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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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第八十三話 国宝ハンター、聴講する!

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前回までのあらすじ~
 誰が全ての国宝を観ても一緒や、誰が全ての国宝を観ても・・・
 ずっと国宝ハンターしてきたんですわ!命がけで!
 この日本にある国宝を!すべて観たい!その一心で!!
 縁もゆかりもない鶴岡市で、やっと594件目の国宝を観たんですぅ!!!
 (注:国宝ハンターは、本当に出張しております)



国宝ハンターを始めてから、丸3年。
いよいよ4年目に突入しました。
折り返し地点は過ぎたとは言え、このペースでは、あと3年はかかりそうです。
まだまだゴールは遠いです。

少なくとも月に1件は観ておかないと・・・というわけで。
最寄駅から普通列車に揺られること2時間半。

宇都宮


宇都宮にやってきました。
しかし、ここでは下車せず (餃子も食べず) 、さらに北上して、那須塩原駅へ。

那須塩原


で、ここから大田原市営バスに乗って、黒羽という地区まで。

黒羽


さらにさらに、黒羽のバス停から、一回り小さな大田原市営バスに乗り換えて、

バス


ようやく今回の目的地に到着。
片道約5時間という長い長い道のりでした。

笠石神社


こちらは、笠石神社。
神社なのに、何やら厳重体制が敷かれています。

厳重


と言いますのも、なんと、こちらの笠石神社の御神体が国宝なのです。
御神体 (=国宝) を拝観希望する方は、社務所まで。

拝観


ということで、社務所へ。
と、そこには、謎の光景が広がっていました!!

社務所


なぜか、病院の待合室みたいになっています。
戸惑いながらも、拝観したい旨を告げて、拝観料の500円を収めました。
すると、宮司さんから、

「帰りは何時のバスに乗るの?」

と、いきなりの質問。
バスが一日に4本しかないのは、バス停を降りた時に調べておいたので、

バス


「1時間半後のバスに乗って帰ります」

と答えました。

「じゃあ、長くならないように済ますね」

「???」


これから、一体何が始まるのか。
立ち尽くしていると、椅子に座るよう勧められました。
そして、 「暑いし、蚊がいるから」 とうちわを手渡されました。

で、始まったのです。
宮司さんによる国宝の講義が。


時計聴講すること、約20分時計


今回の国宝についていろいろなことがわかりました。 (まだ実物は観ていないのに)
まとめると、以下の通りです。

 ・那須国造であった那須直韋提 (なすのあたいいで) の遺徳を讃えるために建立された石碑
 ・多賀城碑、多胡碑と並ぶ日本三大古碑の1つである
 ・700年に建立されて以来、ずっとこの地に野ざらしで置かれていた
 ・この石碑の重要性を知った水戸光圀が佐々木三郎宗淳 (助さん) に命じてお堂を作らせた
   ⇒石碑を御神体とする笠石神社の起源
 ・書道史上最重要とされる国宝の一つであり、かつ歴史資料としても一級品
   ⇒国宝史上唯一 (?) 、書跡・典籍から古文書へとジャンルチェンジ
 ・全152文字の中で歴史資料として最も大切な一字は、 『評』

石碑  評


では、よ~~~く国宝について学んだところで、
いよいよ 《那須国造碑》(ジャンル:古文書) とご対面。

対面


御神体だけあって、写真撮影は禁止でした。
しかし、禁止されずとも、写真撮影を自粛させるような神々しいオーラが出ていました。
さすが御神体。
とにかく、1300年以上前に石に刻まれた文字とは思えないくらいに、凛とした文字でした。
書道史上最重要とされる文字というのも納得です。

いやぁ、片道5時間かけて観に来た甲斐がありました♪

しかし、その後、当然のことながら、片道5時間かけて帰ることになりました。


今現在の国宝ハンティング数 595/1090




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