国立新美術館で開催中の “魅惑のコスチューム:バレエ・リュス展” に行ってきました。
天才興行師セルゲイ・ディアギレフが主催した伝説のバレエ団バレエ・リュスに焦点を当てた展覧会です。
展示のメインとなるのは、バレエ・リュスの映像というわけではなく、
オーストラリア国立美術館が所蔵するバレエ・リュスのコスチュームコレクション。
その数、なんと約145点です!
バレエには、あまり・・・というか、ほとんど興味が無いので、
“バレエの衣装ばかり展示されてもなァ。”
と、あまり・・・というか、ほとんど気乗りしていなかったのですが。
会場に足を踏み入れると、
そこには、思わず息を呑んでしまう光景が!!!
シンプルにバレエの衣装がガラスケースに整然と並べられて展示されているのかと思いきや。
まるで舞台のような広い展示空間に、
まるで役者のようにバレエ・リュスの演目を彩ったコスチュームが展示されています。
(↑言葉で説明するのが、非常に難しい)
照明もかなり凝っていて、あたかも自分が舞台の上に立っているかのような錯覚を覚えました。
会場演出ということだけで言えば、これまで国立新美術館で開催された展覧会の中で間違いなくNo.1!
華のある展覧会です。
もちろん会場の雰囲気だけが素晴らしかったわけでなく。
バレエ・リュスのコスチュームが、本当に素晴らしかったです。
レオン・バクスト 《「青神」の衣装 (《青神》より)》
1912年頃 オーストラリア国立美術館
アレクサンドル・ゴロヴィン、レオン・バクスト 《「不死身のカスチェイの従者」の衣裳(《火の鳥》より)》
1910年 オーストラリア国立美術館
舞台衣装なので、離れた状態で観ても、十分に華やかなのですが。
近づいて観てみると、細かい表情が伝わって、より華やかな印象を受けました。
どの衣装も、実に細部に至るまでデザインされ尽くされており、観ていて飽きることがありません。
これまでに、さまざまなファッションをテーマにした展覧会を観賞してきましたが、
こんなにも、一つ一つの衣装を食い入るように観賞してしまった展覧会は初めてである気がします。
バレエに興味のない僕ですら、この状態なので、
バレエや演劇に興味のある人なら、もっと惹き込まれることでしょう。
また、アートテラーとして特に興味を惹かれたのは、
ジョルジュ・デ・キリコやアンリ・マティスら芸術家たちがデザインした舞台衣装も展示されていたこと。
フアン・グリス 《「伯爵夫人」の衣裳(《女羊飼いの誘惑》より)》
1924年頃 オーストラリア国立美術館
彼らの手がけたコスチュームは、まさに着る絵画。
“ファッションとしてはいかがなものか (苦笑)” というものもありましたが、
それも含めて、興味深かったです。
ちなみに。
今回展示されていた数々のコスチュームの中で、
もっとも印象に残ったのが、こちらの衣装です↓
ナタリヤ・ゴンチャーロワ 《「イカ」の衣装(《サドコ》より)》
1924年頃 オーストラリア国立美術館
イカという題材を、ここまでスタイリッシュに変貌させる造形力に脱帽しました。
これなら、ギリギリ普段使いできそうです。
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魅惑のコスチューム:バレエ・リュス展
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