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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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安野光雅の絵本展

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いつもは、独自の方向でのセンスを発揮する板橋区立美術館が、
今回の “安野光雅の絵本展” のポスターでは、純粋に、良い方向でのセンスを発揮しています。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-安野光雅の絵本展


逆に、何か心配なので (笑)
本日、板橋区立美術館に、足を運んできました。

すると、平日にも関わらず、お客さんの数が多い!

しかも、カフェまである!

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-カフェ


ますます、どうした板橋区立美術館?!
いつもの板橋区立美術館のノリよ、カムバーック!!

ただ、個人的には、いつものノリ (悪ノリ?) が、大好きなのですが。
いつものノリではない今回の美術展は、純粋に良かったです。
僕が今まで観てきた “絵本をテーマにした美術展” では、抜きんでてNo.1。
星星星


ではでは、どの辺りが、3つ星だったのか。
講評してまいりましょう。

まず、何より、安野光雅さんの仕事ぶりがスゴイ。
実は、この美術展に行くまで、安野光雅さんを存じ上げなかったのですが。
こんなにスゴイ方を今日まで知らなかったことを、反省。
教えてくれた板橋区立美術館に、感謝です。

もしかしたら、僕以外にも、
安野光雅さんを知らないという方がいるかもしれないので、まずは簡単にご紹介。

安野光雅さんは1926年生まれ。
誕生日は、3月20日 (僕と一緒です!)
画家でもあり、装丁家でもありますが、一番ポピュラーなのは、絵本作家としての顔。
小学校教諭を35歳で辞め、42歳という遅咲きで絵本作家デビュー。
そのデビュー作となる 『ふしぎなえ』 は、

ふしぎなえ (日本傑作絵本シリーズ)/著者不明

¥840
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世界中で大評判となるほどのベストセラーに。
この頃、エッシャーの絵に大きな影響を受けていたそうで、
『ふしぎなえ』 という絵本は、全ページに渡って、エッシャー風の不可思議な世界が描かれていました。
(会場では、原画の展示はもちろん、実際の絵本も手に取って読めるようになっています)

その後も。
一見すると、ただの森の絵の中に、いろんな動物が隠れている絵本や、

もりのえほん/著者不明

¥840
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木片を加工した風のアルファベットやひらがなが登場する絵本、

ABCの本―へそまがりのアルファベット/安野 光雅

¥1,995
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あいうえおの本/安野 光雅

¥1,575
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など、独自の路線の絵本を、次々に発表。
(ちなみに、『あいうえおの本』 の中身は、こんな感じです)

  アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-あいうえおの本


また、小学校の教師ということもあったからでしょうか。
科学や数学をテーマにした絵本も、数多く発表しています。

天動説の絵本―てんがうごいていたころのはなし/安野 光雅

¥1,575
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こちらの 『天動説の絵本―てんがうごいていたころのはなし』 は、
地動説が当たり前の現代だからこそ、天動説が信じられていた頃の世界を知る必要があると執筆された絵本。
古い時代の感じを出すために、
あえて染みがあったり、破れている紙を使ったというこだわりの一冊です。


個人的に印象的だったのは、こちらの一冊。

3びきのこぶた (美しい数学 (6))/森 毅

¥1,523
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見た目は、可愛い “3びきのこぶた” の絵本。
中の絵も、同様に可愛らしいのですが。
「5軒の家に3匹のこぶたが入る入り方は何通りあるのか?」 という順列・組み合わせをテーマにした絵本。
なんとなんと、内容は高校レベルの数学です。
高校生の時に、この絵本の存在を知っておけば、
順列・組み合わせに苦手意識を感じなかったのに!


まだまだ安野光雅さんの絵本のジャンルは、こんなものじゃありません。
シェイクスピアに、

繪本 シェイクスピア劇場/安野 光雅

¥3,570
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平家物語に、

繪本平家物語 カジュアル版/安野 光雅

¥2,940
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旅をテーマにした絵本に。

旅の絵本II (改訂版) (安野光雅の絵本)/著者不明

¥1,470
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さらには、切り絵だけで構成した絵本も発表。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-がまの油 贋作まっちうりの少女


一体、安野光雅さんは、何人いるんだ??


そんな安野光雅さんの絵本原画が、
約200点も展示されているというだけでも、この美術展に行く価値ありですが。
それに加えて、キャプションやイス、絵本を設置する本棚に、
原画を飾る額に至るまで、すべて木で制作されているという素敵な演出がなされていました
そのおかげで、統一感もありつつ、ぬくもりも感じられ、
何より、安野光雅さんの世界観を感じることが出来る会場風景に。
いや、思い出してみても、本当に素敵な空間でした。
板橋区立美術館とは思えないくらいに (笑)


ちなみに。
この美術展は、全国7会場を巡回しているそうですが。
(4/21からの秋田県立近代美術館がラストです)
ここ板橋区立美術館でしか展示されていない原画がありました。

橋をかける―子供時代の読書の思い出/美智子

¥1,365
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その一つが、『橋をかける』 という本の表紙原画。
そんなに貴重な原画なのかと、マジマジと見ていると・・・

「えっ、宮内庁所蔵?!」

著者が、美智子とだけありましたが。
そこらへんの美智子 (?) ではなく、皇后陛下美智子さまのことでした。
あらまぁ。

その皇后陛下美智子さまが、
先日の3月9日に、板橋区立美術館を訪れたとのこと。
その時ばかりは、この幟は、外していたのでしょうか (笑)

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-板橋区立美術館





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