東京都写真美術館で開催中の “幻のモダニスト 写真家堀野正雄の世界” を観賞してまいりました。
こちらは、新興写真 (※) の旗手として、
日本の近代写真の成立と展開を語る上で欠かすことのできない人物ながらも、
なぜか、今日まで評価や写真界での位置付けが不十分だったという堀野正雄 (1907~1998) の全貌に迫る写真展。
(※新興写真…1930年代に起こった日本写真史上の一大変革期のきっかけとなった芸術の表現運動)
堀野正雄の活動の幅は、とにかく広い!広すぎ!!
舞踏家の写真を撮ったり、
『主婦の友』 や 『婦人画報』 などの婦人誌に、モード写真を発表したり、
パソコンのない時代に、写真を切って貼ってレイアウトしたり (『グラフ・モンタージュ』 と呼ぶらしい)
横山大観を写したり。
…まぁ、横山大観はさておき。
戦前の日本において、
写真というメディアで、一体、何が出来るのかを、常に模索していた方だったのです。
そんな堀野正雄の代表的な作品が、
カメラ・眼×鉄・構成 (日本写真史の至宝)/堀野 正雄
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《カメラ・眼×鉄・構成》 という1932年刊行の写真集。
これは、当時、日本はもちろん世界でも画期的な ‘機械美を追求・表現’ した写真集だったそうです。
《カメラ・眼×鉄・構成》 にの中には、
上の 《優秀船に関する研究》 のように “機械萌え~” な写真がいっぱい。
ピッタリ80年経った今見ても、十二分に、機械美を感じられる写真ばかりでした。
戦前の日本に、こんなにカッコイイ写真集があったことを知れただけでも、1つ星。
ちなみに、戦前は写真家として、様々な実験をしていた堀野正雄。
戦後は、写真家として一線を退き、
ストロボのメーカーを設立し、その経営に専念したのだとか。
一時期ブレイクした芸能人が、
ある時を境に、芸能プロダクションの社長になった…みたいな感じでしょうか。
最後に。
今回展示されていた200点以上の作品の中で、一番のインパクト写真。
タイトルは、 《女学生の行進》 と、まぁ、普通なのですが。。。
全員ガスマスク!!
シュールな光景にも、ほどがあります(((;゚Д゚)))
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幻のモダニスト 写真家堀野正雄の世界
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