“ぐるっとパス” で、企画展が無料で観られた頃は、
展覧会ごとに通っていた東京オペラシティアートギャラリーですが。
今年から、企画展割引にしかならなくなってしまい、すっかり足が遠のいていました。
金の切れ目が、縁の切れ目。
我ながら、非情な男だと思います (笑)
さすがに、それは不義理かも、ということで。
約1年ぶりに東京オペラシティアートギャラリーに行ってまいりました。
現在開催中の美術展は、こちら↓
“難波田史男の15年” です。
3月25日まで。
もしかしたら、難波田史男と聞いて、
こんなメロディーが、脳内に再生されてしまった方もいらっしゃるかもしれません。
一応、ツッコんでおきましょう。
「これは、ランバダです!僕が言っているのは、 “なんばた” さんです!!」
難波田史男と聞いて、 『ランバダ』 がよぎってしまった方のために (←?)
まずは、 難波田史男 (1941~1974) の簡単なプロフィールから。
父は、日本の抽象絵画の推進者である難波田龍起。
難波田龍起 《青い夜》
…が、父からは、特に美術の手ほどきを受けることはなく。
独自に辿り着いた繊細な線と透明感のある色彩の水彩画を数々発表。
将来を属望されながらも、惜しくも32歳で、この世を去る。
「夭折の画家」 として、現在も根強いファンがいる。
今回の美術展では、初期の10代の頃の作品から、
20代の作品、
そして、晩年の作品まで、
約240点もの難波田史男作品が展示されています。
駆け抜けるように生きた彼の15年という画家人生を、
会場を進むだけで、追体験できるような、そんな美術展でした。
「夭折の画家」 と知った上で観ているからでしょうか。
初期の明るい色彩が、どんどんと晩年に近づくに連れ、暗くなっていくのが印象的でした。
難波田史男の作風が暗くなればなるほど、
観ているこちらまで、暗くなってしまうという・・・ (苦笑)
一時期は、こんなに明るい時代もあったのに (>_<)
ちなみに、難波田史男の最期は、
兄と行った九州旅行の帰りに、瀬戸内海でフェリーから転落してしまったのだそうです。
その予兆なのか、彼の晩年の作品は、
先ほども紹介した 《湖上》 をはじめ、
《海辺の散歩》 など、
海を暗示した異様に作品が多くて、何だかゾワっとしました。。。
ただ前半部には、ユーモラスで楽しげな作品が多いので、ご心配なく。
僕が個人的に好きだったのは、
《終着駅は宇宙ステーション》 という一枚。
絵そのもの楽しげですし、タイトルもまた楽しげ。
星新一の小説の表紙にピッタリ合いそうなSF感に溢れていました。
あまりメジャーじゃない難波田史男を、
深くじっくり知ることが出来る大規模な個展。
今なら、ほぼ独り占め状態で観られます (笑)
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難波田史男の15年
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