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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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フェルメールからのラブレター展

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自分の人生の中で、ついぞラブレターなど貰ったことはありませんが。
あのフェルメールからラブレターが届いたようなので (?) 、
Bunkamuraザ・ミュージアムに、行ってまいりました。
その名も、 “フェルメールからのラブレター展”


2011年には、 《地理学者》
2009年には、 《レースを編む女》
2008年には、 《マリアとマルタの家のキリスト》《ディアナとニンフたち》《小路》 他4点。
2007年には、 《牛乳を注ぐ女》
・・・と、その作品数が30数点と寡作ながらも、
なんだかんだで毎年日本に来てくれるフェルメール作品。
(間違いなく、レディー・ガガよりも日本に来てます)

この “フェルメールからのラブレター展” には、
なんとなんと、3点のフェルメール作品が、まとめて来日中です。
しかも、3点とも、 『手紙』 をモチーフにした作品。
それで、タイトルが、 “フェルメールからのラブレター展” なのですね。


まずは、ワシントン・ナショナル・ギャラリーの 《手紙を書く女》

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-手紙を書く女


「今、手紙を書いているので… (空気を読んでください)」

と言われたような気分になる一枚。
はい。すいません。
邪魔するつもりはないので、どうぞ手紙を書いて頂ければ。
モコモコの付いた黄色い上着も、真珠のイヤリングも、
宝石箱も美しいですが、手紙を書く女性の指先が、特に美しい。


続いて、アイルランド・ナショナル・ギャラリーの 《手紙を書く婦人と召使》

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-手紙を書く婦人と召使


手紙を書いている婦人。
手前の床に書き損じたような手紙があるので、
気に入らなくて、一度くしゃくしゃに破り捨てたのでしょう。
で、今、婦人は、せっせと書きなおしているところ。
その後ろに立っているのは、召使い。
婦人が手紙を書き終わるのを、今か今かと待っています。
結構な時間を待たされているのでしょうね。
家政婦の三田さんとは違って、思いっきり、顔にそれが出ています (笑)



そして、今回の一番の目玉。
日本初公開となるアムステルダム国立美術館の 《手紙を読む青衣の女》

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-手紙を読む青衣の女


フェルメールの作品がスゴいのは、
絵をパッと見るだけで、その絵に描かれいてるドラマが何となく想像できてしまうこと。
この絵もパッと見た瞬間に、




この曲が脳内再生されました (笑)
しかし、あの番組での手紙と違って、
おそらく、いい内容の手紙ではなかったのではないでしょうか。
手紙を読む女性の表情が、僕には悲しげに見えました。
まさに、フェルメールブルー。



とにもかくにも。
この貴重な3点が観られるだけで、この美術展には行く価値十分。
1点のフェルメールでも十分に素晴らしいですが、
3点のフェルメールが集まると、もはや無敵です。
星星星



さてさて、この “フェルメールからのラブレター展” 。
フェルメール作品が、3点だけ…ということはありません。
同時代に描かれた、 『人々の絆』 をテーマにした秀作の数々も展示されています。
フェルメール作品と比べてしまうと、
若干精彩に欠きますが、それでも印象的な作品はたくさんありました。
その一部をご紹介いたしましょう!

まずは、ヤン・ステーンの作品から。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-老人が歌えば若者は笛を吹く


タイトルの 《老人が歌えば若者は笛を吹く》 は、
「若者(子)は年長者(親)のマネをする」という意味のことわざなのだとか。
いやはや、こんな老人になってはいけません。
戒めも戒めです。
酒を飲んで一人陽気なおじいさんは、まだ良いとしても・・・おばあさん!
思いっきり、胸がはだけてるって!!
完全に、漫☆画太郎の世界 (笑)

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同じく、ヤン・スーテンの 《生徒にお仕置きをする教師》

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-生徒にお仕置きをする教師


お仕置きをされている少年の姿を見つめる少女 (画面中央) の表情が秀逸!
「私じゃなくて良かったw」 という心情が、ありありと現れています。


最後は、アンドリース・ファン・ボホーフェンという画家の作品。
彼の家族を描いた 《テーブルに集うファン・ボホーフェンの家族》 です。
あなたは、画中の人物全員にガン見される、その衝撃に耐えられるか?!

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-テーブルに集うファン・ボホーフェンの家族


・・・なんか怖いっす (笑)


そうそう。
これは、美術展の内容とは、直接関係ないのですが。
今回の美術展は、大和ハウス工業株式会社が特別協賛しているそうです。
美術展入り口の冒頭文にも、会社名が、きちんと記載されていました。
おそらく、僕以外にも、こう思った方は、たくさんいるに違いありません。

「なんで大和ハウスなんだ?」

と。




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