佐藤美術館で、3月3日まで開催されている・・・
“うれし・たのし・今日このごろ いきものワールド 富田菜摘展” に行ってきました。
すでに、ポスターの段階で楽しそうな気配がプンプンと漂っておりましたが。
実際の美術展は、その何十倍も楽しかったです
会場には、富田菜摘さんによって生み出されたカワイイいきものたちがいっぱい。
ポスターで主役を張っていた (?) サル君も、ちゃんと会場にいました。
さてさて、これらのカワイイいきものたちが、
何から作られているかお分かりになりますか?
例えば、このカメ君。
近づいて、よ~く見てみると・・・
どこかで目にしたことがあるようなサラ金の看板 (!) や、
扇風機の一部や、コンピューターの基盤などで作られていることがわかります。
そう、これらは、すべて廃品や廃材。
富田菜摘さんは、普通ならゴミとして捨てられてしまう材料を使って、
可愛くてユーモラスな動物たちを生み出してしまう、今大注目の若手女性アーティストなのです。
廃材や廃品を寄せ集めて制作する、
いわゆるジャンクアートという制作スタイル自体は、さして珍しいものではないですが。
他の一般的なジャンクアート作品とは違って、
富田菜摘さんの作品には、愛情が満ち満ちていた点が、何よりも特徴的でした。
これは、僕の勝手な印象ですが。
(主に男性の) 一般的なジャンクアーティストが、
“アートの力によって、廃材や廃品に新しい価値観を与えてあげよう!” と思っているのに対して、
富田さんは、そもそも廃材や廃品をガラクタと捉えておらず、
“カラフルでカワイイ素材を組み合わせて、よりカワイイ作品を作ろう♪” と思っているような気がします。
言うなれば、 “ガテン系パッチワーク” という印象です。
そんな姿勢が、作品のタイトルにも現れており。
例えば、彼には、 『ジュリアン』 という名前が。
彼には、 『猿之助』 という名前が。
・・・というように、作品一体一体に、ちゃんと名前が付けられていました。
ちなみに、こちらのタツノオトシゴの名前は・・・
『登志子』 。
メスだったのですね (笑)
命名した富田さんは、もちろん、彼らのことが大好きなのでしょうが。
彼らも、名前を付けてくれた生みの親の富田さんのことを、大好きなのではないでしょうか。
そんなことを思わず想像してしまい、何とも幸せな気持ちになれました。
さてさて、展示室は、もう1フロアあります。
続いては、どんないきものたちと出会えるのでしょう。
ワクワクが止まりません♪
・・・・・って、んん?!
あれあれ?
上のフロアで待っていたのは、等身大の人間たち。
お世辞にも、可愛らしいいきものではなかったです (笑)
こちらは、 《さんざん待たせてごめんなさい》 という 『人物』 をテーマにした連作なのだとか。
ちなみに、可愛らしいいきものたちと同じく、
この列をなす人物たち一人一人にも、ちゃんと名前が付いています。
では、彼らは、一体、何で製作されているのでしょうか?
いきものたちの作品のようなジャンクアートでないことは確かです。
例えば、こちらの柴田和子さん(写真右)とお喋り中の田中俊子さん(写真左) 。
近寄って、よ~く観てみると・・・
スーパーのチラシだけで作られていることがわかります。
また、例えば、ニンテンドーDSに夢中な田中将太君 (俊子さんの息子か?) は、
少年マガジンで作られています。
・・・と、まぁ、このように、
これらの人物像は、印刷物を寄せ集めて制作されていました。
そんな 《さんざん待たせてごめんなさい》 の中で、特に存在感を放っていたのが、こちらの渡辺親子↓
少女の瞳には、 『不安』 の2文字が浮かんでいます。
(全身は、3・11の震災関連の印刷物で構成されていました)
その少女の手をしっかりと握る母の瞳には、 『守』 という文字が。
母と子の絆を強く感じる作品です。
さてさて、このフロアには、等身大の 《さんざん待たせてごめんなさい》 以外にも、
ミニサイズの作品が展示されていましたが、その中で印象的だったのが、 《午後6時の山手線》 という作品。
座席には、明らかにアキバ系な人の姿が・・・。
その彼のケータイ画面には、何やら見覚えのあるキャラクターが (笑)
こういう芸の細かさには、脱帽です。
カワイイいきものたちを作る、ほんわか系アーティストかと思いきや、
人物をテーマにした作品では、一転して、毒や批評性も発揮する富田菜摘さん。
その作風の幅広さに、そして、まだ26歳という若さにも、今後に大いに期待したいアーティストです。
富田さんの作品だけに関しては、3つ星なのですが。
これだけ楽しい美術展の開催場所として、
果たして、佐藤美術館という会場で良かったのかは疑問。。。
もっと富田菜摘さんの作品を引き出す美術館や会場が、他にありそうな気がしてなりません!
最後に。
もう一つインパクト抜群の作品をご紹介。
2メートル超の大作 《虚人 ―前田優子―》 です。
某アイドルグループがモデルになっているのは、言わずもがなです (笑)
モデルになっているだけでなく、
この作品を構成している印刷物も、すべて某アイドルグループ関連のもの。
なので、いたるところでメンバーを発見することが出来ます。
腕には・・・
さしこ (=指原莉乃) の姿が (笑)
目が合った時、一瞬ビビってしまいました。
さしこのくせに!
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うれし・たのし・今日このごろ いきものワールド 富田菜摘展
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