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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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江戸へようこそ!浮世絵に描かれた子どもたち

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千葉市美術館で開催中の “江戸へようこそ!浮世絵に描かれた子どもたち” に行ってきました。
こちらは、公文教育研究会所蔵のコレクションを中心に、
前後期合わせて約300点の ‘子ども浮世絵’ を紹介する展覧会です。


一口に ‘子ども浮世絵’ と言っても、そのスタイルはさまざま。
子どもの元気な姿が描かれている浮世絵や、

正一位三囲稲荷大明神  勝川春章 《正一位三囲稲荷大明神》


母と子の愛情あふれる情景を描いた浮世絵だけでなく、

江戸自慢 洲崎  歌川国貞 《江戸自慢 洲崎廿六夜》


江戸の子どもたちが遊んだおもちゃ絵も展示されていました。

此中はおもしろきもの  歌川芳藤 《此中はおもしろきもの》


このおもちゃ絵は、今でいう雑誌の付録のようなもの。
ハサミで切ったり、紙を折ったりして楽しむものです。
ためしに、上のおもちゃ絵の一部で遊んでみましょう。

おもちゃ絵


こちらは、千葉市美術館が用意してくれた上のおもちゃ絵の一部分。
左から、するめ、ふで、とうなす (かぼちゃ) とありますが、どう見ても言葉と絵が合っていません。
そこで、絵の両サイドを折ってみましょう。




すると、この通り。

はてさて


江戸時代の子どもたちも楽しんだことでしょうが。
平成時代の大人でも楽しめてしまいました (笑)


展覧会には、実にさまざまな ‘子ども浮世絵’ が展示されていましたが。
特に印象的だったのは、イタズラをする子どもの姿を描いた浮世絵の数々です。
昔も今も、子どもは変わらないのだなァと、しみじみ思いました。

当世好物  喜多川歌麿 《当世好物八景 さわき好》


寺子屋遊び  歌川広重 《寺子屋遊び》


昔も今も変わらないと言えば、 《風流てらこ吉書はじめけいこの図》 も印象的でした。

寺子屋


描かれているのは、寺子屋の光景。
現代で言うところの、公文式の光景です。
やっぱり、江戸の子どもたちも、 「やっててよかった」 と思っていたのでしょうか。

寺子屋? ←寺子屋のロゴ [とに~の想像による]


‘子ども浮世絵’ のバリエーション (?) として、
桃太郎や金太郎など、子どもが好きなお話を題材にした浮世絵の数々も紹介されていました。
そのセクションの中で特に印象に残ったのが、こちら↓

昔話


歌川重宣による 《昔ばなし一覧図絵会》 です。
お馴染みの昔話の数々が、一枚の絵の中にまとめて描かれています。
どの絵がどの昔話なのかを考えながら観ると楽しい一枚でした。
しかし、ふと思ったのですが、江戸時代ですでに昔話は昔話だったのですね。
僕らが考えている以上に (?) 、昔話はだいぶ昔の話のようです。


ちなみに。
こちらの展覧会は、子どもをテーマにした展覧会ということで。
高校生以下のお子様とご一緒に展覧会に行くと、
なんと保護者2名まで入館料が500円になるという破格のサービスがあるそうです。
「こどもといっしょにどこいこう。」 と悩んでいる皆様、この夏は千葉市美術館がオススメです。
星星




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