いつもはレンタルDVDで済ませていますが。
久しぶりに映画館にて映画鑑賞をしてまいりました。
5月9日に封切りされたばかりのあのアニメ映画です。
(C)2014-2015 杉浦日向子・MS.HS/「百日紅」製作委員会
■百日紅~Miss HOKUSAI~
監督:原恵一
声の出演:杏、松重豊、濱田岳
2015年/日本/90分
浮世絵師・お栄は、父であり師匠でもある葛飾北斎とともに絵を描いて暮らしている。
雑然とした家に集う善次郎や国直と騒いだり、犬と寝転んだり、
離れて暮らす・お猶と出かけたりしながら絵師としての人生を謳歌している。
今日も江戸は、両国橋や吉原、火事、妖怪騒ぎ、など喜怒哀楽に満ちあふれている。
恋に不器用なお栄は、絵に色気がないと言われ落ちこむが、絵を描くことはあきらめない。
そして、百日紅が咲く季節が再びやってくる、嵐の予感とともに……。
江戸の四季を通して自由闊達に生きる人々を描く、浮世エンターテインメント!
時を超えて現代へつながる人生讃歌の傑作が誕生しました。
(『百日紅~Miss HOKUSAI~』公式HPより)
「お栄 (葛飾応為) を主人公にした映画、
それもアニメ映画ということで、かなり期待していたのですが。
期待しすぎてしまったのでしょうか。
率直な観賞は、
“ふ~ん・・・・・。”
という感じでした。
レンタルDVDになるまで待てば良かったです (笑)
エピソードが断片的に描かれるので、
まるでチャプターを2、3飛ばしながら観ているかのような印象を受けました。
また、エピソードだけでなく、映画のテイストも断片的。
全体的には、ヒューマンドラマでありながら、時にラブの要素もあり。
その上、唐突にホラーの要素やSFチックな展開も挟まれます。
いきなり放られる展開に戸惑ってしまいましたが、それらが全く伏線になることはなし。
北斎の部屋同様に、全体的にとっちらかった映画でした。
とっちらかってはいますが、ストーリーの核となるものはあるにはありました。
それは、お栄と目の不自由な妹との交流。
けなげな妹と、妹思いのお栄のやり取りは、時にジーンとくるものがありましたが。
正直なところ、
「・・・・・でも、それって、お栄でなくてもよくない??」
とは思いました。
いや、姉妹の交流のエピソードに限らず、映画の全体を通して、
「これって、お栄でなくてもよくない??」
と思うことが、しばし。
主人公がお栄でなくても成立したお話であった気がしますし、
そもそも、主人公が浮世絵師でなくても、概ね成立するお話だった気がします。
気になったことと言えば。
劇場版 『クレヨンしんちゃん』 で数々のヒットを飛ばしている原恵一監督作品だったからでしょうか。
葛飾北斎のビジュアルが、ちょっと 『クレヨンしんちゃん』 の野原ヒロシっぽかったです。
あと、本編のなかでちょいちょいアクセントのように犬が描かれるのですが。
それが、どうにもあだち充っぽかったです。
一昔前のアニメを見ているような感じを受けました。
この映画を観て、お栄 (葛飾応為) の絵を観てみたくなる人は少ないのでは?
せっかくエンドロールで、太田記念美術館所蔵の 《吉原格子先之図》 が登場するのに、なんか残念です。
(星2つ)」
~映画に登場する名画~
《吉原格子先之図》
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Film:30 『百日紅〜Miss HOKUSAI〜』
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