先週末は、ふらっとメゾンエルメスへ。
…と言っても、買い物をするわけではなく。
素敵な商品には目もくれず、
エレベーターに乗って、メゾンエルメス8階フォーラムへ。
こちらでは、現在、
“望郷―TOKIORE(I)MIX” という美術展が開催中。
今最も注目される現代美術作家の一人・山口晃さんの新作個展です。
ちなみに、タイトルの 『TOKIORE(I)MIX』 とは、
トウキョウリミックス、トキヲリミックス、トキオリミックスの意味とのこと。
わかるようで、よくわかりませんが (笑)
言葉遊びであることは確かです。
遊んでいるのは、タイトルだけではありません。
美術展そのものも、遊びまくっています。
なにせ、会場に足を踏み入れるなり、目に飛び込んで来たのは・・・
© Nacása & Partners Inc. / Courtesy of Fondation d’entreprise Hermès
「電柱でござるw!」
こちらは、 《忘れじの電柱》 というれっきとしたアート作品です。
メゾンエルメスと電柱。
場違い感は否めません!
しかも、ただの電柱 (?) ではなく、
伝言番や男性用小便器などなど、それぞれに意外なオブジェが、ちょい足しされています。
新しいようで、ノスタルジックで、不思議な世界観。
建物に夕陽が射しこむ頃に観るのが、ベストだと思います。
さてさて、この電柱。
これまでのメゾンエルメスでの他の美術展を思い返すと、
もしくは、展示室の反対に行ってみると、山口晃さんの仕掛けに気が付くはずです。
きっとその時に、
「あぁ、電柱のようで電柱で無いのね (笑)」
と、膝を打つことでしょう。
いやぁ、やられました。
この他にも、新作が2点。
まずは、山口晃さんらしさ全開の 《Tokio山水(東京圖2012)》
“空から東京を見てみよう” とばかりに、俯瞰図で描いた東京全図。
でも、よ~く見ると、
今は無き建物や、今ある姿とは全く異なった建物など、驚きやユーモアがいっぱい。
ちなみに、横幅640cmもあり、山口晃さんのこのシリーズの中では最大のもの。
本当に観ていて飽きない一枚です。
そして、もう一つの新作が、 《正しい、しかし間違えている》 というインスタレーション。
一見、普通の応接室のような空間。
だが、入ってみると、何かがおかしい。。。
というか、その空間内を歩くたびに、妙な違和感を感じます。
その理由は、4行後(ネタバレを含むので、知りたくない方は、15行後へ)
↓
「あっ、部屋が傾いているんだ!」
ソファもテーブルもカレンダーも、
ちゃんと傾いた部屋に合わせて設置されています。
さらに芸が細かいのは、テーブル上のコップに入った水。
おそらく樹脂のようなもので固めることで、
傾いているのがバレないよう配慮されている徹底ぶり。
巨大な騙し絵という感じで、一度体験してみる価値はありです。
・・・あまり、山口晃さんっぽくはないですが (笑)
良い意味で、全然エルメスっぽくない美術展。
こういった現代アートにも理解を示すエルメスに、非常に好感を持ちました。
お金に余裕が生まれたら、今度、スカーフでも買います。
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望郷―TOKIORE(I)MIX
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