最近、何かと話題なので、改めて言う必要もないとは思いますが。
今年12月で東京駅は、開業100周年を迎えました。
そこで、そんな東京駅の駅舎内にある東京ステーションギャラリーでは、
東京駅開業100年を記念して、 “東京駅100年の記憶” という展覧会が開催されています。
近代建築史だけでなく、絵画や文学など、さまざまな視点で東京駅の100年に迫った展覧会です。
展覧会のプロローグは、東京駅を設計した ‘建築界の帝王’ こと辰野金吾の紹介から。
辰野金吾の肖像画とともに、このような絵が展示されていました。
後藤慶二 《辰野金吾博士 作品集成絵図》 1916年 辰野家蔵
こちらは、弟子たちが辰野金吾に贈ったという絵画です。
描かれているのは日本銀行本館や東京帝国大学工科大学など、辰野健吾が設計した45の建築。
もちろん東京駅もバッチリ描かれています。
実際には、これらの建築は日本全国に散らばって点在していたわけですが。
これほどの数の建築を (ここに描かれていない建築も多数あり) 手がけた辰野健吾の活躍ぶりが伺えます。
そんな東京駅が竣工した当時の丸の内地区のジオラマが、会場に展示されていました。
鹿児島大学 鰺坂/増留研究室+有志 《1914年の丸の内(ジオラマ)》
驚くほど何も無いです。
東京駅と今の三菱一号館美術館周辺に当たる 「三菱村」 くらいしか建物はありません。
しかし、東海道新幹線が開通した1964年になると、このように。
京都工芸繊維大学 木村/松隅研究室+有志 《1964年の丸の内(ジオラマ)》
さらに、開業から100年目の2014年になると、このように。
日本大学生産工学部 廣田研究室 亀井/渡辺研究室 《2014年の丸の内(ジオラマ)》
丸の内地区は、 『シムシティ』 のごとく発展を遂げていました。
これらの3パターンのジオラマは、細部まで丁寧に作られているので、建築が好きな人にはたまらないでしょう。
さらに、建築模型と言えば、天井から吊り下げられたこのような模型も。
田中圭介+昭和女子大学 環境デザイン学科 田村研究室 《東京駅体模型2014》
こちらは、東京駅の地下構造の模型。
模型で観ても、東京駅の地下が、いかに広大なのかがわかります。
山手線から京葉線の乗り換えが、どれだけ大変か。
前半部は、建築という視点から東京駅が紹介されていましたが。
後半部は、東京駅を題材にした絵画作品や、
《東京名所 東京停車場之前景》 1920年 東京ステーションギャラリー蔵
東京駅が登場する文学作品の一節、東京駅に関する新聞記事、
さらには、東京駅が描かれた漫画の1シーンなどを展示しながら、
坂本眞一 《『孤高の人』より(原画)》 2010年 作家蔵
©坂本眞一/集英社
文化的なアイコンとしての東京駅が紹介されていました。
美術では松本竣介や、
松本竣介 《駅の裏》 1942年 三重県立美術館蔵
恩地孝四郎をはじめ多くの画家の作品で、
恩地孝四郎 《東京駅》 〈新東京百景〉より
1931年 東京都現代美術館蔵
文学では川端康成や志賀直哉、江戸川乱歩など多くの文豪の小説で、
東京駅は東京を象徴するアイコンとして描かれていました。
普段、当たり前のように利用している東京駅。
その見え方が、ちょっと変わる展覧会でした。
これからも東京のアイコンであり続けて欲しいものです。
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東京駅100年の記憶
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