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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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再興院展100年記念 速水御舟 ―日本美術院の精鋭たち―

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来年2014年は、日本美術院 (院展) が再興100年を迎える節目の年。
それを記念して、院展の作品を数多く所蔵する山種美術館にて・・・

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-日本美術院


“再興院展100年記念 速水御舟 ―日本美術院の精鋭たち―” が開催されています。
横山大観や下村観山など、院展に関わりの深い画家は沢山いますが、
今回の美術展は、第1回の再興院展に出品し、その後も出品を重ねた速水御舟を中心に紹介しています。
出展作品の実に約3分の1が、速水御舟の作品でした。

それらの作品の中には、
山種美術館のマスターピースとも呼ぶべき 《翠苔緑芝》 (下の画像は、左隻) や、

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-翠苔緑芝


重要文化財にも指定されている 《炎舞》 の姿も。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-炎舞


これに、もう一つの重要文化財作品 《名樹散椿》 も展示されていれば、言うこと無しだったのですが。
《名樹散椿》 は、今回は出展されていない模様。
速水御舟展と銘打っている割には、
2009年に同じ山種美術館で開催された速水御舟展よりも、
速水御舟の魅力を伝えきれていなかった気がします。
星


思い返してみると、個人的に印象に残った作品も、
速水御舟のものよりも、再興院展にて活躍した他の画家のものの方が多かった気がします。

例えば、横山大観の 《喜撰山》

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-喜撰山


題材といい、色味といい、
セザンヌの 《サント・ヴィクトワール山》 の影響をモロに受けているのは確実。
横山大観にも、こんな時代があったのですね。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-サント・ヴィクトワール山


西洋の影響をモロに受けていたのは、横山大観の親友・下村観山も。
若き観山が描いた 《不動明王》 は、西洋風の肉体美を備えた姿で描かれてます。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-不動明王


・・・・・ただ、何故、雲の上に??

あまりに直立な姿勢なので、
まったくもって、雲のスピードが出ている感じがしません (笑)
いや、よしんば雲のスピードが出ているとしたら、ものすごく空気抵抗を受けるはずです。
雲の上でも、頑なに直立不動。
だから、不動明王?


今回、個人的に最も気に入ったのは、
速水御舟の親友にしてライバル・小茂田青樹の作品群。
《青竹》《梅鳩》 も良かったのですが、

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-小茂田青樹


一番は、 《春庭》
誰も描かれていないのに、画面からは幸福感がビシビシ伝わってきました。
見た目もポカポカ、心もポカポカ。
閉館時間さえなければ、いつまででも、この絵の前に立っていたかったです。




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