国宝ハンターin山形のロケ (?) が、予定していたよりも早く終わってしまったので。
その日の午後は、鶴岡から少し足を伸ばして酒田へ。
駅前の観光案内所の無料レンタサイクルを利用し、
かねてより一度訪問してみたかった美術館を目指します。
そこまで急流でもなかった最上川を横切り、
15分ほど自転車を走らせたところで、その美術館のある飯森山公園に到着しました。
そして、いよいよ憧れの美術館とご対面。
日本を代表する建築家・谷口吉生さんの傑作の一つと謳われる土門拳記念館です。
白鳥池越しのアングルから眺めた姿が美しすぎて、
なかなか美術館の中に入る気がしませんでした (笑)
外からの眺めを十分すぎるほどに堪能した後、ようやく土門拳記念館へ。
リアリズム写真を確立した写真界の巨匠・土門拳は、
酒田市の生まれで、酒田市の名誉市民第1号となっています。
その土門拳から全作品約7万点が酒田市に寄贈されたことで、1983年に土門拳記念館がオープンしました。
実は、土門拳記念館こそが、日本初の写真専門美術館。
個人の写真記念館としては、世界初になるのだそうです。
そんな記念すべき美術館だけあって、館の内外には、
土門拳の友人であった各界の著名人から寄せられたプレゼントがいっぱい。
例えば、入口正面を飾る銘板は、グラフィックデザイン界の巨匠・亀倉雄策からのプレゼント。
中庭にある彫刻は、イサム・ノグチからのプレゼント。
企画展示室Ⅱから臨む庭園は、華道草月流家元であった勅使河原宏からのプレゼントなのだそうです。
一流写真家・土門拳の写真
×一流芸術家たちからの豪華プレゼント
×一流建築家の建築
酒田まで足を伸ばす甲斐は大いにある贅沢な空間でした。
ちなみに、観シュランガイド的にも2ツ星ですが、
ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンでも2ツ星として格付けされているそうです。
ちなみに、現在、土門拳記念館では、
“古寺巡礼とっておきセレクション2 ―浄土と禅宗世界への憧れ―” が開催中。
土門拳のライフワークにして代表作である 『古寺巡礼』 から、
土門拳記念館が選ぶとっておきの作品ばかりを紹介している展覧会です。
《三十三間堂内陣 雷神像面相》 昭和49年撮影 土門拳記念館所蔵
《中尊寺金色堂内陣側面全景》 昭和36年撮影 土門拳記念館所蔵
大きく引き伸ばされた画面で観る 『古寺巡礼』 は格別。
圧倒的な凄味を感じました。
写真を観ているというよりも、自分の目でそれらの寺社の景色を見ているかのような感覚になりました。
訪れたことがある寺社の写真で、そのような感覚になるなら、まだ理解できるのですが。
訪れたことがない寺社の写真でも、あたかも自分がそこを訪れたことがあるような感覚になるから不思議です。
土門拳記念館を訪れるだけで、日本を代表する各地の寺社も訪れた気になれます。
一粒で何度も美味しい展覧会。
10位以内を目指して、ランキングに挑戦中!(現在11位)
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古寺巡礼とっておきセレクション2
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