東京・神田の交通博物館が埼玉・大宮に移転し、
鉄道博物館としてリニューアル開業してから、早7年。
行こう行こうと思っていながら、なかなか足を運べなかったのですが、先日、ついに訪問してまいりました。
入館チケットは、なんとsuicaにチャージするシステムが採用されていました。
さすが、鉄道博物館!
博物館のメインは、なんといってもヒストリーゾーンです。
広大なスペースに、鉄道車両36両の実物車両が展示されている光景は圧巻も圧巻。
鉄ちゃん&鉄子でなくても、思わずテンションを挙げてしまうこと必至です。
英国から輸入された日本初の蒸気機関車の姿から、つい先日廃止されたばかりの 「あけぼの」 の姿まで。
鉄ちゃん&鉄子でなくても (←本日2回目) 、見応えは充分です。
さてさて、すっかりヒストリーゾーンだけでお腹いっぱいになってしまいましたが。
実は、今回のメインは、ヒストリーゾーンではなく、2階のスペシャルギャラリー1。
そちらで開催されている “鉄道×絵画” です。
(注:館内は写真撮影可能ですが、コレクション展は写真撮影不可。今回は、特別に許可を頂いております)
こちらは、鉄道博物館が所蔵する膨大なコレクションの中から、
鉄道が描かれている絵画など、絵画に関する作品を紹介する展覧会です。
鉄道と絵画・・・・・。
一瞬、あまり結びつかないような気がしましたが、
よく考えたら、西洋美術では、モネの 《サン・ラザール駅》 をはじめ、
マネの 《鉄道》 やマグリットの 《釘づけにされた時間》 など、鉄道が描かれた名画はいろいろありますね。
“でも、日本では少ないんじゃないの?”
・・・と思ったら、油彩だけでなく浮世絵も含めて、
わりと 「鉄道×絵画」 作品は、日本にもあったようです。
中には、意外な人物による 「鉄道×絵画」 作品も。
こちらの 《蒸気車運転絵》 を描いたのは、なんとあの勝海舟。
お世辞にも、 「上手い!」 とは言い難いですが、妙な味がありました。
今回展示されている作品の中で一番の目玉となるのが、
その破天荒な生活ぶりから “日本のゴッホ” と呼ばれた夭折の天才・長谷川利行の 《赤い汽罐車庫》 。
描かれているのは、田端の機関庫。
長谷川利行の作品はどれも、得体のしれないパワー (?) に満ち満ちていますが。
この 《赤い汽罐車庫》 から放たれるパワーは、特に抜きん出ていました。
しばらく本気で作品と向き合っていると、ノボせてしまうレベルです。
実は、この作品、交通博物館時代から人気作品だったようで、
これまでに何度も、 「《赤い汽罐車庫》 は、いつ観れるのですか?」 と問い合わせがあったのだとか。
そんな 《赤い汽罐車庫》 が公開されるのは、実に8年ぶり。
鉄道美術館では初とのこと。
これは、鉄道ファンだけでなく美術ファンも見逃せません。
「鉄道×絵画」 は、鉄道が描かれた絵画だけではありません。
例えば、鉄道関係者が描かれた肖像画も展示されています。
描かれているのは、当時の鉄道界の重鎮たち。
そして、そんな鉄道界の重鎮たちを描いているのは、
和田三造や中村研一、藤島武二といった当時の美術界の重鎮たち。
重鎮×重鎮。
また、天皇や皇后、皇太子などが乗る御料車に、実際に飾られていた絵画も展示されていました。
描いたのは、岡田三郎助。
御料車時代 (?) には、天皇や皇族でなければ観られなかった絵なのかと思うと、感慨深いものがあります。
ちなみに、こんな珍しい絵も展示されています。
こちらは、重要文化財の 《鉄道庁事務書類》 の1ページ。
駅長と助役の帽子が車長以下の帽子とほぼ同じで見分けがつかないので、
これからは、イラストのような帽子に変えますよ・・・というようなこと書かれているのだとか。
意外な名作から、鉄道博物館らしい絵画 (挿絵?) まで。
いろんな 「鉄道×絵画」 が楽しめる展覧会です。
鉄道ファンが美術を見るきっかけに、
反対に、美術ファンが鉄道に興味を持つきっかけになるかも。
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