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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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種田陽平による三谷幸喜映画の世界観

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上野の森美術館で開催中の “種田陽平による三谷幸喜映画の世界観” に行ってきました。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-上野の森


こちらは、日本が世界に誇る美術監督・種田陽平さんにスポットを当てた展覧会です。
種田陽平さんは、これまでに、 『フラガール』 や、
『キル・ビル Vol.1』 をはじめ、数々のヒット映画に携わっているそうですが。
特に、代表的な仕事として、三谷幸喜さんの映画が挙げられます。
三谷さんの監督映画3作目の 『THE有頂天ホテル』 から、




6作目となる最新作 『清洲会議』 まで。




実に、4作もの三谷映画の美術監督を担当しているそうです。
今回の展覧会は、それら4作の映画のために種田さんが制作した豪華なセットを中心に紹介しています。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-有頂天ホテル  アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-素敵な金縛り
(写真左は、 『THE有頂天ホテル』 。写真右は、 『ステキな金縛り』 のセットです)


映画の1シーンに映るか映らないかわからない細部にまで、
こだわって作られていることに、ただただ感動しました。
三谷映画が常にヒットしているのは、
もちろん三谷さんの脚本、役者の演技力もあってこそだとは思いますが。
種田さんのセットの力による部分も少なからずあるのだと実感しました。

特に驚かされたのが、2008年公開の 『ザ・マジックアワー』 の映画セット。




なんと、この作品のために、映画の舞台となる街を丸ごとセットで作ってしまったのだとか。
さらに驚かされたのが、映画の撮影後、
あまりに見事な巨大セットを解体するのが惜しくなった三谷さんの、

「このまま残して、アミューズメントパークにしてはどうですか?」

という提案に対する種田さんの返答でした。
種田さんは、こう答えたそうです。

「一刻も早く壊して欲しい」

種田さんには、 “映画美術は、撮影が終わって壊すことによって、
はじめてフィルムの中にしか存在しない空間になる”
というポリシーがあるのだそうです。
“美術監督は、一年中学園祭が続いているようなもの” という発言にも、種田さんの仕事観が垣間見えました。


と、種田陽平さんのプロ魂をまざまざと見せつけられた一方で、
上野の森美術館を運営するフジサンケイグループの商魂をまざまざと見せつけられる展覧会でもありました。

というのも。。。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-清洲会議


11月9日に公開が始まる 『清洲会議』 の展示コーナーが広すぎ!
展覧会の実に3分の1が、 『清洲会議』 の紹介と言っても過言ではありません。
これまでに沢山の展覧会を観賞してきましたが。
こんなにも、番宣に徹した展覧会は、他に知りません (笑)
星
番宣臭が、もう少し抑えられていたなら、2つ星だったのに。




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