先日の話です。
我が家のポストに、こんな手紙が投函されていました。。。
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「ふ・・・不幸の手紙((>д<))」
自分の知らないところで、誰かの恨みを買ってしまっていたようです。。。
と、一瞬、ブルーな気持ちになりましたが、
よくよく見たら、 “BLACKS ルイーズ・ニーヴェルスン|アド・ラインハート|杉本博司” という展覧会の招待状。
一人であたふたしてしまったことに、思わず顔が赤くなりました (笑)
そんなわけで、この黒い招待状を携えて、
送り主であるDIC川村記念美術館に行ってまいりました。
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(注:展示室内の撮影は、特別に許可を得ています)
会場の入り口も黒い幕で飾られたこちらの美術展は、
特に 『黒』 という色を重要な要素として作品を制作した三人の作家を紹介するという、
まさに黒尽くしの美術展です。
色彩にこだわるDIC川村記念美術館ならではの美術展と言えましょう。
それでは、今回取り上げられている三人の黒い作家 (←?) を、順にご紹介していきましょう。
まずは、日本を代表する現代美術作家・杉本博司さん (1948~)
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会場には、彼の代表作 《劇場》 シリーズが、ズラリと並んでいます。
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一見すると、ただ劇場を写しただけの何の変哲もない写真に見えますが。
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杉本博司 《フィフス・アヴェニュー・シアター、シアトル》 1997年
DIC川村記念美術館蔵 ©Hiroshi Sugimoto / Courtesy of Gallery Koyanagi
実は、こちらは、映画をまるまる一本上映する間、
シャッターを開き続け、長時間露光によって撮影した写真。
そのように撮影することで、映画一本分の光がフィルムに焼き付けられ、スクリーン部分は白くなるのです。
今回の美術展では、そんな杉本さんの 《劇場》 シリーズの作品が、28点も集められています。
残念ながら、上映されていた映画を想像するのは不可能に近いですが (笑)
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それぞれの劇場写真の前で、映画1本を観たような気分を味わってみてはいかがでしょう。
続いては、アメリカの抽象画家アド・ラインハート (1913~1967)
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どう見たって正方形のキャンバスを黒一色で塗りつぶしただけの超シンプルな絵が飾られています。
ちょっと近づいて観てみましょう。
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やっぱり黒いだけの絵にしか見えません。
しかし、そこは、諦めないで (←?) 、もう少しだけこの作品を見続けてみましょう。
すると、気づくはずです。
縦横が3分割されており、それぞれがビミョ~に明度が異なる黒い絵具で描かれた絵であるということに。
しばらく暗いところにいると、次第に目が闇に慣れ、ジンワリと物が見えるようになりますよね。
まさに、あれと同じような感覚で、
黒一色にしか見えなかった絵が、ジンワリと違う表情を見せ始めるのです。
くっきりと違うわけでもなく、でも、肉眼で感じ取れないわけでもなく。
ビミョ~というよりも、もはやゼツミョ~なバランスの2色の対比。
それを感じ取る不思議で繊細な観賞体験が、アド・ラインハート作品の真骨頂です。
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・・・・・・・って、写真じゃ全然伝わらないですね (笑)
是非、会場で、ご自身の目で体験されてみてくださいませ。
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そして、3人目は、キエフ生まれの女性彫刻家ルイーズ・ニーヴェルスン(1899~1988)
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彼女は、黒く彩色した木を組み合わせて、独特なスタイルの立体作品を制作しました。
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黒は黒でも、マッドな黒のため、どこかメカニカルな印象。
言われなければ、女性の作品とは思えません。
そんなルイーズ・ニーヴェルスンの彫刻作品が、
この美術展のために、兵庫・大阪・福島・富山をはじめ、日本全国から大集合しています。
(これは、とっても希少なケースなのだとか!)
さてさて、白い壁の展示スペースで展示された作品は、その対比で、とても映えていましたが。
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黒い壁の展示スペースに展示されていた作品は、
黒on黒のため、パッと見ただけでは何だかよくわかりません (笑)
とは言え、肉眼ならば、さして観賞するにあたって支障はなく、
むしろ黒on黒というのは、斬新で新鮮な展示スタイルだと思いました
ただ、皆様に、写真でその良さを伝えるのは、難しそうです↓
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カメラの照度を変えてみても・・・
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やっぱり、写真では良さが伝えられません。
なぜなら、黒on黒だから。
是非、会場で、ご自身の目で体験されてみてくださいませ。
“・・・って、そのフレーズを僕に言わせるために、あえて黒い壁に黒い作品の展示をしたのでは??
腹黒いなぁ、DIC川村記念美術館 (笑)”
と思いきや、何でも黒い壁をバックに展示するのは、
ルイーズ・ニーヴェルスンさんの意向だったとのこと。
この件に関しては、DIC川村記念美術館はクロではなく、シロでした。
(↑疑ってしまって、すいません)
さてさて、今回の美術展を通じて、三人三様の 『黒』 と向き合ったのですが、
スタイルも時代も出自もバラバラながら、共通して、どの 『黒』 も澄んでいたのが印象的でした。
向き合えば向き合うほど、心は 『白』 に近づいていくような、そんな純粋な 『黒』 です。
その 『黒』 を最大限に際立たせるために、演出は最小限にしていましたが、
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会場内に、こんな巨大な壁を作ってしまうところには、静かな気合が感じられました。
そして、かなりお金がかかっているのも感じられました (笑)
それだけに、美術展としても、黒(字) になることをお祈りしています。
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色彩豊かな常設展示と対比すると、より楽しめます♪
ちなみに、今回の美術展にちなんで、お茶席では・・・
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陶芸家・横山拓也さんの黒い茶碗と、
木工作家・新宮州三さんの黒い漆器で抹茶とお菓子を楽しむことが出来ます (一服800円)
もちろん (?) お菓子も、すべて黒尽くし。
10位以内を目指して、ランキングに挑戦中!(現在12位Image may be NSFW.
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