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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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コレクション☆リコレクション VOL.1 5 Rooms 彫刻/オブジェ/立体

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アートテラーという職業柄、
「オススメの美術館は、どこですか?」 と質問されることが多いのですが。
その回答の際に、いくつか挙げる美術館の中の一つに、DIC川村記念美術館があります。
印象派、アメリカ抽象絵画、日本画・・・と、
コレクションの幅が広く、また、その質の高さも折り紙つきだし、
美術館を取り巻く広大な自然環境がステキすぎるし、
何より、世界に3か所しかないという超貴重なロスコ・ルームが満喫できるし。
まさしく、絶対にすべらない美術館です。
(「ロスコ・ルームって何?」 という方は、こちらをクリック)


・・・・・が。
どんなものにも弱点はあるようにあせる
DIC川村記念美術館にも、ウィークポイントはあります。
一つは、都心からのアクセス。
気軽に行けるほどの場所ではなく、かといって、遠すぎるというほどでもなく。
何というか、絶妙に都心から離れた場所に、DIC川村記念美術館が建っているのです。
ただ、このウィークポイントに関しては、
ちょっと気合入れて足を運べば、その気合以上の感動を得られること必至なので、
DIC川村記念美術館の一ファンとしては、そこまで気にしていません。
問題は、もう一つのウィークポイント。
それは、常設展示室に展示されている作品が、ほぼ入れ替わらないということ。
そのあまりの常設っぷり (←?) に、
「もはやボンドで壁に、くっついてしまっているのでは?」 と勘ぐってしまうほどです。
常設されているのは、レンブラントやルノワール、ピカソ、シャガール…etcと、もちろん一級品ばかり。
初めて訪れる人にとっては、これ以上ない至極のラインナップではあるのですが。
2回、3回と訪れた人にとっては、 「他のも観たいなぁ・・・」 というのが本音ではなかろうか。
(ちなみに、自分は、もう20回くらいDIC川村記念美術館に通っていますw)



と、すっかり前置きが長くなってしまいましたが。
そんなDIC川村記念美術館では、
今年1年に渡って、コレクションを全館において紹介する美術展、
その名も、 “コレクション☆リコレクション” が開催されています。
“コレクション☆リコレクション” は、全3期構成。
その第一弾となるのが、 “コレクション☆リコレクション VOL.1 5 Rooms 彫刻/オブジェ/立体” です。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-DIC川村記念美術館


通常は企画展が開催される展示室に、特製の5つの部屋が設けられ、
それぞれの部屋で、彫刻・オブジェ・立体作品が約40点ほど紹介されているとのこと。
ただ、前述したように、DIC川村記念美術館の常設コレクションは、
あまり代わり映えがしないので、ほとんど期待せずに展示室に入ったところ・・・

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-ロダン  
(注:この記事に使用している写真は、特別にDIC川村記念美術館さんより提供頂いたものです)


「あるじゃん!他にも、コレクションがあるんじゃん!!」

と、思わず興奮してしまいました (笑)
ロダンやブールデル、マン・レイといった、
これまでの常設展でもお馴染みだったコレクションも、ちゃんと展示されていましたが。
なんとなんと、紹介されている作品のほとんどが、初めて目にするものばかり。
あまりに初めて目にする作品が多すぎて、
コレクション展というよりは、もはや新作の企画展を観ているかのような印象でした。

これまで何度もDIC川村記念美術館を訪れたことがある方でも、
十分新鮮に楽しむことが出来るコレクション展でした。オススメ。
もちろん、このコレクション展がDIC川村記念美術館デビューという方には、よりオススメです。
さすがDIC川村記念美術館は、 “持ってる” 美術館です。
星星


今回初めて目にしたコレクションの中で、気に入った作品はいくつもありましたが。
特に印象的だったのは、下の会場写真の一番手前に写っている作品です。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-げんこつ


そのタイトルは、ズバリ 《げんこつ攻撃》
確かに、それ以下でも、それ以上でもない作品です (笑)
‘おふざけ’ 感が突き抜けていて、爽快感すら覚えました (←?)

また、下の写真の一番奥に写っているパウル・ヴンダーリヒの 《座長》 も印象に強く残った作品。
(遠すぎて、ゴメンナサイ!)

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-展示室


妖しげで官能性も感じる椅子。
そのフォルムの奇妙さを目にした瞬間、脳内で・・・




『世にも奇妙な物語』 のオープニングテーマが再生されました。
この椅子に座ったら、絶対に、奇妙な世界の住人になってしまうはず。
(注:作品に座ってはいけません)


《げんこつ攻撃》《座長》 も良かったのですが。
今回のコレクション展での一番の収穫は、アン・アーノルドのによる猫の彫刻作品たち。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-アン・アーノルド


素朴でカワイイ!
そして、デカい!!
猫好きには、たまらないアート作品です。
もちろん、この猫たちも、DIC川村記念美術館のコレクション作品。
借りてきた猫・・・ではありません。


ちなみに。
同時開催として、5つの部屋のある展示室に隣接する展示室では、
やはり、あまり紹介される機会が無かったロイ・リキテンスタインの版画作品群が紹介されています。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-ロイ・リキテンスタイン


こちらも必見です♪

“コレクション☆リコレクション” は、あと2期残っています。
次回は、どんな隠し玉が登場するのか。
今後にも期待が高まります。




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