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どうぶつ大行進

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昨日一昨日と、千葉県で開催中の美術展を紹介してきましたが。
本日も、千葉県で開催中の美術展をご紹介いたします。
しかも、アートテラー的に、今年の夏イチオシの美術展をご紹介いたします!

それは・・・

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-どうぶつ大行進


千葉市美術館で開催中の “夏休み特別企画 どうぶつ大行進”
江戸時代から現代まで。
千葉市美術館のコレクションの中から、
動物をテーマにした日本美術ばかり約240点を紹介する美術展です。
星星星


・・・・・と、それだけ聞くと、
まぁ、楽しそうではあるものの、特別に目新しい美術展ではない気がします。
確かに、美術展を訪れた率直な感想としては、
動物の絵がいっぱいで楽しめたものの、内容自体には、そこまで目新しさを感じませんでした (笑)
しかし、この美術展のオススメポイントは、そこに非ず。
驚くなかれ、この美術展は、入場料が、たったの200円なのです。
大事なことなので、もう一度言っておきましょう。
入場料が、たったの200円なのです。

しかも!!

今回の美術展では、 『どうぶつをさがそう!』 というワークシートが配布されているのですが。
その上級編ver.に挑戦し、見事、ワークシートに登場する動物たちを、
美術展の会場から、すべて探し出すことが出来た暁には、素敵なプレゼントを貰うことが出来ます。
再び驚くことなかれ、その素敵なプレゼントは、なんと250円相当の商品でした。
200円の美術展で、250円の商品が貰えるなんて。
あまりに太っ腹すぎて、千葉市美術館の経営が、心配になってしまいました (笑)

ちなみに、このワークシート。
250円相当の商品が貰えるだけあって、
子供向けというレベルでは、決してなく、難易度は鬼のようです (笑)
約240点ほど展示されている絵の中から、
小豆の豆粒サイズの鼠の姿を見つけろだなんて、無茶ブリもいいところです。
とは言え、もし見つけられなくても、ご心配なく。
会場のあちらこちらにいる係員さんが、優しくヒントをくれますよ。
もちろん、このワークシートに挑戦しなくても、美術展は楽しめますが、
挑戦した方が、間違いなく何倍も楽しめます♪
僕は、約1時間くらい熱中してしまいました。


さてさて、ここまではお得だということ理由ばかりで、オススメしてきましたが。
もちろんもちろん、美術展そのものにだって、見どころはいっぱいです。

葛飾北斎の 《雪中松に鶴図》 に、

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-雪中松に鶴図


伊藤若冲の 《乗興舟》 に、

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-乗興舟
(パッと見、動物が見えませんが、ちゃんと鳥が描かれています)


円山応挙に、田中一村に、川合玉堂に、竹久夢二に…etcに、
日本美術史を代表する一流作家の動物作品を、一挙に楽しむことが出来ます。
実に多くの画家が、動物を題材に絵を描いているものです。


また、一口に、動物の絵と言っても、タッチも様々。
リアルな絵もあれば、

岡本秋暉 《孔雀図》
アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-孔雀図


ゆるカワ系の絵あり、

神坂雪佳 《百々世草》
アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-百々世草


ちょっとヘンテコな絵もあり、

森一鳳 《象図屏風》
アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-象図屏風


実在していないファンタジーな動物の絵もあり。

石井林響 《王者の瑞》
アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-左  アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-右


次々と登場する動物の絵に、飽きないこと必至です。
まさに、どうぶつ大行進。
夏の動物園は、暑さにやられてしまうので、
今年の夏は、本物の動物園でなく、冷房の効いた千葉市美術館で、動物を楽しむのがベターです。


ではでは、最後に、今回の美術展で印象に残った作品の数々を、厳選してご紹介。
まずは、ゆるカワにもほどがある 《鹿図》

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-鹿図


ゆるカワというより、もはやアホっぽさすら感じます (笑)
あほカワイイです。

ちなみに、この 《鹿図》 を描いた中村芳中の作品がもう一つ。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-光琳画譜


こちらの 《光琳画譜》 に描かれた千鳥も、非常にあほカワイイ。
ぜひ、千葉市美術館には、このキャラクターグッズを展開して頂きたいものです。


続いて、昇斎一景の 《元ト昌平坂聖堂ニ於テ博覧会図》

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-元ト昌平坂聖堂ニ於テ博覧会図


こちらは、明治5年に湯島聖堂で開催された日本初の博覧会の様子を描いた一枚。
当時は、美術作品だけでなく、博物的な品、
そして、動物も、いっしょくたに展示されていたようです (笑)
ちなみに、この博覧会の目玉は、画面の中央にも描かれているシャチホコ。
これは、名古屋城から持ってきた本物なのだとか。

この作品の隣には、別の作家による、同じ博覧会の様子を描いた作品が。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-博覧会図式


ここから美術展の歴史が始まったのかと思うと、だいぶ感慨深いものがあります。
今の美術展会場は、これに比べると、だいぶスッキリしましたね。


ラストは、北斎の弟子・魚屋北渓による 《桃太郎》 という浮世絵作品。
あまりにユーモラスな作品だったので、思わずポストカードを購入してしまいました!

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-桃太郎


犬も猿も雉も、みんなオモチャかい (笑) !!

きっと人望 (動物望?) のない桃太郎なのでしょうね。
きび団子くらいでは、鬼退治に付いてきてもらえなかったので、形だけでも、お供を揃えたのでしょう。
悲しすぎる桃太郎です。




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