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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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19th DOMANI・明日展

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流行語大賞が発表されて、今年の漢字が発表されて、
そして、国立新美術館で “DOMANI・明日展” が開幕して。
この3点セット (?) で、“あぁ、今年も残りわずかだなぁ” ということを実感いたします。

domani


さて、これまでに文化庁の新進芸術家海外研修制度によって、
海外派遣された経験を持つ芸術家たちの成果を発表する “DOMANI・明日展” 。
19回目となる今年は、昭和シェル石油現代美術賞展やVOCA賞を受賞している曽谷朝絵さんや、

粗野
曽谷朝絵


自分の顔 (それも変顔!) をモチーフにした作品でおなじみの松井えり菜さん、

松井えり菜
松井えり菜


糸を素材に幽玄なインスタレーション作品を作り出す池内晶子さんといった、

池内晶子
池内晶子


一線で活躍中のアーティストが勢ぞろいしています。
例年以上に、実力派が勢ぞろい。
それだけに、例年以上に、良くも悪くも “こなれた感” のある展覧会でした。
良くも悪くも、巧くまとまっていた展覧会といいましょうか。
良くも悪くも、安定感のある展覧会といいましょうか。
個人的には、もっとはっちゃけたアート作品に出会いたいものでしたが。
冷静に考えてみると、あんまりはっちゃけたアートを紹介してしまうと、

“国民の税金を使って海外に留学させて、その挙句がコレか!!”

というクレームが来ないとも限りません。
特に、このご時世。
・・・・・むしろ、巧くまとまっていて良かったのでしょうね。
星


ちなみに、個人的に一番印象に残ったのは、保科晶子さんの 《モノリス》 という作品。
モノリス


この無数の粘土ブロックのそれぞれには、
作家の友人の思い出の品がしまい込まれているのだとか。
思い出の墓標といったところでしょうか。
どこかもの寂しい印象を受けました。


それと、《何度聞いても名前を忘れる観葉植物》 や、
《元カレの家の火事》 といった作品を描いている岡田葉さんの作品も強く印象に残りました。
特に、こちらの女性を描いた一枚。

女性


タイトルは、《観月ありさ》
観月ありさ・・・・・なのか??



最後に。
お土産コーナーに、ガチャガチャが設置されていたのですが。

ガチャガチャ


“DOMANI・明日展” とは、全く関係がありませんでした (笑)
ある意味、ここが一番はっちゃけていたような。




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第2回菊池寛実賞 工芸の現在

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現代陶芸を専門とする菊池寛実記念 智美術館では、
現在、“第2回菊池寛実賞 工芸の現在” という展覧会が開催されています。

智


こちらは、陶芸に限定せず、金工、ガラス、竹工など、
さまざまな工芸分野で活躍する作家の近作や新作を紹介する展覧会です。
出展しているのは、菊池寛実記念 智美術館が、
「今、キてる!」 と自信を持ってリコメンドする12名。
まさに、“工芸の現在” の第一線を走る工芸作家たちです。

どの作家の作品も、本当に素晴らしかったですが。
さすがに12人全員を紹介する余裕はないので、
個人的にとりわけ印象に残った作家をご紹介いたします。
星星


まずは、杉浦功悦さん。

竹芸家・杉浦功悦さん
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)


手前に見えるは、《虎嘯風生》 という作品です。
テオ・ヤンセンが生み出したオブジェのようにも、
スクリーンセーバーかコンピューターグラフィックのようにも見えますが。
こちらは、竹を編んで作った作品。竹芸品です。
竹で、こんなにも複雑な形を作ることが出来るだなんて。
もはやイリュージョンを見せられているかのような印象を受けました。


また、谷岡茂男さんの竹芸品もイリュージョンのよう。

谷岡 茂男


奥に展示された 《LOOP 2012》 は、まるでメビウスの輪のように、
始点と終点が合わさって、ループ状になっているというウルトラCな作品。
何がどうなって、何をどうしたら、このような複雑な形状が作り出せるのか。
考えると夜も眠れなくなりそうです。


もちろん、菊池寛実記念 智美術館の展覧会ですから、
12人中6人と、やきものの作家も多く紹介されていました。
その中で特にインパクトが大きかったのが、川端健太郎さんの作品です。

菊池寛実記念 智美術館
川端


これまでのアートテラー人生で、相当な数の陶芸作品を目にしていますが。
川端健太郎さんの生み出す作品は、そのどれともかぶっていません。
全く観たことがないフォルム。
全く観たことがない質感。
全く観たことがない存在感。
独創的にもほどがあります。
これらの作品はすべて磁土を手捻りしながら、
その都度湧いたインスピレーションを大事にして制作されているのだとか。
ジャジースタイルな陶芸作品です。


磁器といえば、亀井洋一郎さんの作品も印象的でした。

亀井 洋一郎


磁土が柔らかいうちに立方体のフレームに流し込むという独自のスタイルを確立。
その立方体のユニットを組み合わせることで作品を制作しています。
ありそうでなかったスタイリッシュな陶芸作品でした。


さて、今回の展覧会で特に心を奪われたのは、山本茜さんの作品です。
もともとは、截金の作家だったという山本茜さん。
ある時から、仏像の衣服であったり、箱の表面に施されたり、と、
何かを装飾する役割のため、決して主役にはなれない截金そのものに、
スポットを当てられなかいかと考えるようになったそうです。
理想は、截金が宙に浮いて自立してくれることですが、さすがに、そういうわけにはいかず。
そこで、ガラスで截金を浮かすことを思いつきます。
ところが、どのガラス作家も、やったことないからと協力してくれなかったため、
ガラスの専門学校に入学し、一からガラスを学び、ガラスも自ら制作するようになったのだとか。
そんな山本茜さんによって生み出されたのが、截金とガラスを融合させた截金ガラス作品です。

山本茜


截金ガラス作品のパイオニア山本茜さんの作品は、
見る角度によって、さまざまな表情を見せるのが、その最大の魅力。

山本茜さん
山本茜さん


何周回っても見飽きませんし、
1時間でも2時間でも、ずーっと見てられます。
ついつい万華鏡に見入ってしまう、あの感覚にどことなく通ずるものがありました。


他にも紹介したい作品は多々ありますが。
あまり記事が長くなりすぎるのもなんなので、本日はここまで。
僕の勝手な印象 (妄想?) ですが、どこか未来を感じる造形が多かったような。
なんとなく未来の家電っぽいといいましょうか。
50年後くらいには、あんなフォルムの空気清浄器や、
プラズマクラスター、加湿器が販売されていそうな気がしてなりません。




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舘鼻則孝 呪力の美学

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レディー・ガガが愛用するヒールレスシューズを制作し、
一躍世界から注目を集めた新進気鋭のアーティスト・舘鼻則孝さん。
そんな彼の史上最大規模となる展覧会 “舘鼻則孝 呪力の美学” が、岡本太郎記念館で開催中です。

立て鼻


こちらは、この冬最も熱い展覧会の一つで、
アートの鉄人・岡本太郎に、アート界のニューカマー・舘鼻さんが真っ向からぶつかりあっています。
いわゆるコラボ展というよりも、バトル展といったところ。
館内のあちこちで、2人のアーティストによる熱い戦いが繰り広げられています。
星星


例えば、岡本太郎が生前使用していたアトリエ。

アトリエ


対戦相手である太郎をリスペクトし、
太郎をオマージュして制作したという新作のヒールレスシューズが展示されています。
それも太郎作品の前に、お供え物のように!
そのサイドには、太郎作の 《坐ることを拒否する椅子》 が3体・・・と思いきや!

坐ることを拒否する椅子


見慣れない1体発見してしまいました。
こいつは、マジで坐ることを拒否している 《坐ることを拒否する椅子》 ですね。
造詣の純粋な面白さだけでなく、ユーモアさも兼ね備えた舘鼻作品でした。


続いての戦いの舞台は、2階。
岡本太郎をイメージさせる真っ赤な空間を舘鼻作品が埋め尽くしています。

舘鼻
舘鼻


すべての作品から、にょきにょきうねうねと飛び出している触手みたいなのは、

赤


未来を掴み取る手をイメージしたものとのこと。
何本も飛び出ているということは、それだけ未来は手探り状態なのかもしれません。
何はともあれ、鮮血のような赤、そして、今にも動き出しそう未来を掴み取る手。
生命力を感じずにはいられない空間でした。

傾き


さて、そんな赤い部屋から延びる空中通路。
その渡った先に待っているのが、黒い部屋です。

黒い部屋


部屋一面にプロジェクションされていたのは、生前の太郎の映像と言葉。
逆説的に死を実感させられます。

また、部屋の中央に鎮座していたのが、

ct


CTスキャンした舘鼻氏自身の頭蓋骨を、真鍮による鋳造彫刻として表現した作品。
死をダイレクトに連想させるインパクトがあります。
やはり、死を強く感じさせられました。

生と死が対立した2つの部屋。
シンプルにストーリー性、メッセージ性が強い展示空間でした。


また、ミュージアムショップでも、

ショップ


2人の場外乱闘 (?) が繰り広げられています。
こちらもどうぞお見逃しなく!


ちなみに。
会場で展示中のとある作品に・・・

ガガ


ガガ様のサインを発見!!

なんでも会期中にふらっと展覧会に立ち寄ったのだそうで、その際にサインをしたのだそう。
岡本太郎×舘鼻則孝×レディー・ガガ。
さすがにコラボが濃すぎます (笑)




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第23回 中野区松が丘でロイスダール

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ルノアールを筆頭に、モネ、ゴッホ、シャガール…と、
街を歩いていると、時に、美術界の巨匠たちと同じ名前のお店に出くわします。
果たして、それらのお店と巨匠との間に関係はあるのか??

気になるようで気にならない。
でも、気にしてしまったら、気になって仕方がない。
そんな疑問を解消すべく、アートテラーは今日も店へと赴く!!



ロイスダール アマンドリーフ/ロイスダール


ロイスダール ロンジェ/ロイスダール



三越や東武百貨店などのデパ地下でお馴染みのロイスダール。
その本店が中野にあるそうです。

ロイスダールは、17世紀オランダ絵画黄金期最大の風景画家。
《ワイク・バイ・ドゥールステーデの風車》 や、

ワイク・バイ・ドゥールステーデの風車


《太陽の出現》 など、

太陽の出現


決して派手さはないですが、しみじみ染み渡るような風景画を数多く残した巨匠です。
なかなか一般的に知名度は低い画家なので、あまり公表していませんでしたが。
実は、僕は隠れロイスダールファン。
これは行かねばなりません!

ロイスダール


さてさて、外観は、そこまでロイスダール感もオランダ感もありませんでした。
お店の看板も、

ロイスダール


ディスプレイも、

ディスプレイ


ロイスダール感は0。
しかし、あえてロイスダールを社名にしているわけですから、
きっと店内のどこかしらにロイスダールの絵は飾ってあるに違いありません。

地元の方に人気のお店らしく、店内は大賑わい。
焼き立てパンや、昔懐かしい感じのケーキがたくさん並んでいます。

1階


しかし残念ながら、この1階フロアでは、ロイスダールの絵は発見できず。
というわけで、2階にあるレストランへと移動しました。

nagai

ロイスダール


そこに飾られていたのは、明らかにロイスダール作ではない絵。
サインには、『T.Nagai』 とありました。
・・・・・誰?!

「ロイスダールの絵がないので、帰ります。」 とは、さすがに言えないので。
オススメメニューのロールキャベツを注文。

ロイスダール


ロイスダール自慢のパンとともに頂きました。
決して派手さはないですが、しみじみ染み渡るような味でした。
さすが、ロイスダール!
ごちそうさまでした。


と、食べ終わって一息ついた際に、ふと閃きました。
店内にロイスダールの絵は飾ってないですが。
もしかしたら、店内から見える外の光景が、ロイスダールの風景画のようなのかもしれません。
いや、きっと、そうに決まっています。

外


「!!!!」

事件


風情もへったくれもない光景でした。


さて、帰宅後のこと。
ロイスダールの社名の詳しい由来を調べていたら、衝撃的な事実を発見してしまいました。
皆様、まずはこちらのページをご覧ください↓
https://www.ruysdael.co.jp/company/think.html

ロイスダールの名前の由来。
17世紀 オランダに生まれた画家 サルモン・ヤン・ロイスダール (Salomon van Ruysdael) は
その生涯を地元に根ざし、風景画だけを描き続けました。
弊社は、大地の自然と素朴な人々を描くロイスダールの画風のように、
その中に息づくあたたかさを大切にしたいと考えて、ブランド名を画家 「ロイスダール」 からいただきました。



とあります。

「ん?サルモン・ヤン・ロイスダール??」

僕が好きなのは、ヤーコプ・ファン・ロイスダールです。
ロイスダール違い!
ちなみに、ググってみると、サルモン・ヤン・ロイスダールは、
ヤーコプ・ファン・ロイスダールの叔父であり、師であった風景画家と判明。
とは言え、ヤーコプ・ファン・ロイスダール以上にマイナーな画家であることは確かです。

ただ、もう一度、公式HPをよーく見て頂きたい。
掲載されている絵画は2点とも、ヤーコプ・ファン・ロイスダールの絵なのである。
公式HPで紹介している絵画のほうが間違っているのか。
それとも、1923年の創業以来、ロイスダールは、
ヤーコプ・ファン・ロイスダールを、サルモン・ヤン・ロイスダールを勘違いしているのか。

事件は会議室でで起きてるんじゃない!公式HPで起きてるんだ!!



<お店情報>
ロイスダール 中野本店
住所:東京都中野区松が丘2-4-14
定休日:月曜
営業時間:10:00~19:00




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5Rooms - 感覚を開く5つの個展

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神奈川県民ホールギャラリーで開催中の “5Rooms - 感覚を開く5つの個展” に行ってきました。

5r


こちらは、5人のアーティストによる、5つの部屋で構成された展覧会。
以前ワタリウム美術館で個展が開催された写真家の齋藤陽道さんや、

写真家の齋藤陽道


不要になったビニール袋や廃油から作った石鹸を使って作品を制作する丸山順子さんなど、

丸
山


今回の5人の出展アーティストは、作品が “心に響くか” という観点で選ばれたそうです。
確かに、どの作家の作品も、こうこうこういう理由で好きと説明できる感じではなく、
「なんか好きだなぁ」 とか 「なんか心地よいなぁ」 とか 「なんか惹きつけられるなぁ」 とか、
はたまた、「なんかゾワゾワするなぁ」 とか、「なんか変だなぁ」 とか (←稲川淳二?)
「なんか○○」 といった感想を抱くことが多かった気がします。
心や感覚で楽しむ展覧会。
星星


どの部屋も外れ無しでしたが、個人的にまず惹かれたのは、陶芸家の出和絵里さんのルーム。

出和絵里


あまりに薄く、あまりに白いので、パッと見は紙にしか見えませんが。

出和絵里
出和絵里


こちらは、ごくごく薄い磁土。
触れば、その質感に驚くことでしょう (もちろん、触ってはいけません)
そんな薄い磁土を組み合わせて制作された磁器は、
作品そのものの造形美もさることながら、作品が生み出す光と影までもが美しかったです。
磁器単体ではなく、磁器の置かれた空間全体を楽しむインスタレーション作品でした。
ニュータイプの磁器作品。


ニュータイプといえば、若き漆芸作家・染谷聡さんの作品も。

染谷聡


どこかで拾った小枝や石で漆芸作品を作るという染谷聡さん。

染谷聡さん
染谷聡さん
染谷聡さん


どの作品も、わびさび感が強かったです。
それだけに白い部屋でなく、和室に設置された姿も見てみたかった気がします。
ちなみに、染谷さんの作品の中で最もインパクトが強かったのが、《からくさ》 という大型作品。

からくさ
からくさ


赤い花をイメージした漆が蔓のようなものの先端で咲いています。
この蔓のようなものの正体は、工事現場で譲り受けた鉄線。
長い年月の間、外で放置されていたのでしょう。
だいぶ錆びていました。
・・・・・わびさび感、ハンパないです。


さて、個人的に今回の展覧会で一番心に響いたのが、小野耕石さんの部屋。

小野耕石さんの
小野耕石さんの


さまざまな高さの台に、小野耕石さんの作品が平置きされていました。

小野耕石


美しい色彩の抽象絵画のように思えますが、実は、こちらは版画作品。
といっても、ただの版画作品 (?) ではありません。
近づいて見てみると、誰しもが、その不思議なマチエールに驚かされることでしょう。
「ナニコレ!」 と。

ナニコレ
ナニコレ


制作方法そのものはいたって、シンプル。
しかし、作業は地道でハード。
手描きでドットの版を作り、それをシルクスクリーンで何十回、
多い時には約百回と摺り重ねることで、絶妙なグラデーションの立体的な版画が生まれています。

小野
小野
小野


上の3枚の写真は、すべて同じ作品を映したもの。
小野さんの作品は、見る角度や方向によって作品の表情がさまざまに変化します。
まるで万華鏡のよう。
いつまでも眺めていられます。

この小野耕石さんの空間を見るためだけでも、
神奈川県民ホールギャラリーに足を運ぶ価値は大いにアリ!
必見です。




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新宿中村屋 食と芸術のものがたり

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今年12月30日で、めでたく創業115周年を迎える中村屋。
それを記念して、中村屋サロン美術館では、
“新宿中村屋 食と芸術のものがたり” が開催されています。

中村屋


これまで中村屋サロン美術館で開催された展覧会は、
中村屋サロンに関わった芸術家たちをテーマにしたものが多かったですが。
今回の展覧会では、新宿中村屋の食にスポットが当てられています。

例えば、こちらは中村彝の 《小女》 という作品。

中村 彝


モデルは、中村屋の創業者である相馬愛蔵・黒光夫妻の娘、俊子です。
中村彝と俊子は一時期恋愛関係にあったようなのですが。
俊子のヌード姿の作品を見た女学校の先生や黒光が激怒!
2人の仲は引き裂かれてしまいました。
さて、のちに俊子は、インドから亡命した革命家のラス・ビハリ・ボースと結婚します。
そのボースが、祖国インドの味を日本に伝えるため、中村屋に伝授した食こそが純印度式カリー。
中村屋の看板メニューです。


ちなみに、中村屋のもう一つの看板メニュー・ボルシチは、
この絵のモデルを務める人物と深い関わりがあるのだとか。

盲目のエロシェンコ


描かれているのは、ウクライナ生まれの盲目の詩人ワシリー・エロシェンコ。
この絵を描いた鶴田吾郎の面倒を見たのも、相馬夫妻ですが。
とある理由で国外退去命令を受けたワシリー・エロシェンコの面倒を見たのも、相馬夫妻
その縁から、ウクライナ風のボルシチが中村屋のメニューに加わったのだそうです。


さてさて、他の中村屋のメニューに関しても、エピソードがパネルで紹介されていました。
例えば、クリームパン。
実は、クリームパンの元祖は中村屋とのこと。
ある日、シュークリームを初めて食べて、その美味しさに驚いた相馬夫妻。
このクリームをあんぱんの餡のかわりに用いたら、と思いついたのが誕生のきっかけだったそうです。
また、今ではすっかりおなじみの月餅や中華まん、
さらには、現在のようにサクッとした口当たりのかりんとうを売り出したのも、中村屋。
日本の食文化に中村屋がどれだけ貢献したのか、思い知らされる展覧会でした。
星
無性にカレーが食べたくなる展覧会です。


ちなみに、会場には、中村不折が揮毫した中村屋の看板や、

中村不折 中村屋


太平洋画会の代表を務めた画家・布施信太郎による包装紙の原画、

布施信太郎 四季包装紙


そして、棟方志功がデザインした羊羹掛け紙の原画も展示されていました。
まさか、棟方志功が羊羹の掛け紙を手掛けていたとは。
無性に羊羹も食べたくなる展覧会でした。




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日本画の教科書 京都編 ―栖鳳、松園から竹喬、平八郎へ―

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先日は、山種美術館で開催中の展覧会、
“【山種美術館開館50周年記念特別展】日本画の教科書 京都編 ―栖鳳、松園から竹喬、平八郎へ―” へ。
こちらは、山種美術館が所蔵する日本画コレクションの中から、
近代日本美術史を語るうえで欠かせない名画ばかりを厳選して紹介したもので、
まさに、日本画の教科書を現実化 (?) させたような展覧会です。
ちなみに、現在開催されているのは、その京都編。
上村松園や、

上村
上村松園 《牡丹雪》 1944(昭和19)年 絹本・彩色 山種美術館


小野竹喬といった、

小野
小野竹喬 《沖の灯》 1977(昭和52)年 紙本・彩色 山種美術館


京都画壇を代表する面々の作品がイッキ見できます。
こちらの京都編が終わった後、2月16日からは東京編が始まるとのこと。
東西、併せて楽しみたい展覧会です。
星星


さて、今回のお目当ては何と言っても、重要文化財に指定されている竹内栖鳳の 《班猫》

班猫
【重要文化財】 竹内栖鳳 《班猫》 1924(大正13)年 絹本・彩色 山種美術館


ある日、沼津の町を歩いていた竹内栖鳳 (60歳) は、
八百屋の前に置かれた荷車の上で寝ていた猫の姿に一目ぼれしたそうです。
どうしても、この猫を譲ってほしいと八百屋に頼み込む栖鳳。
しかし、当たり前ですが、可愛がっている飼い猫だからと断られます。
それでも諦めきれなかった栖鳳 (←八百屋からしたら、面倒くさい人が来たと思ったことでしょう)。
粘りに粘って、自分の絵と猫を交換してもらったのだとか。
その猫をモデルに描いたのが、《班猫》 です。
さて、猫にこの絵のポーズを取ってもらいたかった栖鳳。
その秘策として猫の背中に蜂蜜を塗ったのだそうです。(←猫も、面倒くさい人と思ったはず)

ちなみに、最終的には、この猫は行方不明になってしまったとのこと。
蜂蜜を塗られたのが、よっぽどイヤだったのかもしれません。


重要文化財といえば、村上華岳の 《裸婦図》 も展示されていました。

村上華岳《裸婦図》
【重要文化財】 村上華岳 《裸婦図》 1920(大正9)年 絹本・彩色 山種美術館


日本画でありながら、どこかインド的。
そして、それ以上に、どこか西洋的。
作者の村上華岳は、おそらくダ・ヴィンチの 《モナ・リザ》 を意識して描いているとのこと。
確かに、微笑みを浮かべた表情も、背景の感じも、《モナ・リザ》 っぽいです。
顔そのものも 《モナ・リザ》 に似ているといえば似ていますが。
もっとしっくりくる人がいるような・・・?
しばらく眺めたのちに、自分なりの正解が出ました。
長澤まさみに、似ている気がします。


最後に。
意外と動物を描いた絵が多かったのですが、その中でも特に印象的だった一枚をご紹介。
橋本関雪の 《霜の朝》 です。

橋本関雪 霜の朝
橋本関雪 《霜の朝》 1935-44年頃(昭和10年代) 絹本・彩色 山種美術館


テンかオコジョか、もしくは、フェレットか。
と思っていたら、その正体は、白いリスとのこと。
なんとなく、魔法使いのペットっぽい。


 ┃会期:2016年12月10日(土)~2017年2月5日(日)
 ┃休館日:月曜日 (但し、1/9は開館、1/10は休館、12/29~1/2は年末年始休館)
 ┃会場:山種美術館
 ┃
http://www.yamatane-museum.jp/

~読者の皆様へのプレゼント~
こちらの “日本画の教科書 京都編” のペアチケットを、5組10名様にプレゼントいたします。
住所・氏名・電話番号を添えて、以下のメールフォームより応募くださいませ。

https://ws.formzu.net/fgen/S98375463/
(〆切は、1月5日。当選は発送をもって代えさせていただきます)





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名画IPPONグランプリ 第5問

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12月17日。
ツインツイン復活ライブ~二番煎じ~@アミューズミュージアム。
その中で、実に8年ぶりとなる漫才を披露いたしました。

漫才


さらに、1コーナーとして、こちらのブログの人気企画・・・

ippon



名画IPPONグランプリを実演。
小学生のオモシロ回答vs相方&同期の吉本芸人 (サプライズ出演) 。
熱きバトルが繰り広げられる・・・はずでした。

ippon


が、しかし!

結果としては、小学生のオモシロ回答の圧勝。
やはり、並の芸人では、小学生の発想には太刀打ちできないことが判明いたしました。


ということで。
本日も思う存分、小学生のオモシロ回答をご堪能くださいませ。
今回のお題は、こちらです。

お題


イギリスの画家フィリップ・ライナグルの 《天才音楽犬》 という一枚です。
本家の 『IPPONグランプリ』 でお題になってもおかしくない、絵力の強さ。
さぁ、皆さまは、どんな台詞を思いつきましたか?

お題


まずは、犬の困り顔に注目した小学生の回答から、ご紹介いたしましょう。

お題
接着


イタズラに引っかかったのでしょうかね。
『世界まる見え!テレビ特捜部』 あたりで紹介される海外のホームビデオの一コマっぽいです。


この犬が何の曲を弾いているかを考えるのが、オーソドックスなボケ方なわけですが。
その中で一番面白いところを突いてきた回答が、こちら。

お題
タケモト


絶対に、この曲ではないですよね (笑)
楽譜と全然あってないです。
そのギャップも含めて、面白い。


小学生なのに、ちょっとオヤジギャグっぽいテイストの回答もありました。

お題
ワン


笑いの取り方が、完全にベテランの域。
笑点でいうと、木久扇さんみたいな笑いの取り方です。


いろんな回答がありましたけど、
「この視点はなかったなぁ」 と感心したものを紹介したいと思います。
今回の僕のイチオシです。

お題
コナン


また、黒の組織に何かされてしまったのでしょうね (笑)
『名探偵コナン2』 は、犬に姿を変えられてしまうところから始まるのでしょう。
予想外の展開です。


続いては、もっとも小学生らしい回答を。
こちらです。

お題
ドンキー


犬に姿が変わってしまって、まず頭に思い浮かんだのが、
ビックリドンキーのハンバーグが食べられなくなってしまったこと。
「そこかよ?!」 と、思わず声を上げてしまいました (笑)
まぁ、でも確かに、ビックリドンキーのハンバーは美味しいですよね。


では、最後に、相方の回答を2連発。

お題
ポチ
ドッグフード


皆さんは、どの回答がお気に入りだったでしょうか?
以上、名画IPPONグランプリでした。




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画と機 山本耀司・朝倉優佳

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東京オペラシティ アートギャラリーで開催中の・・・

東京オペラシティ アートギャラリー


“画と機 山本耀司・朝倉優佳” に行ってきました。
こちらは、Yohji Yamamoto (ヨウジヤマモト) のデザイナー・山本耀司さんと、
女子美術大学大学院に在籍する新進アーティスト朝倉優佳さんによる異色のコラボ展です。
さてさて、タイトルの “画と機” の 「画」 は絵画、
「機」 は、はずみや機会、機織 (服) を意味しているとのこと。
また、繋げて読めば、「ガキ」 にもなるとのこと。
わかるようで、よくわからない。
でも、何かちょっと哲学的でオシャレな感じのする展覧会タイトルです。
ちなみに、展覧会のサブタイトルは、

いつも手遅れ


“いつも手遅れ” だそうです。
ますます、わかるようで、よくわかりません (←いい意味で)。

さて、会場は大きく分けて3つのスペースに分かれています。
まず最初に現れるのは、山本さんの絵画や彫刻が展示された空間。

山本


作品そのものに関しては、脇に置いておきまして。
会場の雰囲気は、抜群でした!

山本
山本


ライティングが、実にドラマチック。
パリコレの会場かと錯覚してしまったほどです (パリコレ、行ったことないけど)
ここ近年見た展覧会の中でも、1、2を争うカッコよい展示空間でした。


そんな空間を抜けて、メインスペースへ。

メイン


壁一面には、山本さんと朝倉さんの絵画が並べられています。

桜


特に朝倉さんの絵画の色彩感が、圧倒的。
というか、圧迫的。
色の洪水というか、もはや色の濁流です。
しばらく眺めていると、アップアップしてしまうくらいのパワーがありました。


また、会場内で様々なポージングをする針金と流木製のマネキン。

Yohji Yamamotoの
Yohji Yamamotoの


彼らは、2017年春夏を含むYohji Yamamotoコレクションを、なんなく着こなしていました。
こんなにもファッショナブルなマネキンが、他にあったでしょうか。


メインスペースから出口にかけての通路スペースも、Yohji Yamamotoワールド全開。
左手には、山本さんが直接窓ガラスに手掛けたというペイントが、

ガラス

右手の壁には、虫ピンで止められた洋服が飾ってありました。

服


普段は単なる通路 (?) なのに、

通路


Yohji Yamamotoワールドのせいで、すっかりランウェイのような印象に。
思わず背筋をピンとして、モデル歩きをしてしまいました。


山本さん自身をアイコンにした非常口のマークがあったり、

アイコン


物心つく前に戦死してしまった山本さんの父を描いた絵が、会期中何度か場所を移動するらしいなど、

父


遊び心が随所にちりばめられた展覧会でした。
星
僕が訪れたときがたまたまだったのかもしれませんが。
会場にいたお客さん全員がファッショナブルで、
普通の服装で訪れてしまった自分はやや居心地が悪かったです (汗)
攻めのファッションで行かれることをオススメします。




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武士と印刷

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現在、印刷博物館で開催されているのは、“武士と印刷” という展覧会。

武士


武士と印刷。
一生で一度耳にする機会があるかどうかの、実にキャッチーでインパクトのあるフレーズです。

展覧会は2部構成。
まず前半では、印刷された武士・・・すなわち、
武将や赤穂義士など、武士を描いた歌川国芳の浮世絵の数々が展示されています。

稲葉山中におゐて荒猪を生捕たる強勇を大将の目にとまり臣下とす
《稲葉山中におゐて荒猪を生捕たる強勇を大将の目にとまり臣下とす》


武田大膳大夫従五位下兼信濃守晴信入道信玄
《甲越勇将伝 武田家 武田大膳大夫従五位下兼信濃守晴信入道信玄》


誠忠義士肖像
《誠忠義士肖像 中村勘助正辰》


前半に関しては、普通に浮世絵展、普通に武者絵展、
普通に、良い摺りの状態の浮世絵が観られる、普通に、良い国芳展でした。
浮世絵好きの方は、要チェックです。
一つだけ付け加えるならば、
浮世絵をアクリル板に挟んで、壁に設置するという展示の仕方はナイスでした。
そのおかげで、超至近距離で浮世絵を楽しむことが出来ました。
ということは、「普通に」 ではなく、「かなり」 良い国芳展だったと言えそうです。


国芳の浮世絵で観客の心をグッと掴んでおいて、
後半で、いよいよ今回の展覧会の本題、核心へ。

水戸黄門こと徳川光圀が編纂した 『大日本史』 や、

大日本


豊前中津藩主・奥平昌高の命により編集された 『蘭語訳撰』 など、

蘭語訳撰』


戦国から幕末まで、約70人の武士が刷らせた約160点 (!) の印刷物が紹介されています。
印刷物がズラリと並べられた光景は、圧巻。
もはや一種のインスタレーション作品のようでした。
武士って結構、印刷物を出版していたのですね。

ただ、紹介されていた約70人のほとんどが平和な江戸時代を生きた武士。
冷静に考えてみると、それはまぁ、印刷もするでしょうなぁ、
他にこれと言ってすることもなさそうだし、という気がしてきました。
そう言う意味では、

「えっ、武士と印刷?!」

と素直に驚けたのは、徳川家康や今川義元、
豊臣秀頼といった戦国武将たちが手掛けた印刷物だけでした。
星


とは言え、江戸の武士が手掛けた印刷物の中には、
純粋に内容に驚かされたものがいくつかありました。
例えば、下総古河藩の第4代藩主にして、
江戸幕府の老中首座も務めた土井利位 (どいとしつら) の 『雪華図説』 。

雪華図説


「雪の殿様」 の異名を持つ土井利位が、
雪の結晶を観察し続けること約20年の集大成として制作した私家版の図鑑。
主に武家や公家への贈答用として用いられたのだとか。
ちなみに、この8年後に、『続雪華図説』 も刊行したのだそうな。

他にも、古銭集めが高じて、古銭に関する本を何冊も出版した福知山藩8代藩主・朽木昌綱や、
『日本書紀』 の研究に没頭し、その関連本を何冊も出版した黒羽藩11代藩主・大関増業など、
会場にはマニアな殿様がちらほら。
いつの時代にもマニアがいて、しかも、
いつの時代のマニアも、そのマニアックな知識を出版したくなるものなのですね。




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第24回 世田谷区松原で槐多

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ルノアールを筆頭に、モネ、ゴッホ、シャガール…と、
街を歩いていると、時に、美術界の巨匠たちと同じ名前のお店に出くわします。
果たして、それらのお店と巨匠との間に関係はあるのか??

気になるようで気にならない。
でも、気にしてしまったら、気になって仕方がない。
そんな疑問を解消すべく、アートテラーは今日も店へと赴く!!



「いつまでもあると思うな親と金と巨匠の名が付いたお店。」

このシリーズでそのうち取り上げようと先延ばしにいたところ、
いざお店に出向いてみたら、数か月前に閉店してしまっていた、、、

そんな悲しいパターンを、実は、これまで何度も経験しています。
ロートレックとか若冲とか三代豊国とか。


そして、つい先日のこと。
そのうち足を運ぼうと思っていたお店のHPを何気なく覗いてみると、
今年の12月31日で閉店が決まってしまったとのお知らせが目に飛び込んできました。

これは、すぐに行かねば!!

ということで、京王線明大前駅へ。
そこから歩いてほど近くのキッド・アイラック・アート・ホールにやってきました。

キッド・アイラック・アート・ホール


こちらは、著作家で美術評論家の窪島誠一郎さんが昭和39年に設立した小ホールで、
あの寺山修司をはじめ、若い劇作家や芸術家たちが集い、巣立っていた場所なのだそうな。
そんなキッド・アイラック・アート・ホールが、惜しまれつつも52年の歴史に幕を閉じることに。

幕


それに伴って、地下1階にあるカフェも閉店することになったのだそうです。

カフェ


その名は、ブックカフェ槐多。
22歳という短い人生で大正の世を駆け抜けた天才・村山槐多の名がつけられています。

尿する裸僧 《尿する裸僧》


村山槐多は、その短い生涯の中で、洋画だけでなく詩も小説も戯曲も書いた熱い人物。
ほとばしる熱いパトスが絶えなかった彼を、
高村光太郎は 『火だるま槐多』 と、草野心平は 『アンドロメダ的燃焼体』 と呼んだのだとか。


さてさて、そんな村山槐多の名がついているからには、

「何だか暑苦しいお店なのでは?」

と、やや危惧していたのですが、お店の雰囲気は真逆も真逆。
実に居心地のいいお店でした。

壁


ブックカフェというだけあって店内には、大量のブックがありました。
これらは、すべて窪島誠一郎さんの蔵書とのこと。
もちろん読んでOKです。

また、壁には村山槐多のデッサンが!

村山槐多の


「えっ、本物?!」

と、色めき立ったのですが。
お店の方に確認すると、レプリカです、との返答。
喫煙する人もいたので、さすがに本物は置けなかった、とのことでした。
・・・・・まぁ、そうですよね。


さて、気を取り直して。
いい感じに年季の入った美術書をパラパラと眺めながら、コーヒーを一杯。

コーヒー


そして、自家製のスコーンも。

スコーン


まったりとした素敵な時間を過ごすことが出来ました。
何でしょう、この馴染み感は。
昔から通っていたお店のような感じです。
そして、今月末に閉店してしまう事実を思い返して、急に喪失感がわいてきました。
常連でも何でもなく、10分前に初めて訪れただけの客なのに。


その後、常連でも何でもないのに、お店の方やお客さんと談話を。
流れで、イラストレーターの話題になったので、

「イラストレーターといえば、今、芸術新潮で、
 伊野孝行さんという方と 『ちくちく美術部』 という連載をしてるんですよ」


と、何気なく口にしたところ、

「えっ?!伊野さん、うちによく来てくれますよ。ていうか、昨日も来ましたよ」

と、お店の方が、前日に伊野さんとお店で撮った写真を見せてくれました。


なんという偶然!!

小さな奇跡が起こるカフェ、ブックカフェ槐多。
返す返すも閉店が惜しまれます。


<お店情報>
ブックカフェ槐多
住所:東京都世田谷区松原2-43-11
営業時間:14:00~21:00




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「曖昧な関係」展

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銀座メゾンエルメス フォーラムで開催中の “「曖昧な関係」展” に行ってきました。

曖昧な


こちらは、世代や国籍だけでなく、表現方法も異なる、
まさしく 「曖昧な関係」 の3人のアーティストによるグループ展です。
作品と身体の間に生まれる関係性について考察するのが、この展覧会の狙いなのだとか。
星


それでは、3人のアーティストの作品を紹介してまいりましょう。
まず1人目のアーティストは、スイスのジュエリー作家ベルンハルト・ショービンガーです。
彼が生み出すジュエリーは、実にアバンギャルド!





砲丸やスパナを素材にしたリングだったり、
家族写真を破って作ったネックレスだったり。
似合う人は、きっと世界に数えるほどしかいないであろうジュエリーばかり。
こちらの香水瓶のブレスレットに関しては、

ブレスレット


もはや人が身に着けているイメージが頭に湧きません。
とりあえず袖が長い服のときには、つけないほうがよさそうですね。


続いてのアーティストは、神奈川生まれベルリン在住のナイル・ケティング。

ナイル


彼が制作したのは、音と光、そして香りを楽しむインスタレーション作品。
ダイソンの加湿器やディフューザーなど、市販されている電化製品が使われているのが特徴です。
家電芸人ならぬ家電アーティスト?

家電


ちなみに、なぜか白いタオルも。
何に使うのでしょう??

タオル


さて、音と光はオープンからクローズまで時間帯によって違うのだそう。
スペースの壁の一部に、番組表みたいなものが掲げられていました。

文字
(↑文字の色が曖昧で、やや読みづらい)


僕が訪れたのは、外がすっかり暗くなった時間。
メゾンエルメスの向かいにある不二家のネオンサインが、ガラス越しに曖昧に見えました。
全体的に青白い空間と、不二家のオレンジが妙にマッチ。
その色合いまでも計算されたていたかのようでした。


最後に登場するのは、フランス人の女性画家アンヌ・ロール・サクリスト。
彼女が発表しているのは、初期ルネサンスの画家パオロ・ウッチェロ作の 《サン・ロマーノの戦い》 と、

サン・ロマーノの戦い


京都で目にした日本庭園のイメージを重ねた作品。

サクリスト
サクリスト


確かに、そう言われてみれば、そう思えてくる作品です。
ルネサンス絵画っぽいし。
日本庭園っぽい。

その向かいのガラス壁に立てかけられているのは、
18世紀のフランスの古城にかけられていたという布を用いた旗。

サクリスト


SEKAI NO OWARIっぽい。
↑曖昧なイメージ。




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【告知】 現在募集中のアートツアー 【告知】

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現在募集中のアートツアーです。

アートに興味のない方でも楽しんで頂ける企画を心掛けております。
初参加の方も多いので、どうぞお気軽にご参加くださいませ♪
(男女比は、7:3くらいで女性が多いです。また1名で参加される方が、8割くらいです。)
定員になり次第、募集は〆切らせて頂きますので、よろしくお願いします。
参加希望の方は、お手数をおかけして恐縮ですが、
件名に希望するアートツアーを明記して、以下のメールフォームよりお申し込みくださいませ。
詳細をお知らせいたします。
https://ws.formzu.net/fgen/S98375463/
お知らせ先のメールアドレスが間違っている方が、ごくたまにいらっしゃいます。
こちらからの返信がない場合は、もう一度ご確認頂けますと幸いです。



1/7(土) 新春両国大EDOツアー

先日、JTBとgirls Artalkとコラボ企画して、
大好評だったアートツアーを下敷きにしたツアーを開催いたします。

まず訪れるのは、すみだ北斎美術館
オープンから15日で、早くも来場者数3万人を突破した今最もHOTな美術館です。
その開館記念展に是非皆で訪れましょう!

休憩を挟んだ後は、江戸東京博物館へ。
こちらでは、現在開催中の特別展 “戦国時代展 ‐A Century of Dreams‐” を、たっぷりと鑑賞いたします。

最後は、回向院を訪れます。
時代劇でおなじみのあの人物や、とある浮世絵師とも関わりの深い回向院。
実は、江戸時代には、エンターテイメントの中心地でした!
その理由は、ツアー当日に明らかに。

時間:12時半~18時
定員:10名
参加費:2500円 (2館の観賞料代を含む)



1/8(日) 新春企画!トーハクに初もうで

2017年新春も、東京国立博物館では、“博物館に初もうで” が開催されます。
こちらは、国宝 《古今和歌集(元永本) 上帖》 や国宝 《松林図屛風》 をはじめ、
日本美術の一級品の数々が大盤振る舞いで出展される、新春にふさわしい初夢お年玉企画です。
このスペシャルな機会に、是非、みんなでトーハクを訪れましょう。

さて、当日は、東京国立博物館の常設展の見どころを、徹底的にガイドいたします。
さらに、より楽しんで頂けるよう、1人1台ずつ単眼鏡をお貸しします。
(つい最近発売された最新モデルも持参します♪)
どうぞお楽しみに!

時間:13時~17時
定員:12名
参加費:1600円 (観賞料を含む)



1/15(日) みんなの大東京建築ツアー大新年会

「“建築”って何をどう観たらいいの?? 」

という全ての人にお送りするみんなの大東京建築ツアー
建築初心者の自分を筆頭に、講師の建築家の方の話を伺いながら、
みんなで東京の色々な街を訪れ、“建築” をぶらぶらと楽しく観賞しようという企画です。

新年一発目は、その特別版。
お馴染みの伊藤嘉朗さん、照内創さん、
そして、新たに講師に加わった山本至さんの3人が初顔合わせとなる大新年会を開催いたします!
どんな化学反応が起きるか、お楽しみに♪
さらに、「みんなの大東京建築ツアー2017年の年間パス」 が当たるゲームコーナーもあります。
今年、みんなの大東京建築ツアーにご参加頂けた方も、
残念ながら、ご参加頂く機会が無かった方も大歓迎です!!
皆様のご参加を心よりお待ちしております。

時間:18時~20時半
定員:30名
参加費:4000円前後
(会場は決まり次第、お知らせします。23区内の居酒屋で飲み放題コースを予約します)



1/21(土) MOMATを10倍楽しむツアー!

MOMAT=東京国立近代美術館。
今年で開館64年を迎える日本初の国立美術館です。

しかし、なんとなく・・・あくまで、なんとなくですが。
地味な感じの拭えない東京国立近代美術館。
いやいや、本当は見どころたっぷりの実はスゴい美術館なのです!
ということで、今回は自発的にMOMAT救済企画 (←?) を開催いたします。

常設展の見どころから、建物の見どころまで徹底ガイド。
もちろん、現在開催中のイチオシ展覧会 “endless 山田正亮の絵画” も鑑賞いたします!

MOMATが好きになるツアー!
皆様のご参加を心よりお待ちしております。

時間:13時~17時
定員:10名
参加費:1500円 (観賞料を含む)



1/28(土) そうだ 江戸、行こう~成田編~

“浮世絵に描かれた街並みは、今、どのような姿になっているのでしょうか?”

浮世絵を手掛かりに、江戸 (=東京) の街並みを歩きながら、
江戸時代にタイムスリップする、、、気持ちになれるツアーです。
浮世絵に描かれた場所に実際に赴き、浮世絵と見比べてみましょう!
講師を務めるのは、ほわっとした語り口が人気の太田記念美術館の学芸員・渡邉晃さんです。

さて、2017年一発目の “そうだ 江戸、行こう” は、東京を飛び出して千葉の成田へ!
初詣参拝者ランキング2位の成田山新勝寺のあたりを浮世絵を手掛かりにぶらぶらいたします。
千葉を描いた浮世絵は少ないにも関わらず、
なぜか成田を描いた浮世絵だけは数多く存在しているのだとか。
その理由は、江戸時代のスーパースターにあり?!
初詣もかねたスペシャル版。
どうぞお楽しみに♪

時間:11時~17時
(京成上野駅集合となります。現地集合をご希望される方は、その旨ご連絡ください)
定員:12名
参加費:2000円 (交通費・昼食代は各自負担)



いずれのツアーも、皆様のご参加を心よりお待ちしております!!

ガラス絵 幻惑の200年史

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府中市美術館で開催中の・・・

ガラス絵


“ガラス絵 幻惑の200年史” に行ってきました。
こちらは、ガラス絵にスポットを当てた、珍しい展覧会です。

広東港内の景
《広東港内の景》 浜松市美術館蔵


ガラス絵とは、その名の通り、ガラスに描かれた絵のこと。
それ以下でもそれ以上でもありません。
ただし、普通の絵とは違って、裏側から描かれているのがポイント。
ガラス絵は、もれなく裏彩色なのです。

その歴史は意外と古く、16~17世紀にヨーロッパで隆盛を誇り、
18世紀にはドイツやルーマニアなど東欧諸国に伝播し、多くのガラス絵が制作されました。
一方、同じ18世紀に中国でも誕生し、そこからインドやインドネシアへ、
さらには、わが日本にも、江戸時代中期にガラス絵が伝播し、制作されるようになったそうです。

展覧会の第1章では、日本を中心に、
世界各地のレトロなガラス絵の数々が展示されていました。

《聖母子像》
《川岸洋傘をさす女》 浜松市美術館蔵

ガラス絵
《聖母子像》 浜松市美術館蔵


何よりも印象的だったのは、ガラス絵そのものよりも、
出展作品のほとんどが、浜松市美術館所蔵であったこと。
浜松市美術館は、まだ訪れたことがないのですが、
こんなにもガラス絵をコレクションしている美術館だったとは!
壊れそうなものばかり集めてしまう美術館。それが、浜松市美術館。


さてさて、続く第2章でフィーチャーされていたのは、
大正・昭和初期に、ガラス絵に魅せられ、多くの作品を残した2人の洋画家。
一人は、「東の劉生、西の楢重」 と呼ばれた小出楢重。

裸女(赤いバック)
小出楢重 《裸女(赤いバック)》 1930年 芦屋市立美術博物館蔵


そして、もう一人は、日本のゴッホと呼ばれた破天荒画家・長谷川利行です。

長谷川利行《荒川風景》
長谷川利行 《荒川風景》 1935年 個人蔵


2人のことは、よく存じているつもりでいましたが。
2人とも、これほどガラス絵にのめり込んでいたとは、知りませんでした。
意外な一面を知って、ビックリ。
そして、洋画よりガラス絵のほうが、しっくりきていたような気がして、またビックリ。

ちなみに、洋画の場合は、筆致が荒く殴り描きしたようなスタイルの長谷川利行。
ガラス絵の場合も、その荒々しさは健在でした。
出展されていたガラス絵の3分の1は、割れていました。
尾崎豊くらい荒れてます。


展覧会のラスト、第3章では、川上澄生をはじめ、

川上澄生《洋燈を持つ洋装婦人之図》
川上澄生 《洋燈を持つ洋装婦人之図》 1954年 福島県立美術館蔵


藤田嗣治、芹沢銈介、白髪一雄、桂ゆきなど、
戦後から現在まで、幅広いメンバーのガラス絵が一挙に紹介されていました。
「えっ、この人もガラス絵を描いてたの?」 と驚きの連発。
そして、画家の個性の数だけ、ガラス絵の個性もありました。

まさかガラス絵が、こんなにもバリエーションのあるジャンルの一つであったとは?!

会場に訪れる前の僕がイメージしていたガラス絵は、第1章に展示されていたような作品のみ。
それだけに、ガラス絵展って成立するのだろうか、と密かに心配していました。
いやはや、全くの杞憂に終わりました。
よくよく考えたら、企画力の高い府中市美術館が、
ただレトロなガラス絵だけを並べて終わり・・・なわけはないですね。
ちゃんと裏を見るべきでした。
星星
ガラス絵の概念がガラリと変わる展覧会。
ガラス絵の展覧会。おそろしい展覧会!




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アートテラー的お茶漬け生活 ~その参~

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永谷園のお茶づけ海苔に封入されている東海道五十三次カード。
全55枚揃えるには、何日かかるのか?


アートテラー・とに~が体を張って検証する企画。
それが・・・・・

タイトル


この無謀なチャレンジが始まってから、早1か月が経ちました。
お茶漬け、お茶漬け、お茶漬け、一食飛ばして、お茶漬け。
と、来る日も来る日も、お茶漬けを食べ続け、

10袋


企画スタート時に購入したお茶づけ海苔を10コ (80袋分!) を完食しました!

自分でも驚くほどのハイペース。
きっと、今の僕の体はお茶漬けでできているのでしょう。
しかし、ここまで、決して平らな道ではなかったです。
誰にも見せない泪があったし、人知れず流した泪もありました。
トーストにしてみたら美味しいかもと試してみたら、しょっぱすぎて泪。

トースト


米焼酎をお茶漬けで割れば、晩酌がてらに消費できると試してみたら、普通に不味くて泪。

小中


12月25日。
クリスマス気分を味わおうと、ローストチキン茶漬けを作ってみたら、妙にむなしくなって泪。

クリスマス


東海道。
険しい道のりです。


さてさて、肝心の東海道五十三次カードですが。
前回、5枚目にして、早くもダブってしまうという事態に。
果たして、6枚目から10枚目は何が出たのでしょうか。

6枚目は、《東海道五十三次之内 二川 猿ヶ馬場》

6枚目
二川


かしわ餅が名物だったという二川宿。
左側に描かれたお茶屋にも、「名物 かしわ餅」 としっかり書かれています。
その茶屋に向かう3人娘。
江戸のスイーツ女子です。


7枚目は、《東海道五十三次之内 御油 旅人留女》

7枚目


これは、2枚目に出たヤツ。
またもダブりです。。。

打ちひしがれる


8枚目は、《東海道五十三次之内 藤枝 人馬継立》

人馬継立 ボケ


・・・・・ボケているので、撮り直し。

人馬継立


描かれているのは、問屋場での役人や人夫の様子。
今でいう、クロネコヤマトや日通の人たちですね。
お仕事ご苦労様です。


9枚目は、《東海道五十三次之内 岡崎 矢矧之橋》

岡崎 矢矧之橋


描かれているのは、矢矧之橋。
東海道中で一番長い橋です。
その長さは、378m。
東京タワーよりも大きい!


10枚目は、《東海道五十三次之内 藤川 棒鼻ノ図》

藤川 棒鼻ノ図


描かれているのは、幕府から京都の御所へ馬を献上する一行。
その一行を迎える画面左の役人たちは、土下座しています。
控えおろう。



ということで、新たなお茶づけ海苔を買いに。
スーパーで何気なく購入し、家でレジ袋から取り出してみたところ・・・

お茶漬け


とんでもないことに気が付いてしまいました!!

効果


ぞ、増量だと!!!


おそるおそる開けてみると、中から見慣れない1袋が登場。
そのサービス精神が、僕を苦しめているとは、永谷園さんも夢にも思っていないことでしょう。

1袋


さらに、その増量中のお茶づけ海苔の袋から出てきたのは・・・

浜松


なんと、《東海道五十三次之内 浜松 冬枯ノ図》 でした。

これ、1番最初に出たヤツ、、、 (泪)


ゴールまで、あと47枚




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2016年アートテラー10大ニュース

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早いもので、2016年も残りわずか。

今年も、なんとか毎日休まずブログの記事をアップすることが出来ました。
それもひとえに、読者の皆様の応援があるからこそ。
この場を借りて、厚く御礼を申し上げます。

さて、2016年最後の記事は、去年に引き続き、アートテラー10大ニュースを発表いたします。
自己満足にもほどがある内容ですが、
皆様もご一緒に、アートテラーの1年を振り返って頂けましたら幸いです。


第10位 世界史の資料集をちょびっと監修

ヒストリエ
ヒストリエ


帝国書院から出版されている 『明解世界史図説 エスカリエ』。
その中の20世紀美術を紹介する見開きページを監修いたしました。
まさか、自分が教科書に名前が載る日が来ようとは。



第9位 その時ロイスダールの歴史が動いた

つい先日、「あなたの街の巨匠たち」 のコーナーにおいて、
アマンドリーフでお馴染みのロイスダール中野本店を紹介いたしました。

ロイスダール


その記事でもお伝えしましたが。
公式HP上の “ロイスダールの名前の由来” が、アートテラー的にどうも気になってしまいました。

17世紀 オランダに生まれた画家サルモン・ヤン・ロイスダール (Salomon van Ruysdael) は
その生涯を地元に根ざし、風景画だけを描き続けました。
弊社は、大地の自然と素朴な人々を描くロイスダールの画風のように、
その中に息づくあたたかさを大切にしたいと考えて、ブランド名を画家 「ロイスダール」 からいただきました。


とあるのですが、紹介されているのは、甥っ子のヤーコプ・ファン・ロイスダールの絵。

間違っているのを見過ごすのはしのびないので、
この記事を書いた後に、本社に一応連絡を入れておきました。
すると、一週間後、「ご指摘を頂きました件、説明文を変更させて頂きました」 とのメールが。
http://www.ruysdael.co.jp/company/think.html

ブログの1企画が、老舗洋菓子店の歴史を変えてしまいました (笑)



第8位 八木亜希子さんと初対面!

八木亜希子さんのニッポン放送の番組には、
前番組の時から、何度か出演させて頂いていたのですが。
その8回はすべて収録。
オンエア上は、八木さんとやり取りしているような感じなのですが、
実は本人とはお会いしていないという状況が、3年くらい続いていました。
しかし、12月3日オンエアの 『八木亜希子LOVE & MELODY』 に生出演!
ついに、本人の前でアートの話をすることが出来ました。
『真田丸』 にハマっていたこともあって、感動もひとしおでした。



第7位 ビクセン社の単眼鏡×美術鑑賞ページを全面監修

今年、若冲展の影響で品切れになってしまったという単眼鏡。
そんな単眼鏡が広げる美術鑑賞の世界を紹介するページを担当させて頂きました。
https://www.vixen.co.jp/lp/monocle/index.html

こちらのページは、来年以降、さらにコンテンツが充実していく予定です。
つまり、その記事を書かねばならないということ。
引き続き、頑張ります。



第6位 『UOMO』 で連載スタート

UOMO(ウオモ) 2017年 01 月号 [雑誌]/集英社



キムタクとか西島秀俊とかディーン・フジオカとか。
ダンディーなイケメンが表紙を飾るオシャレ雑誌のアートコラムを、1月号から担当しています。
本当に僕でいいのかと恐縮しきり。
もしかしたら、トニー・レオンと勘違いして、オファーされてしまったのかもしれません。



第5位 「ちくちく美術部」 連載2年目に突入!

ちくちく


僕とイラストレーターの “いのっち” こと伊野孝行氏のコンビで、
漫画仕立てで、美術展をちくちくと評論する 『芸術新潮』 内の 「ちくちく美術部」。
おかげさまで2年目に突入いたしました!
2年目からは、ページがお引越し。
なんとトリを飾っています。
しかも、フルカラーに!
今年も関係各所に怒られることも覚悟しつつ、本音をぶつけました。
そんなちくちくの刃は、たまに自分に向けられることも。
10月号のピーターラビット展の回では、
プライベートで破局したことを、がっつり漫画のネタにされてしまいました (笑)



第4位 蔦屋家電にてトークショーを開催!

ダリ展


10月14日。
二子玉川の蔦屋家電にて、“ダリ展” の関連イベントとして、
美術出版社主催の “元吉本芸人 アートテラー・とに~、ダリの魅力を語る” が開催されました。
ここ最近、司会業やアートツアーの引率といったお仕事が多かったので、
久しぶりに、アートテラーの原点に立ち戻れるイベントに、相当な気合を入れて臨みました。
1時間のトークショーのために、ほぼ丸3日を費やして、凝りに凝ったパワーポイントを作成。
数年ぶりに、徹夜を経験しました (笑)

その甲斐あって、お客さまからの反響は上々。
おかげさまで、来年2月8日に、第2弾の開催が決定いたしました!

ティツィアーノ展 どう楽しめばイーノ?

↑今回は、イベントタイトルから考案させて頂いております。
今から、がっつりネタを仕込む予定。
ご参加は、展覧会前売りチケットを購入いただく形になっています。
つまり、実質、イベント費は無料!
美術出版社さん、太っ腹です。



第3位 東京美術館の90周年記念サイトにエッセイを寄稿

今年めでたく開館90周年を迎えた東京都美術館。
それを記念して、公式HP上に特設サイトがオープンしました。

その中の企画、「わたしの都美ものがたり」 に、光栄なことにエッセイを寄稿いたしました。
そして、さらに光栄なことに、トップバッターを飾らせて頂きました。

とに~さんのエッセイを公開いたしました、
と、東京都美術館の広報さんより、お知らせを頂いた時、正直なところ、

「いやぁ~、アートテラーも、ついにここまで来たかぁ」

と、悦に入りました。
が、すぐに、現実に引き戻されました。
なぜなら、その知らせを受けたのは、国宝ハンター中、
1時間近くレンタサイクルで滋賀県を爆走していた時のことだったのです。
第百二十七話 国宝ハンター、一番駆けする!
大物になれる気がしません。



第2位 ラジオ深夜便に出演しました

今年は、いろいろなラジオ番組にお招き頂きました。
どの番組も本当に印象に残っていますが、
やはり一番震え上がったのは、NHKラジオの長寿番組 『ラジオ深夜便』 でした。
「ないとエッセー」 コーナーに、“アートで笑おう!” というテーマで月~木まで4回出演。
まさか、自分がNHKに出演する日が来るなんて、夢にも思っていなかったです。
受信料、払ってて良かったぁ (←そこ?)



第1位 ツインツイン復活!

ツインツイン


アートテラーとしてのお仕事を差し置いて、
やっぱり何と言っても、今年一番のニュースは、コレですね (笑)
アミューズミュージアムで開催した復活ライブには、
アートツアーでお世話になった皆様、美術館の関係者の皆様が遊びにいらしてくださいました。
本当に幸せなひと時だったなぁ、としみじみ感じています。

このライブを通じて、何よりも実感したこと。
それは、漫才を披露している時よりも、
アートテラーとしてバラエティコーナーを進行しているときのほうが楽しかったということ。
(相方が、このブログを見ないことを願っています!)
この8年で、すっかりアートテラーが染みついてしまったのでしょうね。

おかげさまで好評だったので、来年の初夏に、ツインツインお笑いライブの第2弾を考えています。
次回もアートをテーマにしたネタを披露する予定。
アートテラーとして、もう一皮むけるよう頑張ります!



さてさて、2016年はこれにてブログじまい。
ちょっと早いですが、皆様、良いお年を!
来年も皆様に楽しんで頂けるよう、ブログ、アートツアーともに休まず走り続けます。
引き続き、応援頂けますと幸いです。


ちなみに、新年1発目のアートテラーのお仕事は、恒例の新宿伊勢丹にて。
1月3日~5日に開催される “アートの力 若手アーティストのWA” にて、
若手アーティストとのアドリブ満載のギャラリートークを担当いたします。
http://cp.miguide.jp/japansenses/shinjuku/art/index.html#event-03
3日、4日それぞれ14時から45分ほど。
初買ついでに、是非お立ち寄りくださいませ。




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新・無料で観れる 美術百選 《赤坂サカス・憩いの広場(東京都港区)》

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あけましておめでとうございます。

2017年も鵜の目鷹の目でアート情報を探し、
ここにしかない美術のトピック目白押しでお届けいたします。
本年もどうぞよろしくお願いいたします!


さてさて、新年一発目は、やはり酉年ということで、
鳥に関する無料で観れる美術作品を紹介しようと思います。

その作品に出会うために、赤坂駅へ。
改札を抜けると、そこには、千住博さんの 《四季樹木図》 がありました。

四季樹木図


新春っぽくて、なんかおめでたいですが、鳥がいないので今回はスルー。
赤坂サカスの敷地内にある憩いの広場を目指します。

憩


すると、すでに憩っている (?) 先客が。

PollyZeus


そう、こちらが本日ご紹介したい美術作品・・・

PollyZeus


新・無料で観れる 美術百選 069  椿昇 《PollyZeus》


です。
作者は、日本を代表する現代アーティストの一人である椿昇さん。
アートが好きな方は、2001年の横浜トリエンナーレで、
全長50メートルの巨大なバッタの作品を発表した人と聞けば、ピンとくるかもしれません。

PollyZeus


全身黄色なので、カナリアなのかなと思ったのですが。
新年早々、間違った情報をお届けするのもなんなので、餅は餅屋、鳥は鳥博士に、
高橋君に聞いてみないとネでお世話になっている鳥博士・高橋雅雄君に、確認してもらいました。

すると・・・

「顔が少しディズニーっぽいけど、セキセイインコのつもりだと思う。」

との回答が。
背に青は見当たりませんが、セキセイインコ (背黄青鸚哥) だそうです。

王冠


ちなみに、本物のセキセイインコと違って、王冠をかぶっています。
実は、偉いんでしょうね。
確かに、よくよく見れば、威厳すら感じられます。
目が笑っていません。


<無料で観れる美術 データ>

赤坂サカス・憩いの広場

住所:東京都港区赤坂5-3−6
アクセス:○東京メトロ千代田線 「赤坂駅」 3a出口徒歩1分




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博物館に初もうで

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今年も今年とて。
お正月は、トーハク新年恒例の “博物館に初もうで” に行ってきました。

博物館に初もうで


例年と同じく、新春特別公開として、長谷川等伯の 《松林図屏風》 と、

松林図屏風


《古今和歌集(元永本)上帖》 が公開されていました (1月15日まで!)。

古今和歌集


この2点に関しては、ここ数年、毎年お正月に目にしています。
去年までは、「また、今年も無事にお会いできましたね!」 という感覚があったのですが。
本年は、「あぁ、まぁ、今年も・・・ですね」 という感じでした。
あまりに毎年見てるせいでしょうか、
1年間がリセットされ、再び2016年が始まったのかと錯覚してしまったほどです。
何事も慣れすぎるのは、よくありませんね。


また、こちらも例年と同じく、
本館特別1室と特別2室では、干支にちなんだ美術工芸品が特集展示されていました。
今年の干支は、鳥。
過去のヘビや羊と違って、鳥をモチーフにした美術工芸品は、烏合の衆のように存在しています。

新年を寿ぐ鳥たち
新年を寿ぐ鳥たち


干支の中で最もネタに困らない年であることは間違いありません。
ちなみに、大盤振る舞いで (?) 若冲作品も出展中でした。

若冲


写真撮影も可。
こいつは春から縁起がいいですね。


こちらの特集展示の出展作品の中で、個人的に一番印象に残ったのは、
南宋の画僧である蘿窓 (らそう) が描いた重要文化財の 《竹鶏図》 という作品。

竹鶏図


色合いや風合いも、相当にシブい絵ですが。

竹鶏図アップ


それに輪をかけて、ニワトリの表情がシブすぎます。
ちょっと佐藤浩市似です。


また、特集展示のメンバではありませんが。
本館の別の部屋にて、妙に気になる鳥の着物と遭遇。

肝の


何か、雑。
何か、残念な感じがします。
そして、何か、スカジャン感があります。


最後に。
本館をくまなく鑑賞してる中で発見した気になる作品を2つ、ご紹介いたしましょう。

仏像コーナーにて、京都の浄瑠璃寺伝来の 《十二神将立像》 が展示されていました。
しかし、12躯すべてではなく、3躯の選抜メンバーのみ。

躯


そのポージングと立ち位置が、どうにもPerfumeっぽい。
今にもキレッキレのダンスを披露しそうです。




そして、もう1つ気になったのが、高村光雲の弟子・米原雲海による 《竹取翁》 という作品。

竹取翁


「今日も、竹の中に女の子がいちゃったりなんかして♪」 とでもいうような表情。
竹取翁って、こんなキャラでしたっけ?
チャラくね??




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建築倉庫ミュージアムver2.0

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あのミュージアム今何してる?


ふと、そんな疑問がわいたので、
半年ぶりに建築倉庫ミュージアムに足を運んでまいりました。(半年前の記事は、こちら
昨年6月18日に天王洲にオープンしたばかりの国内唯一の建築模型専門ミュージアムです。

お正月


入り口は、すっかりお正月仕様に。

では、中は一体どんな感じに?
半年でどれほど変わっているのでしょうか??

なんて思いながら、ミュージアムに入った瞬間、いきなりビックリ!

ミュージアム


なんとミュージアムショップが誕生しているではないですか?!
しかも、オリジナルのトートバッグまで発売されていました。
確実にパワーアップしていますね。


もちろん、肝心の建築模型もパワーアップ。
これまでも人気だった建築家さんの模型はそのままに、
新たに、藤本壮介さんや永山裕子さんら今を時めく建築家たちの模型も加わっていました。

藤本
永山
(↑こちらの永山さんの 《松本の家》 は、いろいろあってアンビルドに。新たな施主さん募集中とのことです。)


それらの模型の中には、我らがみんなの大東京建築ツアーに、
新たに講師として加わった山本至さんの手掛けたものも。

至
至


僕の手柄でもなんでもないですが。
自分事のように、誇らしかったです (←何でお前が!?)。


ちなみに、現段階で館長イチオシの建築家は、
U-35 (=35歳以下の新人建築家) 高栄智史さんとのこと。

高栄智史


建築ファンの皆様、要チェックですよ。


また、日本人建築家の模型だけでなく、
ロシア人建築家セルゲイ・マラホフ&エフゲニア・レーピナの模型も加わっていました。
いつのまにやら、ワールドワイドに。

ロシア人建築家セルゲイ・マラホフ
ロシア人建築家セルゲイ・マラホフ
ロシア人建築家セルゲイ・マラホフ


その隣には、2人を講師に開催されたワークショップで子供たちが作った模型も展示されています。
未来の巨匠の作品が、この中にあるかもしれません。

子供
子供


さて、現役で活躍する建築家の作品もさることながら。
国立代々木競技場をはじめ、

代々木体育館


スペシャルゲスト枠の有名建築の模型も、充実を見せていました。
それらの中には、なぜか、若い頃にお世話になったあの建築も・・・。

ヶ月


あんまり良い思い出がないので、目に飛び込んできた瞬間にビクッとなりました。
模型でも、そうなってしまうのですね。
生理的に、建築模型のスゴさを実感した次第です (笑)



何はともあれ、半年でこれほどまでに進化していたとは驚く限り。
シン・ゴジラよりも進化のスピードが早いです。
このペースでいくと、あと半年後には、どうなっているのでしょうか。
今からワクワクが止まりません。
星星
何度訪れても驚きがあるミュージアムです。




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