損保ジャパン東郷青児美術館で開催中の “オディロン・ルドン ―夢の起源―” に行ってきました。
オディロン・ルドンを主役に据えた美術展と言えば、
2007年にBunkamuraザ・ミュージアムで “ルドンの黒” が開催され、
つい昨年にも、三菱一号館美術館で “ルドンとその周辺―夢見る世紀末” が開催されていました。
その2つのルドン展にも出展されていた・・・
《『エドガー・ポーに』 1.眼は奇妙な気球のように無限に向かう》
《花》
岐阜県美術館のルドンコレクションは、今回も健在。
さすがに、出合うのが3回目ともなると、
「あ、いや、またお会いしましたね (苦笑)」 という感じで、
過去2回のルドン展の再放送を見ているかのような感覚に陥りました。
今回が初めてのルドン展という方にはオススメですが、
過去に他の美術館でルドン展を観ている方にとっては、新鮮味の欠ける美術展かもしれません。
そのことに関しては、この作品のように、
《眼をとじて》 (=目をつむって) おくほうが良かったのでしょうが。
あまりに日本の美術界が、岐阜県美術館のルドンコレクションに頼る傾向があるので、ちょっと苦言。
とは言え、もちろん完全なる再放送というわけでなく、
今回のルドン展ならではのトピックも、ちゃんと存在しています。
(後半のほとんどは、岐阜県美術館のルドンコレクションの紹介でしたが)
ルドンの “ボルドー生まれボルドー育ち” という部分に着目し、
当時のボルドーの風景が描かれた作品や、ルドンが師事した作家の作品を紹介していました。
ロドルフ・ブレスダン 《善きサマリア人》
特に、このトピックの中で興味深かったのは、
若き日のルドンが、植物学者のアルマン・クラヴォーと交流を持ち、
彼から、顕微鏡で見る植物の世界やダーウィンの学説などを学んでいたという点です。
美術展では、アルマン・クラヴォーがスケッチした素描の数々が紹介されていたのですが。
《植物学素描1 標本画5 裸子植物》
これらの素描が、のちのルドンに影響を与えたであろうことは明らか。
ルドンの幻想的な世界のイメージソースは、植物学にあったのですね。
なんだか腑に落ちるものがありました。
《『ゴヤ頌』 2.沼の花、悲しげな人間の顔》 《『夢のなかで』 2.発芽》
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オディロン・ルドン ―夢の起源―
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