現在、武蔵野市立吉祥寺美術館では、
“加藤まさをの乙女デザイン展 華やかなる大正抒情画家たち~夢二、かいち、華宵、春佳~” が開催中。
こちらは、ロマンチックな乙女世界を描き、
大正から昭和初期にかけて爆発的な人気を博した加藤まさををフィーチャーした美術展です。
もし、加藤まさをの名を知らずとも、彼が作詞した童謡は一度は耳にしたことがあるはず。
実は、 「月の沙漠」 は、加藤まさをが 『少女倶楽部』 に発表した詩と挿画に、
作曲家の佐々木すぐるがメロディをつけ、童謡として有名になったものなのだそうです。
今回の展覧会を通じて初めて加藤まさをの作品世界に触れたのですが。
その作品が醸し出すイメージは、 「月の沙漠」 が醸し出すイメージに通ずるものがありました。
《花の心Ⅱ「白さうび」》 (部分・上方屋平和堂絵はがき) 山田俊幸蔵
《花の心Ⅰ「風蘭」》 (上方屋平和堂絵はがき) 個人蔵
《人形のロマンス 第3集「ひとりぽっち」》 (上方屋平和堂絵はがき)
藤枝市郷土博物館・文学館蔵
目の前に作品があるのにも関わらず、実体は、どこか遠くの世界にあるかのような。
なんというか、どこか精神的な距離感を覚えるのです。
カワイイことは、もちろんカワイイのですが。
どこか影のある可愛さと言いましょうか。
『花子とアン』 でいうと (?) 、蓮さまのような印象です。
今回の展覧会には、そんな加藤まさを中心に、
竹久夢二、中原淳一といった大正・昭和初期の抒情画家たちの作品が約190点も展示されていました。
これで、入場料100円とは驚く限り。
大正ロマンの世界が好きな方なら、絶対に見逃せない展覧会です。
ちなみに。
加藤まさをの展覧会でありながら、個人的には、
大正・昭和初期の抒情画家たちの一人として紹介されていた小林かいちの作品にハマってしまいました。
《二号街の女》 (さくら井屋絵はがき)をはじめ、
伊香保 保科美術館蔵
どの作品も、驚くほどにデザインのセンスがキレキレでした。
加藤まさをや他の画家の作品は、
“乙女デザイン” と展覧会タイトルにあるように、確かに少女に愛される作品である気がします。
でも、小林かいちの作品は、少女に限らず、老若男女誰が見ても目を奪われるのではないでしょうか。
なんなら (?) 、世界にも通用する気がします。
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加藤まさをの乙女デザイン展 華やかなる大正抒情画家たち
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