Quantcast
Viewing all articles
Browse latest Browse all 5005

澄川喜一 そりとむくり

現在、横浜美術館で開催されているのは、“澄川喜一 そりとむくり” という展覧会。
日本の抽象彫刻のパイオニアにして、'生きるレジェンド' 澄川喜一さんの大々的な回顧展です。

Image may be NSFW.
Clik here to view.

(注:館内の写真撮影は、特別に許可を得ております。)


念のために伝えておきますと。
タイトルにある “そりとむくり” は、
『そりとむくり』 なる1つの単語ではありません。
『「反(そ)り」 と 「起(むく)り」 』 という2つの単語を合わせたもの。
どちらも、五重塔や日本刀、富士山の稜線など、
日本の伝統的な造形や自然に見られる美しさで、澄川さんが作品に取り入れている概念です。
「そり」 とは、下に向かってゆるやかに湾曲する線や面を指し、
「むくり」 とは、その反対で、上に向かってゆるやかに湾曲する線や面を指すのだとか。

なお、会場の入り口に飾ってあるのは、
山口県岩国市にある日本三名橋の一つ、錦帯橋の模型。
岩国市で青春時代を過ごしたという澄川さんは、
錦帯橋の構造美を見て、「そり」 と 「むくり」 の魅力に目覚めたのだそうです。

ちなみに。
もし、澄川喜一さんの名は聞いたことがないという人も、
彼が制作、デザインした作品は、一度は必ず目にしているはず。
メインとなる作品は木彫ですが、野外彫刻も多く手がけている澄川さん。
現在、日本国内にある彼の野外彫刻や記念碑は、120点を超えているそうです。

Image may be NSFW.
Clik here to view.



意外なところでは、東京アクアラインの人工島 「風の島」 や、
東京駅八重洲口の新たなランドマークである 「グランルーフ」 も澄川さんによるデザイン。

Image may be NSFW.
Clik here to view.



そして、最も有名なところでは・・・・・

Image may be NSFW.
Clik here to view.



東京スカイツリー®のデザインも監修しています。
まさに、日本一の大仕事です。


さてさて、今回の展覧会では、そんな澄川さんの貴重な初期の作品や、

Image may be NSFW.
Clik here to view.

《S君》 1959年 ブロンズ 33×22×27cm 作家蔵(島根県立石見美術館寄託) (c)Sumikawa Kiichi 撮影:村井修


平櫛田中賞を受賞した代表作 《そりのあるかたち-1》 から、

Image may be NSFW.
Clik here to view.

《そりのあるかたち-1》 1978年 欅 135×260×45cm 東京都現代美術館蔵 (c)Sumikawa Kiichi 撮影:村井修


近作・最新作まで、約100点もの作品が出展されています。
作品は、ほぼ時系列に沿って紹介されていました。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.



制作を続ければ続けるほど、作品はより抽象的な形へ。
見た目の印象も、どんどんとシンプルなものになっていきます。

正直なところ、近年の 《そりのあるかたち》 シリーズは、
あまりにもシンプル過ぎて、軽く手を抜いているのかなと思いましたが (←コラッ!)

Image may be NSFW.
Clik here to view.

Image may be NSFW.
Clik here to view.



しばらく見ていたところ、あることに気づかされました。
シルエットを見ただけでは、
ただただシンプルな造形のようにしか感じられません。
しかし、その表面を見てみると・・・・・

Image may be NSFW.
Clik here to view.



惚れ惚れするほど、木目が美しいのです。
なるほど。近年の 《そりのあるかたち》 は、
木目の美しさを最大限に活かすための 「そりのあるかたち」 だったのですね。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.



ちなみに、最新作の 《そりのあるかたち》 がこちら↓

Image may be NSFW.
Clik here to view.

Image may be NSFW.
Clik here to view.



やはり木目が美しい。
何かの波動のようにも見え、神々しさすら感じられました。


《そりのあるかたち》 の木目の美しさに開眼してからというもの・・・。
そこばかりに集中してしまいました。
木を見て彫刻を見ず。




1位を目指して、ランキングに挑戦中。
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Blogランキングへ
 Image may be NSFW.
Clik here to view.
にほんブログ村 美術ブログへ

Viewing all articles
Browse latest Browse all 5005

Trending Articles