ちょっとだけ夏休み気分を味わうべく、軽井沢へとやってきました。
お目当ては、軽井沢千住博美術館。
日本画を革新するアート界のトップランナー・千住博さんの作品を収蔵展示する美術館です。
こちらの軽井沢千住博美術館を設計したのは、西沢立衛さん。
妹島和世さんとタッグを組むユニットSANAAで、
2010年に建築界のノーベル賞と称されるプリツカー賞を受賞した新進気鋭の建築界です。
外観に関して言えば、そこまで驚きはありませんでしたが。
ひとたび館内に入ると、そこには予想外の光景が!!
(注:この記事に使用している写真は、特別に軽井沢千住博美術館さんより提供頂いたものです)
一瞬、白樺の森にいるのかと思いました。
それくらいに、人工的な感じがしない空間です。
美術館の外よりも、むしろ中のほうが、自然を感じました。
ちなみに、美術館の床は地形に合わせて、ゆるやかに傾斜しているのだそうです。
おそらく、そのことが、自然を感じる一因になっているのでしょう。
これまで、実に多くの美術館を訪れてきました。
さらには、主催する建築ツアーで、たくさんの建築を鑑賞してきました。
なので、ちょっとやそっとの建築では驚かないと思っていましたが。
いやはや、まさか、これほどまでに軽井沢千住博美術館の建築で感動するとは。
今まで訪れた建築 (美術館も含む) の中でも、5本の指に入る名建築でした。
さてさて、冒頭から建築ばかり絶賛していますが、
こちらは、軽井沢西沢立衛美術館ではなく、軽井沢千住博美術館。
もちろん主役は、千住博さんの作品です。
実は、これまで千住博さんの作品を観て、あまり感動したことがなかったのですが (←おいっ!) 。
今回、軽井沢千住博美術館を訪れて、千住博作品の真の魅力に気づかされました。
千住博作品は、いい意味で主張していないのです。
館内に40点近く作品が展示されているにも関わらず、空間や空気に溶け込んでいた気がします。
かといって、個性が無いわけではありません。
その絶妙なバランスが、千住博作品の魅力。
建築の良さを最大限に引き立てています。
もし、伊藤若冲や横山大観の作品ならば、こうはいきません。
建築の良さを消してしまうことでしょう。
さて、現在開催中の “千住博の黄金の水展 ~ドーハ・アートプロジェクトの公開~” は、
そんな千住博作品のインテリアとしての魅力 (?) を紹介する展覧会です。
今年カタールの首都ドーハにオープンするモンドリアン・ドーハホテル、
その日本食レストランにおける千住博さんのアートプロジェクトにスポットが当てられていました。
《フォーリングカラー》 をはじめ、
《黄金の滝》 や 《タイドウォーター》 の原画が紹介されています。
これらの千住博作品で埋め尽くされた日本食レストラン。
いつか訪れてみたいものです。
・・・でも、ドーハは遠い。
訪れたくても訪れられない。まさに、ドーハの悲劇です。
ちなみに、軽井沢千住博美術館で是非訪れて頂きたいのが、
1995年のヴェネツィア・ビエンナーレ絵画部門で名誉賞を受賞した 《ザ・フォール》 が、
常設展示されている部屋。その名も、「The Fall room」 。
全体的に光が差し込む美術館とは対照的に、暗闇のような空間です。
そこに浮かび上がる巨大な 《ザ・フォール》 。
そして、作品の目の前には、水盤が広がっています。
一瞬、鍾乳洞の中にいるのかと思ってしまいました。
終始、自然を感じる美術館でした。
次回は、夏ではなく、冬に訪れよう。
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千住博の黄金の水展
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