新年あけましておめでとうございます。
本年も昨年同様に、いや、昨年以上に、
皆様に楽しんで頂けるよう、アートテラーの活動に邁進いたします。
応援のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
さて、今年2016年は申年。
それを祝って、京都国立博物館では、
“新春特集陳列 さるづくし―干支を愛でる―” という展覧会が開催されています。
こちらは、タイトルから想像がつくように、まさに猿づくしな展覧会。
猿を描いた絵画はもちろん、
長沢芦雪 《群猿図屏風(群猿・唐子図屏風のうち)》
猿をモチーフにした工芸品や、
《猿根付 線刻銘「正直」》
猿が登場する説話集などが紹介されています。
国宝 《日本霊異記》
会場には、たくさんの猿がいましたが。
伊藤若冲の 《猿蟹図》 を筆頭に、
その多くは、ゆるキャラ系。
さらに、そのゆるキャラ系の多くは、
13世紀後半の中国で活躍した画僧・牧谿の 《観音猿鶴図》 のインスパイア系でした。
(参考画像。こちらの作品は出展されていません)
最も牧谿にインスパイアされていたのは、式部輝忠の 《巌樹遊猿図屏風》 という作品。
牧谿猿が大量発生しています。
『猿の惑星』 かと思いました。
そんな作品群の中で、森狙仙の猿の絵だけは、やはり別格でした。
「猿を描かせたら右に出る者はいない」 と称されるだけはあります。
森狙仙筆 《猿図絵馬》
みんなが、「うっきっきー」 と猿のモノマネを楽しんでいる中で、
一人だけ、猿の形態模写に本気で挑んでいる感じと言いましょうか。
なんだか鬼気迫るものすら感じました。
ちなみに、今回出展されていた作品の中で、
一番のお気に入りは、《三猿緒締 線刻銘「懐玉」》 です。
見ざる言わざる聞かざるを、一匹で表現。
耳をふさぐ方法が秀逸でした。
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新春特集陳列 さるづくし―干支を愛でる―
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