“空海と密教美術展” に、 “国宝 阿修羅展” に、
“東大寺大仏―天平の至宝―” に、 “国宝 阿修羅展” に、 “国宝 薬師寺展” に・・・etc
東京国立博物館では、これまでに数多くのヒット美術展が開催されてきましたが。
思えば、いつもそこに寺がいたような。
そんなトーハクと寺院との蜜月関係 (←?) に、待ったをかけるべく (←??) 、
春日大社、嚴島神社、鶴岡八幡宮、熱田神宮、北野天満宮をはじめとする日本の神社が立ち上がりました!
北は青森から、南は沖縄まで。
日本全国の神社がタッグを組んで、東京国立博物館に殴り込み。
それが、 “国宝 大神社展” という美術展です。
・・・・・・・と、興奮のあまり、
『アウトレイジ』 の番宣かのように、物騒な表現になってしまいましたが (笑)
展覧会場は、まったく物騒な感じではありません。
誤解のなきように。
むしろ、お寺とのコラボ展の時にありがちな張り詰めた感じがなく、癒し系な雰囲気が漂っていました。
まるで本当に神社の宝物殿にいるのかと錯覚するくらいに、
神聖さと澄んだ空気を感じた展覧会場だったと言っても過言ではありません。
そんな癒し系な会場ながらも、展示されているのは、
福岡・宗像大社が所蔵する国宝の 《金銅製雛機》 に、
奈良時代・8世紀
青森・櫛引八幡宮が所蔵する国宝の 《白糸妻取威鎧》 、
南北朝時代・14世紀
(注:展示は、5/8~6/2までです)
京都・松尾大社が所蔵する重要文化財の 《女神坐像》
平安時代・9世紀
・・・と、貴重な文化財ばかり。
他にも、香取神宮の 《海獣葡萄鏡》 や鹿島神宮が所蔵する 《直刀 黒漆平文大刀》 、
嚴島神社に奉納された 《平家納経》 (注:展示は、~5/6まで) などなど、挙げればキリがないほどの名品揃い。
その数は、実に243件。
うち国宝や重要文化財は、約160件。
これが興奮せずにはいられましょうか (いや、興奮せずにはいられますまい)
会場の雰囲気に癒されつつ、紹介された名品に興奮しつつ。
冷静と情熱のあいだを行ったり来たりする美術展でした (笑)
今回の美術展のハイライトは、何と言っても、 「第6章 神々の姿」。
さきほど紹介した 《女神坐像》 を筆頭に、
和歌山・熊野速玉大社の 《家津美御子大神坐像》 や、
平安時代・9~10世紀
松尾大社の 《男神坐像》 や、石清水八幡宮の 《童子形坐像》 など、
約40体もの神像彫刻が一堂に会した、密度の濃ゆ~いゾーンです。
他の展示品に関しては、
「実際に神社に行って観ればいいんじゃね?」
と言われてしまっては、それまでなのですが。
(もちろん出展されている品が、各神社の宝物殿で絶対に公開されるとは限りません)
この神像彫刻が集結したゾーンだけは、まず間違いなく、ここでしか観れない光景。
神社巡りが好きな人は、必見も必見です。
実に素晴らしい展示品が多く、見どころが満載な美術展なのですが。
逆に、見どころが満載すぎて、ちょっと散漫になりかねない印象も受けました。
(いわゆる、嬉しい悲鳴というヤツです)
質、良ともにボリューム満点ということを頭に入れてから、
今回の “国宝 大神社展” に臨まれることをオススメします。
ちなみに、今回の展示品の中での一番を決めるのは、とっても難しいですが。
あえて、マイベスト1を選ぶなら、奈良・石上神宮の国宝 《七支刀》 でしょうか。
いつから石上神宮にあるのか?
どうして石上神宮にあるのか?
なぜ、このような形なのか?
とにもかくにも 『?』 尽くしの謎多き刀なのだそうな。
不遜にも、 「なぜ、このような形なのか?」 の謎に挑むことにし、
《七支刀》 を、じーーーっと眺めながら考えることしばし。
僕の中で、一つの仮説が浮かびました。
“もしや生命の進化図なのでは・・・?”
違うかもしれないですし、もしかしたら、まぐれ当たりでそうなのかもしれないし。
信じるか信じないかはあなた次第です。
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国宝 大神社展
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