一度でいいから行ってみたい。
そう思い続けて数年。
ようやく念願のポーラ美術館に、行ってまいりました。
“光を感じる美術館” と言われるだけあって、
美術館の中では、心地よい光を全身に浴びることが出来ました♪
この居心地を体験出来ただけでも、箱根まで来た甲斐があったというものです。
さてさて、そんなポーラ美術館は、
今年でめでたく開館10周年を迎えました (おめでとうございます!)
そこで、開館10周年を記念して、
1年を通じて開催される大規模な美術展 “コレクター鈴木常司 「美へのまなざし」” が、
先週の土曜日より始まりました (全3期にわたって行われます)
こちらは、ポーラ美術館コレクションの礎を築いた鈴木常司に、初めてスポットを当てた美術展。
ちなみに、鈴木常司 (1930~2000) は、ポーラ化粧品本舗の2代目の社長。
その美術コレクションは、
西洋絵画、日本の洋画、近現代の日本画、版画、彫刻、東洋陶磁、ガラス工芸、化粧道具…
と、多岐にわたり、その総数は、なんと約9500点 (!) にも及びます。
この数は、戦後の個人コレクションとしては、日本最大級のものとなっています。
現在開催中の 「第Ⅰ期 ピカソとポーラ美術館の絵画」 では、
そんなコレクター・鈴木常司が生涯に渡って蒐集したコレクションの中から名品の数々が、
特にこだわって収集を続けたピカソを中心に展示されています。
ポーラ美術館のマスターピース 《海辺の母子像》 をはじめ、ピカソ全19作品が公開されているだけでなく、
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております)
ルドンあり、
ルノワールあり、
ムンクあり、
藤田嗣治あり、
切手にもなった岡田三郎助の 《あやめの衣》 (向かって左) あり、
・・・と、イチイチ挙げていたら、キリが無いほどの充実したラインナップ。
これが、たった一人の手によって集められたコレクションとは!
コレクター・鈴木常司、恐るべしです。
さらに、 「鈴木常司、恐るべし!」 と感じさせられたのが、
会場に入って、いきなり現れたポーラ五反田ビルの会長室の再現!
そこにあったのは、ゴルフのパットを練習するマットではなく (←会長室にありそうなものNo.1)
平山郁夫の日本画に、カンディンスキーの抽象画に、
セザンヌやゴッホの油彩画に、後漢時代の壺に・・・って、どんな会長室やねん?!
スゴすぎて、思わずツッコみたくなりました。
これだけの素晴らしいコレクションを、
こうして見られる機会を与えてくださった鈴木常司さんに感謝しつつも、
「はぁ~、お金がある人は、いいよなぁ~」 という鈴木常司さんへのジェラシーも抑えきれず。。。
“素晴らしい!” と “羨ましい!” という2つの感情のせめぎ合わせながら、
美術品の数々を観賞する、という今までにないタイプの体験が出来る美術展でした (笑)
ちなみに。
こちらの美術展は、全部で12のテーマから構成されていました。
その中で、特に興味深かったテーマが、 『馬―坂本繁二郎から東洋陶磁』 です。
この一角には、馬を主題にした美術品が、数々集められていました。
「なぜ、こんなに馬ばかり?」
と、疑問に思っていたら、
“鈴木常司は、午年生まれだから、馬が好きだった” という単純な答えが返ってきました (笑)
そう言えば、僕の知人にも一人、午年生まれで馬が好きな人がいます。
彼と鈴木常司は、きっと馬が合うことでしょう。
また、 『よそおいの美と心』 というテーマでは、
ポーラらしく、化粧道具コレクションを展開しています。
女性の美への憧れが、化粧という文化を産み、
その化粧を販売する企業が、この素晴らしい美術館を誕生させた。
世の中は、女性の力で回っているのですね。
最後に。
今回、一番印象に残った作品を、ご紹介。
エミュル・ガレの 《犬型陶器》 です。
“・・・な、なんか可愛くないゾ (笑)”
しばらく見つめていたら、
“オネエマン界の黒船” ジョンテ☆モーニングに見えてきました。
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コレクター鈴木常司 「美へのまなざし」 第Ⅰ期 ピカソとポーラ美術館の絵画
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