2012年10月20日に、完全リニューアルオープンした五島美術館。
それを記念して開催されているのが、五島美術館&大東急記念文庫が所蔵する名品を、
奈良・平安編、鎌倉・室町編、桃山・江戸編、朝鮮・中国編の4部構成で紹介する “時代の美” という美術展。
半年間というスパンで開催される駆け足の美術展ゆえに、
第1部の “奈良・平安編” は、すでに終了し、早くも第2部の “鎌倉・室町編” に突入です。
ちなみに、この美術展も、12月24日には終了予定。
「五島美術館そんなに急いでどこへいく?」 という感じです (笑)
さてさて、時代が変われば、美術の形式も変わるのは、当然の話で。
今回の “鎌倉・室町編” には、
前回の “奈良・平安編” には無かった歌仙絵 (※1) や、
(※1 歌仙絵…和歌に歌人の姿が添えられている絵。歌詞カードに、アーティスト写真が添えられていて、どちらも楽しめるようなもの)
墨跡 (※2) の名品の数々、
(※2 墨跡…そもそもは、墨で書いた筆跡を指す言葉なのですが。
なぜか、日本では禅宗のとってもエラ~い人が書いた書のことだけを指すようになった)
そして、金沢文庫から借りパクしたまま (?) の書籍の数々など、
武家政権が成立した鎌倉・室町時代らしい、
『雅 (みやび)』 とは真逆の作風の作品が多く見受けられました。
ちなみに、今回の美術展でも、重要文化財作品の数々が惜しげもなく展示されています。
特に見逃せないのは、12月9日までしか展示されない国宝の 《紫式部日記絵巻》
制作年代の違いもあるのでしょうが、
同じ国宝の絵巻の 《源氏物語絵巻》 と比べて、いまだに現役で (?) 色が鮮やか!
今回、他に展示されている作品が、
むさい (むさ苦しい?無彩??) 作品ばかりなので、一際、色鮮やかな世界が映えていたような気がします。
もちろん 《紫式部日記絵巻》 以外にも、手の長さが尋常でない猿が描かれた 《猿図》 や、
鎌倉時代の雨の降らせ方マニュアル 《祈雨日記》 、あの一休さんの 《梅画賛》 など、見逃せない作品多数。
そんな中でも、僕のイチオシは、 《駿牛図断簡》 !!
一見すると、何の変哲もない牛の絵なのですが。
実は、こちらは、鎌倉時代の牛車用の名牛や駿牛の姿を似絵 (=リアルな肖像画) 風に描いたもの。
つまり、鎌倉時代当時の人にとっては、
単なる牛には見えておらず、ランボルギーニやフェラーリのように見えているはず (たぶん!)
五島美術館が所蔵しているのは、こちらの1枚ですが、
元々は、10図あったそうで、現在は8図が現存しているそうです (トーハクも所蔵しているとのこと)
鎌倉時代の 『ベストカー』 。
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時代の美 第2部 鎌倉・室町編
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