もはやすっかり毎年2月の恒例人気イベントとして定着した感のある・・・
“文化庁メディア芸術祭” に行ってまいりました。
メイン会場は、今年も国立新美術館です。
毎年恒例イベントのため、メディア芸術祭に関して簡単に説明する必要があるのも、毎年恒例。
今年は、省エネするために、第13回の時の記事に飛べるようにしておきます (笑)
さてさて、回を重ねるごとに、注目の集まっている文化庁メディア芸術祭。
今年は、アート、エンターテインメント、アニメーション、マンガの4部門に、
過去最多となる3503点もの作品が応募されたとのこと。
特に、日本国内だけでなく、海外からの応募が増えたとのことで、
これまで、 『バガボンド』 や 『ピアノの森』 などが大賞を受賞してきたマンガ部門に異変が・・・!
ブノワ・ペータースとフランソワ・スクイテンによるフランス・ベルギーの漫画 『闇の国々』 が大賞を受賞。
第16回にして、マンガ大国ニッポンは、大賞受賞を逃してしまったのです・・・。
ちなみに、優秀賞を受賞したのは、
石塚真一さんの 『岳 みんなの山』 や、羅川真里茂さんの 『ましろのおと』 など。
来年は、ニッポン勢の巻き返しがあるのか?!
それとも、フランスやベルギー以外の海外からの刺客が制すのか?!
メディア芸術のオリンピックからも目が離せません。
マンガ部門大賞こそ逃しましたが、お家芸であるアニメーション部門は、
大友克弘さんの 『火要鎮』 が大賞を受賞。
明暦の大火や八百屋お七などを題材に作られた江戸時代を舞台にした短編アニメーションです。
発想や映像美など、そのクオリティの高さは、まさに大賞に相応しいものでした。
作品そのものはもちろん、
会場に展示された絵コンテや設定資料一つ一つからして、クオリティ高し。
これは、必見です。
エンターテインメント部門は、
Perfumeの世界デビューを記念したプロジェクトPerfume "Global Site Project"が大賞を受賞しましたが。
個人的には、新人賞を受賞した・・・
永野亮さんのシングル 『はじめよう』 のミュージックビデオのほうがツボでした。
Perfumeがデジタルの最先端なのに対して、こちらは超アナログ (笑)
ワイヤーや合成技術を使わずに、空中浮遊映像を実現しようという、
そんな真面目でアホなクリエイター精神には、うっすらと感動すら覚えました。
ちなみに、 エンターテインメント部門 からもう一点。
推薦作品の一つである 《グリッチ刺繍》 も印象的でした。
素材となるロゴをパソコンに取り込むと、
自動的に、その刺繍データをわざとグリッチ (破壊) させて刺繍するのだとか。
ありそうでなかった発想ですが、なくてもいい発想である (笑)
最後は、 アート部門 。
大賞を受賞したのは、2010年に引き続き、2度目の受賞となるCod.Act。
スイス生まれの兄弟ユニットです。
今年は、9人のアカペラと18の油圧ジャッキからなるオリジナル合唱作品 《Pendulum Choir》 で堂々受賞。
個人的には、 「スゴい!」 というよりは、 「不気味!」 という感想でした (苦笑)
人間と機械のキメラのような印象を受け、自然界には存在していけないものを目にしてしまったような・・・
背筋が、うすら寒くなりました。
この作品よりは、三上晴子さんの 《欲望のコード》 を推したいところです。
会場には、小型カメラを搭載した90個のストラクチャーと、
天井から吊り下げられたカメラとレーザープロジェクターが搭載された6基のサーチアーム。
これらが、まるで生物かのように、観客である僕らの動きを常にサーチしながら監視し、
その映像データを昆虫の複眼を彷彿とさせる円形スクリーンに映し出すというもの。
この作品でしか感じられないSFチックな観賞体験は、経験する価値ありです。
僕が訪れたのは、平日の午後でしたが。
会場は、それでも賑わっていました。
会期が短いこともあって、土日は混雑が予想されます。
ある程度覚悟して行かれることを、オススメします。
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第16回文化庁メディア芸術祭
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