークスというアーティストを十分に知ることのできる展覧会でした。
『美の巨人たち』 を観た視聴者さんが日曜に大挙する可能性がありますので、
ジ・オブセッション・ギャラリーに行くなら、確実に明日行くのがオススメです。
ちなみに、個人的な感想ですが。
《ジョン・F・ケネディ》 は、やはり 「今日の一枚」 に選ばれただけあって、必見の一枚という印象でした。
単に写真みたいな肖像画というわけではなく、
ジョン・F・ケネディという人物の持つカリスマ性、自信、強さのようなものが滲み出ており、
なんというか、非常に凄味の感じる作品でした。
また、人物の描写は違いますが、
どことなく全体のトーンに関しては、フランシス・ベーコンと通ずるものがあり、
ベーコンの作品同様に、張り詰めた緊張感・緊迫感が漂っていたような感じがしました。
下手なジョン・F・ケネディの評伝よりも、
この一枚の 《ジョン・F・ケネディ》 の絵の方が、よっぽど雄弁に彼の人となりを伝えている気がします。
改めて、ジョン・F・ケネディの偉大さを知ったような。
“それに比べて、日本の総理大臣は・・・。” と、
この作品を観たことで、ちょっとだけ日本の政治を憂いました (笑)
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漢字がCOOL!?変容する文字デザイン
町田駅より歩くこと8分。
町田市民文学館ことばらんどに到着しました。
訪れるのは、今回が初めて。
『ことばらんど』 という響きから、とっても楽しげな施設をイメージしていましたが。
(脳内イメージ)
いたって普通の・・・いや、ちょっと時代を感じる風合い (?) の施設でした。
築20年以上は経っていると思われます。はい。
まぁ、建物のことはともかくとして。
開催中の企画展は、とっても楽しげです。
その名も、 “漢字がCOOL!?変容する文字デザイン”
漢字の造形的・デザイン的要素に着目したという、
こちらの企画展は、全部で3つの柱で構成されていました。
まずは、原弘や田中一光、永井一正といった日本を代表するグラフィックデザイナーたちの作品群。
もちろん今回紹介されているのは、漢字が重要な要素となっているものばかりです。
・・・・・まぁ、これらの作品は、日本グラッフィク界の歴史に残る名作なので、
これまでにも目にしたことがありますし、今後も目にする機会があることでしょう。
漢字をデザイン的な視点で捉えた時には、避けては通れない作品群と言えそうです。
さて、続いてのコーナーでは、
海外のデザインに取り入れられている “漢字” の姿が紹介されています。
特に、漢字を愛してやまなかったのが (?) 往年のNBA選手たち。
漢字のタトゥーを彫ったり、バスケットシューズに漢字を刺繍したり。
漢字の意味は、ちゃんとわかっていないのでしょうが (意味不明な熟語ばかりw)
漢字を愛してくれていることは、確かに伝わってきました。
日本人でも、なかなか漢字のタトゥーを彫る気にはなりません。
また、とあるブランドは、こんなTシャツを作成しています。
どこのブランドかおわかりになりますか?
師杜西・・・しとにし?しとせい?
・・・しと~せい・・・しとぅ~せ~・・・しとぅ~し~・・・ステューシー!
そう、正解は、STUSSY。
・・・・・・。
『師杜西』 を 『STUSSY』 と読ませるのは、だいぶ無理があります (笑)
ブランドと言えば、こんなジャケットも↓
裏地に漢字がビッシリ。
『耳なし芳一』 の世界観です。
デザイナーの名前は、このビッシリの漢字の中に書かれているのですが。
どなたかおわかりになりましたか?
正解は、 『地案 宝留 御流千笑』 です。
『地案 宝留 御流千笑』 と書いて、
『ジャン=ポール・ゴルチエ』 と読むので、そこんとこ夜露死苦。
最後は、子供たちに大人気の 『超変換!!もじバケる』 を紹介するコーナー。
「鷹」 や 「狐」 といった一文字の漢字が、
トランスフォームして立体的な動物にするという玩具です。
そのクオリティの高さと、1個105円という安さが人気の秘密なのだとか。
実は、この 『超変換!!もじバケる』 は、
2011年にニューヨーク近代美術館 (MoMA) の永久収蔵品に認定されています。
そんな世界が認める 『超変換!!もじバケる』 を・・・
会場の半分以上を使って、余すことなく紹介しています。
“漢字がCOOL!?” というよりも、
“超変換!!もじバケるがCOOL!?” と言いたげな展覧会でした (笑)
無料なのも嬉しいです。
その分浮いたお金で、今度コンビニで 『超変換!!もじバケる』 を見かけたら買ってみよう。
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エミール・クラウスとベルギーの印象派
東京ステーションギャラリーで開催中の “エミール・クラウスとベルギーの印象派” に行ってきました。
こちらは、ベルギー印象派の巨匠エミール・クラウスをテーマに取り上げた日本初の美術展です。
エミール・クラウス (1849~1924) 作品の特徴は、何と言っても、その明るさ。
《野の少女たち》 も、 1892年頃 個人蔵 photo©Hugo Maertens
《レイエ川を渡る雄牛》 も、 1899年(またはそれ以降) 個人蔵
《ウォータールー橋、黄昏》 も、 1918年 個人蔵 photo©Guy Braeckman
画像で目にするのとは比べ物にならないほど実物は眩しかったです。
“しばらく見ていると、目が潰れてしまうのでは (>_<)” と思ってしまったほど。
そんな眩いエミール・クラウス作品で満たされた会場は・・・
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております)
まるで光のシャワーが降り注いでいるかのような状態でした。
全体的に、普通の美術展よりも数倍明るい印象で、
絵画展というよりも、写真展を観ている感覚に近かった気がします。
ちょっと前に、東京駅丸の内駅舎でプロジェクションマッピングが行われていましたが。
同じ東京駅丸の内駅舎内で行われているエミール・クラウス展も、光の美しさでは負けていませんでした。
ちなみに、印象派の影響を受けつつも、独自の路線で、
光の表現を追求したエミール・クラウスのスタイルは、 「ルミニスム(光輝主義)」 と呼ばれるそうで。
今回の美術展では、エミール・クラウス周辺のルミニスム作家の作品も併せて紹介されていました。 ジェニー・モンティニー 《庭で遊ぶ子どもたち》
1912年 個人蔵 photo©Karel Moortgat
また、エミール・クラウスに影響を与えた本家の (?) 印象派の画家の作品や、 クロード・モネ 《霧の中の太陽(ウォータールー橋)》
1904年 個人蔵
反対に、エミール・クラウスに直接指導を受け、
影響を与えられた日本人作家の作品も展示されており、 児島虎次郎 《和服を着たベルギーの少女》 1911年 大原美術館蔵
いろんな角度から、エミール・クラウスという画家に迫っていました。
これまで、日本では、ほぼ無名だったエミール・クラウスですが。
この美術展を通じて、おぼろげながら彼の立ち位置が見えてきた気がします。
日本初のエミール・クラウス展ということで、
今回、彼の作品だけでも、約30点も紹介されていました。
その中で特に印象に残ったのは、
ストレートに、 《タチアオイ》 も良かったのですが、
一番は、 《昼休み》 という作品でしょうか。 1887-1890年頃 個人蔵 photo©Guy Braeckman
1887~1890年頃の作品ということで、冷静に考えたら、絶対に違うことは分かっているのですが。
《昼休み》 というタイトルに引きずられて、
手前の女性が左手に持っているものが、どうにもコンビニの袋にしか見えません (笑)
で、これが、もしコンビニの袋だとすると、
「パンとかマウントレーニアとか買い込んだのかな」
「奥にいる3人の女性の分も買ったのかな?いや、むしろ買いに行かされたのかな?」
など、いろいろと想像してしまってやみません。
たった一枚なのに、いろいろとドラマを想起させる。
そんなセンスも光る一枚です。
最後に、読者の皆様へのプレゼント。
この “エミール・クラウスとベルギーの印象派” のペアチケットを、5組10名様にプレゼントしちゃいます♪
住所・氏名・電話番号を添えて、以下のメールフォームより応募くださいませ。
http://homepage3.nifty.com/art-teller/tony_contact.htm
(〆切は、6月20日。当選は発送をもって代えさせていただきます)
5位以内を目指して、ランキングに挑戦中!(現在10位です)
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とに~が選ぶ!表紙がアート作品の小説ランキング
例えば、予約だけで50万部突破、
発売日初日に10万部増刷決定した話題の村上春樹さんの小説・・・
色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年/文藝春秋
¥1,785
Amazon.co.jp
この表紙の装丁に使われているのは、
20世紀アメリカ美術を代表する画家モーリス・ルイスの 《Pillar of Fire》 という絵画作品です。
また、例えば、ベストセラー作家・浅田次郎さんの最新歴史小説・・・
一路(上)/中央公論新社
¥1,680
Amazon.co.jp
そのカバーイラストを描いたのは、人気現代アーティスト山口晃さんです。
・・・という具合に。
美術本でもないのに (←?) 、
表紙に美術作品が使われている小説は、意外と存在しているようです。
そこで、今回は、本屋さんで見かけた “表紙がアート作品の小説” をランキング形式で紹介いたします。
ちなみに、今、僕が好きな順に独断と偏見でランキング形式にしました (笑)
第7位 グレイス・ペイリー 『最後の瞬間のすごく大きな変化』
最後の瞬間のすごく大きな変化 (文春文庫)/文藝春秋
¥620
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グレイス・ペイリーという作家は知りませんでしたが、
僕の好きなエドワード・ホッパーが表紙に使われていたので、手に取りました。
いわゆるジャケ買いです。
かなり昔に読んだので、肝心の内容は、忘却の彼方にあります。
第6位 佐伯一麦 『光の闇』
光の闇/扶桑社
¥1,680
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表紙に使われているのは、松本竣介の 《水を飲む子ども》 。
あまりメジャーでない絵が表紙に使われているので、本屋さんで二度見したのを覚えています (笑)
小説は読んだことが無いのですが、
視覚や嗅覚、脚など身体の一部を失った人の人生の一幕を描いた連作短編集とのこと。
松本竣介も、13歳の時に聴覚を失っています。
それゆえ表紙に採用されたのでしょうね。
第5位 桜庭一樹 『伏 贋作・里見八犬伝』
伏 贋作・里見八犬伝/文藝春秋
¥1,700
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表紙の装丁だけでなく、挿絵を手掛けたのも、鴻池朋子さん。
桜庭一樹さんの小説世界と鴻池朋子さんのアートの世界が、上手くマッチしていました。
第4位 天童荒太 『永遠の仔』
永遠の仔〈上〉/幻冬舎
¥1,890
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彫刻家・舟越桂さんの作品に初めて出合った時、
「あ、 『永遠の仔』 の人だ!」
と声を上げてしまいそうになったことを、今でも憶えています (笑)
僕にとって、舟越桂さんと天童荒太さんは切っても切れない関係です。
それだけに、天童さんの新作 『歓喜の仔』 は、
舟越桂さんの彫刻が使われていなくて、何ともしっくりきません。
第3位 星野智幸 『俺俺』
俺俺 (新潮文庫)/新潮社
¥578
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“俺” が増殖するという、なんとも不可思議な小説。
その表紙に使われている絵は、石田徹也の 《燃料補給のような食事》 です。
この小説を基にした映画が、ちょうど公開中ということもあって。
最近、やたらと本屋さんで、この小説を見かけます。
石田徹也の絵が増殖している光景も、なんとも不可思議です。
第2位 伊坂幸太郎 『モダンタイムス』
モダンタイムス(上) (講談社文庫)/伊坂 幸太郎
¥590
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文庫化された際に、空想建築を描き続ける画家・野又穣さんの絵画が表紙に使われました。
単行本の装丁も好きですが、個人的には、こちらの文庫本ver.の方が好きです。
ちなみに、この表紙に使われている 《Points of View-10》 の実物は、
現在開催中の町田市立国際版画美術館の “空想の建築―ピラネージから野又穫へ―” で観られます。
第1位 高村薫 『太陽を曳く馬』
太陽を曳く馬〈上〉/新潮社
¥1,890
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表紙に使われているのは、マーク・ロスコの 《NO.7》 。
(下巻は、 《壁画スケッチ》)
小説内でも、マーク・ロスコの絵画について言及されているとのこと。
近いうちに読んでみようと思います。
今回紹介したのは、 “表紙がアート作品の小説” のほんの一部。
他にも、まだまだまだ存在しています。
皆様のオススメの “表紙がアート作品の小説” がありましたら、ぜひぜひ教えてくださいませ♪
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生誕100周年記念 中原淳一展
『それいゆ』 や 『ひまわり』 といった女性誌を通じて、
昭和の少女たちに夢と希望を与え続けたイラストレーター・中原淳一 (1913~1983) 。
その生誕100周年を記念して、
現在、そごう美術館では、 “生誕100周年記念 中原淳一展” が開催されています。
中原淳一世代でもなければ、性別も女ではないので、
正直なところ、当初は、まったく食指の動かなかった美術展だったのですが・・・。
何気なく手に取ったチラシを裏返してみたところ、とある作品に目が釘付けになってしまいました!
それは、画面左の 《表紙原画(『それいゆ臨時増刊590スタイル スーツとセパレーツ』)》 です。
この日本人離れした濃い顔立ち、
この細くスラッとした体型、そして、この独創的なポージング。
「ジョジョじゃないか!!!」
“中原淳一は、日本全国の少女だけでなく、
実は、荒木飛呂彦先生にも影響を与えていたのでは?”
そんな奇妙な仮説を検証すべく、そごう美術館へと足を運んできました。
で、かつて少女だったマダムたちが、
中原淳一ワールドに、目をキラキラさせている横で、検証を重ねた結果、、、
いくつものジョジョっぽい作品を見つけることが出来ました。
もちろん中原淳一が、ジョジョの影響を受けたわけはなく、その逆。
ジョジョの奇妙な冒険 57 (ジャンプ・コミックス)/荒木 飛呂彦
¥410
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中原淳一は、日本の少女たちに直接影響を与えただけでなく、
日本の少年たちにも、間接的に影響を与えていたのですね・・・と一人で納得 (笑)
今回、自分は、中原淳一とジョジョの関係という視点から楽しんでしまいましたが。
皆様は、どうぞ普通に中原淳一展をお楽しみくださいませf^^;
生誕100周年を記念する美術展とあって、内容はとっても豪華。
初公開となる 『ひまわり』 表紙原画3点をはじめ、
雑誌の表紙原画、スタイル画、人形、雑誌の付録など約400点もの展示品が紹介されています。
さらに、中原淳一がデザインしたブラウスの数々を展示したり、
中原淳一の原画を基に、ファッションデザイナーの丸山敬太さんシンデレラのドレスを制作したり、
インテリアデザイナーでもあった中原淳一が提唱したオシャレな三畳間も会場で完全再現したり・・・
と、見どころは、たっぷり。
男の僕でさえ、それなりに心がキュンキュンしてしまったのですから、
女性ならば、きっと少女時代を思い出し、ドキドキキュンキュンすること必至です。
会場にいるマダム達の目が少女のように耀いていたのも印象的ですが。
充実している物販コーナーにいるマダム達の方が、より少女のように目を輝かせていました。
さすが、そごう内の美術館だけあって、商売が上手い。
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野中ユリ展 美しい本とともに
昨年、DIC川村記念美術館で開催されていた “FLOWERSCAPES フラワースケープ” で・・・ 《天使について―フラ・アンジェリコ〈函のある〉》
《妖精たちの森 Ⅱ》
《硝煙画報 パンジー》
その独創的な世界観を持つコラージュ作品群に出合って以来、
気になって気になって仕方が無かったアーティスト・野中ユリさん。
たいていのシュルレアリスム作家のコラージュ作品は、
あえて意味が解らないものを狙って作っているような感じが透けて見えるのですが。
野中さんのコラージュ作品は、むしろ逆で。
すでに世界に存在する意味が解らないもの (=言語化できないもの) を、
作品化・ビジュアル化しているように思えるのです。
それゆえ、野中さんの作品を観ると、
「あ、そうそう!わかる」
というような感覚に陥るのです。
(・・・・・冷静になってみると、何がわかったのかは、自分でもよくわからないのですがw)
“ストンと落ち着く” 、 “腑に落ちる” という感覚に近い気がします。
それと、これは、僕の勝手なイメージですが。
彼女の作品世界には、喜多郎さんの音楽が合うと思っています。
さてさて。
そんな野中ユリさんの大々的な個展が開催されていると聞いて、
早速、 神奈川県立近代美術館 鎌倉別館へを、足を運んできました。
“野中ユリ展 美しい本とともに” は、9月1日まで開催されています。
訪れた日が雨だったからでしょうか。
美術展が始まって間もなかったからでしょうか。
展覧会場は、まるで野中ユリさんの作品世界を体現したかのように、静謐な空間となっていました。。。
お客さんは、僕一人。
作品世界以上に、孤独感や寂寥感を感じてしまいました。
(むしろ、そういう演出なのか?!)
もう少し多くの方に、この美術展が認知されることを願っています。
作品数は、約120点ということもあって、見応えは十分。
たっぷりと野中ユリの作品世界に浸ることが出来ました。
特に今回の美術展で印象的だったのが、
《連作「蓮華集」その9 大日如来を囲むラサの寺院と僧院》 をはじめとする蓮をテーマにした一連の作品群。
どちらかと言えば、信心深くない方の僕ですが。
これらの作品と対峙した瞬間に、何か救われたような気になりました。
ちなみに、これらの作品群には、
喜多郎さんの音楽よりも、平沢進さんの音楽が合いそうです。
(どちらにせよ、シンセサイザーですね)
また、今回の美術展では、
野中ユリさんのコラージュ作品だけでなく、デカルコマニー作品たちも紹介されています。 《青と黄のデカルコマニー》
デカルコマニーとは、紙に絵の具を塗りつけ、それを2つ折りにしたり、
別の紙に押し付けたりすることで、塗りつけた絵の具を転写する絵画技法のこと。
小学生のときに、図工の時間で体験した方は多いのではないでしょうか。
そんなデカルコマニーを極めると、
かくも美しい精神性の溢れる作品が作れるのかと、感嘆してしまいました。
特に圧巻は、 《青いデカルコマニー》 シリーズ。 (←画像が無くて、すいません)
あんなにも美しい青色には、そうそうお目にかかったことがありません。
もしかしたら、フェルメールの青よりも綺麗だったかも。
野中ユリさんが装丁を手がけた澁澤龍彦の本なども併せて紹介されていますので。
澁澤龍彦ファンにもオススメの美術展です。
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生誕100年 松田正平展 陽だまりの色とかたち
“野中ユリ展 美しい本とともに” を観に、
神奈川県立近代美術館 鎌倉別館に行ったついでに。
神奈川県立近代美術館にも寄ってみました。 (←こっちの方が本館なのに)
開催されていたのは、 “生誕100年 松田正平展 陽だまりの色とかたち” という美術展。
恥ずかしながら、松田正平なる画家を知らなかったので、
この美術展には、あんまり期待していなかったのですが・・・
めちゃめちゃオモシロかったです!!!
《オヒョウ(大きな魚)》 といい、
《鳥》 といい、
《婆》 といい、
ユルい!ユルすぎる (笑) !!
そのユルいタッチの絵を観ているだけで、自然と、こちらの頬もユルみます。
気づけば、いつの間にやら松田正平のファンに。
こうした出会いがあるのも、美術館巡りの醍醐味。
あまり興味が持てない美術展にも、果敢に飛び込んでみるべきなのです。
(もちろん、美術展を観賞してみても、興味が持てないままという場合もありますがw)
個人的には、松田正平展はオススメです。2つ星。
ではでは、松田正平とは、一体いかなる人物なのでしょうか。
まずは、簡単に彼の紹介を。
今年で生誕100年を迎える松田正平 (1913~2004) は、
50歳を過ぎて世に認められたという遅咲きの洋画家。
↑でんでんに、ちょっと似ていますが、でんでんではありません (笑)
(ついでに、井上ひさしでもありませんw)
こちらは、73歳の時の 《自画像(Mの肖像)》 です。
自画像からも、飄々とした人柄が伝わってくるように、
画家自身も、かなり飄々とした人物だったようで。
「犬馬ハ難ク鬼魅ハ易シ」
(= 魑魅魍魎や異形の怪物を描くのは簡単だが、身近に実際にいる犬や馬を描くのは難しい。)
と言っては、彼の原風景である周防灘の景色や、 《周防灘》
手塩にかけたバラなど身近なモチーフを繰り返し描いたそうです。 《バラ》
ところで、記事の冒頭にて、
松田正平の飄々としたユルいタッチの作品の数々を紹介してしまいましたので。
“さぞかし、ユルい絵しか描けない人物なのだろう・・・”
と、多くの方が思っていらっしゃるかもしれませんが。
実は、若き松田正平は、パリに渡り、本場の油絵を勉強したエリート画家。
ルーヴル美術館に通っては、先人の絵の模写に励んでいたそうです。
ユルさの 「ユ」 の字もありません。
帰国後は、パリ時代の古典的な画風が一転。
どことなくベルナール・ビュフェを彷彿とさせる荒々しいタッチの作品を次々に発表しています。 《カミキリムシ》
《鳥》
ただ、荒々しいながらも、どこかユーモラスな印象を受けるところに、
のちに開花する (?) 松田正平ワールドの片鱗を感じることが出来ました。
今回の美術展には、初期から最晩年までの油彩画が約100点展示されています。
時代を追って松田正平の作品を観ていくと、
晩年に近づくほど、 “ユルさが研ぎ澄まされて” いるように感じられました。
(↑言葉としては矛盾していますがw)
個人的に、特にお気に入りなのが、 《大威徳明王》 という作品。
怖いはずの大威徳明王も、松田の手にかかると・・・
こんなお姿に!!
大威徳明王としては、商売あがったりです (笑)
そして、今回もっとも気に入ったマイベスト作品が、 《四国犬》 。
松田正平が愛犬を描いた作品だそうです。
「犬は飼い主に似る」 とは、よく言いますが、ここまで似るものなのですね (笑)
舌がレーザービームのように見えますし、
そもそも、犬というかキツネのように見えますし。
ユルいことこの上なしの作品なのですが、不思議と目を捉えて離さないものがありました。
甘いようで、実は、意外と力強い作品です。
そのギャップと、ポップなカラーリング。
“あれ、誰かに似ているぞ?”
と、考えてみたところ、
自分の中で、奈良美智さんの作品に似ているという結論に落ち着きました。
そう言えば、奈良さんは、青森県立美術館のために 《あおもり犬》 という作品を制作しています。
《四国犬》 と 《あおもり犬》 。
何やら関係がありそうな気がします・・・たぶん偶然でしょうがw
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第六十話 国宝ハンター、怒る!
~前回までのあらすじ~
「日本にあるすべての国宝を観ることはできるかな。はてはてふふ~。」
そんな疑問を思いついてしまったばっかりに、
その疑問を自ら解決すべく、全国を巡ることになった国宝ハンター。
今年4月。国宝の寺社建築、仏像が多く存在する奈良に初めて足を踏み入れ、
たった2日間で100件以上の国宝を無事に目に焼き付けることに成功したが―
国宝ハンターは、怒っている!
とても怒っている!
激おこプンプン丸です!!
何をそんなに怒っているのか。
今日は、それを読者の皆様に聞いてもらおうと思います。怒り①
今年も国宝が増えてるじゃねーか!
平成25年。
3件の重要文化財が、国宝に指定されてしまいました。
静岡の願成就院の 《木造阿弥陀如来坐像》 (ジャンル:彫刻) と、
京都の 《醍醐寺文書聖教》 (ジャンル:書跡・典籍) 、奈良の 《木造騎獅文殊菩薩及脇侍像》 です。
頼むから、これ以上増やさないで欲しい。
そっとしておいて欲しい。
巡る身にもなって欲しい。
・・・と思っていたら、
トーハクにて開催されていた “平成25年 新指定 国宝・重要文化財” で、
お披露目的に公開されることになって、ラッキーにもハンティングすることが出来ました。
ついでに、この日に、 《太刀〈銘備前国包平作(名物大包平)/〉》 (ジャンル:工芸品) もゲット。怒り②
鎌倉国宝館、何度目だ?!
これまでに何度も何度も鎌倉国宝館に足を運んでいますが。
5月12日まで開催されていた “鎌倉の至宝” に、 《太刀〈銘正恒/〉》 (ジャンル:工芸品) が、
現在開催中の “常盤山文庫70周年記念名品展” に、 《馮子振墨蹟〈画跋/〉》 (ジャンル:書跡・典籍) が出品。
そのたびに、鎌倉国宝館に足を運ぶことに。
小出しにしやがって (泣)怒り③
それ以上に、サントリー美術館に何度目だ?!
鎌倉国宝館以上に、国宝を小出しにしているのが、サントリー美術館。
“「もののあはれ」と日本の美” には、全部で4件の国宝が出展されているのですが。
何とそれぞれが、別の展示期間に展示されるとのこと!
つまり、
「全部の国宝を観たければ、美術展に4回通えばよかろう。ぶわっはっはっは」
ということ!!
(↑どんなキャラ?)
そのうちの1件 《浮線綾螺鈿蒔絵手箱》 は、すでにゲットしていたとは言え。
《螺鈿時雨鞍》 (ジャンル:工芸品) 、
《紙本著色寝覚物語絵巻》 (ジャンル:絵画) 、
《紙本著色扇面法華経冊子(九十八葉)》 (ジャンル:絵画)
を観るため、結局3回もサントリー美術館に足を運びました。。。
いくらなんでも、アコギすぎる気がします怒り④
畠山記念館の国宝展示期間が短すぎ!
畠山記念館の “麗しの漆 ―蒔絵と螺鈿―” に、
国宝の 《蝶螺鈿蒔絵手箱》 (ジャンル:工芸品) が出展されていました。
・・・たった7日間だけ。
予定をやりくりして、なんとか観に行くことが出来ましたが。
見せるなら見せる。見せないなら見せない。
もう少し国宝ハンターの都合も考えて頂きたいものです。怒り⑤
“国宝 大神社展” の後期で大量ゲットならず!
トーハクの “国宝 大神社展” の前期では、20件もの国宝をゲットしました。
“これは、後期も期待できるぞ。ウッシッシ…(≧w≦)”
と期待していたら、そうは問屋が卸してくれず。
後期でゲットできたのは、厳島神社の 《彩絵桧扇》 (ジャンル:工芸品) 、
青森の櫛引八幡宮の 《白絲威褄取鎧〈兜、大袖付/〉》 (ジャンル:工芸品) 、
そして、 《紙本著色北野天神縁起》 (ジャンル:絵画) の3点のみ。
なんとも、しょっぱい結果です。。。 (>_<)
怒りをエネルギーに変えながら、国宝ハンターは今日も国宝を求めて旅しています。
今現在の国宝ハンティング数 493/1088
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コレクション☆リコレクション VOL.1 5 Rooms 彫刻/オブジェ/立体
アートテラーという職業柄、
「オススメの美術館は、どこですか?」 と質問されることが多いのですが。
その回答の際に、いくつか挙げる美術館の中の一つに、DIC川村記念美術館があります。
印象派、アメリカ抽象絵画、日本画・・・と、
コレクションの幅が広く、また、その質の高さも折り紙つきだし、
美術館を取り巻く広大な自然環境がステキすぎるし、
何より、世界に3か所しかないという超貴重なロスコ・ルームが満喫できるし。
まさしく、絶対にすべらない美術館です。
(「ロスコ・ルームって何?」 という方は、こちらをクリック)
・・・・・が。
どんなものにも弱点はあるように
DIC川村記念美術館にも、ウィークポイントはあります。
一つは、都心からのアクセス。
気軽に行けるほどの場所ではなく、かといって、遠すぎるというほどでもなく。
何というか、絶妙に都心から離れた場所に、DIC川村記念美術館が建っているのです。
ただ、このウィークポイントに関しては、
ちょっと気合入れて足を運べば、その気合以上の感動を得られること必至なので、
DIC川村記念美術館の一ファンとしては、そこまで気にしていません。
問題は、もう一つのウィークポイント。
それは、常設展示室に展示されている作品が、ほぼ入れ替わらないということ。
そのあまりの常設っぷり (←?) に、
「もはやボンドで壁に、くっついてしまっているのでは?」 と勘ぐってしまうほどです。
常設されているのは、レンブラントやルノワール、ピカソ、シャガール…etcと、もちろん一級品ばかり。
初めて訪れる人にとっては、これ以上ない至極のラインナップではあるのですが。
2回、3回と訪れた人にとっては、 「他のも観たいなぁ・・・」 というのが本音ではなかろうか。
(ちなみに、自分は、もう20回くらいDIC川村記念美術館に通っていますw)
と、すっかり前置きが長くなってしまいましたが。
そんなDIC川村記念美術館では、
今年1年に渡って、コレクションを全館において紹介する美術展、
その名も、 “コレクション☆リコレクション” が開催されています。
“コレクション☆リコレクション” は、全3期構成。
その第一弾となるのが、 “コレクション☆リコレクション VOL.1 5 Rooms 彫刻/オブジェ/立体” です。
通常は企画展が開催される展示室に、特製の5つの部屋が設けられ、
それぞれの部屋で、彫刻・オブジェ・立体作品が約40点ほど紹介されているとのこと。
ただ、前述したように、DIC川村記念美術館の常設コレクションは、
あまり代わり映えがしないので、ほとんど期待せずに展示室に入ったところ・・・
(注:この記事に使用している写真は、特別にDIC川村記念美術館さんより提供頂いたものです)
「あるじゃん!他にも、コレクションがあるんじゃん!!」
と、思わず興奮してしまいました (笑)
ロダンやブールデル、マン・レイといった、
これまでの常設展でもお馴染みだったコレクションも、ちゃんと展示されていましたが。
なんとなんと、紹介されている作品のほとんどが、初めて目にするものばかり。
あまりに初めて目にする作品が多すぎて、
コレクション展というよりは、もはや新作の企画展を観ているかのような印象でした。
これまで何度もDIC川村記念美術館を訪れたことがある方でも、
十分新鮮に楽しむことが出来るコレクション展でした。オススメ。
もちろん、このコレクション展がDIC川村記念美術館デビューという方には、よりオススメです。
さすがDIC川村記念美術館は、 “持ってる” 美術館です。
今回初めて目にしたコレクションの中で、気に入った作品はいくつもありましたが。
特に印象的だったのは、下の会場写真の一番手前に写っている作品です。
そのタイトルは、ズバリ 《げんこつ攻撃》 。
確かに、それ以下でも、それ以上でもない作品です (笑)
‘おふざけ’ 感が突き抜けていて、爽快感すら覚えました (←?)
また、下の写真の一番奥に写っているパウル・ヴンダーリヒの 《座長》 も印象に強く残った作品。
(遠すぎて、ゴメンナサイ!)
妖しげで官能性も感じる椅子。
そのフォルムの奇妙さを目にした瞬間、脳内で・・・
『世にも奇妙な物語』 のオープニングテーマが再生されました。
この椅子に座ったら、絶対に、奇妙な世界の住人になってしまうはず。
(注:作品に座ってはいけません)
《げんこつ攻撃》 も 《座長》 も良かったのですが。
今回のコレクション展での一番の収穫は、アン・アーノルドのによる猫の彫刻作品たち。
素朴でカワイイ!
そして、デカい!!
猫好きには、たまらないアート作品です。
もちろん、この猫たちも、DIC川村記念美術館のコレクション作品。
借りてきた猫・・・ではありません。
ちなみに。
同時開催として、5つの部屋のある展示室に隣接する展示室では、
やはり、あまり紹介される機会が無かったロイ・リキテンスタインの版画作品群が紹介されています。
こちらも必見です♪
“コレクション☆リコレクション” は、あと2期残っています。
次回は、どんな隠し玉が登場するのか。
今後にも期待が高まります。
5位以内を目指して、ランキングに挑戦中!(現在10位です)
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世界報道写真展2013
56回目の開催となる世界報道写真コンテストが、今年もアムステルダムで開催されたそうです。
応募者・・・5666人 (124の国と地域) 。
応募総数・・・10万3481点。
その中から、栄えある世界報道写真大賞2012に耀いたのは、
スウェーデンのポール・ハンセンがパレスチナのガザ地区で撮影した写真でした。
(画像は、こちらに)
そんな世界報道写真大賞2012を受賞した写真を筆頭に、
入選した全写真作品を一挙に紹介する “世界報道写真展2013” が、東京都写真美術館で開催中です。
(2012年?2013年??ややこしいですよね)
ニュースというと、写真 (新聞、雑誌) よりも、
映像 (テレビ、ネットニュース) で目にすることが多いので。
なんとなく、自分の中では、
「映像>>>写真」
というヒエラルキーが出来上がっていましたが。
今回の展覧会を通じ、世界トップクラスの報道写真の数々を観たことで、
その認識が間違っていたことを実感させられました。
優れた報道写真は、どんな報道映像よりも、雄弁で、かつ “伝える力” があります。
確かに、映像の方が、写真よりも圧倒的に情報量が多い分、
伝えたい出来事を正確に伝えることは出来るでしょう。
ただ、その一方で、情報量が多い分、
受け取る側が、よっぽど真剣に向き合っていない限り、右から左に流れていってしまうのも事実。
その点、報道写真は、写真家が伝えたいことが明確なので、ストレートに受け取ることが出来ます。
報道映像は、伝えたいことを頭で受け取り、
報道写真は、伝えたいことを心で受け取る。
報道のメディアとしては、全く別物であるということに気づかされました。はい。
そのことを学んだという意味では、まぁ、行って良かった気もするのですが。。。
人にオススメ出来るかというと・・・う~ん。
というのも、今回紹介されている報道写真は、
スポーツの1シーンや自然を捉えたものもありますが、
その多くは、戦争や震災、残忍な事件を捉えたもの。
暴力的な場面、傷ついた人、時には、死体までが、ありのままに写されています。
正直なところ、お金を払ってまで観たい写真ではありません。
(報道写真家を目指す人ならば、お金を払ってでも観るべきでしょうが)
また、それ以前に・・・。
第56回世界報道写真コンテストの入賞作品は、
コンテストを主催している世界報道写真財団の公式HP上の特集ページで観ることが出来るのです。
美術館に展示されているのは、それらを大きく引き伸ばしてパネル化したもの。
特に、写真家本人が現像した写真作品というわけではありませんでした。
「じゃあ、お金を払ってまで、美術館で観なくていいじゃん!」
という気がしてしまうのは、僕だけでしょうか。
正直、こんなことをブログを使ってまで発信するか悩んだのですが。
報道写真の数々に感化されたので、あえて本心をありのままに伝えてみます。
(星なし)
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受身-負ける練習-
意外にも、相田みつを美術館を観シュランガイドで取り上げるのは、今回が初めて。
これまで相田みつを美術館に、なかなか足を運ぶ気になれなかったのは、
「まぁ、イイこと言ってるヘタウマな字の詩が飾られているだけだろうからなぁ」
としか思えなかったからに、他なりません。
僕はどうにも昔から、 “感動的な” ものが苦手でして。
映画も小説もドラマも、 “感動的な” という煽りがあると、食指が動かないのです。
そういうタイプのにんげんだもの。
というわけで、これまで縁のなかった相田みつを美術館なのですが。
今回初めて足を踏み入れ、ちゃんと相田みつをさんの作品と向き合った結果・・・
いかに自分が相田みつをさんを誤解していたかを痛感しました!!
誤解どころか大誤解です。
相田みつをさんの詩を、これまでに何編か読んだだけで、勝手にイメージを決めつけていたようです。
ろくに知ろうともせず、知ってるつもりになるというのは、一番やってはいけないことですね。
久しぶりに、人として反省しました。
ただ、僕ほどではないものの、
相田みつを美術館に行ったことがない方や、彼の本を読んでいない方の多くが、
相田みつをさんという人物を誤解しているような気がします。
古今東西さまざまなアーティストがいますが、
相田みつをさんほど誤解されているアーティストはいないのではないでしょうか。
例えば。
「相田みつを=イイことばっかり言ってる人」 というイメージを抱いていたのですが。
意外なほど、日常に感じたことを、ふと呟いているだけのような作品も多くみられました。

そこに、イイことを言おうという気負いは全くなく、
誰に聞かせるわけでもなく、ただただ自然体で言葉を紡いでいる。
そんな印象でした。
詩というよりも、twitterやfacebookに近い気がします。
フォローしている人のtwitterの投稿が、タイムラインをするする流れていくように、
相田みつをさんの作品も、サラッと見ていくと、するする流れていってしまうのですが。
たまに、グッと共感できる作品があって、
そういう作品に出合うと、ついリツイートや 「いいね!」 をしたくなりました (笑)
また、 「相田みつを=イイことばっかり言ってる人」 というイメージだっただけに、
そんなに人生で苦労していないような印象を抱いていたのですが。
ベストセラーとなった詩集 『にんげんだもの』 が出版されたのが、
なんと60歳の時だったという事実を知って、驚愕も驚愕。
書家を目指したのが19歳の時ですから、
ブレイクするまでに、実に40年以上かかっているではないですか?!
スギちゃんよりも、綾小路きみまろよりも、下積み時代が長いではないですか?!!
それだけ大変な苦労をされたのにも関わらず、
あんなにも自然体でいられたことに、さらに驚愕です。
・・・と、人となりに関して、かなりの誤解をしていたことが発覚しましたが。
書家として、アーティストとしても、かなりの誤解をしていたことも発覚しました。

味のある字だとは思いますが、お世辞にも上手いようには感じられません。
書かれている詩から受ける印象も手伝って、
「下手な字だっていいじゃないか にんげんだもの」
と、自身の字が下手であることを開き直って、思うがままに文字を書いている人。
そんなアーティスト像を抱いていたのですが。
実際の相田みつをさんは・・・

1つの詩に対して、何十枚何百枚も取り組んでいたようで。
その都度、気に入らない書が、山のようになっていたそうな (・・・というか、むしろ山そのもの) 。
この気に入らなかった書は、すべて焼いて処分していたというほど、
自分自身の作品に真剣に向き合った、ストイックな書家だったようです。
そもそも、書家としては、かなりアバンギャルドな方だったようです。
僕は、ブレイクした後の相田みつをさんしか知らなかったので、
「自分の詩を、自分で書く」 という相田みつをスタイルを、当たり前のように感じていましたが。
普通の書家は、既存の詩や言葉を書くのが一般的。
音楽家で言うならば、クラシックの名曲を演奏するようなものです。
ところが、書壇に属さず、独自で道を切り開いた相田みつをさんは、
自分で紡いだ詩を、自ら書にするという独自のスタイルに辿り着きました。
音楽で言うならば、まさにシンガーソングライターのようなもの。
吉田拓郎とか井上陽水とか中島みゆきとか松任谷由美のような書家だったのです。
そういう目で観てみると、どの作品も、途端に新鮮に感じられるではないですか。
特に、この 《みんなほんもの》 という作品なんて・・・

SM●Pの 『世●に一つだけの花を』 のようではないですか?!
・・・って、もちろん、こちらの詩のほうが、かなり前に発表されています。
シンガーソングライターとしては、
相田みつをさんは、槙原●之の大先輩に当たるのですね。
ちなみに、美術館では、詩のような作品だけでなく、
『不』 や 『ゆ』 、『念』 など、一字を書いた作品も数点紹介されていました。
それらの作品は、書というよりも、抽象絵画のような印象。
たかが一字。されど一字。
あんなにもイマジネーションが膨らむ書に、初めて出合った気がします。
アートテラー的には、こちらのタイプの作品の方が好きでした。
何はともあれ、僕のように、
なんとなく相田みつをを知っている気になっている人にこそ、足を運んで頂きたい美術館です。
ただ相田みつを作品が並べられているだけでなく、

インタラクティブな映像展示など、楽しませる工夫が随所に見られるのもポイントです。
現在、そんな相田みつを美術館では、彼の代表作の一つ 《受身》 にちなんで、

“受身-負ける練習-” が開催されています。
相田みつをさんに関して知った気になっていた人は、
是非、この展覧会に足を運んで、僕のように、 “ころんで” きてくださいませ (笑)


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素晴らしきミュージアムショップの世界 商品番号74
今回ご紹介するのは、相田みつを美術館のミュージアムショップで見つけたお菓子をご紹介。
相田みつをフォーチュンクッキーです。
1個105円で、バニラ、抹茶、チョコレートなど味のバリエーションもあります。
さてさて、フォーチュンクッキーとは、
主にアメリカの中華レストランの食後に提供される “中に運勢の書かれた紙片の入ったクッキー” のこと。
おやつとして1つ食べてみることに。
こちらの相田みつをフォーチュンクッキーの中に入っているのは、もちろん・・・
相田みつをからのさまざまなメッセージ。
ちなみに、バニラ味のクッキーからは、こんなん出ましたけど~
「そのとき どう動く」
う~ん、どう動きましょう?
もう一つ食べちゃいましょうか。
抹茶味のクッキーからは、こんなん出ましたけど~
「生きているうち
はたらけるうち
日のくれぬうち」
ということは、日の暮れぬうちに、もう一つ食べちゃえってこと??
じゃあ、食べちゃいますよ (←逆ギレ?)
で、チョコ味のクッキーからは、こんなん出ましたけど~
「しあわせはいつも自分のこころがきめる」
午後にまったりと美味しいクッキーを3つも食べているなんて。
確かに、幸せなひとときではありました。
ちなみに、相田みつをからのメッセージは、全部で24種類あるとのこと。
他には、どんなメッセージがあるのか、とても気になります。
好奇心旺盛な人間だもの。
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【告知】 現在募集中のアートツアー 【告知】
現在募集中のアートツアーです。
アートに興味のない方でも楽しんで頂ける企画となっておりますので、どうぞお気軽にご参加くださいませ
定員になり次第、募集は〆切らせて頂きますので、よろしくお願いします。
6/22(土) ゆるゆるで行こう!
(定員に達したため、現在はキャンセル待ちでの受付となります)
「アートは、心を揺さぶられるもの。」
「アートは、感性を刺激するもの。」
皆様は、アートに対して、なんとなくそのようなイメージを抱いていませんか?
確かに、心を揺さぶるアートや、感性を刺激するアートは、数多く存在します。
しかし、それらのアートとは真逆の (?) 、ゆる~いアートも、中にはあるのです。
そこで、今回のアートツアーでは、
僕が、ゆる~くチョイスした、ゆるゆるなアートが楽しめる美術展を、ゆる~く巡ります。
まずは、日本美術史に残る (いや、残らない?!) 2大ゆるゆるアートを求めて、日本民藝館へ。
こちらでは、 “つきしま かるかや―素朴表現の絵巻と説話画” を観賞いたします。
素朴なタッチの絵を眺めて、ほのぼのといたしましょう。
続いて向かうのは、東京オペラシティアートギャラリー。
写真界きってのゆる写真家・梅佳代さんの初の個展 “梅佳代展 UMEKAYO” が開催中です。
日常のゆる~い光景を捉えた写真に、思わず頬がゆるむこと必至です。
時間は、だいたい13時から、だいたい17時まで。
途中で、お茶休憩を挟む・・・かもしれません。
人数は、12人くらいを予定しています。
参加費は、特にありませんので、入館料と交通費、お茶代をなんとなくご用意くださいませ。
(もし、お金が足りなくても、こちらでは負担しません。そこは、ゆるくないですw)
6/29(土) 書を捨てよミュージアムへ行こう!
(定員に達したため、現在はキャンセル待ちでの受付となります)
東京藝術大学大学美術館にて、 “夏目漱石の美術世界展” が絶賛開催中です。
この美術展の開催を勝手に記念して、 『文学』 をテーマにした初のアートツアーを開催します。
“夏目漱石の美術世界展” を観たあとは、
台東区立一葉記念館や文京区立森鴎外記念館を巡ります。
お茶休憩も、文学にまつわる場所で。
文学が好きな方も、アートが好きな方も、
どちらもほどほどな方も(笑)、ご参加お待ちしております。
時間:12時~18時(予定)
募集人数:15名
参加費:3館の入館料を合わせて2000円(交通費、お茶代は各自負担)
7/6(土) プレミアムTOKYOアートツアー~東京洋館物件めぐり~
“東京ほど、面白いアートの街はない!”
をコンセプトに、毎回いろんな切り口で、
東京ならではの特別なアートツアーを提案する企画。
それが、プレミアムTOKYOアートツアーです。
東京という街を一つの美術館に見立て、ギャラリーツアーのように、
ガイドを交えながら、都内のアートスポットを数か所ご案内させて頂きます。
さて、今回のテーマは、
『東京の洋館』
です。
洋館巡りというと、横浜や神戸でしか出来ないイメージがありますが。
実は、都内にも、見逃せない洋館物件が沢山あるのです
そこで、今回は、そんな見逃せない洋館物件の数々を、不動産巡りするように、皆で見学いたしましょう!
今回のツアーで巡るのは、全部で4つの物件。
都内屈指のアメリカンハウスに、重要文化財に指定ホヤホヤの洋館に、
そして、今だけ和室や2階ベランダが特別に公開中の三鷹市山本有三記念館、
さらに、ハガキで予約しないと入館できない大谷美術館です。 (人数分予約済です)
開始は10時、終了は17時を予定しています。
募集定員は、12名です。
今回の参加費は、入館料・入園料・ガイド代を合わせて、お一人2300円となります。
(交通費、観賞代は各自負担となります)
というわけで、きっと東京が、より好きになるアートツアー。
これまでのプレミアムTOKYOアートツアーにご参加された方も、
今回が初めての参加となる方も、皆様のご参加を心よりお待ちしております!
新たなツアー企画は、内容が決まり次第、随時こちらの記事を更新してお伝えいたします。
参加希望の方は、こちらのメールフォームよりお知らせください。
詳細をお知らせいたします。
http://homepage3.nifty.com/art-teller/tony_contact.htm
北斎と暁斎―奇想の漫画
↑こちらの ‘はっちゃけ過ぎた’ ポスターに誘われて。
太田記念美術館の “北斎と暁斎―奇想の漫画” へ足を運んできました。
葛飾北斎や河鍋暁斎の2人が、いくらユーモア溢れる奇想の浮世絵師とは言っても、
「さすがに、このポスターのノリと同じくらいに、はっちゃけた絵は描いてないでしょ (笑)」
と、半信半疑だったのですが・・・。
葛飾北斎も。 《『北斎漫画』十二編》
河鍋暁斎も。 《傘地蔵と驚く男》
普通に、はっちゃけてました (笑)
もちろん太田記念美術館は、浮世絵の美術館ですから、
葛飾北斎の 《富嶽三十六景 神奈川沖波裏》 や、
河鍋暁斎の 《蒙古賊船退治之図》 など、
浮世絵作品も多く展示されているのですが。
むしろ、今回の美術展のメインは、北斎と暁斎が手がけた絵本作品。
展示の実に半数以上が、二大天才絵師による絵本作品となっています。
それだけに、美術作品を観賞しているというよりは、
終始、ギャグ漫画を読んでいる感覚に近かったです。
それも、 『少年チャンピオン』 あたりに連載されていそうなギャグ漫画。
河鍋暁斎の 《放屁合戦》 なんて、 『浦安鉄筋家族』 を彷彿とさせるものがありました (笑)
僕も、そろそろ、いい大人になったので、
さすがにおならネタでは、あまり笑いませんが。 (←それでも、ちょっとは笑いますw)
小学生の時に、この作品に出合っていたら、おそらく笑いが止まらなかったことでしょう。
この作品以外にも、まだまだギャグ作品はあります。
全部は紹介しきれないので、特にインパクトの強かったものを、厳選してご紹介いたしましょう。
まずは、 《北斎漫画》 の1コマ。
右上に描かれている人魚にご注目ください。
「いや、人魚と言うより、人面魚じゃんwww」
人と魚の比率が、5:5ではなくて、2:8ないしは1:9くらいになっています。
だいぶ気持ち悪いです (笑)
その人魚のインパクトに押されてしまってはいますが、
右下の河童に漂う妙な哀愁も、なかなか味があって良いです。
続いて、同じく 《北斎漫画》 より、ワケのわからない1コマ。
描かれているのは、サトイモ畑を荒らすタコとのこと。
え~っと、どういうシチュエーションなのでしょう??
シュールにもほどがあります。
巨大なタコがサトイモ畑を荒らしているという異常事態に、
「ありゃ、タコがサトイモ畑を荒らしてりゃf^^;」 と言わんばかりの表情の男性は何者?!
シュールと言えば、河鍋暁斎の 《花を活ける骸骨》 も。
え~っと、どういうシチュエーションなのでしょう?? (本日2回目)
肉体を失って、骨だけになっても、花を愛でる心は失わない・・・ということなのでしょうか。
葛飾北斎、河鍋暁斎を取り上げた美術展は数多くありますが。
真っ向から、 「漫画」 というキーワードで紹介しているのは、なかなかレアな気がします。
葛飾北斎先生と河鍋暁斎先生の漫画作品が読めるのは太田記念美術館だけ・・・かも。
ちなみに。
今回の美術展で紹介されていた作品と同じくらいに・・・いや、もしくは、それ以上に?
インパクトが強かったのが、なんと次回の美術展のポスターでした。
“江戸の美男子” というテーマで開催される、
その美術展のポスターのメインビジュアルに使われている浮世絵が、あまりにイケメンすぎて・・・(笑)
間違いなく、イケメンが好きな全女子必見の美術展です!
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