今回ご紹介する展覧会は、
東京都現代美術館で開催中の “未見の星座〈コンステレーション 〉 -つながり/発見のプラクティス” 。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております)
夜空でバラバラに輝く星を自在に繋ぎ合わせて星座 (=コンステレーション) を創造するように、
世界にばらまかれた点と点の 「つながり」 を発見し、作品に昇華させる7人のアーティストを紹介した展覧会です。
どのアーティストの作品も、それぞれに 「つながり」 を感じさせて、興味深いものがありましたが。
個人的に作家本人と 「つながり」 があることもあって、
志村信裕さんの 《Dress》 という映像インスタレーション作品が、一番印象に残りました。
志村信裕 《Dress》 2012年
映像インスタレーション作品ではあるものの、
映像が映し出されるモニターはおろか、映像が投影される白いスクリーンがありません。
一瞬、 「えっ?どこが映像インスタレーション??」 と戸惑ってしまうこと請け合いです。
実は、こちらの作品は、天井から吊るされた無数のリボンに、
志村信裕 《Dress》 2012/2015年
東京都現代美術館の近くを流れる小名木川と隅田川が合流する場所の夕景を投影したもの。
それを知っても、夕景かどうかは、最後までわからずじまいでしたが (笑)
無性に心地良かったことだけは、確かです。
おそらく、 「1/fのゆらぎ」 か何かが関係しているに違いありません。
また、今回紹介されている作家の中で、
特に僕が心を奪われたのが、切手の作家として知られる太田三郎さんでした。
例えば、こちらの 《鉄腕アトム》 という作品。
《鉄腕アトム 頭部 2003年4月7日》 2003年 ©Tezuka Production
離れて見ると、鉄腕アトムの頭部です。
近づいて観てみると・・・
鉄腕アトムの切手で構成されていることがわかります。
それらの切手にはすべて消印が押されていますね。
ここが、この作品の一番のポイントです。
まず、太田さんは、首都圏に点在する郵便局の所在地を繋ぎ合わせ、アトムのシルエットを完成させました。
そして、それらに該当する郵便局に、アトム切手を送り、
アトムの誕生日となる2003年4月7日の午前にの日付印を押印してくれるように依頼。
こうして消印を押してもらった切手で、壁一面にアトムのシルエットを描き出していたのです。
なんと面倒な。。。
年賀状を十数枚送るのでもヒーヒー言っていた自分には、制作出来る気がしない作品です (笑)
今回の展覧会には、 《バードネット―世界はつながっている》 を含む、
左) 太田三郎 《バードネット―世界はつながっている》 2004年 撮影:岡部信幸
右)太田三郎 《バードネット―世界はつながっている》 2015年
さまざまなタイプの太田三郎作品が出展されています。
どの作品も発想が面白く、唸らされること間違いなしです。
ちなみに、今回の展覧会は、東京都現代美術館を飛び出し、
深川史料館通り商店街とも 「つながって」 いるのも見どころです。
商店街のいたるところに、出展アーティストの淺井裕介さんの作品が。
くわえて、伊藤久也さんによる 《みせ派》 というプロジェクトも展開しています。
いつもは、都営バスで東京都現代美術館を訪れている方にも、
今回に関しては、清澄白河駅で下車し、深川史料館通り商店街を通って行かれることをオススメします。
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未見の星座〈コンステレーション 〉 -つながり/発見のプラクティス
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