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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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不思議な動き キネティック・アート展 ~動く・光る・目の錯覚~

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本日は、 “不思議な動き キネティック・アート展 ~動く・光る・目の錯覚~” へ。
こちらは、日本で初めてキネティック・アートを総合的に紹介するもので、
損保ジャパン東郷青児美術館にて、8月24日まで開催されている美術展です。

キネティック・アートとは、 「動く芸術」 の意。
1950年代後半から60年代にかけて、イタリアを中心に多数制作されたアートです。
最大の特徴は、作品そのものに “動き” を取り入れていること。
目の錯覚を利用するものや、発光するもの、機械仕掛けでシステマティックに動くものなど、
キネティック・アートには、いろんなタイプが存在しています (ただし、映画やアニメーションなどは含まない)

百聞は一見に如かず。
キネティック・アートが、どのようなものなのか理解するには、
こちらのyoutubeの映像をご覧頂くのが手っ取り早い気がします↓




今回の美術展に出展されている約90点のキネティック・アート作品は、
すべてイタリア国内のコレクションだそうで、日本初公開のものばかりとのこと。
意表を突くアクロバティックな動きに驚かされたり、
どこか懐かしさを感じるレトロティックな魅力に心を奪われたり、
初対面のキネティック・アート作品は、どれもドラマティックでファンタスティック。
ホリスティック (全体的) に、純粋に楽しめる美術展でした。
星星
ただし、良くも悪くも、深い感動はないです (笑)
ただただ楽しいだけ。


今回紹介されていた中で、今も網膜で残像が動いている (?) 印象深い作品をいくつかご紹介。
まずは、錯視を利用したフランコ・グリニャーニの 《波の接合33》 という作品から。

並みの接合  1965年 油彩・カンヴァス


画像でも、かなりグニャングニャングリニャーニに動いて見えますが。
実物は、もっとグニャングニャングリニャーニに動いて見えます。
もちろんパソコンなど無い時代なので手描きです。
グリニャーニは、この作品を描きながら、気持ち悪くならなかったのでしょうか。


続いて、トーニ・コスタの 《交錯》

交錯  1967年 ポリ塩化ビニルのレリーフ・板


こちらは、絵画作品ではなく。
ポリ塩化ビニルのレリーフが、ブラインドのように等間隔で板に貼りつけられている作品です。
白く見える部分が、ポリ塩化ビニルのレリーフ。
青く見える部分が、土台となっている板の色です。
この作品を観る角度によって、白い部分と青い部分の見え方に変化が起こります。
仕掛けはシンプルなのに、何度観ても驚けました。
この作品にハマってしまい、作品に向き合って左右に何度も移動。
傍から見れば、反復横跳びをしている人のよう。


他にも紹介したい作品は、たくさんありますが、
最後はジョヴァンニ・アンチェスキの 《水平流体の走行》 を。

水平流体  1962年 木・プラスティックチューブ・ネオン・電気モーター・着色した液体


こちらは、かなり大がかりな作品。
黒いボックスを覗き込むと、そこには妖しく緑に光るチューブが何本も。
実際には一本の長いチューブだそうで、そのチューブの中を緑色の液体が循環しています。
その循環によってチューブを移動する気泡の動きを、ただただ眺めて楽しむだけの作品です。
大がかりな作品のわりに、動きは意外と小さくて地味 (笑) 。
ギャップ萌え (?) しました。


  不思議な動き キネティック・アート展 ~動く・光る・目の錯覚~
  2014年07月08日(火)~2014年08月24日(日)
  損保ジャパン東郷青児美術館

  http://www.sompo-japan.co.jp/museum/exevit/index_kinetic.html




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