今回ご紹介するのは、埼玉県立近代美術館で開催中の “戦後日本住宅伝説ー挑発する家・内省する家”。
こちらは、丹下健三の 《自邸》 から安藤忠雄さんの 《住吉の長屋》 まで、
1950年代から1970年代の間で発表された住宅建築16作品にスポットを当てた展覧会です。
紹介されている住宅建築は、どれも日本建築史に名を残す伝説の建築ばかりとのこと。
チラシやポスターに記載されていたラインナップを見て、
みんなの大東京建築ツアーの講師の建築家2人ともが興奮していたので、よほどスゴい建築展なのでしょう。
というわけで、みんなの大東京建築ツアーを主催する立場として、
「この建築展には行っておかねば!」
と、埼玉県立近代美術館に足を運んでみたのですが。
建築のシロウトである僕が観賞しても楽しめるのが、それがただただ不安でした。
結論から言いますと・・・
建築のシロウトである僕でも、全然楽しめました!!
もしかしたら、これまで僕が訪れた建築展の中でも一番の楽しさだったかもしれません。
まず何より紹介されている建築そのものが、どれも面白かったこと。
石山修武さんの 《幻庵》 や、
1975年 撮影:新建築社写真部/画像提供:DAAS
安藤忠雄さんの 《住吉の長屋》 、
1976年 撮影:新建築社写真部
そして、伊東豊雄さんの 《中野本町の家》 をはじめ、
1976年 撮影:大橋富夫
一度目にしたら忘れられないインパクトの強い建築のオンパレードです。
しかも、それらは住宅建築であり、
実際に誰かが住んで生活しているという事実に思い至って、二重に衝撃を受けます。
驚くと同時に、住むということについて、いろいろと考えさせられました。
僕も、いずれは個性的な住宅に住もうかなぁ。 (←妄想が膨らみます)
さてさて、紹介されていた住宅建築の面白さもさることながら、
今回の建築展には、建築のシロウトでも楽しめるような工夫が随所にされているのもポイントです。
例えば、各住宅建築ごとに1枚ずつ、天井の高さほどの大きさに引き伸ばされた写真が展示されています。
白井晟一 《虚白庵》 1970年 撮影:新建築社写真部
その写真の前に立てば、まるで実際に建物の中に入ったような感覚に!
さらには、その写真の前では記念撮影OK!
思い思いのポーズで撮影されてみてはいかがでしょうか。
また、個人的に一番テンションが上がったのが、東孝光さんの 《塔の家》 に関する展示です。
1966年 撮影:村井修
《塔の家》 は、都心に住みたかった東さんが、東京都渋谷区のわずか6坪の狭い敷地に建築した自邸。
7畳ほどのスペースを地上5階地下1階の計6層に積み重ねているのが最大の特徴です。
千駄ヶ谷編の建築ツアー中に外観を見学したことはありますが、
外観だけでは、イマイチその広さ (狭さ?) を実感することは出来ませんでした。
そんな 《塔の家》 の実寸大の平面図が、今回の会場に出現!
実感するどころか、その広さ (狭さ?) を体感することが出来ました。
実寸大平面図というアイディアは、かなり目からウロコ。
今後の建築展にも、是非取り入れて欲しい展示スタイルでした。
ちなみに、こちらの建築展は、埼玉県立近代美術館での会期終了後、
広島市現代美術館、松本市美術館、八王子市夢美術館と巡回するそうですが。
個人的には、埼玉県立近代美術館で観賞することを激しくオススメします。
と言いますのも、紹介されている16作品の中に、
1972年 撮影:新建築社写真部
黒川紀章の 《中銀カプセルタワービル》 もあるのですが。
何を隠そう、埼玉県立近代美術館の建物の設計が、黒川紀章ですし。
埼玉県立近代美術館のすぐ近くに、 《中銀カプセルタワービル》 のモデルルームが設置されているのです。
黒川紀章先生の 《中銀カプセルタワービル》 のモデルルームが見られるのは、埼玉県立近代美術館だけ。
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戦後日本住宅伝説ー挑発する家・内省する家
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