現在、LIXILギャラリーでは、ドイツ人建築家のブルーノ・タウトにスポットを当てた展覧会が開催されています。
ブルーノ・タウト (1880~1938) は、 「ガラスの家」(1914年)や、 「ジードルンク」(1929年)などで、
国際的な評価を得るも、台頭してきたナチス政権に睨まれ、身の危険から日本に亡命した人物です。
その日本滞在時代に、桂離宮を訪れ、
「泣きたくなるほど美しい印象だ!」
と大絶賛したのは、わりと有名な話。
日本美の再発見 増補改訳版 (岩波新書)/岩波書店
『日本美の再発見』 などの著書を通じて、
日本建築の美しさを世界にを伝えてくれています。
日本建築を広めてくれて、日本人としては、ありがたい限りですが。
国際的な建築家ならば、日本にブルーノ・タウト本人の建築をたくさん残して欲しかったところです。
しかし、亡命してきた立場ゆえ、日本ではほとんど建築の仕事に恵まれず。。。
その状況を、 “建築家の休日” と自ら称し、文筆活動に明け暮れていたのだそうです
そんな “建築家の休日” 時代のタウトが、
もう一つ力を入れていたのが、工芸品の開発と指導をすることでした。
自分の持てるデザインのノウハウを惜しみなく注ぎ、センスが光る工芸品を次々に生み出しています。
《竹の電気スタンド》 (再製作)や、
W430×D430×H550 所蔵:少林山達磨寺
《キャンドルスタンド》 は、そのほんの一部。
W390×D140×H360mm 所蔵:個人
とても、工芸が専門外だった人物がデザインしたものとは思えません。
特に強く印象に残ったのは、 《パイプ掛付き木製煙草入れ》 。
撮影/益永研司 所蔵/個人
機能的でありながら、オシャレで温かみもあって。
個人的に、タバコを吸う人は苦手なのですが、
この 《パイプ掛付き木製煙草入れ》 を使っているなら、たぶん許せる気がします (笑)
また、タウトがデザインした工芸品と併せて、タウト直筆のデザイン画も紹介されています。
《デザイン画「動物ぬいぐるみ」》 W274×H209mm 所蔵:個人
《デザイン画「「傘・ステッキ立て」》 W284×D220mm 所蔵:個人
デザイン画の時点で得も言われぬ温かみがあって、
これらを眺めているだけで、ほっこりした気分になりました。
外国人の方のニッポン愛が伝わると、妙に嬉しくなるのはなぜでしょう。
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ブルーノ・タウトの工芸-ニッポンに遺したデザイン-
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