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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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都美セレクション 新鋭美術家2015

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昨年に引き続き、今年も東京都美術館では、 “都美セレクション 新鋭美術家” が開催されています。

昨年5月の “公募団体ベストセレクション 美術 2014” の出品作家約150人の中から、
審査員によって選ばれた、これからの活躍が期待される新鋭作家5名を個展形式で紹介する美術展です。
THE MANZAIに例えるならば。
“公募団体ベストセレクション 美術” が本戦サーキットで、
“都美セレクション 新鋭美術家” は、決勝大会といったところです。

昨年の “都美セレクション 新鋭美術家” は、80年代生まれの作家が多かったですが (5人のうち4人!) 。
今年の出展作家の中で80年生まれは、版画家の山田彩加さんただ一人でした。
この若さで、この表現力。
将来が非常に気になる版画家です。

山田彩加 山田彩加


残る4名は中堅作家、もしくは、ベテラン作家と言ってもいいような。
彼らが、果たして、新鋭美術家なのかどうかは悩ましいところですが、
結果的に、安定感のある展覧会になっていた気がしますので、観る側としては喜ばしいことなのでしょう。
星


今回紹介されている5人は、選抜されたメンバーだけあって、本当に甲乙つけがたいのですが。
あえて1人を選ぶなら、高松和樹さんの作品が特に印象的でした。

高松和樹  高松和樹


その唯一無二の作品世界に、ガツンとやられました。
描かれているのは、キャンバスではなく、ターポリン (運動会のテントなどに使われる素材だそうです) 。
そこに、3DCGで制作したイメージを野外用顔料でプリントし、
その上からアクリル絵具で筆を重ねて、奥行きをグラデーションで表現しているそうです。
パッと見た時は、

“(いい意味でなく) 東京モード学園のCMっぽいなぁ”

と思ったのですが。
向き合えば向き合うほど、その奥行きに吸い込まれそうになりました。
第一印象で受けるほど、軽い作品ではありません。
むしろ、世界観が丹念に構築された作品です。
僕が観ている作品は現実のものなのか、それともデジタルの世界なのか。
自分の足元が揺らぐような不思議な鑑賞体験は、展覧会を見終った今も、ハッキリ覚えています。
今回出展されている高松さんの作品は、個人蔵のものが多いそうで、
このようにまとまった形で、彼の作品が展覧できるのは、初めての機会とのこと。
必見です。

ちなみに、僕のお気に入りは、 《味付け》 という一枚。

マヨラー


街をマヨネーズで味付け中?
渡辺徹を凌駕するマヨラーです。


他にオススメなのが、日本画家の髙島圭史さんです。
髙島圭史さんの作品は、とにかく色が綺麗!
その一言に尽きます。

髙島圭史  髙島圭史


岩絵具の繊細な色合いは、実物でしか伝わりません。
実物は、上の画像の30倍美しいと思ってくださいませ。


それから、瀬島匠さんの超巨大な絵画も、

瀬島匠


田丸稔さんの馬と人が合わさった彫刻もインパクトがありました。

田丸稔  田丸稔


やはり、甲乙つけがたかったですね。
よく思い返してみたら、5人とも印象的な作家でした。


ちなみに、こちらの “都美セレクション 新鋭美術家” の観覧料は、500円となっていますが。
現在、絶賛開催中の “新印象派-光と色のドラマ” のチケット (半券可) を提示すれば入場無料とのこと。
お得です。




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