今回ご紹介する美術展は、国立西洋美術館で開催中の・・・
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております)
“橋本コレクション 指輪 神々の時代から現代まで―時を超える輝き” です。
こちらは、指輪を中心とする宝飾品約870点からなる橋本貫志氏のコレクションが、
2012年に国立西洋美術館に寄贈されたのを記念して開催される国立西洋美術館初のジュエリー展。
橋本氏のコレクションの大多数を占める指輪の中から、約300点の指輪が紹介されています。
そんな橋本コレクションを通して、指輪の歴史を辿るところから、今回の美術展は始まります。
古代エジプトの指輪から、
ヴァンクリーフ&アーペル、カルティエ、ブルガリなど現代の指輪まで。
途中を大きく端折ってしまいましたが、
ルネサンス期やアール・デコ、アール・ヌーヴォーの指輪も、もちろん展示されています。
ジョルジュ・フーケ 《真珠とエナメルの花》
1900年頃 真珠、ダイヤモンド、エナメル、金 国立西洋美術館橋本コレクション Photo:上野則宏
ルネ・ラリック 《真珠と葉のプリカルージュ》
1900年頃 真珠、ダイヤモンド、エナメル、金 国立西洋美術館橋本コレクション Photo:上野則宏
とても個人コレクションとは思えないほどの充実ぶり。
指輪図鑑を現実化させたかのような印象を受けました。
この最初のコーナーだけで、橋本コレクションがいかにスゴいコレクションなのか実感させられます。
さてさて、ここまでは、ただの (?) ジュエリー展。
ここからは、国立西洋美術館ならではのジュエリー展に仕上がっていました。
ユピテル (ジュピター) をモチーフにした指輪と版画作品を併せて展示してみたり。
キリストに関連する指輪たちとエル・グレコの 《十字架のキリスト》 を並べて展示してみたり。
はたまた、ダンテ・ガブリエル・ロセッティの 《愛の杯》 をはじめ、指輪が描かれた美術作品を展示してみたり。
1867年 油彩、板 国立西洋美術館
国立西洋美術館の美術コレクションとコラボさせ、
これまでにない角度から歴史的なジュエリーを紹介していました。
また、さらには、神戸ファッション美術館が所蔵するドレスとコラボしたコーナーも。
思わずハッとしてしまうほどラグジュアリーな空間でした。
ジュエリー×ドレス×西洋美術。
会場のどこを見ても、画力がスゴかったです。
ただ指輪を紹介するだけの美術展と思っていましたが、いい意味で大きく裏切られました。
ジュエリーに興味が無い人 (特に男性) でも、十分に楽しめる美術展です。
ちなみに、数多く展示されていた指輪の中で、
男子的に一番印象に残ったのは、写真右下の指輪です。
こちらは、1950年代にロシアのスパイが使っていたというカメラ付の指輪。
007の世界にしかなさそうなアイテムが、
現実世界に存在していたことに、ただただ驚きです。
そして、それがコレクターの手に渡っていることも・・・(笑)
この指輪を手放してしまったロシアのスパイは、きっと二流のスパイ。
それから、こちらの数点の指輪も印象的でした。
これらは、ポイズンリングと呼ばれるもので、
いざという時に、この指輪の中に隠しておいた毒で自殺するのだとか。
結婚から死まで。
指輪には、いろんなドラマがあるようです。
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橋本コレクション 指輪 神々の時代から現代まで
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