根津美術館が誇る国宝 《燕子花図屏風》 に、
メトロポリタン美術館所蔵の 《八橋図屏風》 に。
美術史上に輝く2つの燕子花図屏風が見られる美術展は、残念ながら、すでに終わってしまいました。
「あぁ、燕子花図、見逃したぁ・°・(ノД`)・°・」
そうお嘆きの皆様に、朗報です!
尾形光琳作の燕子花図に勝るとも劣らない燕子花図の名品が、
現在、泉屋博古館分館にて、展示されているのです。
それは、明治から昭和にかけて京都で活躍した木島桜谷の 《燕子花図》
こちらの画像では、全く実物の良さが伝わらなくて、恐縮ですが。
実際は、もっともっと色が透き通るように美しくて、
もっともっと描かれている燕子花が瑞々しくて肉感的で。
まず間違いなく、尾形光琳の 《燕子花図屏風》 をモチーフにしている作品ですが。
単なるパクリ作品にはなっておらず、
大正ロマンのようなテイストも感じるモダンな燕子花図に生まれ変わっていました。
尾形光琳の 《燕子花図屏風》 を観た方も、
惜しくも見逃してしまった方も、一見の価値アリな燕子花図です。
そんな木島桜谷の 《燕子花図》 が展示されているのは、
“近代の京焼と京都ゆかりの絵画―受け継がれるみやこの美―” という美術展。
こちらは、先日まで開催されていた “神秘のデザイン” に続く、
泉屋博古館分館開館10周年記念展のPart2に当たる美術展です。
Part1では、住友コレクションの中から、中国の青銅器の名品の数々を紹介していましたが。
(泉屋博古館は、住友家が蒐集した美術品を保存・展示する美術館です。)
今回のPart2では、近代から近世にかけて京都で活躍した画家たちの作品にくわえ、
初代宮川香山の 《依仁清意色絵金彩孔雀香炉》 や、
三代清風与平の 《秘色窯瑞雲文瓢形花瓶》
などなど、幕末から明治期にかけての京焼の名品の数々が紹介されています。
どれもこれも、涼しげで、品が漂う名品揃い。
コレクションした住友春翠 (住友家15代当主) のセンスが光っていました。
お金があっても、センスがないコレクターもいれば、
センスはあるのに、お金が無くて、コレクターになれない人もいます。
その両方を得た住友春翠。
サウイフモノニワタシモナリタイ。
どの展示品も、目移りするくらいに、素敵でしたが。
僕の目と心を、がっちり掴んで離さなかったのが、野々村仁清の作品群。
《色絵龍田川水指》 も、
《白鶴香合》 も、
仁清らしさが溢れていて、良かったですが。
今回の一番は、 《唐物写十九種茶入》
「肩衝」 や「茄子」 、「芋の子」 に 「文琳」 など、
19種類の唐物の茶入を、フィギュアのように小さく再現したものです。
どれもこれも手乗りサイズで、可愛らしいことこの上なし。
“19コもあるから、1コくらいなくなっても、バレ無くね??”
と、僕の中で、悪魔が囁いたのは、ここだけの話です。
(もちろん、1コも持って帰って来てません)
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近代の京焼と京都ゆかりの絵画―受け継がれるみやこの美―
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