昨年、鳴り物入りでオープンし、美術界に旋風を巻き起こした岡田美術館。
約1年ぶりに、訪れてまいりました。
昨年の段階では、まだ無かったミュージアムショップや、
昭和初期の日本家屋を改装したカフェ・開化亭がオープンしていたり、
庭園の整備が進んでいたり、
ますます進化を遂げていた岡田美術館。
ますます目が離せないことになっていました。
そんな岡田美術館が、先日、めでたく1周年の日を迎えることになりました (←おめでとうございます!)
そこで、1周年目の記念日である10月4日より、
開館1周年を記念して、 “大観・春草・御舟と日本美術院の画家たち” が開催されています。
こちらは、今年2014年で、めでたく100周年を迎える再興日本美術院にちなみ、
橋本雅邦や川合玉堂といった日本美術院にゆかりにある日本画家たちの作品を紹介する美術展です。
日本美術院のドン・横山大観の 《霊峰一文字》 (縦約1m、長さ約9mの超大作!) をはじめ、
横山大観 《霊峰一文字》 大正15年 (1926) 岡田美術館所蔵
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております)
大観のライバルでもあり、昨年開催された回顧展が好評であった下村観山の名品の数々や、
東京国立近代美術館で、大回顧展が絶賛開催中の菱田春草の名品の数々、
さらには、小林古径の名品に、
日本美術院の画家たちによる金屏風作品などが展示され、
見どころ満載の美術展でした。
いや、というよりも、見どころしかない美術展でした。
これだけレベルの高い作品を、よくぞこの展覧会のために集めてきたものです!
・・・と思ったら、すべて岡田美術館のコレクションとのこと。
これだけレベルの高い作品を、よくぞ買い集めたものです!!
さてさて、そんな見どころしかない美術展の最大の目玉作品が、こちら。
速水御舟 《木蓮(春園麗華)》 大正15年 (1926) 岡田美術館所蔵
岡田美術館の新所蔵品である速水御舟の 《木蓮(春園麗華)》 です。
山種美術館が所蔵する御舟の最高傑作 《炎舞》 とともに、
大正15年に行われた御舟最初の個展に、会心の作の1点として出展された作品なのだとか。
ちなみに、この 《木蓮(春園麗華)》 が、一般に公開されるのは、実に34年ぶり。
昭和55年に京都国立近代美術館で展示されて以来、公開されたという記録はありません。
御舟の幻の作品であったと言っても過言ではありません。
「好きな近代日本画は?」 と聞かれれば、 「《炎舞》 !」 と即答する僕。
当然、 《木蓮(春園麗華)》 を目にすることが、今回の訪問の一番の目的でした。
《木蓮(春園麗華)》 を観賞したその率直な感想は、
「スゴいもの観ちゃった・・・」
の一言に尽きます。
ただ木蓮が描かれているだけの絵なのですが。
ただ木蓮が描かれているだけの絵とは思えないほどの感動がありました。
描かれた木蓮から放たれる生命感が、あまりにも圧倒的。
これほどまでに存在感のある植物の絵を、僕は他に知りません。
しかも、墨一色で描かれていると頭ではわかっているのに、
花が紫色に、葉が緑色に感じられて仕方ありませんでした。
あまりにも色の鮮やかさを感じるので、ついに自分の目にガタが来たのかと心配になってしまったほど (笑)
驚異のモノクローム絵画です。
この絵を観るためだけに、岡田美術館に行く価値は大いにあり。
もちろん企画展に出展されている他の作品も、観に行く価値あり。
さらに、常設展の作品だって、観に行くだけの価値は十分にあります。
3つ星を付ける以外の選択肢が思いつきません (笑)
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大観・春草・御舟と日本美術院の画家たち
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