松屋銀座で開催中の “上田宗箇 武将茶人の世界展” に行ってきました。
上田宗箇 (1563-1650) は、戦国時代に活躍した武将。
常に一番槍にこだわり、何度も一番槍の功を立てた勇猛果敢な武将だったそうな。
一方、茶道の世界でも、その名を馳せ、上田宗箇流茶道の礎を築いたそうな。
そんな武将でもあり、茶人でもあった上田宗箇の愛用していた名品や、
(例:《織部沓形茶碗 美濃焼》)
上田宗箇自らが制作した茶道具など、
(例:《竹一重切花生》)
約150点が惜しげもなく、展示されていました。
それらの中には、徳川美術館や根津美術館が所蔵する名品もあり、
もはや “デパートの展覧会” の域を超えたレベルの高い美術展でした。
しかも!
展示室内には、かつて広島城内にあったとされる上田家上屋敷の茶室 「遠鐘」 や鎖の間も完全再現されています。
単なる茶道具が並べられただけの美術展でなく、
きちんと、上田宗箇の世界観を体感できるという力の入りよう。
さらに!
上田宗箇と言えば、
へうげもの(1) (モーニングKC (1487))/山田 芳裕
¥540
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山田芳裕の漫画 『へうげもの』 の重要な登場人物。
ということで、展覧会場には、
『へうげもの』 の漫画で、上田宗箇の相関図を表したパネルが、展示されていました。
漫画のファンには、嬉しい遊び心です♪
・・・しかし、会場にいた大半が、お茶を嗜んでいる品の良さそうなマダムばっかりだったので、
「何、この変な絵は??」
と、多くの方が、眉をひそめていらっしゃいました (笑)
まさに、へうげたパネル。
さてさて、今回展示されていた品の中で、
何と言っても印象に残っているのは、上田宗箇の自作の赤楽茶碗 《さても》
自らの茶道具の美意識を、 “ウツクシキ” と語った宗箇。
この 《さても》 は、 最も “ウツクシキ” 茶道具と言っても過言ではないでしょう。
一番の特徴は、まるで太刀を 「エイヤッ!」 と振り下ろすが如く、ヘラで大胆にカッティングされた側面。
一番槍にこだわる武将だった宗箇だからこその迫力が漲っています。
また、色は、血潮のごとき、臙脂色。
こんなにも漢心をくすぐられる茶道具は、初めて観ました。
他にも、名品の数々を堪能。
デパートの美術展で、こんなにも高い満足度が得られるとは。
さすが松屋銀座。
ただ、同じフロアで、広島物産展も同時開催されていました。
(上田宗箇は、広島にゆかりの深い人物)
商魂逞しい。。。
これまた、さすが松屋銀座。
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上田宗箇 武将茶人の世界展
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