現在、東京ステーションギャラリーでは、
“交流するやきもの 九谷焼の系譜と展開” という展覧会が開催されています。
こちらは、北陸新幹線開業を記念して開催されているもので、
江戸時代より加賀 (石川県) で作られてきた九谷焼に焦点を当てた展覧会です。
正直なことを言いますと、会場を訪れるまでは、
「九谷焼かァ・・・ふ~ん・・・」
くらいにしか思っていませんでした。
これまでにも、産地は違えど、有田焼や鍋島焼といった磁器の展覧会を鑑賞したことはあります。
なので、まぁ、それらと大差はないだろうと。
しかし、展覧会冒頭から、思わず 「おっ!」 と引きこまれました。
イントロダクションとして、紹介されていたのは、九谷焼360年の歴史。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
昔から現代まで、ずーっとのほほんと九谷焼が作られてきたのだとばかり思っていましたが。
実は、九谷焼は、謎の多いやきもの。
そして、やきもの界一 (?)、波乱万丈な歴史をたどってきたやきものでもあったのです。
なぜ、わずか約50年で古九谷は突如として姿を消してしまったのか。
古九谷が廃窯してから約100年後に、加賀の人々はどのように九谷焼を復活させたのか。
九谷焼には、隠されたドラマがいっぱいありました。
そんな九谷焼の歴史をテーマにしているのが、今回の展覧会。
イントロダクションのあと、さらに詳しく、九谷焼の歴史が紹介されます。
章ごとに、キャプションや展示ケースの色が変えるなど、展示としての工夫が随所に見受けられました。
わかりやすく、かつ目にも楽しい展示空間となっています。
純粋にやきものが好きな方はもちろんですが、
やきものにそこまで興味が無い人でも、一つの工芸史、文化史の展覧会として楽しめるのではないでしょうか。
ちなみに、東京ステーションギャラリーといえば、煉瓦壁。
煉瓦壁と九谷焼は、マッチするのか、少々心配だったのですが・・・
率直な感想としては、マッチしなくもなくもない、という感じでした。
引き立てあうこともなければ、打ち消し合うことも無し。
個人的には、古九谷など江戸時代の九谷焼よりも、
現代の九谷焼として紹介されていた三代徳田八十吉の作品に惹かれました。
異様なまでの色彩美。
目の前にやきものとして存在しているにも関わらず、CGかと思いました。
ちなみに、展覧会では、板谷波山や富本健吉ら九谷で制作をした一流陶芸家の作品も紹介されています。
その中には、北大路魯山人の作品も。
ダイドーブレンドの缶コーヒーを連想せざるをえませんでした。
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交流するやきもの 九谷焼の系譜と展開
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