現在、根津美術館では、 “動物礼讃 大英博物館から双羊尊がやってきた!” が開催されています。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております)
こちらは、 「仏教絵画に描かれた動物」 や、
「画題になった動物」 など、
4つのテーマに分けて、動物をモチーフにした絵画や工芸品を約70点ほど紹介している展覧会です。
展示の目玉は何と言っても、根津美術館のマスコット的存在 《双羊尊》 。
重要文化財 中国・おそらく湖南省 紀元前13~11世紀 根津美術館蔵
羊が2体ドッキングしたスタイルの中国の青銅器は、
なんと世界でたった2点しか確認されていない貴重なものなのだとか。
そのもう1点は大英博物館に所蔵されています。
そんな大英博物館所蔵の 《双羊尊》 が、今回の展覧会のためだけに初来日!
中国・おそらく湖南省 紀元前13~11世紀 大英博物館蔵
史上初の 《双羊尊》 の共演が実現しているのです!!
パッと見は、よく似ている2点の 《双羊尊》 ですが。
改めて、よくよく見比べてみると、意外と違いがあるのがわかります。
<根津美術館所蔵> <大英博物館所蔵>
顔からして全く違います。
根津美術館所蔵の 《双羊尊》 は面長で、
大英博物館所蔵の 《双羊尊》 にはあごひげがありました。
2点の 《双羊尊》 に、なぜ違いがあるのか。
時代によるものなのか、はたまた制作された地域によるものなのか、現在のところ正解は出ていないようです。
アートテラーの説としては (←何の根拠もありませんがw) 、
根津美術館所蔵の 《双羊尊》 はメスで、大英博物館所蔵の 《双羊尊》 はオス。
果たして、真相やいかに。
と、この 《双羊尊》 の共演を、さらに盛り上げるべく、
国内屈指の青銅器コレクションを誇る京都の泉屋博古館の名品の数々も出展されていました。
中央で大の字になった蛙が愛らしい 《蛙蛇文盤》 や、
中国・春秋時代 紀元前7世紀 泉屋博古館蔵
今にも抱きかかえた人を食べようとする姿が、 『進撃の巨人』 チックな 《虎卣》 、
重要美術品 中国・西周時代 紀元前11世紀 泉屋博古館蔵
どう見てもロディにしか見えない 《犠尊》 と 《小犠尊》 など、
中国・北宋時代 紀元前10-11世紀 泉屋博古館蔵
どの作品も、いちいち面白かったです。
古代の中国人の造形力とオリジナリティの高さに脱帽しっぱなしでした。
ちなみに、そんな数々の青銅器コレクションの中で、もっとも衝撃的だったのが、 《嵌玉一角獣形鎮子》 です。
金やルビー、ラピスラズリ、真珠などを象嵌した超ゴージャスな青銅器なのですが・・・。
中国・前漢時代 紀元前2世紀 泉屋博古館蔵
「どうしてこうなった?!」 というくらいに、気味が悪い姿に仕上がっています (笑)
最後に、展示室2にて 「生活を彩る動物」 というテーマで展示されていた作品の中から、
《双羊尊》 に次ぐ根津美術館のマスコット的存在になりそうな作品をご紹介いたしましょう。
日本・江戸時代 17世紀 根津美術館蔵
狩野山雪筆 《松梟竹鶴図》 に描かれているフクロウ君です。
ラブリーにもほどがあります。
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動物礼讃 大英博物館から双羊尊がやってきた!
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