銅版画家・浜口陽三の作品を紹介する個人美術館ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクションでは、
現在、 “秘密の湖 ~浜口陽三・池内晶子・福田尚代・三宅沙織~” という美術展が開催されています。
こちらは、浜口陽三の銅版画作品と、
詩人の高橋睦郎さんが選んだ3人の現代アーティストの新作を組み合わせて紹介する美術展です。
僕の記憶が確かならば、
ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクションで、現代作家の作品が紹介されるのは、はじめてのこと。
実のところを言いますと、
「浜口陽三の静謐な世界観と現代アートは、合わないんじゃないかなァ?」
と、不思議でならなかったのですがf^^;
高橋睦郎さんによる作家のチョイス、時代を経ても色褪せない浜口陽三の銅版画作品、
そして、もしかしたら浜口陽三の作品世界以上に静謐だった3人の現代アーティストの作品、
すべてが絶妙に共鳴し合って、全く違和感のない空間になっていました。
むしろ、この美術展を鑑賞してしまった今、
「どうして、これまで浜口陽三の静謐な世界観と現代アートを、合わせなかったのかなァ?」
と、不思議でなりません (笑)
ではでは、具体的に、どのような現代アーティストが紹介されていたのか。
その作品を紹介してまいりましょう。
まずは、2010年のVOCA賞を受賞した三宅沙織さん。
《Aの中の1と2》 photo:表恒匡
今回の美術展では、彼女の代名詞ともいえるフォトグラム作品の新作が展示されています。
フォトグラムとは、カメラを使わずに、印画紙の上に直接物を乗せて感光させた作品のこと。
写真のようで写真でない (ベンベン) 。
コラージュのようでコラージュでない (ベンベン) 。
それは何かと尋ねれば・・・上手く答えられないですが (笑)
何はともあれ、実に不思議な味わいの作品でした。
モノクロなのに、色彩を感じるような。
さらには、ウエットで瑞々しさも感じるような。
鑑賞するというよりは、その不思議な味わいと体験する作品といった印象です。
続いて、本や文房具を素材にアート作品を紡ぎだす福田尚代さん。
見慣れたはずの本や文房具が、
福田尚代さんの手にかかると、見たことのないような作品に変わってしまいます。
この不思議な感覚は、逆デジャヴといったところでしょうか。
例えば、 《煙の骨》 と名付けられた、こちらの作品↓
photo:長塚秀人
何が素材になっているか、わかりますか?
正解は、色鉛筆の芯。
色鉛筆を彫刻しただけで・・・というと、だいぶ語弊がありますが、
こんなにも詩的で素敵なアート作品に生まれ変わるとは、誰が想像しましょうか。
もっと難易度が高いのが、 《書物の魂/はるかな島》 という作品。
photo:長塚秀人
こちらのモコモコしたものの正体は、なんと文庫本に付いているしおり紐。
しおり紐をほぐしてほぐしてほぐし続けると、このような姿になるのですね。
ワクワクさんもビックリです (←?)
個人的に一番気に入った福田さんの作品は、 《残像/漂着物》
(↑作品のタイトルも、イイですよね)
photo:長塚秀人
こちらの正体は、なんと消しゴム。
消しゴムの中央部をくり抜いて、フレームだけの姿にしています。
1個作るのも大変でしょうが、
「一体、いくつ作ったんだ?!」 と驚くほどの数が作られていました。
これだけの数を量産するとなると、アートというよりは、内職の域ではなかろうか (笑)
しかし、フレームだけの姿になることで、消しゴム感 (←?) は、全く感じられなくなるのですね。
今にも動き出しそうなポップで可愛らしい印象の作品でした。
最後に紹介するのは、糸を素材とするアーティスト・池内晶子さん。
薄暗い空間に幽かに浮かぶ 《Knotted Thread-Red-h86cm-φ22cm》 の姿は、実に幻想的。
photo:長塚秀人
思わず息を止めてしまうくらいに繊細な作品でした。
あまりに繊細過ぎて、しばらく見入っていたら、鳥肌が立ってしまったほどです。
浜口陽三の銅版画と池内晶子さんの赤い糸を使った立体作品と、
表現は全く違いながらも、どこか通ずるものがあって、
同じ館内で作品同士が共鳴し合っていたように思いました。
・・・と、静謐な世界観を持つアート作品が多く、派手さは感じられないのですが。
決して無味乾燥な美術展ではなく、心にスッと染み入るような美術展でした。
あの会場に漂う静謐な空気感が、あまりに素敵すぎて、
出来ることなら、人に教えずソッとしておきたかったくらい、とっておきの美術展だったのですが。
結局、我慢出来ずに、ブログで紹介してしまいました (笑)
5位以内を目指して、ランキングに挑戦中!(現在10位です)
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現在、 “秘密の湖 ~浜口陽三・池内晶子・福田尚代・三宅沙織~” という美術展が開催されています。
こちらは、浜口陽三の銅版画作品と、
詩人の高橋睦郎さんが選んだ3人の現代アーティストの新作を組み合わせて紹介する美術展です。
僕の記憶が確かならば、
ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクションで、現代作家の作品が紹介されるのは、はじめてのこと。
実のところを言いますと、
「浜口陽三の静謐な世界観と現代アートは、合わないんじゃないかなァ?」
と、不思議でならなかったのですがf^^;
高橋睦郎さんによる作家のチョイス、時代を経ても色褪せない浜口陽三の銅版画作品、
そして、もしかしたら浜口陽三の作品世界以上に静謐だった3人の現代アーティストの作品、
すべてが絶妙に共鳴し合って、全く違和感のない空間になっていました。
むしろ、この美術展を鑑賞してしまった今、
「どうして、これまで浜口陽三の静謐な世界観と現代アートを、合わせなかったのかなァ?」
と、不思議でなりません (笑)
ではでは、具体的に、どのような現代アーティストが紹介されていたのか。
その作品を紹介してまいりましょう。
まずは、2010年のVOCA賞を受賞した三宅沙織さん。
《Aの中の1と2》 photo:表恒匡
今回の美術展では、彼女の代名詞ともいえるフォトグラム作品の新作が展示されています。
フォトグラムとは、カメラを使わずに、印画紙の上に直接物を乗せて感光させた作品のこと。
写真のようで写真でない (ベンベン) 。
コラージュのようでコラージュでない (ベンベン) 。
それは何かと尋ねれば・・・上手く答えられないですが (笑)
何はともあれ、実に不思議な味わいの作品でした。
モノクロなのに、色彩を感じるような。
さらには、ウエットで瑞々しさも感じるような。
鑑賞するというよりは、その不思議な味わいと体験する作品といった印象です。
続いて、本や文房具を素材にアート作品を紡ぎだす福田尚代さん。
見慣れたはずの本や文房具が、
福田尚代さんの手にかかると、見たことのないような作品に変わってしまいます。
この不思議な感覚は、逆デジャヴといったところでしょうか。
例えば、 《煙の骨》 と名付けられた、こちらの作品↓
photo:長塚秀人
何が素材になっているか、わかりますか?
正解は、色鉛筆の芯。
色鉛筆を彫刻しただけで・・・というと、だいぶ語弊がありますが、
こんなにも詩的で素敵なアート作品に生まれ変わるとは、誰が想像しましょうか。
もっと難易度が高いのが、 《書物の魂/はるかな島》 という作品。
photo:長塚秀人
こちらのモコモコしたものの正体は、なんと文庫本に付いているしおり紐。
しおり紐をほぐしてほぐしてほぐし続けると、このような姿になるのですね。
ワクワクさんもビックリです (←?)
個人的に一番気に入った福田さんの作品は、 《残像/漂着物》
(↑作品のタイトルも、イイですよね)
photo:長塚秀人
こちらの正体は、なんと消しゴム。
消しゴムの中央部をくり抜いて、フレームだけの姿にしています。
1個作るのも大変でしょうが、
「一体、いくつ作ったんだ?!」 と驚くほどの数が作られていました。
これだけの数を量産するとなると、アートというよりは、内職の域ではなかろうか (笑)
しかし、フレームだけの姿になることで、消しゴム感 (←?) は、全く感じられなくなるのですね。
今にも動き出しそうなポップで可愛らしい印象の作品でした。
最後に紹介するのは、糸を素材とするアーティスト・池内晶子さん。
薄暗い空間に幽かに浮かぶ 《Knotted Thread-Red-h86cm-φ22cm》 の姿は、実に幻想的。
photo:長塚秀人
思わず息を止めてしまうくらいに繊細な作品でした。
あまりに繊細過ぎて、しばらく見入っていたら、鳥肌が立ってしまったほどです。
浜口陽三の銅版画と池内晶子さんの赤い糸を使った立体作品と、
表現は全く違いながらも、どこか通ずるものがあって、
同じ館内で作品同士が共鳴し合っていたように思いました。
・・・と、静謐な世界観を持つアート作品が多く、派手さは感じられないのですが。
決して無味乾燥な美術展ではなく、心にスッと染み入るような美術展でした。
あの会場に漂う静謐な空気感が、あまりに素敵すぎて、
出来ることなら、人に教えずソッとしておきたかったくらい、とっておきの美術展だったのですが。
結局、我慢出来ずに、ブログで紹介してしまいました (笑)
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