現在、横浜美術館で開催されているのは、“澄川喜一 そりとむくり” という展覧会。
日本の抽象彫刻のパイオニアにして、'生きるレジェンド' 澄川喜一さんの大々的な回顧展です。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を得ております。)
念のために伝えておきますと。
タイトルにある “そりとむくり” は、
『そりとむくり』 なる1つの単語ではありません。
『「反(そ)り」 と 「起(むく)り」 』 という2つの単語を合わせたもの。
どちらも、五重塔や日本刀、富士山の稜線など、
日本の伝統的な造形や自然に見られる美しさで、澄川さんが作品に取り入れている概念です。
「そり」 とは、下に向かってゆるやかに湾曲する線や面を指し、
「むくり」 とは、その反対で、上に向かってゆるやかに湾曲する線や面を指すのだとか。
なお、会場の入り口に飾ってあるのは、
山口県岩国市にある日本三名橋の一つ、錦帯橋の模型。
岩国市で青春時代を過ごしたという澄川さんは、
錦帯橋の構造美を見て、「そり」 と 「むくり」 の魅力に目覚めたのだそうです。
ちなみに。
もし、澄川喜一さんの名は聞いたことがないという人も、
彼が制作、デザインした作品は、一度は必ず目にしているはず。
メインとなる作品は木彫ですが、野外彫刻も多く手がけている澄川さん。
現在、日本国内にある彼の野外彫刻や記念碑は、120点を超えているそうです。
意外なところでは、東京アクアラインの人工島 「風の島」 や、
東京駅八重洲口の新たなランドマークである 「グランルーフ」 も澄川さんによるデザイン。
そして、最も有名なところでは・・・・・
東京スカイツリー®のデザインも監修しています。
まさに、日本一の大仕事です。
さてさて、今回の展覧会では、そんな澄川さんの貴重な初期の作品や、
《S君》 1959年 ブロンズ 33×22×27cm 作家蔵(島根県立石見美術館寄託) (c)Sumikawa Kiichi 撮影:村井修
平櫛田中賞を受賞した代表作 《そりのあるかたち-1》 から、
《そりのあるかたち-1》 1978年 欅 135×260×45cm 東京都現代美術館蔵 (c)Sumikawa Kiichi 撮影:村井修
近作・最新作まで、約100点もの作品が出展されています。
作品は、ほぼ時系列に沿って紹介されていました。
制作を続ければ続けるほど、作品はより抽象的な形へ。
見た目の印象も、どんどんとシンプルなものになっていきます。
正直なところ、近年の 《そりのあるかたち》 シリーズは、
あまりにもシンプル過ぎて、軽く手を抜いているのかなと思いましたが (←コラッ!)
しばらく見ていたところ、あることに気づかされました。
シルエットを見ただけでは、
ただただシンプルな造形のようにしか感じられません。
しかし、その表面を見てみると・・・・・
惚れ惚れするほど、木目が美しいのです。
なるほど。近年の 《そりのあるかたち》 は、
木目の美しさを最大限に活かすための 「そりのあるかたち」 だったのですね。
ちなみに、最新作の 《そりのあるかたち》 がこちら↓
やはり木目が美しい。
何かの波動のようにも見え、神々しさすら感じられました。
《そりのあるかたち》 の木目の美しさに開眼してからというもの・・・。
そこばかりに集中してしまいました。
木を見て彫刻を見ず。
1位を目指して、ランキングに挑戦中。
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日本の抽象彫刻のパイオニアにして、'生きるレジェンド' 澄川喜一さんの大々的な回顧展です。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を得ております。)
念のために伝えておきますと。
タイトルにある “そりとむくり” は、
『そりとむくり』 なる1つの単語ではありません。
『「反(そ)り」 と 「起(むく)り」 』 という2つの単語を合わせたもの。
どちらも、五重塔や日本刀、富士山の稜線など、
日本の伝統的な造形や自然に見られる美しさで、澄川さんが作品に取り入れている概念です。
「そり」 とは、下に向かってゆるやかに湾曲する線や面を指し、
「むくり」 とは、その反対で、上に向かってゆるやかに湾曲する線や面を指すのだとか。
なお、会場の入り口に飾ってあるのは、
山口県岩国市にある日本三名橋の一つ、錦帯橋の模型。
岩国市で青春時代を過ごしたという澄川さんは、
錦帯橋の構造美を見て、「そり」 と 「むくり」 の魅力に目覚めたのだそうです。
ちなみに。
もし、澄川喜一さんの名は聞いたことがないという人も、
彼が制作、デザインした作品は、一度は必ず目にしているはず。
メインとなる作品は木彫ですが、野外彫刻も多く手がけている澄川さん。
現在、日本国内にある彼の野外彫刻や記念碑は、120点を超えているそうです。
意外なところでは、東京アクアラインの人工島 「風の島」 や、
東京駅八重洲口の新たなランドマークである 「グランルーフ」 も澄川さんによるデザイン。
そして、最も有名なところでは・・・・・
東京スカイツリー®のデザインも監修しています。
まさに、日本一の大仕事です。
さてさて、今回の展覧会では、そんな澄川さんの貴重な初期の作品や、
《S君》 1959年 ブロンズ 33×22×27cm 作家蔵(島根県立石見美術館寄託) (c)Sumikawa Kiichi 撮影:村井修
平櫛田中賞を受賞した代表作 《そりのあるかたち-1》 から、
《そりのあるかたち-1》 1978年 欅 135×260×45cm 東京都現代美術館蔵 (c)Sumikawa Kiichi 撮影:村井修
近作・最新作まで、約100点もの作品が出展されています。
作品は、ほぼ時系列に沿って紹介されていました。
制作を続ければ続けるほど、作品はより抽象的な形へ。
見た目の印象も、どんどんとシンプルなものになっていきます。
正直なところ、近年の 《そりのあるかたち》 シリーズは、
あまりにもシンプル過ぎて、軽く手を抜いているのかなと思いましたが (←コラッ!)
しばらく見ていたところ、あることに気づかされました。
シルエットを見ただけでは、
ただただシンプルな造形のようにしか感じられません。
しかし、その表面を見てみると・・・・・
惚れ惚れするほど、木目が美しいのです。
なるほど。近年の 《そりのあるかたち》 は、
木目の美しさを最大限に活かすための 「そりのあるかたち」 だったのですね。
ちなみに、最新作の 《そりのあるかたち》 がこちら↓
やはり木目が美しい。
何かの波動のようにも見え、神々しさすら感じられました。
《そりのあるかたち》 の木目の美しさに開眼してからというもの・・・。
そこばかりに集中してしまいました。
木を見て彫刻を見ず。
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