浅草ケンチクカーニバル ～浅草編～

大東京お笑い建築ツアー・・・改め、みんなの大東京建築ツアーの行程を、
誰にでも楽しんで頂けるように、 『もしもの日曜日の建築ツアー』 として提案する企画。

「もしも建築ツアーズ
　～the architecture tour makes your Sunday Happy～」


今回の舞台は、東京屈指の観光地・浅草です。
浅草寺に、花やしきに、東京スカイツリーに。
きっと誰しもが一度は、浅草観光をしたことがあるはずです。
が、そんな街でありながら、建築観賞を楽しむ人は、そういないのではないでしょうか？
というわけで、今回は、浅草寺も、花やしきも、東京スカイツリーも訪れない浅草ツアーをお届けいたします。

０１　善照寺/白井晟一
東京都台東区西浅草1-4-15



　 　


ここに注目！
　○白井晟一の最高傑作と評されている寺院建築
　○まるで回廊が宙を浮いているかのような表現
　○階段の側面を荒々しい割り肌に仕上げている

[とに～の呟き]
「よくよく考えたら、お寺としては、なんかヘンな形なのですが。
　佇まいに風格があるので、お寺を前にするとヘンだとは思えません。
　むしろ、この形こそがお寺であるかのような妙な説得力がありました。」



０２　威光院/竹山聖
東京都台東区寿2-6-8




ここに注目！
　○竹山聖氏によってコンクリート造りのモダンな寺院建築にリニューアル
　○一般的な寺院の屋根の反りとは逆の反り方をしている

[とに～の呟き]
「善照寺と比べると、かなりヘンです。
　ヘンはヘンなのですが、これはこれでありと思えるカッコいいヘンさです。
　本堂のサイドに 『心洗』 の文字がありましたが・・・あれです。心は洗われないです」



０３　AEM/ヨコミゾマコト
東京都台東区

　　


ここに注目！
　○全11部屋からなる集合住宅
　○4階5階はメゾネット
　○道路面を壁でなくガラスにすることで、ギリギリまで部屋の広さを確保している

[とに～の呟き]
「居住スペースは立地条件上、なかなか狭そうですが。
　その狭さの中で最大限の広さを実現しているそうです。
　広い部屋に住みたいなら、他のところに住めばいいのに。そう思ってしまった僕の心は狭い。」



０４　岡建工事本社ビル/長坂大
東京都台東区東駒形1-5-9

　　


ここに注目！
　○下町の路地の感覚を打ち放しコンクリートを用いて空中に表現したビル
　○ビルの中心部には大きな桧がそびえ立つ
　○屋上は隅田川の花火を真正面に見るという立地条件を生かし階段観覧席に

[とに～の呟き]
「主に関西で活躍されている長坂大さんの東京での衝撃物件。
　インパクト大。」



０５　DECO[都市住宅1991]/横河健
東京都墨田区東駒形1




ここに注目！
　○個人住宅とオフィスとが一緒になっている
　○宙に浮いているかのようなガラスのスペースが最大の見せ場

[とに～の呟き]
「“都市住宅1991” というサブタイトル （？） が気になります。
　超どうでもいいですが、 『夏の日の1993』 を思わず連想。」



０６　東京メトロ浅草駅上屋/今井兼次
東京都台東区雷門2-20

　　


ここに注目！
　○日本初の地下鉄の上屋として設計され、現在も使われている
　○寺社をイメージさせる和風の上屋
　○『地下鉄出入口』 という文字が図案化された鉄製の格子飾り

[とに～の呟き]
「浅草＝お寺というイメージがあまりにストレートすぎて、最近建てられたものかと思っていました。
　歴史があるのに、なんか安っぽい （笑）」



０７　東武ビルディング/久野節
東京都台東区浅草1-1-16




ここに注目！
　○当時流行したネオ・ルネサンス (近世復興) 様式で建てられたアール・デコ建築
　○2階の駅部分にはアーチ形の大窓が17個連続して並んでいる

[とに～の呟き]
「細長っ！
　なのに、ダサくない。むしろ品がある気がします。
　ちょっと電車にも見えなくない。」



０８　浅草寺子院/岡田信一郎
東京都台東区浅草2-31

　　


ここに注目！
　○関東大震災後に区画整理で集められた21の浅草寺支院をまとめて岡田信一郎が設計
　○緑色の瓦屋根を付けた和風デザインで外観を統一

[とに～の呟き]
「支院が新興住宅地みたくなっていることに驚き。
　こんな一角が浅草寺の裏手にあったのですね。
　ちょっとずつ設計が違うので、見比べてみると楽しいです。」


浅草から東武スカイツリーラインに乗って曳舟へ
　

０９　すみだ生涯学習センター/長谷川逸子
東京都墨田区東向島2-38-7



　　


ここに注目！
　○公民館、文化ホール、情報センターの機能を独立して管理しやすいように別棟で計画
　○それぞれの棟がブリッジで繋がれている
　○建物全体を半透明の外皮 （＝サーカステント） で囲んでいる

[とに～の呟き]
「建築ツアーのラストに相応しい大物。
　良くも悪くも、ワケがわからない建物でした （笑）
　この建築が何を表しているのかを、生涯かけて学習していこうと思います」


これにて浅草編は終了。
個性豊かな建築が多く、雑多で賑やかな印象でした。


ちなみに。
今回の浅草編の建築ツアーでは、上に紹介した建築以外にも。
自転車建築ツアー、東京鬼門編で既出の以下の建築も訪れています。

　・日本堤消防署二天門出張所/難波和彦
　・浅草文化観光センター/隈研吾
　・タイガービル
　・浅草聖ヨハネ教会




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