今回ご紹介するのは、川崎市民ミュージアムで開催中の展覧会、
“アンデルセン展 あなたのそばにはいつもアンデルセンがいた” 。
『裸の王様』 や 『マッチ売りの少女』『人魚姫』 など、
数々の名作を生んだデンマークの国民的作家アンデルセンにスポットを当てた展覧会です。
これまで、数多くの展覧会を目にしてきましたが、
かつて、これほどまでにモヤモヤするドイヒーな展覧会があったでしょうか?!
なんかもう、いろいろと衝撃的でした。
川崎市民ミュージアムは、何かの悪い魔法にかかっているのかもしれません。
(星なし)
思えば、まずは冒頭の挨拶から、雑な感じがしていました。
3つ並んだパネルのうちの1つは、
新国立競技場の設計でもお馴染みの建築家・隈研吾さんからのメッセージ。
内容は、相当薄め。
小学生みたいな文章です。
・・・・・と、そこはさておき。
唐突に登場した川崎市の隣で生まれ育った隈さんとアンデルセンに何の関係が?
一切、その説明はありません。
仕方がないので、ググってみたところ、
隈さんが新しいアンデルセン博物館を設計するようです。
いや、知らんがな。そこまで関係ないがな。
会場に入ってすぐの場所にアンデルセンの像が展示されていたものの・・・
展覧会で真っ先に紹介されていたのは、
デンマークの産業事情!
そして・・・
首都コペンハーゲンの模型!
さらに・・・
映画 『野の白鳥』 で使われたドレス!
(デンマークの現役の女王陛下がお作りになられたものなのだとか)
・・・って、アンデルセンどこいった!!
この時点で、展覧会の3分の1が費やされています。
重役出勤並みの遅さで、ようやくアンデルセンが登場しました。
(↑壁一面を拡大写真で埋めるという贅沢な展示)
なのに、メインとなる展示品は・・・
はい。何と、これだけ。
まぁ、空間がスカスカです。
もしかしたら、『裸の王様』 のような感じで、
馬鹿には見えない展示品があるのかもしません。
うやうやしく展示されたアンデルセンのペン。
唯一の自筆の原稿は、童話の1シーンではなく、全く有名ではない詩。
『人魚姫』『親指姫』 などが収められた 『子どものための童話集』 も展示されてはいましたが・・・
なぜか扉ページが開かれている始末。
有名な童話の1シーンのページを開くか、もしくは、閉じて表装を見せるか。
どちらかにして欲しかったです。
肝心の童話関連の展示品は、『子どものための童話集』 1冊のみでした。
では、何が展示のメインかと言えば、
アンデルセンの切り絵 (といっても全部で9点) です。
こんな展開を、誰が予想できましょう。
ちなみに、それに関連して、
アンデルセンの切り絵を元にしたウォーホル作品も展示されていました。
こんな作品をウォーホルが作っていたのですね。
それも、死ぬ1週間前の最晩年の作なのだそうです。
アートテラーとしての収穫は、このウォーホル作品の存在を知れたことだけでした。
不名誉にも、コペンハーゲンの人魚姫の像は、
“世界三大がっかり名所” の一つに数えられているわけですが。
今回のアンデルセン展も、僕の中で “三大がっかり展覧会” の一つに刻まれました。
一番がっかりしているのは、アンデルセンでしょう。
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アンデルセン展 あなたのそばにはいつもアンデルセンがいた
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