五島美術館で開催中の “日本の名蹟 ―和様の書の変遷―” を観賞してまいりました。
こちらは、五島美術館リニューアルオープン後、初となる特別展です。
書家・古筆研究者の飯島春敬 (1906~1996)が、
その生涯をかけて収集した日本の名蹟や中国の書道関連資料を所蔵する春敬記念書道文庫。
今年2013年は、その春敬記念書道文庫が創立されて、ちょうど30年目という節目の年なのだそうです。
(超どうでもいいですが、僕と同い年です!)
それを記念して、春敬記念書道文庫が誇る書の名品の数々が、
今回の美術展では、惜しげもなく、一挙に大公開されています。
《関戸本古今集切》
《国申文帖(女車帖)》
ちなみに、春敬記念書道文庫のコレクションは、普段は一般公開されていないそうで。
このように人目に触れるのは、かなりの貴重な機会なのだとか。
正直なところ、あまり書には興味のない僕ですが、
「普段は一般公開されていないものが見られる、またとない機会」 と言われてしまうと、
ついつい好奇心をくすぐられてしまいます (笑)
(↑我ながら、現金なものです)
確かに、あまり書に興味のない自分が鑑賞したところで、
今回出展されていた作品の素晴らしさを、きちんと受け取れた自信は、あまり無いのですが。
書の名品だけで満たされた会場の雰囲気は、十分に味わうことが出来ましたし。
何より、作品一点一点に、詳細なキャプションが付けられていたので、
“何が書いてあるのか、全然わからない。てか、読めない・°・(ノД`)・°・”
とならずに、最後まで興味が途切れることなく観賞することが出来ました。
書に興味のある人でしたら、
書かれている流麗な文字を見て、感心することしきりなのでしょうが。
自分は、あいにく書を観賞する感性が乏しいため、
書の名品というよりは、グラフィックデザインという視点で楽しみました。
その観点で観て印象に残ったのが、2点の 《石山切》 です。
何が書かれているかは、読めずとも、純粋にデザインとして美しかったです。
これならば、ポストカードがあれば買います。
(他の書の名品のポストカードがあっても、欲しいとまでは思わない・・・)
ちなみに、 《石山切》 とは、
西本願寺所蔵の 『西本願寺本三十六人家集』 の中の 「貫之集下」 と 「伊勢集」 の一部を断簡にしたもの。
もともと西本願寺が大阪の石山にあったことに由来するのだそうです。
一体いつ頃、貴重な 『西本願寺本三十六人家集』 が分断されたのかと思えば、実は昭和4年なのだとか。
全体的なデザインが、現代的だったのも、妙に納得です。
他に、デザイン的に好きだったのが、奈良時代の 《二月堂焼経》 。
“何だか焦げてるみたいなデザイン!” と思ったら、
デザインではなく、本当に火事の被害に遭って、焦げてしまった跡なのだそうです。
「でも、その焦げたところが、味があるよね。逆に。」 と珍重されてきたものなのだとか。
ファッションで言うならば、
“全体的にはキレイ目系なのに、ちょっとだけダメージがある” みたいな感じでしょうか。
なんかわかります。逆に。
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日本の名蹟 ―和様の書の変遷―
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