約1年にも渡る工事期間を終え、渋谷区立松濤美術館がリニューアルオープンしました。
・・・・・外観は、ほとんど変わっていませんが。
内部は、窓がらすや展示室の壁など、あちらこちらがリニューアル。
特筆すべきは、展示室内の照明がリニューアルされ、
明るさだけでなく、色温度まで調整できるようになったのだとか。
色温度まで調整できる最新鋭の照明設備を備えた美術館は、現時点で、国内でも3館しかないそうです。
(あのトーハクにも、まだ導入されていない照明設備!)
そんな渋谷区立松濤美術館のリニューアルオープン1発目を飾るのが、
“「ハイレッド・センター」 直接行動の軌跡” という美術展です。
ハイレッド・センターは、高松次郎、赤瀬川原平、中西夏之の3名により、1963年に結成された前衛芸術集団。
高松の 「高(Hi)」 、赤瀬川の 「赤(Red)」、中西の 「中(Center)」 、
それぞれの頭文字を英語にして繋ぎ合わせて、 「ハイレッド・センター」 というわけです。
彼らは、日常的な場所で非日常的な行為を行うことで、退屈な日常を “撹拌” しようと試みました。
例えば、ビルの屋上から衣類・カバンなど様々なものを投げ落としてみたり (ドロッピングイベント) 、
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております)
東京オリンピック直前に、メンバー全員白衣にマスク姿で、
銀座の街中を雑巾や薬品で不必要なまでに清潔に磨き上げてみたり (首都圏清掃整理促進運動)、
バラエティ番組みたいなノリの活動を、精力的に実地していました。
(↑本人たちは、いたって真面目)
あくまで、それらの行動こそが、彼らにとっての芸術活動。
ハイレッド・センターは解散しておらず、メンバー全員ご存命ではありますが、
さすがに、50年も経って、かつてのようなアヴァンギャルドな行動をしてもらうわけにはいかず (笑)
今回の展示は、行動そのものではなく、
写真や資料など、それらの行動によって生み出された副産物 (?) がメインとなっています。
そのため、当時をリアルタイムで知らないと、パッと見ただけでは楽しめないのがネックです。
さらに言えば、解説を読まないと理解できない作品 (というか資料) が多いにも関わらず、
肝心のキャプションの文字が、 「!」 (ビックリ) するくらいに小さくて読みづらいのが、さらにネック。
(赤文字で斜めに走っている箇所を読まねばならない超アヴァンギャルドなキャプションですw)
もちろん杯レッドセンターの行動を紹介するだけでなく、
メンバーそれぞれの作品も展示されていますので、全く楽しめないということはありませんが。
(紐と言えば、高松次郎)
(千円札と梱包と言えば、赤瀬川原平) (洗濯バサミと言えば、中西夏之)
個人的には、赤瀬川原平さんの 《宇宙の缶詰》 がオススメ。
ネタバレになるので、あえて画像は紹介しませんが、
現物を見れば、 「あぁ、なるほど~。それで、 《宇宙の缶詰》 なのか~」 と膝を打つこと必至です。
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「ハイレッド・センター」 直接行動の軌跡
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