今回ご紹介する美術展は、太田記念美術館で開催中の “新春太田コレクション展” です。
今では全くピンと来ませんが・・・。
江戸時代は初日の出の名所として人気だったという洲崎 (現・江東区東陽一丁目) を描いた浮世絵や、 歌川広重 《江戸名所 洲崎はつ日の出》
これまた、今では全くピンと来ませんが・・・。
霞が関で凧上げを楽しむ人々の姿を描いた浮世絵のように、 歌川広重 《名所江戸百景 霞かせき》
お正月らしい浮世絵も展示されているには展示されていましたが。
全体としては、 「江戸の名所と美人たち」 がテーマのため、
花見や花火の風景、秋景色を描いた浮世絵なども展示されていました。
特にお正月気分が味わえるというわけではなかったです (笑)
そんな “新春太田コレクション展” の展示の目玉となるのが、鳥山石燕の 《鶏図》 。
あの水木しげるに影響を与えたといわれる妖怪絵師・鳥山石燕の貴重な肉筆画です。
実は、こちらの2幅の 《鶏図》 には、生き別れの兄弟が。
もともとは3幅で一対の 《鶏図》 だったとのこと。
センターを飾る 《鶏図》 が、行方不明だったのです。
そこで、太田記念美術館のスタッフが一生懸命、一生懸命捜しました。
そして、3幅目の 《鶏図》 、見つかりましたよ。 (←バラ珍風)
というわけで、初めて3幅が揃った状態で 《鶏図》 が公開されています。
しかし、まぁ、新たに加わった3幅目の 《鶏図》 は、どこか妖気じみている気がしました。
さすが妖怪絵師です。
今回紹介されていた作品の中で、個人的に興味深かったのは、江戸時代の暦。
いくつか展示されていましたが、どれもちんぷんかんぷん。
僕らが慣れ親しんでるカレンダーとは、全く異なるものでした。
例えば、こんな感じです。
パッと見、何がどう暦なのかわかりません。
よく目を凝らすと、牛の模様の中に、漢数字を見つけることが出来ます。
この暦の場合、その数字が大の月を表しているそうです。
今では、大の月と小の月は、毎年普遍ですが。
江戸時代は、大の月 (=30日) と小の月 (=29日) が、年ごとに異なっていたそうで。
その年の大小の月の並び方を、暦で知る必要があったのだそうです。
シンプルな暦も当然あったようなのですが、
徐々に技巧を凝らした暦も作られていくようになっていったとのこと。
結果、今の僕らが見ると、超難問クイズのような暦が数多く存在することになりました。
展覧会には、そんな江戸時代の暦が何点も展示されていますので、
クイズやパズルに自信がある方は、チャレンジしてみてはいかがでしょう。
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新春太田コレクション展
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