東京都現代美術館で開催中の “菅 木志雄 置かれた潜在性” に行ってまいりました。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております)
こちらは、 「もの派」 の中心メンバーの一人である菅木志雄さん (1944~) の個展です。
「もの派」 とは、1960年代後半から70年代初頭にかけて台頭した日本美術界の一大ムーブメントです。
それまでの日本の前衛美術の主流であった反芸術的な作家に対し、
「もの派」 の作家は、石や木、鉄板などの素材を単体であったり組み合わせたり、
シンプルに 「もの」 そのものを見せる作品を制作しました。
料理に例えるならば、それまでの日本の前衛美術が、
これでもかというくらいにコッテリした味付けの料理であるのに対し、
「もの派」 は、素材の持ち味を引き出すために、あえて塩だけで味付けしたようなシンプルな料理。
「もの派」 を代表する関根伸夫さんや李禹煥さんの作品は、
あまりにシンプルで、もはや粗食に近い印象さえ受けるのですが。
菅木志雄さんの作品は、シンプルはシンプルでも・・・
《依存差》 1973年/2015年
《多分律》 1975年/2015年
ダイナミックさがあります。
またまた料理に例えるならば、
肉の塊をドーンと塩焼きにしてみたとか、キャベツを丸のままオーブンで焼いてみたとか、
そんな感じではないでしょうか。
菅さんの作品は、他の 「もの派」 の作家の作品と比べて、1点1点がとてもヘビー。
シンプルな見た目とは裏腹に、臓器にズシンと来ます。
僕の中で一番ズシンと来た作品は、 《捨置状況》 。
菅木志雄 《捨置状況》
1972/2013年 Collection: GLENSTONE 撮影:佐藤毅
巨大な空間にワイヤーが張り巡らされ、木片が宙を舞っています。
それだけと言えば、それだけなのですが。
『それだけ』 の一言で片づけられない絶対的な存在感がありました。
そして、 こちらの作品も、シンプルながらインパクトは絶大。
《位況》 1973年/2015年
人生で初めて、木の枝に脅威を感じました (笑)
また、 こちらの作品に関しては、ダイナミックさが過ぎて、展示室を飛び出していました。
《継周》 2015年
《継周》 は、外に出て観賞することも可能です。
仲間からはぐれた (?) 一個が、妙にいじらしく感じられました。
ちなみに、展示のラストには、 《ProtrusionHZ-87》 をはじめとする、
菅木志雄 《Protrusion HZ-87》 1987年 東京都現代美術館寄託
小品が1部屋にズラリと並べられていました。
・・・・・・って、普通に考えたら、小品というほどでも無いですね。
菅さんのダイナミックな作品を観すぎて、感覚がバカになっている自分がいました (汗)
つまり、感覚が揺さぶられる展覧会です。
たぶん、そういうことです。
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菅 木志雄 置かれた潜在性
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