アートテラー的には、今年度外せない展覧会No.1として注目していた・・・
“仏像半島―房総の美しき仏たち―” が、いよいよ千葉市美術館で始まりました。
千葉を代表する約150体もの仏像たちが、千葉市美術館に大集合!
史上最大のスケールで開催される大千葉仏像展です。
千葉の千葉による千葉のための美術展といったところでしょうか。
・・・・・いや、違いました。
確かに、主役は千葉の仏像たちですが、
千葉県民はもちろん、千葉県民でなくても楽しめること請け合いの美術展です。
純粋にオススメなので、3つ星。
この評価には、千葉県民であるという手心は加えていません。
正直なところ、この美術展会場を訪れるまで、
「まぁ、千葉県には、スゴい仏像は無いんだろうなァ」
と、『質』 に関しては期待していませんでした。
(その分、約150体という 『量』 に期待していました)
ところが。
館山市那古寺の所蔵する 《千手観音菩薩立像》 や、
銚子市常灯寺が所蔵する 《薬師如来坐像》 をはじめ、
重要文化財に指定されている仏像が多数出展されており、
しかも、それらの中には、印旛郡栄町龍角寺の 《薬師如来坐像》 の姿も。
実は、こちらは、関東を代表する白鳳仏として、
仏像ファンにその名を轟かせている超貴重な仏像なのだとか。
まさか、こんなにも千葉の仏像は、 『質』 が高かったとは。
生まれて初めて、千葉県出身であることに誇りを持ったかもしれません (笑)
ちなみに、《薬師如来坐像》 が外に出たのは、今回が初めてのこと。
《薬師如来坐像》 が見られるだけでも、展覧会に足を運ぶ価値があるというものです。
・・・ただ、個人的には、これらのような正統派 (?) の仏像よりも、
おそらく、この美術展でしか観られないであろう衝(笑?)撃的な仏像の数々の方がオススメです。
例えば、千葉市の東光院の 《兜跋毘沙門天立像》
肝心の兜跋毘沙門天 (とばつびしゃもんてん) よりも。。。
兜跋毘沙門天を軽々と支える謎の女性が気になって気になって仕方のない仏像です。
笑顔で軽々持ち上げるだなんて、まるでチアリーディング??
続いて、君津市青蓮寺の 《十一面観音菩薩立像》
全体的な姿かたちは、特に問題はない (?) のですが。
どうしても気になるのが、頭の部分。
頭に付けた飾りのせいで、他の十面が全く見えないという (笑)
完全に、カブってます。。。
カブってると言えば、こんな超衝撃的な仏像も。
南房総市の真野寺所蔵の 《千手観音菩薩立像》 です。
正面から見ると、普通の千手観音像にも見えますが。
サイドから見てみましょう。
仏像が仏像の仮面をかぶっているではないですか!!
これまでに様々な仏像を目にしてきましたが。
これほどまでに、シュールな仏像は目にしたことがありません。
「だ~れだ?」
「仏像でしょ」
「ふっふっふ。正解は・・・(と言いながら、お面を外す)」
「いや、仏像じゃん!!」
・・・というようなやり取りを想像してしまいました。
ちなみに、 『覆面観音』 との呼び名があるとのこと。
地元の人たちに親しまれているのかどうかは不明。
衝撃ついでにもう一発。
香取郡多古町にある妙光寺の 《日蓮聖人像》 です。
頭に乗っているのは、3枚重ねの布団。
なんでも日蓮さんが法難の際に頭に受けた傷が、冬の間は痛むので布団でガードしているのだとか。
「ん?冬の間は??ということは、夏は違う恰好をしているの??」
と、思った方、大正解です。
毎年6月1日に、夏服に衣替えをするのだそうです。
でも、今年の6月1日は、がっつり展示期間に重なっています。
ということで、今年は、なんと 《日蓮聖人像》 初、お寺の外で生着替え。
「妙光寺“おひげのお祖師さま”衣替えセレモニー」 と銘打って、
千葉市美術館で公開生着替えをしちゃうのだとか (とは言え、つい立越しだそうですがw)
他にも、紹介したい仏像は、まだまだまだありますが。
長くなりそうなので、この辺りで。
ちなみに、仏像だけでなく、仏画も充実していますし、
房総が生んだ江戸の天才彫刻師 “波の伊八” こと武志伊八郎信由の作品も特別に展示されています。
本当に見どころがたくさん。
《倶利伽羅竜》 大山寺(鴨川市)
(注:展示は、5月12日までです)
最後に。
僕の故郷である八千代市から唯一出展されていた正覚院の仏像 《釈迦如来立像》 をご紹介。
真顔すぎて、ちょっと怖いです。
そんなにガン見しないでください (笑)
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仏像半島―房総の美しき仏たち―
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